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2020年01月26日

日本人は「失われた30年」の本質を判って無い




 日本人は「失われた30年」の本質を判って無い

     〜東洋経済オンライン 岩崎 博充 経済ジャーナリスト 1/26(日) 8:00配信〜


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       〜既に日本は「失われた40年」への道を突き進んで居るかも知れ無い〜


 今から30年前、1990年の東京証券取引所は1月4日の「大発会」から行き成り200円を超える下げを記録した。1989年12月29日の「大納会」で着けた史上最高値の3万8915円87銭から、一転して下げ始めた株式市場は、その後30年が経過した今も史上最高値を約4割程下回ったママ。長期的な視点に立てば、日本の株式市場は低迷を続けて居る。

 その間、アメリカの代表的な株価指数である「S&P 500」は、過去30年で約800%上昇。353.40(1989年末)から3230.78(2019年末)へと、この30年間でザッと9.14倍に上昇した。方や日本は1989年の最高値を30年間も超える事が出来ずに推移して居る。
 この違いは一体何処にあるのか・・・そしてその責任は何処にあるのか・・・アメリカの経済紙であるウォールストリートジャーナルは、1月3日付の電子版で「日本の『失われた数十年』から学ぶ教訓」と題して、日本が構造改革を行わ無かった結果だと指摘した。

 日本は失われた40年を歩む事に為るのか

 この30年、確かに株価は上がら無かったが、極端に貧しく為ったと云う実感も少無い。政治は一時的に政権を明け渡したものの、バブル崩壊の原因を作った自民党が未だに日本の政治を牛耳って居り、日本のアラユル価値観やシステムの中に深く入り込んで居る。
 バブルが崩壊した原因やその責任を問われぬママ、失われた30年が過ぎて来た。自民党政権が遣って来たことを簡単に総括すると、景気が落ち込んだ時には財政出動によって意図的に景気を引き上げてリスクを回避し、その反面で膨らむ一方の財政赤字を埋める為に消費税率を引き上げ、再び景気を悪化させる・・・そんな政治の繰り返しだったと言って好い。

 2012年からスタートしたアベノミクスでは、財政出動の代わりに中央銀行である日本銀行を使って、異次元の量的緩和と云う名目で、実際は「財政ファイナンス(中央銀行が政府発行の国債を直接買い上げる政策)」と同じ様な政策を展開して来た。政府に逆らえ無い中央銀行総裁が登場したのも、日本経済の「失われた20年・30年」と無縁では無いだろう。
 実際に、近年の日本の国際競争力の低下は目に余るものがある。生産能力は低下する一方であり、加えて少子高齢化が顕著に為って来ている。新しい価値観をナカナカ受け入れ無い国民や企業が蔓延し、失われた30年が過ぎた今、日本はこれから失われた40年、或は失われた50年を歩き始めて居るのかも知れない。

 このママでは2030年代には、日本は恒常的なマイナス成長国家と為り、経常赤字が続き、ヤガテは先進国から陥落する日が来るのかも知れない・・・そんな予測をする専門家も多い。日本の失われた30年を、もう1度検証し振り返って見たい。








 この30年、何が変化したのか? 

 この30年で日本はドンな変化を遂げたのだろうか。先ずは、主要な統計上の数字の面でチェックしてみたい。

  平均株価(日経平均株価) 3万8915円87銭(1989年12月29日終値)2万3656円62銭(2019年12月30日終値)
  株式時価総額 590兆円(1989年年末、東証1部)648兆円(2019年年末、同)
  ドル円相場 1ドル=143.4円(1989年12月末、東京インターバンク相場)109.15円(2019年12月末)

  名目GDP 421兆円(1989年)557兆円(2019年)
  1人当たりの名目GDP 342万円(1989年)441万円(2019年)
  人口 1億2325万人(1989年、10月現在)1億2618万人(2019年、11月現在)

  政府債務 254兆円(1989年度、国と地方の長期債務)1122兆円(2019年度末予算、同)
  政府債務の対GDP比 61.1%(1989年)198%(2019年)
  企業の内部留保 163兆円(1989年、全企業現金・預金資産)463兆円(2018年度)

 これ等の数字で判る事は、第1に株価の低迷がズッと続いて居る事だ。1989年の大納会で着けた3万8915円と云う高過ぎる株価は、解禁されたばかりの株式先物指数が一部の外国人投資家に使われた意図的な上昇相場であったと云う背景もあるが、30年間回復出来ない現実は日本経済に問題があるとしか言い様が無い。
 アメリカの株価がこの30年で9倍に為った事を考えると、日本の株価は異常な状態と言って好いだろう。ちなみに、この30年間でドイツの株価指数も1790.37(1989年末)から1万3249.01(2019年末)に上昇。ザッと7.4倍に為って居る。

