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2020年01月16日

立憲民主党と国民民主党の合流を阻むもの〜このままでは小池知事に排除された反動に過ぎない





 立憲民主党と国民民主党の合流を阻むもの〜

 このママでは 小池知事に排除された反動に過ぎない


          〜政治ジャーナリスト 安積明子 1/16(木) 14:00〜


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 合併は平行線

 立憲民主党と国民民主党の合流劇は、果たして決着するのだろうか。国民民主党の玉木雄一郎代表は1月15日に両院議員懇談会を開き、立憲民主党との政党間協議の進捗状況を説明。引き続き全国幹事長会議・自治体議員団等合同会議が開かれた。
 10日に行われた党首会談では、党名・人事・政策の丸呑みを求める立憲民主党に、国民民主党の玉木代表が拒否。党名に「立憲」を入れ無いこと、党綱領に「改革中道」の文言を盛り込む事等を提唱した為、両者の意見は平行線で終わっている。

 実はこの点が重要だ。両党が祖とする民主党は中道左派政党として自民党に対峙した。2009年の衆議院選で政権交代を果たしたが、その原動力と為ったのは、堕した自民党政権に国民が愛想を尽かした事だった。云わば「自民党にお灸をすえる」と云う意味で、民主党に票が投じられた。民主党が国民に積極的に評価されたとは言い難い。

 中道左派ではいけ無い理由
 
 立憲民主党の路線も民主党と同じで、中道左派そのものだ。彼等が国民民主党を飲み込もうとするのは、民主党の復活を目指して居るに他なら無い。そして中道左派で居る限り、過つての社会党や民主党の様に一定の割合の支持を得る事も出来る。
 何よりも政党支持率がそれを示して居る。取り分け安倍1強と云われる現在の政治状況で、野党で甘んじて居る限りは安泰と云う訳だ。

 しかし政権を獲る事には到底結び着か無い。「自民党に代わる選択肢と為る政党を作る」「大きな塊を作る」等と掛け声は勇ましいが、中道左派の方向性では政権を獲る以前の民主党にも及ば無いだろう。
 実際にNHKが1月14日に公表した世論調査を見ても、「自民党」が40.0%「立憲民主党」が5.4%「国民民主党」が0.9%「公明党」が3.4%「日本維新の会」が1.6%「共産党」が2.9%「社民党」が0.7% 「れいわ新選組」と「NHKから国民を守る党」が0.2%で、自民党が突出して居るが、立憲民主党と国民民主党を合わせても10%にも及ば無い。

 一方で「特に支持している政党は無い」が38.5%を占めて居る。もし野党が政権を狙うならこの層を取り込む必要があるが、中道左派の立憲民主党が果たしてその任を担えるのか。

 自分の生き残りを優先する獅子身中の虫たち

 そうした懸念とは裏腹に、国民民主党内では立憲民主党への早期の合流を求める声もある。15日には副代表の津村啓介衆議院議員ら21名が、早急の立憲民主党への合流を求める為の両院議員総会の開催を要求した。彼等の多くは比例復活組で、次期衆議院選に不安を抱えて居る。
 確かに立憲民主党の方が政党の獲得票数が多い。昨年の参議院選での比例票数を見ても、国民民主党が348万票だったのに対し、立憲民主党は800万票と2倍以上にも上る。しかし野党の勢力の拡大を目指さ無い限り、それでは同じパイの奪い合いに過ぎ無いのではないか。

 彼等が目指す「大きな塊」とは、立憲民主党と国民民主党を単に足しただけのものでは無いだろう。ソモソモそれだけなら、野党勢力の拡大と云う意味で合併する意味はあるだろうか。

 今も息づく小池知事の恩讐

 こうした本質を見え無くして居るのは、2017年の衆議院選での恩讐だ。前原誠司民進党代表(当時)は「民進党のママでは戦え無い」と、人気絶頂だった小池百合子東京都知事に頼った。処が小池知事が作った希望の党の「排除の理論」によって、民進党は2つに分裂。希望の党に入れ無かった人達が寄る辺としたのが枝野幸男代表が立ち上げた立憲民主党だった。
 その立憲民主党が今度は国民民主党に合流の条件を突き付けて居る。云わば2年3か月前の仕返しをして居る様に見えるのだ。

 「この時に真っ先に希望の党に駆け込んだのが、今立憲民主党との合流を叫んで居る津村さん達だ。今度は立憲に駆け込もうとして居る。只選挙の為に右に左に只走って居るに過ぎ無い」

