2021年09月22日
峰なゆかと紗倉まなが語る AV業界の裏側
「潮は、 ホボ尿」と言ったら叱られた・・・
峰なゆかと紗倉まなが語る AV業界の裏側
峰 なゆか
紗倉まな プロフィール 漫画家 女性の恋愛・セックスに付いての価値観を冷静かつ的確に分析した作風が共感を呼ぶ 『アラサーちゃん 無修正』(全7巻扶桑社)と『アラサーちゃん』(KADOKAWA)はシリーズ累計70万部超のベストセラーに 近著に『AV女優ちゃん』(扶桑社)『痴女レッスン』(原作・乃亜 集英社)
AV業界の実態を描いた漫画『AV女優ちゃん』(扶桑社)が、その赤裸々過ぎる内容で話題を呼んで居る。作者は、ドラマ化もされた人気漫画『アラサーちゃん 無修正』(同上)で知られる漫画家の峰なゆかさん。2000年代にAV女優として活動して居た自身の経験を元にした半自伝的作品と為って居る。
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AVはファンタジーだと判って居ても、ソコにリアルを見てしまう男性は少なく無い。そんな男達の幻想に、AV女優はどう向き合って居るのか。峰さんと、現役のAV女優で在り、小説家としても注目されて居る紗倉まなさんの二人が「AV女優の本音」を明かして呉れた。
紗倉まなさん(左)と峰なゆかさん 9-20-11
構成 アケミン 写真 福本邦洋
現役女優からは「批判されると思ってた」
峰なゆか(以下・峰) 漫画『AV女優ちゃん』は、現役の女優さんからは怒られたり、批判されるだろうなと思って居ました?
紗倉まな(以下・紗倉) エ!? 私としては、普段、自分では言い辛かった事を峰さんが的確に表現して呉れて居たので「皆、思って居る事は一緒なんだナ〜」と楽しく読んで居たんですけど・・・実際に批判めいた声も在るんですか?
峰 在りますネネ〜好く在るのが〔潮吹き〕問題。勿論本当に潮を吹いて居る人も居る一方で、超大量に噴射するシーンでは、ホースみたいな小道具を使う事も在るじゃないですか。でもそれを言うと結構怒られますね。
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紗倉 「AVは、飽く迄ファンタジーとして見てるのに、敢えて舞台裏を明かすな」と云う事ですかね。実は私にも似た様な経験が在りますね。初めて撮影で潮吹きをした時、目茶目茶オロナミンCを飲んで現場に行ったんです。
そうしたら、白い絨毯にオロナミンC色の液体が飛び散って居て・・・後日そのエピソードを絡めて「潮は、ホボ尿ですよ」と言ったら、別の女優さんに「そんな事言うべきじゃ無い!」と叱られた事が在りまして。
峰 キッとその女優さんからしたら「うち等の商売の邪魔すんな!」と云う気持ちナンでしょうね。でも実際の処、紗倉さんが「私の潮は、オロナミンCでした」って言った処で、その女優さんのギャラが下がる事は無い訳で(笑)
同じ様に私がこの漫画で、AV業界に付いて色々と描いたからと云って「AVってファンタジーだから見るの、ヤ〜メタ!」と言う人ナンて居ないだろうし、業界の売り上げだって変わら無いと思うんですよ。
紗倉 正に。キットとそれは各々の「正義故の圧」ナンでしょうね。「私はこう云うスタンスが正しいと思って遣ってるのに、何で!」って。峰さんは、そう云う意見を目にした時、傷つくタイプですか?
