2020年04月16日
コロナ危機で総理への道が見えた小池百合子「無能確定」の安倍晋三
コロナ危機で 総理への道が見えた小池百合子
「無能確定」の安倍晋三
〜プレジデントオンライン 4/16(木) 15:16配信〜
記者会見する東京都の小池百合子知事 2020年4月10日午後 東京都庁 写真 時事通信フォト
「これ程無能な人間を他に知りません」
〜新型コロナウイルスの感染拡大に伴う初の「緊急事態宣言」は、この国のリーダー達の手腕を浮き彫りにする事に繫がった。
政権奪還から7年半もの長期政権を築いて来た安倍晋三首相には、初動の遅れや国民の不安に寄り添わ無い政策に批判が集まり内閣支持率が低下。一方で、強力なリーダーシップと国民目線で「命を守る」と発信し続ける東京都の小池百合子知事や大阪府の吉村洋文知事には、インターネット上で賛美する声が相次いで居る。コロナ危機で現れた国民が求めるリーダー像・・・その違いを追った〜
「これ程無神経な人間を他に知りません」映画監督の白石和彌氏・「止められる気骨の有るスタッフは居なかったのかな」作家の辻仁成氏。
4月7日の緊急事態宣言後初めての週明けを迎えた13日、テレビでは朝の情報番組から昼のワイドショー迄安倍首相の公式ツイッターへの批判が相次いだ。歌手・星野源氏の曲「うちで踊ろう」と共に優雅に寛ぐ様子を投稿した首相のコラボ動画には芸能界も厳しく反応し「空気を読む事が出来無かったと云う事」落語家の立川志らく氏「一寸バカにされて居る気がする」お笑い芸人の加藤浩次氏等の批判が渦巻いた。.
安倍に置き去りにされた全国民
史上最長と為った安倍政権は「3本の矢」に代表される景気浮揚策や強硬な外交・安全保障政策等に依って保守層を中心に「安倍信者」を生み、高い支持率を維持して来た。
だが、コロナ危機到来後の言動には「信者」の失望感も強く、最早「大宰相」の姿はソコには無い。ウイルス拡大の震源地と為った中国や感染急拡大が見られた韓国からの入国制限は3月5日迄遅れ、欧米並みの強いリーダーシップを国民が求めて居たタイミングで首相が発信したのは「1世帯に布マスク2枚の配布」
緊急経済対策に盛り込まれた「1世帯当たり30万円給付」「中小企業200万円・個人事業主100万円を支給」も要件が厳格過ぎると批判され、殆どの国民は置き去りに為る「温度感」の違いが現実に表れて居る。
産経新聞社とFNNが4月11〜12両日に実施した世論調査では、新型コロナを巡る政府の対応を「評価しない」が一気に25.1ポイント増えて64.0%に上った。全国紙政治部記者が解説する。「首相は人と人との接触を『極力8割』抑制すると呼び掛け、接客を伴う飲食店への出入り自粛を強く要請したが、休業に伴う補償はし無いと繰り返して居る。しかし、出歩く人が少無く為れば飲食店の客も売り上げも減る訳で、閉店するかどうかの判断を店側に丸投げするのは無責任だ」共同通信社に依る世論調査(4月10〜13日)では国が損失補償すべきとの回答は8割を超えた。
株を上げた、小池都知事と吉村府知事
コロナ危機で安倍政権の脆弱性が露呈した一方で、国民が求めている強いリーダー像と重為って居るのが小池都知事と吉村府知事だ。
「都民の命に関わる問題であり、医療現場は逼迫して居る。待つ事は出来無い」「危機管理の要諦は最初に大きく構えて、状況が良く為れば緩和して行く。様子を見てから広げて行くべきでは無い」(小池氏)
「府民の命を守る為に、ガッと皆で自粛して抑え込むのが重要だ」「新型コロナウイルス対策特別措置法自体が欠陥だらけで、国会議員はチャンと仕事しろよと思って居る」 (吉村氏)