 尚、株式市場の規模を示す時に使われる「時価総額」も、この30年で日本は僅かしか上昇して居ない。株式の上昇による資産効果の恩恵を日本の個人は殆ど受けて居ないことに為る。個人が株式に投資して金融資産を大きく伸ばしたアメリカに比べると、日本は一向に個人の株式投資が進んで居ない。日本人の多くが豊かさを実感出来ない理由の1つと言って好いだろう。
 実際に、この30年で海外投資家の日本株保有率は1990年度には5%弱だったのが、2018年度には30%に達して居る。日本株の3割は外国人投資家が保有して居る訳だ。

 過つて日本の株式市場は3割以上が国内の個人投資家によって保有されて居た。バブル崩壊によって個人投資家が株式投資から離れ、その後の個人の資産形成に大きな影を落としたと言って好い。現在では、過去最低レベルの17%程度に留まって居る。
 ちなみに、アベノミクスが始まって以来、政府は「GPIF(年金積立金管理運用独立行政法人)」等の「五頭のクジラ」と呼ばれる公的資金を使って、意図的に株価を下支えして居ると言って好い。日銀も「ETF(上場投資信託)」を買い続けて居る。

 これでは株価は適正な価格形成を行えず、個人投資家の多くは割高な価格で株を掴まされて居る状態だろう。株価が暴落した時に、個人が株式市場に参入する機会を失ってしまって居る訳だ。株式市場と云うのは、飽く迄も市場の価格形成に任せるのが望ましく、株価が大きく下がれば個人投資家が株式投資を始める可能性が高い。折角の投資機会を、政府が意図的に邪魔して居る状態が続いて来たとも言えるのだ。

 マクロ経済的に見ると、日本の名目GDPは1989年度には421兆円だったのが、30年を経た現在では557兆円に為って居る。(米ドル建てで計算 1989年はIMF 2018年は内閣府推計) 一見すると国内総生産は順調に伸びて来たかの様に見えるが、世界経済に占める日本経済のウェートを見ると、その凋落振りが好く見て取れる。

  1989年 15.3%
  2018年 5.9%

 
 アメリカのウェートが、1989年の28.3%(IMF調べ)から2018年の23.3%(同)へとヤヤ低下したのに比べると、日本の落ち込みは大きい。その代わり中国のウェートは2.3%(同)から16.1%(同)へと急上昇して居る。新興国や途上国全体のウェートも18.3%から40.1%へと拡大して居る。日本の国力の低下は、明らかだ。
              
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 グローバル企業が示す日本の衰退

 日本の「失われた30年」を的確に示して居る指標には、日本全体の「国際競争力」や日本企業の「収益力ランキング」がある。例えば、スイスのビジネススール「IMD」が毎年発表している「国際競争力ランキング」では、1989年から4年間、アメリカを抜いて日本が第1位と為って居た。それが2002年には30位に後退し、2019年版でも30位と変わって居ない。
 一方、アメリカのビジネス誌『フォーチュン』が毎年発表している「フォーチュン・グローバル500」は、グローバル企業の収益ランキング・ベスト500を示したものだ。1989年、日本企業は111社もランキング入りして居たが2019年版では52社に減少して居る。

 日本の科学技術力も、この30年で大きく衰退してしまった。 日本の研究者が発表した論文がどれだけ他の論文に引用されて居るのかを示す「TOP10%補正論文数」と云うデータでも、1989年前後には世界第3位だったのだが、2015年には既に第9位へと落ちてしまっている。
 この他にも、ココ30年で順位を落としてしまった国際ランキングは数知れ無い。殆どの部分で日本以外の先進国や中国に代表される新興国に抜かれてしまって居る。日本は今や先進国とは名ばかりの状態なのかもしれない。

 残念な事に、日本のメディアは日本の技術が素晴らしいとか治安が優れて居る等、数少ない日本の長所を殊更にクローズアップして、日本が世界をリードして居る様な錯覚を毎日の様に国民に与え続けて居る。
 1989年には、日本に遣って来る外国人観光客は非常に少なかった。訪日外国人客は283万人(1989年)、それが今や3119万人(2018年)に膨れ上がった。当時、外国人に取って日本の物価は非常に高く、一部のお金持ちを除くとナカナカ日本に来る事が出来なかった。
 現在は中国に限らず、世界の数多くの観光客が日本は格安だとして訪れて居る。実際に、日本はコノ30年間ほどんど物価が上がらず、アベノミクスで掲げた年2%のインフレ率さえ達成出来ない。国民生活に取っては、それが悪い訳では無いが、日本の国力は明らかに低下して居ると考える必要があるだろう。

 責任は何処にあるのか? 