峰 申し訳無いとは思いますが傷つか無いですね。だから正義を押し付けられた処で「描くのを辞めます」とも為ら無いです。
「セフレ」はOKなのに「彼氏」はNGのナゾ
峰 「AVとファンタジー」と云えば、現役時代から不思議だったのが、AV女優の恋愛に付いて。AV女優って「今、何人セフレが居ます!」とか「今月何人としました!」って話はして好いのに「今、彼氏が居ます」とは絶対に言え無いじゃないですか。
紗倉 コレって本当に不思議ですよね・・・AVでは、濃厚な接吻をしたり玩具を使ったり、それ以上の激しい行為をして居るのに、恋愛面では清純さを求められる。
峰 セフレは居てOKだけど彼氏が居たらダメ。熟女女優なら夫が居ても好いけど、長年セックスレスで欲求不満で無きゃダメ。
紗倉 許される境界線がバグって居ますよね。「コレは好いのに、何でアレはダメなの?」と一つずつ理詰めにして行ったら絶対に皆黙っちゃう(笑)
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峰 現役時代には、自宅で他撮りの写真をアップすると「コレ誰が撮ったの?」とツッコミが来るし、私自身も背景に男の影が映り込んで居ないか隈無くチェックして居ましたね。クリスマスイブの数日前には、親しい女優さんとご飯をして、その時に撮った写真をイブ当日に「今日は、女同士で寂しくクリスマスパーティーしてまぁす(ハート)」とブログにアップをした事も在ります。当時はブログだったけど、今の女優さんはSNSでそう云う事はしないんですかね?
紗倉 私は、特に疑われる様な事が日常に無いんですが、ムダなツッコミを受け無い様には気を着けて居ますね。例えファッションリングで在っても「指輪は薬指に着け無い」とか(笑)
峰 指輪カア〜。私が高校生の頃にも「花の髪飾りを左に着けて居たら、彼氏募集中のサイン」と云うアホみたいなギャル文化が在りましたね。
紗倉 ヘェ〜あのハイビスカスみたいな奴ですよね、知ら無かった! 指輪も髪飾りも、何も知らずにウッカリ着けてたら、それはそれで恥ずかしいですね(笑) 何れにせよ一部の熱心に応援して下さって居るファンの方々は、一寸した事でメッセージ性を感じてしまうから、AV女優も恋愛禁止を強いられるアイドル文化の延長線上に居るんだなと思います。
AV女優のフィジカルの強さは才能
紗倉 『AV女優ちゃん』には、撮影現場でのエピソードも沢山出て来ますネ。
峰 そうそう聞きたかったんですけど、紗倉さんは、股間は強い方ですか?
紗倉 昔は、何時間でもドンな体位でも熟せて居たんですが、最近は偶に切れてしまう事も在りますね。そう云う時は、馬油を塗り込んで凌いで居ます。
峰 股間の強さって、AV女優としての才能だと思うんです。そして私に関して言えば、直ぐに痛く為るタイプだったので余り才能が無かったかな。私は膣も痛く為ったし、撮影後には必ず高熱を出して寝込んで居ましたね。AV女優って肉体労働だし、私は自分の体力を超える作業量をした結果、熱を出して居たんだなと思います。
紗倉 肉体労働に向いて無かった。
裸に為って気付いた事
峰 裸に為る事に付いて言えば、私は自分のカラダは大好きだし「私はコンナに金に為るカラダをして居て、それを彼氏にしか見せ無い何てアホ!」位に思ってるんですよ。だから未だにSNSでも見せびらかして居ますし。セックスでも裸でも、才能が在るなら出した方が好い。紗倉さんは、そう云う風に思った事は無いですか?
紗倉 私は、自分の裸やセックスをイケてると思った事は無くて。只昔、銭湯で母親が私の裸を見て「結構好いね!」と言って呉れたのは覚えて居ます。勿論それが大きな理由に為ってAV女優に為ろうと思った訳では無いのですが。
只結果としては、私は裸を見せる事に恥ずかしさは感じ無かったし、AVやグラビアで自分の裸を記録に残す事で、客観的に自分のカラダを見られる様に為って来ました。何より「此処は次からはコウしよう、アアしよう」と具体的に考える時間が好きなんですよね。
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峰 アア・・・それが才能ですよ。出来る女優さんは常日頃「こう云う時はこうしよう」と考えて居ますよね。紗倉さんは、お母さんに銭湯でカラダを褒められた事で「自分の価値」みたいなものを認識したんですか?
