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2020年04月16日

コロナで露呈した「日本経済の脆弱性」の根因




 コロナで露呈した「日本経済の脆弱性」の根因

       〜東洋経済オンライン デービッド・アトキンソン 4/16(木) 5:35配信〜


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 コロナ問題に対応する為の「テレワーク導入」も、小さい企業程進みが遅いと言います(撮影 尾形文繁)
 
 〜オックスフォード大学で日本学を専攻、ゴールドマン・サックスで日本経済の「伝説のアナリスト」として名を馳せたデービッド・アトキンソン氏。退職後も日本経済の研究を続け、日本を救う数々の提言を行って来た彼は、このママでは「@人口減少によって年金と医療は崩壊する」「A100万社単位の中小企業が破綻する」と云う危機意識から、新刊『日本企業の勝算』で、日本企業が抱える「問題の本質」を徹底的に分析して居る。
 日本企業の「生産性が低い」問題の根源は「規模が小さい企業が多過ぎる」産業構造に有ることを明らかにして来たこれ迄の連載に続き、今回はコロナ問題で露呈した日本の産業構造の脆弱性を解説して貰った〜


 小さい企業程「テレワーク導入」が出来無い

 コロナウイルスの蔓延に依り、多くの日本企業が窮地に陥って居ます。特に中小企業の経営は厳しく、今後多くの中小企業が経営破綻する事が危惧されて居ます。当然ですが、この様な危機への対応力は一般に企業規模が大きい程強く、小さい程弱く為ります。国全体で見ても同様に、企業の平均規模が大きい程危機に強く、小さい程危機に弱く為ります。
 また、この様な有事の際には「企業さえ潰れ無ければ好い」と云う訳ではありません。そこで働く従業員の命や健康を守る事も大切です。実はこの面で見ても、規模が小さい企業程従業員を危険に晒し易い可能性があります。

 東京商工会議所が2020年3月に実施した調査に依ると、テレワーク導入率は従業員数300人以上の企業が57.1%だったのに対して・50人以上300人未満の企業では28.2%・50人未満の企業では14.4%に留まって居ました。
 50人未満の企業の経営者も、悪意を持って導入を先送りして居る訳では無いでしょう。規模が小さ過ぎて、時間的にも金銭的にも人員的にも余裕が無く、導入出来無いのだと推察出来ます。こう云った企業が多い国程、当然、テレワークの導入率は構造的に低下しますので「Stay at home」に悪影響を及ぼします。
 更に、小規模事業者が増えれば増える程、その国の生産性が低く為るので財政が圧迫されます。すると、小規模事業者が多い分だけダメージが大きいのに、それに対応する為の予算が限られてしまうのです。

 この様に見て行くと「中小企業は国の宝だ」と云う日本の「常識」が本当に正しいのか疑問に思えて来ます。私は、今回のコロナ危機で日本の産業構造の弱さが露呈したと考えて居り、その原因は中小企業に有ると見て居ます。今回は、過つて「日本の宝」だった中小企業が、何故産業構造の弱さの原因と云えるのかを解説して行きます。

 中小企業の価値は「人をムダに使う」事に有る

 日本では、中小企業が矢鱈と大事にされて居ます。「中小企業は国の宝だ」「日本の技術を守って居るのは中小企業だ」と云う声を聞く事も少なくありません。確かに、そう云う一面も無い事は無いでしょう。一般的に、中小企業は大企業より顧客との距離感が近く、又、意思決定が早く、身動きが取り易いのは確かです。
 一方、中小企業は規模が小さく為る程、人力に頼る傾向が強く為ります。従業員が少なく分業が出来無いので、専門性が高まらず機械化もナカナカ進みません。その結果、効率化が進ま無いので、その分、余計に労働力が必要に為るのです。だからコソ生産性が低いのです。
 人口が増加し労働力が溢れて居る時代には、中小企業の存在は貴重です。何故為らば、中小企業は人間に依り多く依存する「労働集約型」で、或る意味、人をムダに沢山使って呉れるからです。

 中小企業自体の労働生産性が低くても、これ等の企業が雇用を増やし就業率が高まれば、国の全体の生産性も高まります。その意味では、中小企業の存在も生産性の向上に貢献して居たと言えるのです。生産性とは、GDPを総人口で割ったものです。(生産性=GDP/総人口) 
 又、労働生産性とはGDPを就労人数で割ったものです。 (労働生産性=GDP/就労人数) 此処から、生産性は労働生産性に労働参加率をかけた値である事が判ります。

 生産性 = GDP/総人口
     = (GDP/就労人数)×(就労人数/総人口)​
     = 労働生産性×労働参加率

 
 ・・・この式からは、生産性を高める為には「労働生産性」を高めるか「労働参加率」を高めれば好い事が判ります。例えば或る国の労働生産性が1,000万円で、労働参加率が50%で有れば、国全体の生産性は500万円です。この国で中小企業が沢山生まれ、それ等の企業が雇用を増やした結果、労働参加率が60%迄高まったとしましょう。すると、労働生産性が全く伸び無かったとしても、生産性は500万円から600万円に上がるのです。

