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2021年10月24日

財政出動しても景気が好く為ら無い 根本的な理由とは?



 財政出動しても景気が好く為ら無い 根本的な理由とは?


 10-24-5.png  10/18(月) 6:31配信 10-24-5



     10-24-6.jpg

 記者会見で衆院選公約を発表する自民党の高市早苗政調会長 与野党の公約には特別給付金等のバラマキ政策が並んで居る(写真・時事通信)10-24-6


 〜衆院選に向けて、与野党から財政出動の提案が続々と出て居る。特別給付金の支給や需要を喚起する投資など、財政出動して景気を好くしたいらしい。ソモソモ、それを実現するには〔乗数効果〕が大きい事が前提だから〜


             10-24-3.jpg        

          文章 土居 丈朗 慶應義塾大学 経済学部教授 10-24-3

 土居 丈朗 Takero Doi 研究主幹 1970年生 1993年大阪大学経済学部卒業 1999年東京大学大学院経済学研究科博士課程修了 博士(経済学) 東京大学社会科学研究所助手 カリフォルニア大学サンディエゴ校客員研究員 慶應義塾大学准教授等を経て2009年4月から同大学経済学部教授
 税制調査会委員、行政改革推進会議委員、社会保障制度改革推進会議委員、財政制度等審議会委員、国税審議会委員、中央環境審議会臨時委員、産業構造審議会臨時委員、東京都税制調査会委員、大阪府特別顧問、大阪市特別顧問も兼務
 著書『地方債改革の経済学』(日本経済新聞出版社)で2007年に日経・経済図書文化賞とサントリー学芸賞を受賞 【兼 職】慶應義塾大学経済学部教授



 ■乗数効果とは何か?  

 財政支出の〔乗数効果〕とは、財政支出の追加的な増加に伴いGDP(国内総生産)が追加的に増える効果で在る。財政支出を追加的に1兆円増やした時にGDPが追加的に3兆円増えれば、財政支出の乗数は3と為る。
 乗数効果が大きければ大きい程、財政支出を増やせばそれだけ大きくGDPは増える。乗数効果の背景には、次の様な人々の経済活動が想定されて居る。  

 政府が財政支出を行うと、その政府が発した注文を受ける民間企業等の仕事が増えてその分GDPが増える。公共事業等は典型的で、政府が公共事業を発注すると民間企業がその工事を受ける事でGDPがその分増える。
この効果は更に続く。
 財政支出を受け取った受注企業は、従業員へ働きに応じて給料等で分配する事に為る。分配を受けた従業員は所得が増える。そして、その従業員が今度は消費者としてモノやサービスを買えばそれだけ民間消費が増えてその分GDPが増える。
 更に、そこでモノやサービスを売った企業の従業員の所得が増えるので、その人達が消費者としてものを買えば、それだけ民間消費は増えてその分GDPが増える。  

 こうした経済活動が循環して際限無く繰り返される事で、最初に出した財政支出の金額を超える程にGDPが増える。これが〔乗数効果のメカニズム〕とされる。追加的に増えた所得の内、追加的に消費に回す割合を〔限界消費性向〕と呼ぶ。限界消費性向を〔c〕と表し、財政支出をΔGだけ増やした時に、どれだけGDPが増えるかをみると、

   ΔG+cΔG+c2 ΔG+c3 ΔG+・・・= (1/1-c)×ΔG  

 と為る(cは0と1の間の値) コレは、高校数学での〔無限等比級数の和〕に基づいて導出されて居る。上の式に当て嵌めてみると、例えば限界消費性向(c)が0.8で在れば、財政支出を1兆円追加するとGDPは5兆円増える事に為る。詰まり〔1/(1-c)〕が乗数効果の大きさを意味する。但し、此処では金利が全く上昇し無い場合を想定して居る。

 ■現実は、教科書通りでは無い  

 ケインズ経済学の教科書では、乗数効果を以上の様に教えて居る。処が、現実にはそうは為ら無い。  

 先ず、前述の財政支出はGDPを直接増やす効果の在るもので無ければ為ら無い。具体的に云えば、公共投資や政府が行政サービスを提供する際に必要な物品の購入(専門用語では政府最終消費支出)で在る。  
 給付金の支給はGDPそのものを直接増やすものでは無い。給付金そのものは、お金が政府を介して右から左へと流れるだけのもので在って、付加価値(生産)を生み出すものでは無いからだ。
 
 だから、給付金を支給する為らば、前掲した数式の冒頭のΔG(財政支出が直接GDPを増やす効果を意味する)は、その効果が無く為る事に為る。そして、給付金を受けた国民は、その全額を直ちに消費に回すのでは無く〔限界消費性向の割合〕だけ消費に回そうとする。  
 これにより、給付金の支給を追加的にΔGだけ増やした時の最初の経済効果は、給付金を受けた国民が限界消費性向の割合だけ消費に回して〔cΔG〕だけGDPが増えると云う効果と為る。

 その後は、前述した様な所得の増加と消費の増加が繰り返される効果が出る。従って、給付金増額の乗数効果の大きさは、前掲した数式の冒頭のΔGだけ効果が無く為る事を踏まえてc/(1ーc)(=1/(1ーc)ー1)と為る。
 詰まり、前掲の例で云えば、限界消費性向が0.8為らば、給付金の支給を1兆円追加すると、GDPが増えるのは4兆円と為る。