紗倉 母の褒め言葉を鵜呑みにはしませんでしたが「認められた」と云う実感を得たのはAV業界に入ってからですね。AVの世界って、胸で云えば巨乳から微乳迄、スタイルもポッチャリからスレンダー迄、求められる幅が広くてとても寛容だと思うんです。マルで「どの女の子も価値が在るんだよ」と言って呉れて居る感じがするし、自分でも何が求められて居るのか徐々に把握出来る様に成りましたね。
峰 AV業界ってネガティブな側面で語られ勝ちですが、そう云う細かいポジティブな面が案外在りますよね。
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峰 正に、撮影前に「現場、行きたく無いな」と云うのも、別にメンタル的に病んで居る訳じゃ無くて、炭鉱の人が「今日は穴を掘る仕事か・・・嫌だな」と云うのと同じ。私に取っては、裸に為る事以上に肉体労働をする方がハードルが高かったんだと思います。
紗倉 その感覚、凄く判ります。私も裸を見せる事に対して、周囲から「何でそんな事が出来るの!?」と言われるんですが、実は大変なのはソコじゃ無くて。常にベストコンディションをキープし続ける肉体労働的な側面の方がハードルが高い様に思えます。
「誇りを持ってます」とAV女優が言う事への違和感
峰 この間、友達に「パン屋は『自分はパン屋で在る事に誇りを持ってます!』ナンてワザワザ言わ無いのに、何でAV女優は『プライドを持ってこの仕事をして居ます!』って言うの?」と言われたんです。それを聞いて妙に納得してしまったんですよね。
紗倉 そうですよね。同時に「この仕事、誇りを持って遣ってます!」と言えば「そんな事言うナンて、ププ〜」「エ〜引くわ〜」と揶揄する人も居る。AV女優に意思が在る事自体が気に入ら無いのも在るだろうし、此方は職業を馬鹿にされたから言っただけなのに、言う事で余計に馬鹿にされてしまったりして、悪循環なんですよね。
峰 そして何も言わ無かったら言わ無かったで「騙されてAVに出て居る可哀想な女」って見られる。私としては「私が学生時代に一瞬遣って居たバイトの事で、今もワーワー騒いで、目出度いな」と思ったりもします。
だって居酒屋でバイトして居ても「元居酒屋店員」何て言われ無いですよね。そしてメディアに出る時にも、AVを遣って居た事に一言でも触れて置か無きゃと云う空気を感じると「今更『元AV女優』と云う肩書を持ち出されても・・・」と複雑な心境に為ります。
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紗倉 辞めてからも「元女優」と云う肩書は着いて回る訳ですね。
峰 それでも言えるのは、AVに出るなら堂々として居た方が生き易いと云う事。知名度が高ければ高い程、その後の人生も生き易く為る思うんです。
1本だけ出演して、誰にもバレずにヒッソリと稼ぐのもそれはそれで「人生のボーナス」としての旨味は在りますが、その体験談を語る程の取れ高も無い。そして一番厳しいのは、女優として中途半端に知名度が在っても、引退してからはそれを無かった事にして「何時夫にバレるか」とビクビクして生活して行く事ですよね。
紗倉 女優としても或る程度頑張ったのに、それを形に出来ずビクビクして生きて行くのは、確かにキツいものが在りますね。
峰 裸でもセックスでも、才能が在るならそれを見せた方が好いし、知名度も上げた方が好い。
紗倉 1本だけAVに出る人・峰さんみたいにAV女優だった経験を「形に出来る人」・ファンタジーとしての女優像を貫き通したい人・AVのファンタジー性が引き起こす危険性に付いて触れる人・・・「AV女優」と一言で云っても実に様々な人が居ますよね。今後、どんなタイプの女優さんが『AV女優ちゃん』に出て来るのか、益々楽しみです!
〜管理人のひとこと〜
AV女優の赤裸々な内緒話・・・と聞いてオジサン達は大きな期待を持って居ただろうが、余りに高尚な物語に始終してしまった様で、面白みに欠けて居た様だ。多くの人達は「女性の性への恥ずかしさ」「隠せ無い性欲を男に知られる・・・恥ずかしさ」この人間の隠された本髄を知られる事への恥じらいが「女性の美しさ」を引き立てるものだと感じている。
詰まり、性を語るのは大いに自由なのだが、その中には、隠したいとする恥ずかしさが在ってコソの色気であり、羞恥心が在った故の美しさ・儚さなのである。単に事象を淡々と明らかにするよりは、それと無く相手に伝わる様な「奥ゆかしさ」が在ってコソ数倍の感動と効果を発揮するものなのだろう。
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