 人口が増加して居た時代に於いては、中小企業は「労働参加率」を高める役割を果たして居ました。その意味で「国の宝」と言え無い事も有りませんでした。しかし、日本は既に人口減少の時代に突入し、この傾向は今後数十年に渉って続きます。人をムダに多く雇う中小企業の存在は、強みでは無く為り逆に弱みに変わります。
 何故為らば、企業と云うものは規模が小さければ小さい程、労働生産性が低いからです。日本企業の99.7%は中小企業ですから、日本の生産性が低いと云う事実は、日本の中小企業の労働生産性が低い事をそのママ反映して居るのです。

 日本の中小企業の真の姿
 
 中小企業庁に依ると、2016年時点で日本には357万社の中小企業が在ります。先程も述べた通り、全企業の99.7%を中小企業が占めて居ます。この様に数多在る中小企業を一括りにして「中小企業は日本の宝だ」と考えるのはそもそも乱暴過ぎます。
 勿論357万社も在れば、玉石混淆なのは当たり前です。中には「玉=宝」も在るでしょうが、そうでは無い「石」も沢山混じって居る筈です。確かに、日本の中小企業の中にも、宝と云って好い企業も含まれて居るかも知れません。しかし、平均値で見ると日本の中小企業は余りにも生産性が低く、払って居る給料も極端に低いのです。仮に宝が含まれて居るとしても、全体としては、中小企業はトテモ宝だと評価するには当たら無いのです。

 「嫌々、私の知って居る町工場は凄い技術を持って居るんだよ。マサに宝だよ」

 こう云う、自分の知って居る特殊事例を取り上げ一般化して、それが恰も日本の中小企業全体に当て嵌る様な物言いをする声も耳にしますが、先ずは日本の中小企業全体の実態・エビデンスを直視すべきです。
 先程も紹介した様に、日本には357万社の中小企業が在ります。日本の中小企業の内、中堅企業は53万社で・小規模事業者は305万社でした・・・平均従業員数は中堅企業が41.1人だったのに対し、小規模事業者は足ったの3.4人です。驚くべき事に、1000万人もの労働者がこの豆粒の様な小規模事業者で働いて居るのです。
 実は、50%強の日本企業の売上は1億円にも達して居ません。こう云った企業は当然、経営に余裕が有りませんから、有事の時には直ぐ経営が困難に為ります。中小企業を「日本の宝」と言う人が想像して居るのは、今紹介した様な企業群とは異なる会社では無いかと推察します。恐らくは中堅企業を想定して居るのではないでしょうか。

 小さい企業が多いと様々な弊害が起こる

 従業員が3.4人しか居ない小規模事業者では、到底輸出等出来ません。ドイツの学者の調査に依ると、継続的に海外に輸出をするには、従業員数158人の規模が必要であるとされて居ます。
 従業員数が3.4人の会社には、最先端技術もキャッシュレス化もビッグデータもイノベーションも、殆ど無縁です。小さい企業程緊急時のテレワーク導入率が低いのは、この記事の冒頭で見た通りです。日本だけでは無く世界的に見ても、企業の規模が小さく為る程、最先端技術の普及率が低下する事が報告されて居ます。

 又、企業の平均従業員数が少なく為る程、有給休暇取得率が低下します。企業の規模が小さい程、1人ひとりの社員に掛かる負荷が重く休みを取る余裕が無く為るからです。同じ理由で、中小企業の占める割合が大きく、企業の平均規模が小さい国程、女性の活躍も進んで居ません。これは世界中で確認出来る傾向です。
 人口減少と高齢化に依って増加する現役世代の負担を緩和する為には、女性活躍の推進が極めて大切です。しかし、日本では女性活躍を進めたくても、小さい企業ばかりの産業構造に為ってしまって居る為、ナカナカ進める事が出来無いのです。

 企業の規模が小さく為ると、労働者の専門性が低下します。企業数が増えれば増える程、国全体の設備投資の重複が増えて生産性が低下します。結果として、支払える給料も減ってしまうのです。小規模事業者が多い国程財政が悪化して、少子化が進んでしまう事も判って居ます。この点に付いては、この連載の中で改めてご説明します。
 この様に「中小企業は国の宝」と云うには、中小企業が多い事の弊害が多過ぎます。失業者が増え無い様に統合・合併を促進し、企業規模を拡大させる政策に舵を切る事が求められます。


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 デービッド・アトキンソン  David Atkinson 小西美術工藝社社長 元ゴールドマン・サックスアナリスト 裏千家茶名「宗真」拝受 1965年イギリス生まれ オックスフォード大学「日本学」専攻 1992年にゴールドマン・サックス入社 日本の不良債権の実態を暴くリポートを発表し注目を浴びる 1998年に同社managing director(取締役)2006年にpartner(共同出資者)と為るが、マネーゲームを達観するに至り、2007年に退社 1999年に裏千家入門 2006年茶名「宗真」を拝受 2009年 創立300年余りの国宝・重要文化財の補修を手掛ける小西美術工藝社入社 取締役就任 2010年代表取締役会長・2011年同会長兼社長に就任し、日本の伝統文化を守りつつ伝統文化財を巡る行政や業界の改革への提言を続けて居る

                    以上

















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