2020年01月13日
GAFAの天敵の覚悟「ネット神話を打ち破る」マルグレーテ・ベステアー氏
GAFAの天敵の覚悟「ネット神話を打ち破る」マルグレーテ・ベステアー氏
〜日経ビジネス 1/13(月) 7:00配信〜
マルグレーテ・ベステアー氏
マルグレーテ・ベステアー氏1968年デンマーク生まれ。1993年、コペンハーゲン大学経済学修了 1998年、デンマーク教育相 2007年デンマーク社会自由党党首 2011年経済相 2014年から欧州委員会の委員として競争政策の担当トップとしてGAFAに対する規制を強化する
2019年12月に発足した欧州委の新体制では、候補に挙がった委員長には就任しなかったものの、デジタル政策の担当トップも加わり上席副委員長に就いた
世界でGAFA(米グーグル・米アップル・米フェイスブック・米アマゾン・ドット・コム)に依るデジタル経済の支配への反発が強まって居る。日経ビジネス2020年1月6日号特集「終焉 GAFAの時代」では、世界の一般市民や政府の動きをリポートした。その怒りの発火点と為り、GAFAを追及し続けて来たのが欧州委員会のマルグレーテ・ベステアー委員だ。
2014年に競争政策のトップに就任すると、GAFAに対してEU競争法(独占禁止法)違反の調査に取り掛かった。その攻撃力は折り紙付きだ。グーグルに対しては3件のEU競争法違反で1兆円近い巨額制裁金の支払いを命じ、アップルとフェイスブック・アマゾンの調査も続けて居る。又、アップルが課税逃れをして居るとして、同社とアイルランド政府に143億ユーロ1兆7400億円の追徴課税を命じた。
こうしたGAFAへの強硬姿勢から、世界的に「GAFAの天敵」と呼ばれる様に為った。トランプ米大統領からは「これ迄私が出会った誰よりも米国を嫌って居る」と言われて居る。
当初は欧州委員会とベステアー委員の暴走と捉える動きもあったが、世界各地で起きるGAFAへの怒りの高まりから、その主張と政策に対する支持が徐々に高まって行った。今や米国や日本等世界の独禁法当局が、ベステアー委員の問題意識や政策に追従し、GAFAを規制する動きが強まって居る。
2019年12月に新体制に為った欧州委では、ベステアー委員は従来の競争政策担当にデジタル政策の担当も加え、新設された上席副委員長と云う欧州委のナンバー2のポストにも就いた。世界が注目するベステアー委員が12月中旬、日経ビジネスのインタビューに応じた。
・・・2014年に競争政策の担当トップに就いてから、どの様な基本方針でEU競争法違反の適用を検討して来ましたか。2018年にはグーグルが基本ソフトOSアンドロイド関連のビジネスで自社サービスを不当に優遇した事がEU競争法違反に当たるとし、単独企業としては過去最大の43億4000万ユーロ約5300億円の制裁金の支払いを命じました。
欧州委員会のマルグレーテ・ベステアー委員・以下、ベステアー氏 最も明白な例は、市場独占に依ってプラットフォーム主導・データ主導・ネットワーク主導の経済にどの様な影響が出るかです。米グーグルに対する私達の決定事項には3つの要素があります。
1つは、過去の行動を罰する罰金。次に、事業の停止や終了を求める事があります。遣って居る事を辞めて貰う。最後の要素として市場の修復があります。
或る企業が市場を勝ち取り、それが違法な手段に依るものであった場合、競合他社がその市場を取り返すのは非常に難しい。私達は、競合他社が公平な機会を得られる様に、こうしたケースがあれば、違反した企業に積極的な行動を求めて行きます。
1つ目として、グーグルは罰金を払いました。2つ目の対策として、彼等は検索機能とブラウジングをアプリ配信サービスで切り離しました。しかし、3つ目として、メニュー画面を選択制にした事が、どれだけ上手く機能するかは分かりません。
問題は、競合他社がその市場に参入するのが依然として非常に難しい事です。知名度は低いし参入に関心は有っても成功する自信が無いのかも知れません。その為、グーグルが携帯電話メーカーとの間で、アンドロイド端末にグーグル検索とブラウザーがインストール済みである様に合意して居る場合、ユーザーがボックスを開くと選択肢が表示される様に為りました。
貴方がロシア語圏の言語圏に居る時に、グーグルでは無くロシア由来の検索エンジンを使える可能性があります。そう為れば彼らにも入り込める余地があります。しかし、これがどの様な効果を発揮するかは未だ不明です。それコソが、私達が今後取り組むべき事の1つだと考えて居ます。
