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2020年04月10日

一体何だったのか「緊急事態宣言」 対策失敗でも責任取る積り無い安倍首相




 一体何だったのか「緊急事態宣言」 

 対策失敗でも 責任取る積り無い安倍首相


               〜47NEWS 4/10(金) 7:32配信〜


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 緊急事態宣言後の安倍首相の記者会見がテレビに映し出される中、仕込みを続ける飲食店の店主 「今週一杯は営業を続けたい」と話した 7日午後7時3分 東京・新橋

 〜新型コロナウイルスの感染拡大に伴い、安倍晋三首相が7日に発令した緊急事態宣言。本来なら大きな局面転換の筈である。だが、結果として宣言の発令後も多くの人々が出勤等の為に外出し、多くの店も営業を続けざるを得無い状況に為って居る。
 それ処か、宣言から3日を経た現在も、休業補償を要請する店舗や施設等の範囲すら分から無い。「決められ無い政治」も極まれりである〜


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              ジャーナリスト 尾中香尚里

      041021.jpg

       衆院議運委で答弁する安倍首相 右端は西村経済再生相 7日午後

 国民の痛み和らげる「補償」を否定

 緊急事態宣言とは一体何だったのか。そんな疑問がわいて来る。感染拡大の防止に向け、本気で国民の行動変容が必要だと首相が云うなら、先ず「十分な補償に依って国民の生活を守り切る」事を確りと示した上で、外出自粛や休業を要請し無ければ為ら無かった。処が首相のした事は、逆に国会質疑や記者会見で「補償を行わ無い」方針を明確に伝える事だった。
 コレで国民の行動変容を促せる訳が無い。それ処か、このママでは感染拡大を抑えられ無いママ、苛立つ首相が更なる強制力を求めて憲法改正等「不要不急」の政治案件に傾き、コロナ対策が更に置き去りにされる、と云う最悪の展開に為り兼ね無い。

 今回の緊急事態宣言は、憲法改正のテーマに挙げられる「緊急事態条項」とは全く異なり、現行の日本国憲法に依る制約を受けて居る。その発令は、首相が国民に一方的に何かを求めるだけのもので有っては為ら無い。宣言発令の最大の意義は、感染拡大を食い止める為「全ての責任を持つ」と、首相が国民に誓う事だ。

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 緊急事態を宣言する安倍首相のテレビを見詰める居酒屋の店長 宣言を受け約1カ月間の休業を決めた 7日午後 福岡市中央区

 痛みを伴う協力を国民に求め無ければ為ら無い。しかし、その痛みを可能な限り和らげる責任は、自らが引き受ける。首相はその事を誠心誠意・全身全霊を賭けて国民に訴え無ければ為ら無かった。痛みを和らげる為に最低限必要なのが「補償」である。補償に依って将来への安心感が得られれば、様々な私権制限に対する国民の協力が得易く為り、感染拡大の防止に繋がる筈だ。
 処が、安倍首相は宣言発令に先立つ7日の衆参の議院運営委員会の質疑で「民間事業者や個人の個別の損失を直接補償する事は現実的では無い」と答弁した。寧ろ「補償を行わ無い」メッセージを強く打ち出してしまったのだ。

 「感染症対策」=「経済対策」なのか?

 与野党問わず多くの質問者が補償に付いて尋ねたが、答弁は毎回、見事に同じ表現。官僚の答弁書を只読んで居るだけだった。補償が難しいなら難しい為りに、多少なりとも苦渋を滲ませる表現や表情の一つも有れば未だ良かったのだが、全く無機質な答弁が壊れたテープレコーダーの様に繰り返された。
 此処で問題にしたいのは、補償を否定した事自体では無い。その「理由」である。答弁で首相はこう言って居た。

 「直接の自粛要請の対象と為って居ない分野に於いても、売り上げや発注の減に依って甚大な影響が生じて居る事も勘案すると、政府として様々な事業活動の中で発生する民間事業者や個人の方々の個別の損失を直接補償する事は現実的で無い」

 この答弁から伺えるのは、首相は「休業補償」「経済への悪影響を防ぐ為の対策」と考えて居り「感染症対策として見て居ない」と云う事だ。
 「経済対策と感染症対策」は明確に違う。東京電力福島第1原発事故で「原子力緊急事態宣言」を発令した経験を持つ菅直人元首相が、8日のブログでその点を指摘して居る。以下に引用したい。

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 ・・・例えば夜、国民が盛り場で酒を飲む事を辞めさせる為には、国民に「店に行か無い様に」と訴えるより、店自身に一時休業して貰う方がより確実です。こうした店に、休業に伴う減収分の補償を確りと約束した上で休業を要請すれば、店側も安心して従う筈です。
 総理は7日の国会質疑で「民間事業者や個人の方々の個別の損失を直接補償する事は現実的では無い」と繰り返し答弁しました。理由は、経済的な影響は休業を直接要請する店だけで無く、ソコに材料を卸して居る業者にも及ぶ為、店だけを休業補償する事は出来無い、と云う事のようです。
 しかし、実際に人と人が接触する場所はお店です。お店に休業して貰えば、人と人の接触は確実に減り、感染を減らす事が出来る筈です。補償はその為に行うべきなのです・・・


 居酒屋に休業要請と補償が必要な理由
 
 首相は感染拡大の防止に向け「人と人との接触を8割削減する」必要が有る事を訴えた。そんな事を国民の努力だけに求めても無理だ。先ず国として「人と人とが接触する場を出来るだけ作らせ無い」事に全力を挙げ無ければ為ら無い。
 例えば国民に「飲み会を避けて欲しい」のなら、国民に「飲み会は辞めて」と言うだけで無く、国として「飲み会を行う場所を塞ぐ」為に、居酒屋に一時休業を求めるべきなのだ。

