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2021年10月03日

年金の基礎知識 年金の賢い選択



 年金の基礎知識 年金の賢い選択


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         安心な老後の生活を手に入れよう 10-1-30


 お金の貯め方 使い方 資産運用  How to guide 005  2019.08.29 

 国の年金は本当に〔100年安心〕? 

 2020年改正でこう変わる!


 Text by  GOLD PRESS 編集部 GOLD PRESS Editors


 「2000万円不足」問題で注目を集める国の年金制度

  2019年は5年に1度の見直しの年 

 どんな改正が行われるのでしょうか。金融庁審議会の報告書に端を発した「年金2000万円不足」問題が大きな広がりを見せて居ます。将来どれ位年金を貰えるのか、不安を感じて居る方もいらっしゃる事でしょう。
 日本の年金制度は、現役世代の保険料で退職世代への給付を支える〔世代間扶養〕方式を採用して居ます。今は現役世代2人強で1人の受給者を支えて居ますが、少子高齢化の進行で2050年には1.3人で1人を支える構造に為ると予測されて居ます※1。この数字が発表された頃「本当にそれで大丈夫なの?」と制度への信頼が根底から揺さぶられた事が在りました。

 ※1 出典 経済産業者「2050年までの経済社会の変化と政策課題について」 

 小泉改革で〔100年安心〕?

 しかし、こうした危機的な状況を受け、2004年に当時の小泉純一郎政権が大胆な年金制度の改革を断行しました。現役世代への保険料を上限付きで引き上げると同時に、リタイア世代への給付を抑えるシステム(マクロ経済スライド)を導入したのです。
 今話題に為って居る「100年安心の年金制度」と云う言葉は、この時に坂口力厚生労働相(当時)が発言したものです。

 そして15年後の現在、年金制度は実際〔非常に危機的な状況〕からは脱して居ます。背景には近年、企業に65歳迄の雇用延長が義務付けられ、60代前半の厚生年金加入者(保険料の担い手)が急速に増えて居る事が在ります。
 とは言え制度自体は定期的な〔メディカルチェック〕を継続する必要が 、5年に1度見直し(財政検証)が実施されています。2019年はまさにその見直しの年に当たるのです。見直しの結果を受けて新たな制度改正が実施されるのですが、次回改正の目玉が、年金を受け取り始める年齢を最長75歳まで後ろ倒しできるようにすることです。

 75歳受給開始で年金額が倍に!?

 国の年金は「65歳」をスタンダードに、60〜70歳の間で受給開始のタイミングを選べる様に為って居ます。65歳より前に受け取る事を「繰り上げ受給」 66〜70歳迄延ばす事を「繰り下げ受給」と呼びます(図T)


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        (図T 受給開始年齢に応じた年金の受給金額の変化)10-1-31


 繰り上げ受給は年金を早めに貰える半面、1か月繰り上げる毎に年金額が0.5%カットされ、60歳から受け取ると本来の65歳スタートの時の70%迄減ってしまいます。一旦手続きをすると途中で撤回出来無い為、年金は生涯減額されたママです。
 これに対し、繰り下げ受給では1か月に付き0.7%、1年で8.4%の年金額が上乗せされます。70歳迄繰り下げると、年金額は65歳スタートの時に比べて42%アップし、増えた年金額が一生続くのです。

 次回の年金制度改正では、この繰り下げ受給が可能な期間が5年間延長される事に為ります。最長75歳迄後ろ倒しした場合、年金額は何と65歳スタートの時の2倍に為る方向で検討されて居る様です。
 一見すると〔人生100年時代〕の老後対策として非常に心強い改正の様に思えますが、一方で、現在の日本人男性の平均寿命は81.09歳※2と云う厳然たる事実が在ります。人によっては、繰り下げ中に亡く為ってしまう可能性もゼロでは在りません。一概に「繰り下げ受給がお得」とは言い切れ無いのです。


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            ※2 出典:厚生労働省「平成29年簡易生命表」
           https://www.mhlw.go.jp/toukei/saikin/hw/life/life17/dl/life17-02.pdf 



 働く60代にも有利な改正が!

 サテ、現状働きながら国の年金を受け取って居る方には「在職老齢年金」の制度が適用されて居る可能性が在ります。
 @毎月の給与 A年間の賞与(ボーナス)を12で割った金額 B1か月当たりの厚生年金の金額の @ABの3つの合計が60〜64歳は28万円 65歳以上では47万円を超えると、オーバーした分の2分の1に相当する年金の支給が停止されてしまうと云うものです(図U)

 この在職老齢年金に付いても、次回改正で「廃止」も視野に入れた大幅な見直しが行われる予定です。15〜64歳の生産年齢人口の減少が止まら無い今「元気なシニアには出来るだけ長く働いて貰いたい」と云うのが国の本音です。

 「60歳を過ぎても在職老齢年金を気にせず、ガンガン稼いで下さい。そして、働いて居る間は年金の受給を繰り下げて置けば、将来貰える年金額が大幅にアップするので完全リタイア後も安心ですよ!」

 次の年金改正案からは、そんな国が描く〔シニアの近未来図〕が見て取れます。しかし、必ずしも定年後も働きたい方ばかりでは無い筈です。「趣味を極めたい」「大学で学び直したい」「海外でボランティアをしたい」等、体が元気な内に会社員時代には出来なかった事にチャレンジしたいと考える方は少なく無いでしょう。体調が思わしく無く、働き続けるのは難しいと云う方も居るかも知れません。

 そう云う方に取って、70代迄働くと云うのは或る意味〔最後の手段〕です。定年後の生活の選択肢や自由度を確保する為には、現役時代から国に頼ら無い「自分年金」を積み増して置く必要が在ります。
 幸い今は、積み立てNISAやiDeCo(個人型確定拠出年金)等、老後資金作りを見据えた税制優遇制度も充実して居ます。こうした制度を活用した自分年金の作り方に付いては、後編で詳しくご説明します。


 V. まとめ

 T.年金制度は危機的な状況を脱し、5年に1度の検診を実施中
 U.2020年改正で「75歳受給開始」なら年金額が倍に為る!?
 V.定年後の選択肢や自由度を確保するには「自分年金」が必要


 Text   森田聡子 Illustration   ミツミマリ infographics 宮井智恵子



 〜管理人のひとこと〜

 男性の平均寿命は81.09歳と云う厳然たる事実・・・と在る様に、折角永年積み立てた年金を使わずに・・・と云う様な事の無い様、早めに使うべきだとの意見が多い様です。元気な内は短時間の仕事をするのも好いでしょうが、出来るなら自分の為に貴重な時間を使いたいものです。
 農業・趣味や勉強・旅行・友人との交際・・・無理に嫌な事をせずに気楽に過ごす時間も必要です。充実した満足な生活を持つ老人コソ尊敬もされるでしょう。













  





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