 日本が失われた30年を始めた切っ掛けは、言う迄も無く株価の大暴落だが、追い打ちを掛ける様に当時の大蔵省(現財務省)が、高騰を続ける不動産価格を抑制しようと「総量規制」を実施した事にある。株価にブレーキが掛かっているのに、土地価格に迄ブレーキを掛けたことが原因であり、そう云う意味ではバブル崩壊は政府の責任だ。
 アメリカがリーマンショックを経験した様な出来事を、日本はその20年も前に味わって居た訳だが、そこでの対応の違いがアメリカと日本の差を決定的にしたと言って好い。

 日本は、株価暴落や土地価格の暴落等によって実質的に経営破綻に追い込まれた金融機関や企業の破綻を先延ばしし、最終的に7年以上もの時間を掛けてしまったからだ。リスクを先送りにする事で、自民党を軸とした政治体制を守り、政権と一蓮托生に為って居た官僚機構も、意図的に破綻処理や構造改革のスピードを遅らせた。その間、政府は一貫して公的資金の出動による景気対策や公共事業の増加等で対応して来た。
 財政赤字が未だ400兆円のレベルだった頃に、当時の大蔵省主計局に取材した事がある。担当者は「赤字国債の発行を辞める事は、官僚機構が自ら国を荒廃に追い遣ることに為る」と発言したのを今でも思い出す。赤字国債無しでは、日本は立ち行か無く為って居る事を認めて居る訳だ。

 この30年、日本は企業救済の為の資金は惜しまずに支出して来た。アメリカの様に、税金を民間企業に支出する事に強硬に反対する共和党の様な勢力が日本には無いからだ。公的資金の支出が景気の回復に効果が無いと判ると、今度は郵政民営化と云った規制緩和を始める。
 しかし、コレも様々な勢力に忖度する余り、中途半端な形で進行し、結果的に景気回復の切り札には為ら無かった。最終的に、現在進行形のアベノミクスに辿り着く訳だが、スタートして今年で8年に為ろうとして居るにも関わらず、その効果は見当たら無い。

 ヒョットしたら、一時的に消費者物価が2%を突破するかも知れないが、一時的なものに終わる可能性が高い。その間、政府の債務はドンドン膨らんで、政府は何度も消費税率アップに動く以外に方法は無く為って行く。1989年4月に消費税を導入して以降、この30年で政府は3回の「消費税率引上げ」を実施して居るが、何れも2%3%と云う具合に、叛の少しずつ引き上げる事で決定的なパニックに陥るリスクを避けて来た。
 一方のアメリカは、リーマンショック時にバーナンキFRB議長は大胆に、そしてスピード感を持って解決策を打ち出した。責任を回避せずに、リスクに立ち向かう姿勢がアメリカには在ったと言って好い。

 日本は常にリスクを回避し、事無かれ主義に徹し、改革のスピードや規模が小さく為ってしまう。その結果、決断した割りに小さな成果しか上げられ無い。簡単に言えば、この30年の失われた期間は現在の政府に責任がある事は間違い無い。
 それでも国民は、バブル崩壊の原因を作った政権に今も肩入れして来た。その背景には補助金行政等、政府に頼り過ぎる企業や国民の姿がある。実際に、この30年間の統計の中でも有った様に政府債務は250兆円から約4倍以上の1100兆円に増えて居る。
 自民党政権が今も続いて居るのは、只単に「低い投票率」に支えられて居るだけと云う見方もあるが、30年の間に、国民の間に「諦め」の境地が育ってしまったのも事実だろう。

 長期に渉ってデフレが続いた為、政府は経済成長出来ない=税収が増え無い分を長期債務と云う形で補い続けて着た訳だ。収入が減ったのに生活水準を変えずに、借金で賄って来たのが現在の政府の姿と言って好い。









 日本は何故構造改革出来ないのか? 