デジタル市場はその性質上、支配的な企業が市場を勝ち取った場合に、競合他社が取り戻すのが非常に難しいのです。エリート達に依って支配されて居る場合は特にそうです。
勝者が事実上のルール決定者に
・・・グーグルにはその他に2件のEU競争法違反を適用し、3件の合計で1兆円近い制裁金の支払いを命じて居ます。グーグルへの対応からどんな事を学びましたか。又、将来の市場の中でグーグルをどの様に位置付けて居ますか。
ベステアー氏 今の時点でハッキリと分かって居るのは、3番目の要素、市場の修復に取り組む必要があると云う事です。この新たな市場では、その20〜30%を争うのでは無く、市場全体を支配する為に競争する事に為ります。その為、勝者が事実上のルール決定者に為ります。
民間のルール設定者であり、公的なルール設定者ではありません。民主的な考え方に基づく公共機関でも無い。私的なルール設定に為ってしまいます。
「公正な競争のルールを設定すれば、全ては上手く行く筈」と云う考えもありました。しかし、これ迄の3件のグーグルの事例から、上手くは運ば無いと分かって来ました。彼らが設定したルールが最初にあったのです。
だからコソ、此処で遣るべき事があります。プラットフォーム上のランキング等に於いて、ランク付けの理由と方法を知る権利があります。ランキングから外れた途端、サービスを見付けて貰え無い状態を、どうすれば好いのでしょうか。プラットフォーム上でビジネスをして居る企業には、サービスを提供して呉れて居るプラットフォーム側に問題を解決して貰う権利は有りそうですが、これ迄はそう為って居ません。
だからコソ、グーグルのケースはプラットフォーマーが公正な競争に基づき機能する為に、規制される必要があります。それが主な課題と感じて居る点です。規制に関する次の一手は、未だ決めていません。物事は変化して居り、その都度、規制も必要に為るのです。
・・・独禁法の適用に於いて、グーグルは常に一歩先を行って居るのでしょうか。
ベステアー氏 例えば、アンドロイドの設定メニューをどう機能させるかに付いての基準が無いのは、グーグルがユーザーに選択させる事に関して世界で一番優れて居るからです。私達は、そうした能力でグーグルに敵うとは全く思って居ません。だからコソ、今後どの様に効果を発揮して行くのかは分かりません。
「メカニズムが公平で無い」或いは「このメニューを紹介する時に自社に付いて言及する必要は無い」と、私達は何時でも言う事が出来ます。しかし、設計の中にコソ彼等のコア・コンピテンスが有る為、私達には分から無い部分が沢山あります。
グーグルが控訴して居る為裁判の決着が尽く迄、市場に実際の変化が現れるとは思いません。裁判所が我々とグーグル、どちらが正しいかを検討して居る限り、目立った変化は無いと思います。裁判所が決断を下した時、2つの事案が決着します。皆さんはその時に為って初めて、何が問題に為って居たのかを認識する筈です。
・・・貴女はグーグルだけで無く、アップルやフェイスブック・アマゾン等のGAFAにEU競争法違反の調査を進めて居ます。そして、規制の動きは欧州から世界に広がって居ます。
ベステアー氏 グローバルな議論の変化を興味深く見て居ます。 私が欧州委員会の競争法担当に為った5年前とは異なる議論が、今の米国では巻き起こって居ます。多くの人々は、市場が実際にどの様に機能して居るのかを心配して居るのです。民主主義では無いものに依って、物事のルールが決められるのは受け入れられません。
GAFAを恐れて居る、とは決して言わ無い
・・・GAFAはとても強大な企業で、様々な影響力を持って居ます。「GAFAの天敵」と言われ、こうした巨大ハイテク企業と対立する事に尻込みする事は無いでしょうか。
ベステアー氏 それはありません。私が恐れるとすれば、家族や犬の事です。私の犬はもう11才半ですが、未だ元気一杯です。私はGAFAを恐れて居るとは決して言いません。
これはとても重要な観点です。私達は誰もが投票出来て、法に守られた社会に住んで居ます。そして、私達はそれを維持する為に多くの事をして居ます。その生活を守る事自体が、とても重要な闘いでもあるのです。今の社会を当たり前と考える事も出来ません。それコソが重要なことなのです。
私が非常に問題意識を掻き立てられ、何か出来ないかと思う事があります。それは、グーグルのアカウントやフェイスブックのアカウント、又はアップルのIDを使用し、様々なサービスにログインする事がドンドン一般的に為って居る事です。