2人の知事が発信するメッセージは明快で、国が1カ月間の緊急事態宣言の期間(5月6日迄)の内、半分の2週間を使って「外出自粛の効果を見極める」とした点や、特措法に基づく知事の権限が不明瞭な点に疑問を投げ掛け「命ファースト」でスピード感のある対策を講じるべきと訴え続けた。
東京都と大阪府は、未だ国民のコロナウイルスへの危機感が余り無かった1月24日に一早く対策本部を設置し、海外からの帰国者対応や感染拡大防止策等の検討を重ねて来た。人口が多く、公共交通機関が張り巡らされ、近隣自治体から通勤・通学者等が集まる大都市の為感染者数は多いが「海外の様に医療崩壊させる事無く、時に国を牽引するリーダーに共感する人々は多い」(自民党中堅議員)
小池百合子総理、爆誕か
首相が記者会見等で国民にメッセージを発する頻度が少ない一方で、2人は連日の様にメディアを通じて外出自粛や医療体制の状況等を伝えて居り、その疲労感は誰の目にも明らかだ。ツイッターでは「#百合子がんばれ」「#吉村寝ろ」がトレンド入りして話題に為った。
そんな中、首都圏を中心に小池都知事のリーダーシップに注目が集まって居るのを背景に、或る自民党関係者は「コロナの終わり方次第では、小池百合子総理が現実に為るかも知れない」と危機感を募らせる。2017年の衆議院選挙で希望の党代表として大敗した小池都知事は当時、女性の活躍を阻む「ガラスの天井」よりも厚くて硬いで有ろう「鉄の天井を知った」等と発言。女性初の総理大臣への野望はこれ迄、常に持って来た。
サテ、小池都知事と吉村府知事は、世論調査で8割が求めて居た国の緊急事態宣言を政府が速やかに出す様要請し、小池都知事は特措法に基づく施設の使用制限の要請に難色を示して居た政府に何度も直談し、宣言対象の7都府県知事が休業要請出来る様牽引した。
知事の権限・責任の範囲に於いて国との調整等不要だ
「何故、小池都知事が違う事を遣るのか理解出来無い」と批判しながら、一転して東京都に足並みを揃えた神奈川県の黒岩祐治知事や、大阪・兵庫間の往来自粛を呼び掛けた吉村府知事に「大阪は何時も大袈裟」と不快感を示した兵庫県の井戸敏三知事とは、その「危機感」も「発信力」も雲泥の差が有る。
休業要請を巡っては、政府の対策本部が3月28日付の「基本的対処方針」で、蔓延防止策として都道府県が「地域での感染状況を踏まえて、的確に打ち出す」として居たものの、4月7日に急遽改正「都道府県は国に協議の上、必要に応じ専門家の意見も聞きつつ、外出の自粛等の協力の要請の効果を見極めた上で行う」と緊急事態下としては不可解な文言で自治体の権限を大幅に縛った事が現場の混乱に繋がった。
元大阪府知事の橋下徹氏は4月7日、ツイッターを更新し「緊急事態の時程、各組織の権限・責任の明確化、指揮命令系統の明確化が重要だ。だから法の適用が必要だった。東京都も大阪府も、知事の権限・責任の範囲に於いて国との調整等不要だ。緊急事態なのだから、各々権限と責任の範囲で行動すべきだ」と指摘して居る。
相変わらずの田崎史郎の ウルトラC安倍擁護に冷笑
安倍首相に依る緊急事態宣言には、日本経済への打撃を考慮した経済産業省や財務省から猛反対があり、発出が遅れる事に繋がった。休業要請に伴う「補償」に後ろ向きな経産省OBの著名人等は、休業要請とセットで「感染拡大防止協力金」を手当てすると発表した小池都知事を繰り返し批判。
ワイドショーでは、安倍政権に近いとされる政治評論家の田崎史郎氏が「吉村知事、発言のブレが一寸激し過ぎる。それ位ブレる方に権限を与えたらどう為るのかと不安を持つ」と批判したり、首相に依る緊急事態宣言が遅れた理由を小池都知事に責任転嫁したりして「炎上」を招いて居るが、ポジショントークとも受け取れる主張への共感は広がっては居ない。