 全国平均の公示地価を見ると、1976年を「0」とした場合、1992年迄はプラス圏だったが、その後バブルが崩壊して住宅地・商業地共に公示価格は只管マイナスを続けて、2015年にヤッと「前年比プラス」に転じる状況にある。30年前の土地価格に戻るには、悪性インフレ位しか考えられ無い状況だ。要するに、30年近い歳月、日本国民は土地価格の下落を余儀無くされた訳だ。
 株価や土地価格が上昇出来なかった背景をどう捉えれば好いのか。簡単に言えば、少なくとも日本政府は構造改革に繋がる様な大胆な改革を行って来なかった。都市部の容積率を抜本的に見直すと云った構造改革を怠り、消費税の導入や税率アップの様な構造改革では無い政策でサエも、選挙に負けると云うトラウマがあり一線を超えずに遣って来たと云う一面がある。

 最も、構造改革をスローガンに何度か大きな改革を実施した事はある。例えば、企業の決算に「時価会計」を導入した時は、本来だったら構造改革に繋がる筈だった。これは、日本政府が導入したと云うよりも、国際的に時価会計導入のスケジュールが決まり、それに合わせただけの事だが、本来であれば株式の持ち合いが解消され、ゾンビ企業は一掃される筈だった。
 処が政府は、景気が悪化すると直ぐに補助金や助成金と云った救済策を導入して、本来なら市場から退散し無ければ為ら無い企業を数多く生き残らせてしまった。潰すべき企業を早期に潰してしまえば、その資本や労働力は又別の処に向かって、新しい産業を構築する事が出来る。負の結果を恐れる余り、政府は常にリスクを先送りして来た。
 バブル崩壊後も、株式市場は長い間「PKO・Price Keeping Oparation相場」と言われて、政府によって株価が維持されて来た。世界の平均株価と大きく乖離した時期があった。.

 官民揃ってガラパゴスに陥った30年

 そして今大きな問題に為って居るのが、デジタル革命、 IT革命と云った「イノベーション」の世界の趨勢に日本企業がドンドン遅れ始めて居る事だ。この背景には、企業さえも構造改革に対して消極的であり、積極的な研究開発に打って出る事が出来無かったと云う現実がある。
 欧米の様な「リスクマネー」の概念が決定的に不足して居る。リスクを取って、新しい分野の技術革新に資金を提供する企業や投資家が圧倒的に少ない。

 日本は或る分野では、極めて高度な技術を持って居るのだが、マーケティング力が弱く、それを市場で活かし切れ無い。過去、日本企業はVHSやDVD、スマホの開発と云った技術革新では世界のトップを走って来た。しかし、実際のビジネスと為ると負けてしまう。
 技術で優っても、ビジネス化出来無ければ只の下請け産業に為ってしまう。もっと判り易く言えば、日本特有の世界を作り上げて、そこから脱却出来ない「ガラパゴス化」と云う欠点に悩まされて来た。

 日本特有の技術に固執する余り、使う側のポジションに立て無いと言っても好い。日本が製造業に固執しながら、最先端の技術開発に終始して居る間に、世界は「GAFA」(グーグル・アップル・フェイスブック・アマゾン)に支配されて居た。余りにも残念な結果と云える。
 この30年、日本企業は様々なガラパゴスを作って来た。そして、そのガラパゴスの背景には、必ずと言って好い程政府の歪んだ補助行政や通達・ 規制と云ったものが存在して居る。業種にもよるが、日本企業の多くは消費者では無く、規制当局や研究開発費を補助して呉れるお上(政府)の方向を向いてビジネスして居る姿勢を好く見掛ける。政府が出して呉れるお金を手放せ無いからだ。

 とは云え、失われた40年を歩き始めたかも知れ無い日本に取って、今後は失われただけでは済ま無いだろう。日銀には一刻も早く、金融行政を適正な姿に戻し、株式市場も適正な株価形成のシステムに戻す事が求められて居る。自民党が避けて来た「最低賃金の大幅上昇」「積極的な円高政策」と云った、これ迄とは真逆の政策に踏み切る時が来て居るのかも知れない。

 そして、政府は財政赤字解消に国会議員の数を減らす等、目に見える形で身を切る改革をし無ければ、今度は「崩壊する10年」に為る可能性が高い。


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 岩崎 博充 1952年長野県生まれ武蔵大学卒業 ルポライター・コメンテーター・ジャーナリスト 武蔵大学経済学部卒業後雑誌編集者等を経て1982年に独立 経済・金融等のジャンルに特化したフリーのライター集団「ライトルーム」を設立 雑誌・新聞・単行本等で執筆活動を行う他 テレビ・ラジオ等のコメンテーターとしても活動

             岩崎 博充 経済ジャーナリスト     以上


















 










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