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2021年10月29日

寺田農 60年役者遣っても思想は「アマチュア」と言い切る理由



 

 寺田農 60年役者遣っても思想は「アマチュア」と言い切る理由



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            筆者 菊地陽子 2021/10/29 11:30 10-29-22



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 映画「信虎」はTOHOシネマズ甲府で先行公開中 11月12日(金)からTOHOシネマズ日本橋他全国公開 (c)ミヤオビピクチャーズ 10-29-20

 
 喜寿の誕生日の直後に撮影された映画が1年遅れで公開される。家名を残す為に奮闘した武田信玄の父・信虎を演じた寺田農さんの軸には、家名や因習や常識に囚われ無い自由な人生観が在った。

                    *  *  *


 
 一昨年の11月7日 喜寿を迎えた。その直後に映画「信虎」の撮影の為に、約1カ月間、京都で過ごす事に為った。甲府開府500年を記念して公開される予定だった映画は、実業家で歴史美術研究家・茶人でも在る宮下玄覇さんがプロデューサーと為り脚本を書いた。寺田さんが演じるのは主人公の武田信虎。言わずと知れた武田信玄の父親で在る。

 「映画は、余りに史実に忠実過ぎても詰まら無い。僕が思うに、面白いか・泣けるか・笑えるか・感動させられるか・訳が判ら無いけど面白いか・・・そのドレかじゃ無いとダメなんです。だからこの映画も、史実から如何人間ドラマを盛り上げて行くかは、金子(修介)監督や宮下さんとも色々話しました」

 少しイレギュラーな成り立ちの映画だが、寺田さんが一番驚いたのは、今回撮影をしたロケ場所と、ソコに用意された本物の美術品の数々だった。

 「長い俳優生活で僕が一回も行った事が無い寺ばかり。しかもソコには、本物の美術品や太刀・鎧兜に茶器等が用意されて居た。僕は、父が絵描きだった事も在って、美術品を見るのが好きでね。
 コロナに為って映画の公開が1年遅れたけれど、逆に、信玄公生誕500年に重なった。それはラッキーだったんじゃないかと思いますネ」


 今年、寺田さんは役者生活60周年を迎えた。早稲田大学在学中に文学座に入団。同期は岸田森さん・橋爪功さん・樹木希林さん・北村総一朗さん等、錚々(そうそう)たるメンバーが揃って居た。
 映画やテレビにも積極的に進出しながら、70代も終わろうとして居る時期に映画で主演を務めた。キャリアは華々しいが、当の本人は、サラリと「照れでも何でも無く思うのは、私何て役者としてはアマチュアなんだね」と言う。

 
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             寺田農(撮影 写真部・高野楓菜)10-29-21

 「テクニックやキャリアより、思想と云うか思いがアマチュアなの。何かが終わると直ぐ『次に何か面白いもの無い?』って為っちゃうから。『信虎』のパート2を遣りませんかと聞かれても、同じ事する位なら何か他の事をしたいと思う。若い頃からソウでしたね」

 寺田さんの終生の師匠は、付き人を務めた事も在る三木のり平さんである。のり平さんの脚本を書いて居た小野田勇さんは、大層遅筆で当日に為ら無いと脚本が出来無い事はしょっちゅうだった。

 「俺は、稽古とかリハーサルが嫌いなんです。森光子さんの『放浪記』も、のり平さんが演出だったから4カ月興行に2回出演した事が在ったんだけど、のり平先生も稽古が嫌いなのに森さんは好きでサ。
 俺は、セリフを覚えると飽きチヤウ。覚えた後は段取りだけに為っちゃうから、新鮮じゃ無く為るのが嫌なんです。『のり平劇団』では、行き成りブッツケで何十年も遣って来た。今でもリハーサルは嫌いテストも嫌い。元気が在るから最初が一番!」


 飽き性なのは子供の頃からだ。父親が画家だった所為か寺田家は自由放任主義。その父は11人兄弟で従弟は24人居たが、農少年を除く23人が女性だった。

 『一族で足った一人の男の子だったから、蝶よ花よと育てられてコンナに為っちゃった』と母親が好く嘆いて居た(笑)自分でも、性格に欠陥が在るんじゃ無いかと思う程、物事を深く考えるのが苦手です。ドッかで冷めちゃう。嫌いな言葉は、努力と忍耐。歯を食い縛るとか性に合わ無い。サラッと行きたいんですよ全てに」

 自分に取って何が心地好いかを把握して居るだけで、人の遣り方を否定して居る訳では無い。子供の頃から好奇心旺盛な寺田さんは、新鮮さとか驚きが仕事をする上での一番の楽しみなのだ。