私は今の状態を望んで居ません。自分のIDでログイン出来る様に為って欲しいのです。通常のパスポートを持って居れば、身分を証明するのに十分な情報を提供出来る様に整理されて居ます。これがパスポートのそもそもの趣旨です。
グーグル等、何れかの企業アカウントで身分を登録すると、彼等は貴方が何をして居るのか、取れる限りの情報を集められる様に為ります。この事は、インターネットが非常に商業化された世界に為ったと云う事実の表れです。インターネットは、人々が互いに自由に繋がり合える、監視の無い自由な開かれた社会を持つ方法であると云う神話があります。ですが、この神話を打ち破る必要があります。
神話では、インターネットコソがユートピアだった。それが私達の夢でした。しかし今、私達の手元に有るのは巨大なモールの様なもの。人々が出会って交流する素敵なカフェは幾つかありますが、基本的には商業化された場所に為って居ます。
どう遣って自分の身分を識別するかの問題は、その事を非常に好く表しています。人々はこうした状況を認識し無ければ為りません。サモ無ければ、人々は気が付か無いママ常に情報を提供し続ける事に為ります。
・・・貴女はGAFA以外にも多くの事案でEU競争法違反と認定して居ます。独シーメンスと仏アルストムは鉄道事業を統合し世界で闘う体制を作ろうとして居たが、ベステアーさんはEU競争法違反だと判断しました。世界と競う上で、この種の欧州の巨人は必要だと思いますか。
ベステアー氏 我々の経験からすると、競争に参加して得られる事の1つは成長です。誰かが貴方と競おうとして居れば、自身の技術を磨きプロセスを改善しコスト効率も高め様とするでしょう。とは言え、入札への参加を妨げるルールはありません。欧州以外の契約に応札する事も大歓迎です。
シーメンスとアルストムの事業統合は、合併ルールが問題を引き起こしたのではありません。合併ルールとは無関係の理由で解決出来なかった非常に特殊事例です。合併の大部分は上手く行って居たと思います。非常に重要な2つの事案に付いてノミ、上手く行きませんでした。
本線の信号方式と超高速鉄道の2つに問題がありました。本線の信号方式に付いては、既に殆ど競合がありません。世界中が欧州の信号方式とその規則を参考にして居る為、非常に集中した市場であり、シーメンスとアルストムは既に世界的な巨大企業です。
信号方式は重要な市場です。私達には新しい欧州規格がある。より多くの列車が国境を越えてより多くの列車が走る事が出来る様に、加盟国にこの規格に投資して欲しいと考えて居ます。それを多くの人が望んで居ると思います。だから、加盟国が投資し易い様に手頃な価格にしたい。これは、市場での競争が有れば達成出来る筈です。両社が事実上独占して居る状態ではこうは為りません。
我々は鉄道料金を手頃な価格にしたい
もう1つが超高速鉄道です。これは飛行機との競争が有る分野です。市の中心街から他の市の中心街へ行く場合、例えばブリュッセル⇒パリやパリ⇒ボルドーであれば、電車で行く方が飛行機よりも遥かに便利です。
此処でも、私達は超高速鉄道の運賃を手頃な価格にしたいと考えて居ます。そうで無ければ、欧州の鉄道や超高速鉄道は進化せず、飛行機に乗る機会は減りません。鉄道の方が飛行機よりも遥かに二酸化炭素CO2排出量が少ない利点があります。
こうした課題は、一企業だけでは解決しようとしない、又は解決出来ない問題です。ですので、私達はこう云う重要な理由がある為に合併を進める事は出来ないと説明しました。課題が解決されてさえ居れば、問題はありません。
企業同士が合併して巨大企業になる事は出来ます。セメントや乳製品・ビール等では欧州から世界的な巨大企業が生まれて居ます。合併ルールが有るからと言って、巨大企業に為れ無い訳ではありません。要は、欧州市場でも引き続き競争に晒される事を受け入れると云う事です。
・・・シーメンスとアルストムの事案後、競争ルールを改定する様求める声が大きく為って居ます。最近、ベステアー委員はこの件に触れ、市場の定義方法と云ったテーマに付いても話しました。ルールブックを改定する場合の優先事項に付いて教えてください。
ベステアー氏 恐らく、ルールが時代に適したものである様にと念を押したのは私が初めてだったのではないでしょうか。私達は多くの力を注いで来ました。ルールブックをチェックするのに3人の特別顧問が居ましたし公聴会も開きました。この規則が我々の目的に合って居るか議論する為に、ここブリュッセルで大規模な会議も開きました。
