2020年01月16日
大阪の芸人がヤクザと接近し「闇営業」に手を染めるまでの歴史
大阪の芸人がヤクザと接近し 「闇営業」に手を染めるまでの歴史
〜NEWS ポストセブン 1/15(水) 16:00配信〜
大阪を象徴する芸能文化と言えば「吉本のお笑い」を思い浮かべる人が多いだろう。吉本新喜劇を初め、大阪の市井の人々には、吉本のお笑い文化が深く根付いて居る。その吉本に取って、2019年は闇営業で揺れた一年だった。事務所を通さず反社会勢力の忘年会に出席し、ギャラを受け取っていた問題で、雨上がり決死隊・宮迫博之とロンドンブーツ1号2号・田村亮の号泣会見は連日メディアを騒がせた。
吉本芸人と反社会勢力の近さを露呈させる出来事と為ったが「本来、大阪の芸能文化は闇社会とは程遠いものだった」と云うのは、立命館大学名誉教授で上方芸能に詳しい木津川計氏だ。
「江戸時代の元禄期辺りから大阪が文化の中心と為りますが、この時期の大阪は近松門左衛門や井原西鶴が出て最高に進んだ文化・芸能の都市でした。江戸の歌舞伎も文化・文政期辺りまでは、大阪弁で遣って居た程。江戸時代は大阪弁が標準語の様なものだったのです」(木津川氏)
そうした上質な文化を支えたのが「天下の台所」と呼ばれた大阪の富であった。だが、その優位性も明治時代に為ると東京に奪われてしまう。天皇が東京へと移り、政治・経済、そして文化と全てが東京を中心とする様に為ったのだ。
「東京に対抗するには経済しか無いと、大阪は工業化に邁進し、煙の都と為って経済力を高めた。その結果、大正時代に為ると大阪は工業生産力で東京を遥かに凌駕しましたが、一方で経済を重視した事は文化の軽視にも繋がりました」(木津川氏)
工業都市と為った大阪を嫌い、江戸時代から文化人のパトロンと為って来た船場の豪商達が離れてしまう。その結果、芸能文化も市井と密着するものに為って行った。『大阪的』の著者で国際日本文化研究センター教授の井上章一氏が指摘する。
「工場の煤煙や空気汚染を避けて、ブルジョアジー達が神戸や芦屋の六甲山麓に移ってしまった。そうして空洞化した大阪中心部には、河内や和泉、更には九州や四国から続々と労働者が流れ込み、芸能文化も彼等に寄り添うものに為って行きました」
かくして人形浄瑠璃に象徴される嫋(たお)やかな大阪の芸能文化は、吉本新喜劇に代表される大衆文化に変わった。芸人達はドサ回りに精を出し、その土地で興行を仕切るヤクザ達とも距離が近く為る。そしてヤクザを利用し、又利用される芸人達が出て来た。
島田紳助がヤクザの組長との「黒い交際」を理由に引退したのは記憶に新しい。40年以上吉本に所属した大阪在住の漫談家・前田五郎は、本誌『週刊ポスト』(2019年8月16・23日号)でこう告白して居る。
「1980年代に吉本に居た頃は、週に何回もヤクザから仕事を貰っとッタ。ヤクザの営業で30万円や50万円のカネがドンドン入って来て、正に濡れ手に粟や。中にはギャラ100万円と云う仕事もあった。当時、会社の仕事とヤクザの仕事は4対6位ヤッた」
前出の井上氏が語る。「メディアの作る大阪的イメージもそうした土壌形成を後押ししたのでは無いでしょうか。テレビ受けする様にドンドン大阪芸人の言葉がキツく為り、品格が無く為って行きました」
一連の吉本の闇営業問題は、大阪の芸能文化の変質を象徴するものと言えるかも知れない。 (文中一部敬称略)
構成 竹中明洋 ジャーナリスト ※週刊ポスト2020年1月17・24日号 以上
【関連記事】元吉本芸人 「ヤクザと簡単に切れへん事は皆知ってる」
〜ニュースポストセブン〜
闇営業騒動は吉本興業内の様々な問題に飛び火した。そんな中、芸能界と反社に付いて爆弾告発したのが漫談家の前田五郎(77)坂田利夫(77)との漫才コンビ「コメディNo.1」で人気を博した元吉本のベテランである。騒動渦中の7月21日、YouTubeの配信番組で前田はこう言い放った。
「大崎(洋)会長が僕等のマネージャーをしとった時にヤクザの仕事を持って来て、それに行ってんネンから、何回も。それを出さんとエエカッコ抜かしやがって」
本誌・週刊ポストは前田の元に飛んだ。前田曰く「吉本とヤクザの関係は創業家である林家から始まって居る」と云う。 「当時の発注先は殆どが山口組本家ヤッた。元々林正之助会長・・・創業者・吉本せいの弟と山口組三代目・田岡一雄組長の仲は有名(*注)で、その縁も有って本家の祝い事や催しには必ず吉本芸人に声が掛かったんですわ」
*注 1968年1月、正之助氏は田岡一雄組長と組んでレコード会社を乗っ取ろうとしたとして、恐喝の疑いで兵庫県警に逮捕された。当時、正之助氏は「山口組が有るから、レコードの販売、製造が上手く行く」等とレコード会社の設立者を脅したと報じられて居る。
「三代目が亡く為った時は追悼の盆踊り会があって、吉本の芸人は会社命令で参加させられた程や。その場に菅原文太さんや山城新伍さん等が居って驚いた。それと、僕は三代目の息子の満ちゃん・・・田岡満と生まれた年が近くて、ヨウ可愛がって貰って個人的に仕事を貰ってた。満ちゃんは『コレ、取って置きイナ』と他の3倍のギャラをソッと呉れるので、喜んで仕事をして居ました」
田岡満は父の後は継がず映画プロデューサーに為り、父をモデルにした『山口組三代目』(高倉健主演)等の映画をヒットさせた。しかし、彼の周囲には矢張り暴力の匂いがあったと云う。
「何時だったか、北新地のクラブの女の子と焼き肉食べてたら、チンピラみたいな奴が、オイ前田五郎や無いかっ、て近付いて来て、女と何食うてるんやと言って、僕等の席の肉を摘まんで口に入れたりしよった。
ソコに偶々そこを通り掛かったのが満ちゃんのボディガードで、僕が困った顔したらそのチンピラにちょっとこっちおいでって連れて行って、しばらくしたらそのチンピラがスミマセンでした、許してくださいと土下座しに来たんです。
こんな商売遣ってるとヨウ絡まれるんですが、電話するだけで何とか為りますから、満ちゃんは僕の守護神やと思ってました」
前田は、自分だけが特別では無く、当時は皆がそうだったのだと強調する。
「当時は殆どの芸人がヤクザから仕事を受けて居ましたよ。漫才ブームの時、売れっ子の芸人等は、仕事が終わると外で待って居たヤクザの車に乗り込んで打ち上げに行くコンビも居たんやから。それ程ズブズブの関係やったけど、ヤクザが僕等に迷惑を掛ける事は一切無かった。昔は今の半グレのヨウに、芸人を利用しようとする奴は居りませんから」
前田自身、今は時代が変わった事は認めて居る。その上で、過つてを知る吉本幹部らにこう言うのだ。
「ヤクザとの関係はそんなに簡単に切れへん事は、幹部は皆知って居る筈。そやから今回の騒動が、トカゲの尻尾切りで終わら無い様にするのが務めやないか?」
※週刊ポスト2019年8月16・23日号 以上
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