 「芝居だって、人間が生きて居るそのスピードの中で生まれるもの。だから、毎回何が出て来るか判ら無い事が面白い。ソーマイとは、だからソコが一番合った」

 その殆どの作品に出演した盟友・相米慎二監督の事を、寺田さんは親しみを込めて「ソーマイ」と呼んだ。相米監督の対極に在るのが実相寺昭雄監督だったと云う。

 「実相寺は『そこはダメ、2ミリ前、瞬きしない・息を止めて』と、マルでレントゲンでも撮ってる様な細かい指示を出す。でも、ソレは実相寺の世界だから。実相寺の映画の中では俺は『役者は動く小道具』って好く言ってたんだけど、その指示に依ってドンな世界を見せて呉れるかに興味が在った。
 アレだけの作品を残しながら、当時、彼を嫌う女優さんは一杯居たよ。でも、そんな事でオファーを断るのは勿体無い。テレビの演出家でも映画の監督でも『芝居が判って居る』なんて人は居ないんだから。ソーマイだって判って無かったと思う。結局『こうじゃネェよな』『アアじゃネェよな』と遣りながら考えるのが正解なんです」


 子供の頃から今の今迄、日々楽しく幸せに暮らして居る。悩んだりクヨクヨする事は無い。

 「私はね、蠍座(さそりざ)の午年(うまどし)のB型なの。詰まり、何か始めると物凄くシツコイけど、サソリから馬に為ると突然飽きちゃう。序にB型の好い加減さが根幹に在ります(笑)
 そりゃ振り返って観ればね『生まれてこの方、恥ずかしい事の連続だった』と云う言い方も出来ますよ。若い時ナンか、平気で遅刻して沢村貞子さんに怒鳴り着けられて土下座したり。そんなの山の様に在るよ。でもその時もメゲナイの・心に傷が着か無いの。だからストレスが無いんだネ」

 
 お酒に纏(まつ)わる失敗も数知れず。相米慎二監督や実相寺昭雄監督と組んで居た頃は、毎晩浴びる様に飲んで居た。


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                 『冬の華』10-29-24


 「でも一番の失態は、初めて高倉健さんの映画に出演した時。降旗康男監督の『冬の華』(1978年)と云う作品でした。健さんと云えば、我々の時代でも憧れの大スターですよ。共演出来ると云うだけで舞い上がった。
 イヨイヨ明日健さんと2人のシーンが在ると為ったら、流石の俺も『早く寝て、明日に備えねば』ナンて思っちゃってさ。それにはチラと飲んだ方が好いだろうと。チラと飲んだら朝の5時位に為っちゃった(笑)」


 酒と、何故かニンニクの臭いをプンプンさせて撮影所に行くと、スタッフは大騒ぎに。「健さんはニンニクが嫌いだから、りんごを食べて臭いを消せ!」等、様々な怒号が飛び交った。

 「気持ち悪いから、セットの脇で死んだ様に横に為って居たら、遥か向こうから『アラビアのロレンス』のオマー・シャリフの様に、黒ずくめの男が走って来るじゃありませんか。『ア』って、幻を見た様な気持ちで居たら、その男は、俺の前でピタッと止まって『高倉です、よろしくお願いします』と挨拶されたんです。
 俺は立ち上がる事も出来ずに『は〜よろひくおねがひしまふ』みたいな・・・撮影が始まって、一応『スミマセン、酒とニンニクの臭いが凄くて。高倉さんはニンニクがお嫌いだそうで』と謝ると『嫌、大丈夫です、自分、ニンニク、好きです』みたいな事を言われて」


 撮影最終日、当時の健さんのマネジャーが寺田さんに「この後ご予定在りますか?高倉が一緒に食事したいと申して居ります」と告げた。


 「それで、健さんの知り合いのステーキハウスに行って。『寺ちゃんは、お酒飲むからね。何でも好きなものを』とご馳走して下さって。
 たばこを吸わない健さんの前で、俺はパカパカ吸って。それから結構一緒に映画を遣らせて貰いました。何を気に入って下さったのかは判りませんけど、マァ、最初から、カッコ着ける事が無いんだから。それが良かったのかナァ」



 菊地陽子 構成 長沢明


 寺田農(てらだ・みのり)1942年生まれ 61年文学座附属演劇研究所に第1期生として入所 日本テレビ系の青春シリーズに出演し注目される 68年岡本喜八監督「肉弾」に主演 毎日映画コンクール男優主演賞を受賞 85年相米慎二監督「ラブホテル」でヨコハマ映画祭主演男優賞を受賞 スタジオジブリ作品「天空の城ラピュタ」のムスカ大佐役としても有名 2008〜12年 東海大学文学部の特任教授を務めた 



 〜管理人のひとこと〜

 この人の名前の「寺田農」と出て来ると必ず何と呼ぶのかを考えて数分過ぎてしまう。時には「みのり」と思い出す頃には作品が終わってしまう。「耕」と書いて「たがやす」と読む友人が居て、寺田氏と友人の顔が重なって思い出して仕舞う・・・これが既に癖に為って居る。渋い脇役の専売特許の様な俳優さんで、悪役から善人迄幅広い芸域を誇る人だ。
 この人自身を主人公にした作品も面白いかも知れ無い。自由奔放でそれで居てB型の好い加減さや真面目さ・限の無い探求心の女好き・・・生まれた頃より現在迄の人生そのものが多くの人の好感を呼ぶかも知れない。

















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