こうした意見から、一般的な目から見ればこの規則は私達の目的に沿うものであると考えて居ます。本質的なルールは本質的な課題を解決出来るのですから。
重要なのは、私達が市場をどの様に定義するかをどう遣って外の世界に説明するかに関する通達が、20年前のものだと云う事です。20年前、我々は携帯電話を持って居たでしょうか。持って居ても、恐らく非常にシンプルなものでしょう。タブレット端末の様なものは無く、オンラインストリーミングも無い。この20年で、アラユルものが変わって来ました。
だからコソ、この通達が、私達の活動とどう一致して居るかを伝えたいと思って居ます。今の通知を読んだら、私達が世界市場を見据えて居る事に気付か無いと思いますので。
データが重要な役割を果たす合併が増えて居ます。欧州委員会への委託が有った米マイクロソフトと米リンクトインの合併がありました。米アップルと英シャザム・エンターテインメントの合併もありました。こうした合併が今後益々増えると予想して居り、又、ビジネスモデルが変わら無いだろうとも推測して居ます。
サービスの対価として、データを受け取る様に為って居ると云う事実があります。先ず、今すべき事は完全にオープンな議論をする事。それも、法案をまとめたり正式な公聴会を開いたりするよりも前にです。私達は政治的な意見だけで無く、競争コミュニティーからも意見を取り入れたいと思って居ます。
ソフトバンクに付いては何れ触れたい
・・・シェアリングエコノミーに付いて、米ウーバーテクノロジーズは膨大なデータを取得して居ます。今後は調査の対象には為るのでしょうか。
ベステアー氏 現在、ウーバーのケースは対象として居ません。他にも幾つかのデータの扱いに由来するケースがあります。最近有ったのはアマゾンのケースです。アマゾンが、全てのベンダーからアラユルデータを取得して居ます。個々の販売者は、自分の顧客に関する独自のデータを殆ど持って居ない可能性があります。
アマゾンがプラットフォーム上の全てのデータにアクセス出来ると云う権力を悪用し、プラットフォーム上の個々の販売者との非競争的な行為をする事が無い様にし無ければ為りません。
・・・データの取得と云う点では、ソフトバンクの戦略はユニークです。ウーバー等大量のデータを保有する企業に巨額出資し、大株主に為って居ます。こうした事例は調査の対象に為るのでしょうか。
ベステアー氏 今の処は分かりません。データの売買は全て私達の規則の対象に為る訳ではありません。しかし、それには未だ議論して居ないので、何れ触れたいと思って居ます。
ドイツの自動車メーカーも調査
・・・ドイツの自動車メーカーが排ガス浄化の技術競争を阻害して居るとして、EU競争法違反が疑われて居ます。現在はどの様な手続きの状況にあるのでしょうか。
ベステアー氏 私達は今、先入観に捕らわれる事無く自動車メーカーの話を聞いて居ます。私達が疑いを持って居るのは、彼等が排ガス浄化に最適な技術を使用して居るかどうかです。これは非常に興味深い案件です。
何故為らばこれと同時に、彼等が安全性の課題に協力すれば、それが車の最高速度を上げるのと同じ位魅力の向上に繋がると伝えて居るからです。誰もがそんな車を欲しがり乗って居る事を高く評価します。我々も便益を生む為の協力は惜しみません。
問題と見做すのは、消費者に利益をもたらさ無い事が分かった時です。このケースは未だ終わって居ませんが、順調に進んで居ます。何時終わるかは分かりません。
・・・貴女の主な役割の1つは、欧州をデジタル時代に適合させ、リーダーシップを発揮する事です。欧州のデジタル化が遅れて居る理由は何でしょうか。
ベステアー氏 滞って居る理由は沢山ありますが、その幾つかはハッキリして居ます。米国と中国のハイテク企業が大きく成長した理由の1つは、単一市場が欧州よりも上手く機能して居るからです。又、中国には様々な方言や地域があるものの、複数の言語には統一性があります。米国も同じで、3億2000万人の消費者へのアクセスは簡単です。
そう云った国内市場を持って居ると、ソコで多くの力を蓄えて他の市場にも参入出来る様に為ります。これが、単一市場を維持・開拓する事の優先度が非常に高い理由です。