 或る国民民主党の幹部が溜め息を着いた。只自分の生き残りの溜めの政治家の行動程、国民を白けさせるものは無い。そこには国民目線が無いからだ。もし立憲民主党と国民民主党が合併するのなら「支持政党なし」の層をどの様に取り込むのかと云う視点が必要に為る。
 民主党政権の失敗は左派の限界を示したものだ。そう云う意味では立憲民主党が只膨張するだけでは、国民の多数の支持は得られ無い。

 そこで「改革中道」の意味が重要に為る。立憲民主党も変わら無ければ為らないと云うことだ。代表選規定を作ら無いといけ無いし、場合によってはリコール規定も必要だろう。何よりも更に保守層へウイングを広げないといけ無いが、それを拒否する様に合併条件を突き着けると云うことでは、国民民主党を飲み込む処か「大きな塊」にも「政権選択肢」にも為れやし無いだろう。


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 政治ジャーナリスト 安積明子 兵庫県出身 慶應義塾大学経済学部卒 国会議員政策担当秘書資格試験に合格後 政策担当秘書として勤務 その後に執筆活動に入り政局情報や選挙情報について寄稿すると共にテレビ・ラジオに出演 趣味は宝塚観劇やミュージカル鑑賞 また月に1度はコンサートや美術展に足を運ぶ 座右の銘は、幼い時から母から聞かされた「実るほど、頭を垂れる稲穂かな」 「野党共闘(泣)。」「“小池”にはまって、さあ大変!ー希望の党の凋落と突然の代表辞任」(ワニブックスPLUS新書)に続き「「記者会見」の現場で見た永田町の懲りない人々」(青林堂)を4月11日に刊行

美容院main_streamzブティックazumiakiko official site安積明子の「ニュースサイト エレウテリア」   以上



 




 では、この合併劇の経緯をもう一度振り返ってみよう・・・



 【関連報道】  「悪夢の様な民主党」に戻る立憲民主の残念さ  

 政権運営の失敗を又繰り返すのか

       
          〜PRESIDENT Online プレジデントオンライン編集部〜


 支持伸び悩みで結集するしか選択肢は無かった

 立憲民主党と国民民主党が衆参両院での会派を合流させる事に為った。「安倍1強」に対抗するには野党が一本化するしか無いと、何年も言われ続けて居ただけに、ヤッと野党結集に一歩前進した形だ。しかし、永田町も世論も、今回の結集には冷ややかだ。それもその筈、立憲民主と国民民主らが一緒に為ると云うことは、安倍晋三首相が「悪夢の様な」と皮肉る民主党時代に戻る事を意味するのだ。

 8月20日午後、国会内で2人の野党党首は共同記者会見に臨み、こう話した。
 枝野幸男立憲民主党代表「今の安倍政権とは違うもう一つの選択肢を、力強く訴えて行けば、今の日本の政治を変える事が出来る」
 玉木雄一郎国民民主党代表「国民の期待を受け止める事が出来る新しい動きに繋げたい。延いては政権交代に繋げる第一歩だと考えて居る」

 両党の会派合流問題は8月5日に枝野氏が提唱。但し、立憲民主の衆院会派に国民が加わる様求めた「上から目線」の要求だった。これに対し国民民主は衆参両院で新たな統一会派を組むべきだと逆提案。15日の会議では双方の意見が平行線を辿り、交渉は決裂に向かうかと思われて居た。報道陣に取ってツーショットの記者会見は意外だった事だろう。

 「れいわ新選組」の躍進に強い危機感を持った帰結

 プレジデントオンライン編集部では8月13日にアップした「枝野氏も豹変させた山本太郎の圧倒的な存在感」の中で、枝野氏の提案は「衆参両院で」と云う国民民主側の要望を受け入れる形で合意に達する、と予測した。結局、その予想通りと為った。
 記事で指摘した様に、7月の参院選で立憲民主、国民民主とも振るわ無かった事、山本太郎氏が率いる「れいわ新選組」の躍進に強い危機感を持った事を考えれば、合流は当然の帰結だった訳だが、政治メディアはその読みが出来なかったのだろうか。

 共同通信社が17、18の両日に行った世論調査で立憲民主の支持率は10.0%で前回7月の調査と比べて3.5ポイント減。国民民主は1.4%で0.3ポイント減。一方、れいわの支持率は4.3%だった。国民民主の3倍もあるのだ。国民民主が立憲民主との合流を目指さない方が可笑しい。

 会派合流は「民主党の再来」にしか見え無い

 只、この共同通信社の調査には野党共闘に付いて気に為る数字もある。調査では国民民主との会派合流を提案した立憲民主の対応に付いての賛否を聞いて居る。「評価する」は僅か30.2%に留まり、「評価し無い」は50.3%で過半数に達して居る。2党が合流に向かう事を全く歓迎して居ないのだ。