過つては、テレビや新聞等で評論家やジャーナリスト等が批判を集中すれば、牙を向けられたリーダーの好感度は大きく低下した。だが、SNS等ネットを情報の収集・発信ツールにする人が増えた今では、その影響も薄れて来て居る。今回のコロナ危機下で見られて居る変化を民放記者は自虐的に解説した。
「外出自粛や在宅勤務の急増で、首相や知事達に依る記者会見の生中継を家で見る人が多く為った。この『見える化』が自分自身で真贋を調べる時間の増加に繋がり、政治的スタンスから執拗に『政敵』を攻撃する発言が嫌われて居る一方で、不安を抱く国民の心理に寄り添う首長には共感が集まって居る」
第1次安倍政権時には「KY=空気が読め無い」と云う言葉が流行ったが、危機下のリーダー達には国民の「空気」を読む事も必要の様だ。
政経ジャーナリスト 麹町 文子 以上
新型コロナ恐慌が 「アベノミクスの化けの皮」を剥がす日
寺島実郎【週刊エコノミストOnline】
〜mainichibooks.com 寺島実郎 4/19(日) 10:10配信〜
(出所)経済協力開発機構 国際通貨基金
〜恐怖心が理性を超える時、社会心理は不安に駆り立てられる。その不安をテコに官邸主導の「国難政治」が、日本を奇妙な方向に引っ張って居る。正気を取り戻す時である〜
寺島実郎氏
「官邸主導」の限界
3月16日時点で、世界151カ国・地域で16万人を超す感染者が出て居り、WHO・世界保健機関は3月11日に「パンデミック(世界的流行)」を宣言した。これにより東京五輪にオレンジ信号が灯った。終息宣言が出無い限り、開催は危うく為り、遅くとも2カ月前の5月末迄に終息宣言が求められるが、当然、震源地の中国での終息宣言が不可欠で、皮肉にも中国が東京五輪の「引き金」を握る事態に為った。
安倍晋三首相は3月2日から全国の小中高の休校を要請した。この要請は、海外では日本政府による緊急事態宣言と受け止められ、日本への渡航・日本人の入国制限を加速させる結果と為った。文部科学省や厚生労働省の現場を信頼せず、少数の官邸官僚が主導する政策判断が事態を屈折させた。
未だ1件の学級閉鎖が起こって居る訳でも無く、ウイルス特性が高齢者に多くの発症者をもたらして居る現実を考えた為らば、学校現場の現実を踏まえた段階的積み上げに基づく意思決定が為されるべきで、議論の方向が「休校に伴う関係者への休業補償」に向かい、数千億円の公的負担が休業補償に投じられる事態と為った。
3月13日に米国は非常事態宣言を行ったが、目玉政策は500億ドルの国費を検査・医療体制の整備に投入すると云うもので、今最優先されるべきは、ウイルス検査・医療・研究への資金投入と体制整備であり、休業補償では無い。
「国難」と云う言葉は、先日迄は北朝鮮のミサイル発射に使われ、官邸主導で大騒ぎした揚げ句、米国からの防衛装備品購入拡大と云う結果に行き着き、本質的解決には為って居ない。政治主導・官邸主導と云うと「リーダーシップの発揮」として「遣って居る感」が印象付けられるが、所掌の現場から乖離(かいり)した偏狭な意思決定に堕す危険がある。
「株高」の幻想
「アベノミクス」と云われる異次元金融緩和を軸にしたインフレ誘導政策も対米過剰同調だけを際立たせる近隣緊張外交も「官邸レベルの国」に日本をしてしまった。新型コロナ対応も日本の英知を結集した展開にし無ければ為ら無い。
日本経済へのインパクトを視界に入れて置きたい。新型コロナ等無くとも、アベノミクスは愁嘆場に来て居た。出口無き異次元金融緩和を続けて来た為、此処で景気刺激策を打とうにも、政策手段が限られて居る。これ以上の金融緩和の深掘りも財政出動も限られて居る。
世界的株安連鎖の中で、日本株も乱高下を続けて居るが、日本は異様な対応を続けて居る。3月16日、日銀がETF・上場投資信託買いを年6兆円から12兆円へと拡大すると発表した。中央銀行が直接株式市場に資金を入れること自体異様な事だが、今や日本の上場株式の筆頭株主が日銀に為ってしまった。