只、単一市場が有るからと云って全てが順調だと考えるのは間違いです。単一市場は芝生の様なもの。維持しないとアラユル種類の雑草が入り込みます。突然イラクサが出て来たり、ベタベタするものが生えたり、注意して居ないと木だって生えます。
手入れは週単位で遣るべきものです。私達が見聞きして居る範囲では、何処だろうと貿易障壁は嫌がられ、外国のサプライヤーは国内のサプライヤーよりも時間が掛かる。そうした類いのゲームです。単一市場の優先度は非常に高いのです。
私達が知って居る単一市場と、その単一市場のデジタル側を融合して、1つの市場と考えられる様にする事も重要です。欧州委員会は、デジタル単一市場の消費者側への対応に専念して居ます。
欧州のデジタル化を進める為には3つの鍵があります。1つ目はデジタル単一市場に於いて企業が機能する事です。2つ目は資本金へのアクセスです。多くの企業が資本金の為に移転したり買収されたりして居ます。企業が銀行だけで無く、投資家にもアクセス出来なければ為りません。
そして3つ目はスキルです。現在、中小企業の25%がスキルを持った人材を雇う事が主な懸念であると調査で答えて居ます。2年前の10〜15%から増加しました。適切な人材を獲得する上で非常に厚い壁があります。
欧州も世界をリード出来る
欧州は、所謂デジタル市民の権利に関してリーダーシップを発揮して来ました。だが、それだけではありません。欧州企業のデジタル環境を見ると、世界に勝るソリューションがあります。だから、欧州に世界をリードするテクノロジーが無い訳では無く、消費者の立場ではそう頻繁に目にし無いと云う事です。私達は普段、ソーシャルメディアを見て、買い物の機会を狙って居るだけなのですから。
しかし、デジタルソリューションが製造業を変え、バリューチェーンに依る関係性を変えると云ったビジネスは、消費者からは見えません。この分野に於いて、欧州企業が提供出来るものは沢山あります。
・・・米国や中国を見るばかりで無く、欧州はモッと自信を持つ必要があると云う事でしょうか。
ベステアー氏 その通り。だから「地政学的な委員会にする」とウルズラ・フォンデアライエン委員長が主張して居るのを嬉しく思って居ます。この言葉は正に、欧州から世界に提供出来るものが沢山有る事を言い表しています。私達はこの土地を地球上で最も住み好い場所にして来たし、世界80カ国に取っての貿易相手でもあります。米国や中国とは全く別物です。
米国の貿易相手国は20カ国程度で、私達より大分少ないと思います。欧州はこれ迄に達成して来た事だけで無く、足元にある暗黙知を使って達成出来る事に付いても、モッと自覚すべきです。
勿論、私達には伝統的な仕事もあり、それらを避ける事はしません。文化的支援の他、EUの結束を固める事に関して力を要れます。これは、連合である以上、非常に重要な事だと思います。しかし、近代化も必要です。研究や技術革新、若者、国境管理等に、モッと投資し無ければ為りません。そうで無ければ、市民に私達の働きを分かって貰えません。
下「GAFA解体に反対『1つの頭を切れば2倍に為る』」は、日経ビジネス電子版で、1月14日公開予定
大西 孝弘 以上
【管理人のひとこと】
トランプ氏や中国の習近平氏・我が国の安倍晋三氏・・・所謂、男の主導者が持つ共通の雰囲気は「清濁併せ呑む柔軟な気配り」に有る様に感じる。それが、自身は平凡な能力で在っても周囲を統率出来る人間力・全体の調和に腐心する姿が浮かび上がる。
比べて、旧来のイギリスのサッチャー氏やドイツのメリケル氏の様な女性指導者、それに今回登場したベステアー氏にはどの様な形容が為されるのだろう。恐らく徹底した学習で磨かれた鋭利な頭脳と洞察力・未知への飽くなき探求心・・・詰まり、とても優秀で頑固な性格と、目的に向かってトコトン突き進む・・・ヒロインの性格に適して居るのだろう。言い換えれば、他所道へと逸れ無い真摯な「民主政治の」への探求者だと例えられるかも知れない。
清濁併せ呑む嫌らしい男性と、清純な心で直球で勝負するヒロイン・・・大衆に受け入れられるのは恐らく後者だろう。今後、政治に関する指導者は、この様な女性が指揮し、男性はそれを補佐し現場を動かす官僚の図式へと嫌でも為りそうだ。一直線の女性の行動を複眼で観られる男性が多少の軌道修正して、結果的には目的へと進む・・・日本も何れ女性首相・女性天皇への時代へと変わるのでは無かろうか・・・
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