 両党は共に民主党をルーツに持つ。2017年の衆院解散を前に、小池百合子氏が率いる希望の党が誕生。当時、民主党の後継政党である民進党は、希望の党に合流する方針だったが、小池氏に「排除」される議員が続出。その受け皿として枝野氏が立憲民主を立ち上げた。
 結果として同年の衆院選で、旧民主党勢力は希望の党・立憲民主・更には無所属で出馬したグループに3分割した。衆院選後、希望の党で当選した議員が中心と為り国民民主党に衣替えした。今回の会派合流は、立憲民主と国民民主が結集する。更に2017年の衆院選では無所属で勝ち上がって来た議員を中心とする衆院会派「社会保障を立て直す国民会議」も加わる見通し。

 「社会保障」代表の野田佳彦元首相は22日「安倍政権の強引で理不尽な国会運営を許して来たと云うのは『他弱』と云う問題があった。国会対策を考えた時には強力な野党第1党が必要だ」と会派合流の意義を語った。

 要するに3分解した民進党勢力が再結集をすると云う話

 3会派が合流すれば、衆院での議員数は117人と為り、2012年に安倍氏が首相に返り咲いて以来、野党の塊としては最大のものに為る。一定のインパクトは有る。但し国民の目には「失敗への道をもう一度歩もうとして居るだけだ」とも映る。要するに3分解した民進党勢力が再結集をすると云う話なのだ。

 立憲民主と国民民主は原発政策、憲法等を巡り温度差がある。今回の会派合流は、夫々の違いを或る程度理解した上で、目を瞑って手を結ぶ事に為る。「大人の対応」と云うことも出来る。但し、その事は主要政策でバラツキが大きく「何も決められ無い」と批判を受けた民主党政権時代を思い出させる。安倍氏為らずとも「悪夢の様」だと思う国民も少なく無いだろう。
 通常ならば新しい党や会派が出来ると国民の支持は上がる。本当に期待して居るかどうかはさて置いて、新しもの好きの国民による「ご祝儀相場」が期待出来るのだ。しかし、今回はご祝儀相場は期待出来ないだろう。新会派は国民に取って新しいものでは無く、失敗した「古いもの」が再結集して居るだけだからだ。

 「れいわ」の山本氏を取り込むしかないが・・・

 民主党政権時代を知る永田町関係者は自嘲気味に語る。「ご祝儀相場では無くて、今回は不祝儀相場なのかも知れない。それでも今、出来ることはこれ位なのだよ」
 会派合流後、立憲民主・国民民主等は新党結成など新たなステップを模索する事に為るだろう。その時、過つての民主党とは違うものに見える様にするのが最重要課題だ。

 民主党を超えた存在に見せる溜めには、参院選でブームを起こした「れいわ」の山本氏を取り込むしか無いのでは無いか。それを可能にするには山本氏らが、立憲民主・国民民主等の会派に魅力を感じる事が必須だ。先に紹介した共同通信社の調査結果を見るまでも無くその道は険しい。


                    以上


 【管理人のひとこと】

 立憲と国民の合併劇は一旦物別れと為り、国民の合併推進派は執拗に玉木代表に迫って居る様だし、懐疑派は「それなら別の会派を立ち上げる」として脅かしてる様だ。この様に、今までの何かの原因があり別れたものが「単なる数合わせ」の為に元に戻るのは「何か」が無ければ困難な様だ。
 「何か」とは一体何なのだろう・・・それは、小沢一郎氏や中村喜四郎氏の様なベテランが指導してもその通りには進ま無い「天佑」の様な「時・・・時代」の必然性か、国民の大きな「目に見えそうな期待」かも知れない。

 残念だが、この両党のゴタゴタには既視感がある・・・そう、アノ民主党の悪夢の様な党内での不統一感丸出しの騒動だ。特に身内の小沢氏を徹底的に批判する人達が、口から泡を吹きながら悪口雑言を撒き散らしたシーンである。
 この人達は、自分の立場・利益しか考えず団体・全体の姿が目に入ら無い。一時の大方の情勢・雰囲気(メディアが作り出した世論)だけで行動し発言する・・・日和見の脳味噌しか持ち合わせていない。だから、高等な戦術を以て政界を歩いて来た小沢氏や中村氏の様な「政治道」「テクニック」に理解を示そうとせず「正義」「心情」を表にして「抵抗」を続けるのが政治の正道だと勘違いして居る。
 目的の為には私心を捨て大道へ向かう・・・この気概が無くては、何事も個人プレーに終わり目的に届かないのを理解しようとしない。何かの間違いで合併話が進んでも、結果は元の木阿弥に終わるのでは無かろうか。だから、物別れで好かったのだ。







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