 もしそう為れば、それは居酒屋に対する大きな私権制限である。居酒屋の経営は壊滅的な打撃を受ける。だから、首相は十分に言葉を尽くして居酒屋側に休業への協力を求めつつ、同時に十分な補償を約束し、居酒屋が自発的に休業に協力し易い状況を作る事が肝要なのだ。
 休業を求める期間を出来る限り短くし、その間に感染拡大を抑止出来る様最大限の力を尽くす事は言う迄も無い。居酒屋への休業補償が「経済対策」では無く「感染症対策」で有る事・・・即ち「人と人との接触の場を塞ぎ、感染拡大を防ぐ」と云う目的を達成する為に補償が必要なのだ、と云う事を明確に理解して居れば「居酒屋の関連業界に補償し無い事との不公平さ」を気にした答弁は出て来ないだろう。

 勿論、苦境に立つ関連業界を救う為の経済対策は別途行うべきだ。しかし、アノ首相答弁は、政権が施策の目的とその優先順位を理解出来て居ない事を露呈したと云う点で、大きな不安を抱かせるものだった。
 コノ問題に限ら無いが、首相は結局、今回のコロナ問題を経済問題としか考えて居ない気がして為ら無い。発想の起点がイチイチ「国民の生命と健康を守る」事では無く「景気の悪化を防ぐ」事に在るのだ。だから、事業規模108兆円の緊急経済対策に、コロナ収束後の観光や「イベントのキャンペーン費用」が盛り込まれ、その総額が国民への現金給付の規模より大きかったり「お魚券」「お肉券」等の消費喚起策が取り沙汰されたりする。

 そう言えば、西村康稔経済再生担当相は8日、緊急事態宣言の対象7都府県知事とのテレビ会議で「休業要請の2週間程度見送り」を打診したとの報道も流れた。
 この件に付いては菅義偉官房長官が9日の記者会見で「そうした事実は承知して居ない」と否定したが、こうした報道が流れる事自体、政権がコロナ対策を「景気対策」と考えて居る事の証左と言えるし、政府の発信の混乱は「政権の意思決定過程がどう為って居るのか」と云う別の不安を抱かせる。只でさえ不安な多くの業者を、更に混乱に陥れて居る。こんな事で、首相が唄う「2週間後には感染者の増加をピークアウトさせ、減少に転じさせる」事が、本当に出来るのか。極めて心許無い。

 この有事に、憲法改正の活発な議論?

 今懸念して居るのは、こうした政権の対応の拙さに依って、結果として感染拡大を防げ無かった時、首相がどう云う態度に出るかである。
 安倍政権がコロナ問題でコンなにも腰の曳けた対応しか出来無いので有れば、恐らく2週間で感染拡大を食い止めるのは難しいだろう。政治決断に依ってコレだけ国民に多くの負担を強いて置いて、感染拡大防止に失敗したので有れば、当然政治責任を負うべき筈である。だが、安倍首相は7日の記者会見で「私が責任を取れば好いと云うものでは無い」と言い放った。

 この発言だけでも衝撃的だったが、筆者が危機感を抱くのはその後である。首相が自らの政治責任を取る事無くその座に居座った後に「緊急事態宣言には罰則規定が無いから国民の外出を止められ無かった」等と言って、自分達の無策に依る結果を法律に転嫁し、それを改憲に依る更なる「強権」獲得への理由付けにし兼ね無いと云う事だ。

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 その兆候は既に在る。記者会見に先立つ衆院議院運営委員会、安倍首相は、憲法改正による緊急事態条項の導入に付いて質問した日本維新の会の遠藤敬氏に対し「新型コロナウイルス感染症への対応も踏まえつつ、国会の憲法審査会の場で、与野党の枠を超えた活発な議論を期待したい」と答えたのだ。

 少無くともこうした事は、感染拡大を防ぐ為に「もうこれ以上の手は無い」と自他共に認めるだけのアラユル手立てを尽くす迄、どんな事が有っても決して口にすべきでは無い。ソモソモ憲法改正と云った大きなテーマの議論は、最低でも「平時」に行うべき事だ。自ら緊急事態宣言を出して居る様な「有事」の今、ドサクサに紛れて議論すべき事では決して無い。
 今は新型コロナウイルスの感染拡大防止に全力を注ぐべき時だ。緊急事態宣言を含め、現行法で政権が現在手にして居る「道具」を十分に使い切って、アラユル対策を行うべき時だ。それをし無い内に「道具が悪い」として更に強力な「武器」を求めるのは、単に政権の能力不足を棚に上げて居るだけだ。そのことを強く自覚して欲しい。


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           ジャーナリスト 尾中香尚里   以上









 
 池田清彦氏 「悪魔の様な安倍政権」 今は夢では無くて現実

           〜デイリースポーツ 4/10(金) 22:09配信〜


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                   池田清彦氏


 フジテレビ「ホンマでっか!?TV」(水曜、後9・00)に出演する生物学者の池田清彦氏が9日、ツイッターに投稿。安倍晋三首相が過つて「悪夢の民主党政権」と、扱き下ろした事を引用する様に「悪魔の安倍政権」と皮肉った。
 池田氏は「悪夢の様な民主党と、鬼の首を取った様に叫んで居ましたが、悪夢は未だ夢ですから可愛いもんです。今は夢では無くて現実ですからね。悪魔の様な安倍政権」とツイートした。

 池田氏は10日のツイッターでは「中国と韓国は峠を越しました。欧州は今ピークでしょうか。アメリカはこれから暫く悲惨な日々が続くでしょう。それで日本はサッパリ読めません。感染者数・死者数のデータが全く信用出来無いので、予測のしようが有りません」と政府の対応が不足して居る事を指摘した。


                    以上








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