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2020年01月10日

これが世界の左派が掲げる反緊縮政策だ 松尾匡氏(立命館大学経済学部教授)










 これが世界の左派が掲げる反緊縮政策だ 松尾匡氏 立命館大学経済学部教授 

            〜ビデオニュース・ドットコム 1/9(木) 2:56配信〜


        1-10-2.jpg

           松尾 匡(まつお ただす) 立命館大学経済学部教授

 安倍政権が歴代最長の政権を維持出来て居るのは、何と言ってもこれ迄毎如く選挙に勝利して来たからだ。そして、その勝因は常にアベノミクスに代表される経済政策だった。
 実際、安倍政権は安保法制や秘密保護法・共謀罪等の難しい法案を可決させて来たが、毎回選挙で問われたのはそうした安全保障政策や社会政策では無く経済政策だった。野党がアベノミクスへの対案を提示出来て居ない事が、安倍政権の長期政権化を可能にして来たと言っても過言では無いだろう。

 立命館大学経済学部の松尾匡教授は、アベノミクスに一定の評価を与えながらも、それに対抗する経済政策を提示する事は十分に可能だと語る。それが左派による反緊縮経済政策だ。
 これは必ずしも日本に限った事では無いが、我々はどんな政策を実行するにも財源の裏付けが必要だと強く思い込まされて来た。そして財源とは税収若しくは国債・・・詰まり借金によって賄われるものであり、借金が膨らみ過ぎると財政破綻のリスクが増すので、緊縮政策を採ら無ければ為ら無いと教えられて来た。

 処がこの考え方に異を唱える勢力が世界で台頭して居る。イギリス労働党のコービン党首やアメリカ大統領に出馬中のバーニー・サンダース候補やオカシオ・コルテス下院議員等世界各国の左派の間で反緊縮政策を提唱する勢力が支持を集めて居ると云うのだ。
 最近注目を集めて居るMMT・現代貨幣理論もその流れを汲む。日本では山本太郎氏の「れいわ新選組」が、反緊縮を前提とする再分配政策を主張して先の参院選を戦い躍進して居る。

 松尾氏によると、こうした反緊縮左派は、財政危機論は新自由主義者のプロパガンダだと主張する。財政危機を煽り緊縮財政を推し進めれば、公的社会サービスが削減され、民間に新たなビジネスチャンスが生まれる。又、公有財産を切り売りすれば大資本が儲かり、しかも新自由主義が目指す小さな政府が実現すると云った具合だ。
 反緊縮左派の考え方は非常に明快だ。要するに、通貨発行権の有る政府はデフォルトリスクは全く無いので、財源が必要で有れば通貨をジャンジャン刷って財源を賄えば好いと云うのだ。

 そんな事をすれば大変なインフレに為ってしまうと考えるかも知れないが、不完全雇用の間は、どれだけ通貨を発行してもインフレは悪化しないと云うのは、今日では反緊縮派に限らず、主流派・非主流派のケインジアンに共通する経済政策の考え方だと松尾氏は言う。
 インフレに或る程度の上限を設けた上で、そこ迄は通貨の発行によって社会政策の財源を賄って行くのが反緊縮派の経済政策の要諦と為る。その一方で松尾氏は、通貨の発行により確保した財源を、医療、教育、社会保障等の社会サービスの拡充に再分配し、より公平な世の中を志向する政策を提案する事により、安倍政権が掲げるアベノミクスとの対立軸を明確にする事が出来ると語る。

 財界や大企業の意向を強く受けた安倍政権には、再分配や公平な世の中を志向する政策路線は採れ無いと考えるからだ。より公平な社会を作る為には再分配が必要だが、その為に財源が不可欠だ。しかし、税の累進性を高める事で富裕層への課税を強化したり法人税を増税するだけでは限界がある。
 もし反緊縮派の主張する様に財政赤字を気にせずに再分配をする事が出来れば多くの施策が選択肢に入って来るが、ソモソモそんな事は可能なのか。反緊縮政策とはどの様な考え方に基づいて居たもので、そこに落とし穴はないのか。反緊縮派の重鎮の松尾氏に、ジャーナリストの神保哲生と社会学者の宮台真司が聞いた。


             1-10-1.jpg

 松尾 匡(まつお ただす) 立命館大学経済学部教授 1964年石川県生まれ 1987年金沢大学経済学部卒業 92年神戸大学大学院経済学研究科博士後期課程修了 博士(経済学)同年より久留米大学経済学部教授 2008年より現職 著書に『左派・リベラル派が勝つための経済政策作戦会議』共著に『そろそろ左派は経済を語ろう』『「反緊縮!」宣言』など

 本記事はインターネット放送局『ビデオニュース・ドットコム』の番組紹介です。詳しくは当該番組をご覧ください

                   以上

















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