日銀ETF買いの現在のポジションは約29兆円、GPIF・年金積立金管理運用独立行政法人の購入分と合わせて、約85兆円の公的資金が株価維持の為投入されて来た事に為る。日経平均が1万9,500円を割り込むと公的資金で購入した株は含み損と為る。産業の実力以上に景況感を引き上げて来た「株高」幻想が崩れた時が日本経済の本当の正念場である。
経済人は「マネーゲーム」では 、産業の実体を直視し無ければ為ら無い。2019年の日本の実質GDP・国内総生産成長率は0・7%で、日本の実体経済はアベノミクスの7年間、水面上ギリギリの水準で推移して来たのに、株価だけが「根拠無き熱狂」を続けて来た。
我々は、日本の産業現場を直視しデジタル・トランスフォーメーションDXと言われる時代の構造改革戦略を再設計し無ければ為ら無く為って居る。鉄鋼、エレクトロニクス、自動車と云う日本の基幹産業の実態を直視すべきだ。
「鉄は国家なり」と言われた日本製鉄は4基の高炉を止めると云う。「技術の日産」は強欲なグローバル経営者に依るマネーゲームに翻弄(ほんろう)され、モノ作り日本のシンボルだった東芝は原発事業で大きく躓き「ハゲタカ」投資家の犠牲に為って居る。
国際連帯税の導入を
気が付けば、創出付加価値の総和である日本のGDPの世界比重は、平成が始まる前年の1988年の16%から、2018年には6%に迄下落した(前図)
三菱総研の「未来社会構想2050」報告に依れば、2050年には1・8%に迄埋没すると云う。金融の水膨れに依存し危機感無く迷走して居る処にコロナが襲って居る状況で、コロナは原因で無く、問題の本質を炙り出したと云う事だ。
コロナの問題も、政策科学のレベルで対応すべきである。感染症ウイルスの問題は、国境を越えた「移動と交流」の拡大の影の問題であり、言わば「グローバル・リスク」だ。昨年の日本への外国人来訪者は3,188万人、日本人出国者は2,008万人と5,000万人を超す人々が国境を越える。これに伴うリスクを制御する政策が必要なのである。
例えば、新型コロナウイルスの致死率は、3月16日時点で3・5%(日本は2・0%、WHO)であり、感染力は強いが弱毒性・バイオ・セーフティー・レベル〈BSL〉−2である。為すべきは致死率7割と云われるエボラ出血熱などの「BSL−4」に対応出来る体制を整える事である。
実は、BSL−4施設・高度安全実験施設は、世界24カ国に59カ所在るが、日本には国立感染症研究所(東京)の1カ所のみで、要約2カ所目が長崎大学に建設中だ。検査、臨床、研究、ワクチン開発、専門人材育成等不可欠の施設であり、少なくとも日本に後数カ所の建設を推進すべきであろう。
また、その財源確保の為、グローバル化の恩恵を受ける個人・企業に責任を共有させ「航空券連帯税」「金融取引税」等の欧州が先行して居る国際連帯税の導入に日本も参画すべきである。
人物略歴 寺島実郎(てらしま・じつろう)日本総合研究所会長 1947年生まれ 1973年早稲田大学大学院修了 同年三井物産入社 常務執行役員を経て2016年4月から現職
以上
※注・管理人 麹町 文子氏の肖像とプロフィールを探したのですが、上記のものしか入手出来ず、万が一違って居たら謝ります・・・ゴメンナサイ。無論、顔や経歴よりも文章の中身が大切なのは云う迄も有りません。氏の「コロナより安倍晋三が恐怖だ!」は素晴らしく的を得た表現でした。今年の流行語大賞の上位にランクされる事請け負います・・・
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