 ■実際の乗数効果はもっと低下する  

 加えて、乗数効果の前述の説明には現実離れした処が在る。前述の説明では、財政支出が一度出されると、その後所得の増加と消費の増加が際限無く繰り返されて乗数効果が起こるとされる。しかし、現実には、1年間と云う短い期間で際限無く繰り返される程取引が頻繁に行われる訳では無い。
 特に、財政支出の影響で売り上げが急に増えたからと云って、企業が増えたその月から直ちに給料を上げる事はしない。一般的には、年2回程のボーナスか年1回の昇給等に依ってしか、従業員には分配され無いだろう。それ迄の間は、財政支出に端を発した資金が企業に渡っても従業員には渡ら無い。
 
 すると、財政支出の影響で売り上げが増えた企業が、ボーナス等で従業員に分配するとしても、半年に1回程度と云う頻度と為る。そして、これに依って所得が増えた従業員が消費を増やしたとして、その消費の増加の恩恵を受けた企業も又、その従業員にボーナスや昇給で分配するにしても、半年に1回程度と云う頻度でしか分配しない。
 ボーナスや昇給と云う形で、従業員へ分配される機会が年に2回と云う頻度だとすれば、前述の説明の様な、所得の増加から消費の増加への循環が際限無く繰り返される効果は起き得無い。しかも、将来不安等で消費者が所得が増えてもそれを直ちに消費には回さ無いと為ると、限界消費性向は小さく為り、猶更乗数効果は小さく為る。

 以上を踏まえれば、限界消費性向が0.6で在ると、1年の上半期に政府が給付金の支給を追加的に1兆円増やしたとして、受給した国民が消費を増やしこれに伴い売り上げが増えた企業が年の下半期の給料を上げて所得が増えた国民が消費を増やしたら、この時の乗数効果は 0.6+(0.6)2=0.96と為って1を下回るのである。  
 つまり、仮に政府が給付金を1兆円増やした処で、その6割を消費に回すとしても、従業員の給料が半年に1度しか増え無ければ、乗数効果として所得から消費への循環が回らず、GDPは0.96兆円しか増え無い事さえ起こり得るのだ。  

 給付金を追加的に支給しても、その金額を下回る額しかGDPが増え無い事コソ、正に矢野康治財務事務次官が月刊誌で「10万円の定額給付金の様な形でお金をバラ捲いても、日本経済全体としては死蔵されるだけだ」と記した現象を表して居る。
 ケインズ経済学の教科書で云う乗数効果は、所得から消費への循環が際限無く繰り返される事を想定して居るが、実際には1年間でそれ程頻繁に循環しない。ソコに、乗数効果が大きく為ら無い根本的な理由が在る。

 ■国債増発に依存するデメリット  

 増してや、財政出動の財源を国債の増発で賄う事に依って、その返済に伴う将来の負担増を国民に惹起させれば、消費者はその負担増に備えて逆に今の消費を減らす事さえ在る。経済学では、この効果を非ケインズ効果と呼ぶ。非ケインズ効果が生じると、国債増発に依る財政出動は返って現在の消費を抑える事に為る。 
 確かに、低所得者等に限定して給付金を配る事で、GDPの増加よりも所得格差を是正し様とする考え方も在る。只、その給付金の財源を国債増発で賄えば、それは富める者から貧しい者への再分配では無く、低所得者を含む将来世代から現在の低所得者への再分配と為って居る事には注意が必要だ。

 再分配をより鮮明に行う為らば、今の低所得者への給付金の財源を今の高所得者への増税で賄うべきだろう。
財政出動に依る乗数効果は、捕らぬ狸の皮算用に為ってはいけ無い。財政出動に依って景気が好く為る事への過度な期待は辞めるべきだ。真に持続的な経済成長に繋がる政策を、財政支出を伴わ無いものも含めて実行する事で、中長期的な所得の増加は実現する事が出来る。



           10-24-7.jpg      

            土居 丈朗 慶應義塾大学 経済学部教授 10-24-7




 〜管理人のひとこと〜

 最近の新しい経済学では、土居 丈朗氏の云う「財政出動の財源を国債の増発で賄う事に依って、その返済に伴う将来の負担増を国民に惹起させれば、消費者はその負担増に備えて逆に今の消費を減らす事さえ在る。経済学では、この効果を非ケインズ効果と呼ぶ」との言葉を否定するだろう。
 詰まり〔国債=国民の借金〕では無く〔国債=国民の資産〕と考え、国債とは〔政府が日銀・国債保有者への借用書の役割〕しか為らず、返済する事に依り帳簿上の数字が移動するだけだ・・・と為る。詰まり(紙幣を増刷して)帳簿上返済し続けても何ら支障は無い・・・との考えである。
 この根本的解釈が異なれば、一切の議論が嚙み合わ無い不毛な論争としか為ら無い。更に、国債残高から国・政府の資産総額を引くと1年のGDPを下回る額で在り、日本は〔借金大国では無く最優良国〕で在るとの評価も存在する。国債は国民の借金では無く国民の資産なのだ・・・コレだけは押さえて置きたい。給付金を消費に回さず貯蓄する家庭がどれ程居るだろうか? そして、それが何時迄続くだろうか?・・・



















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