2019年12月27日
「日本再建、誰かがやらねば」中村喜四郎衆院議員インタビュー(中)
「日本再建、誰かが遣らねば」
中村喜四郎衆院議員インタビュー(中)
〜株式会社全国新聞ネット 2019/12/25 07:00 (JST)12/26 10:10 (JST)updated〜
共同通信社編集局デジタル編成部編集委員 西野 秀
野党共闘の在り方に付いて語る中村氏
立ち向かう姿を有権者に見せる事が、野党の成長に繋がると確信する中村喜四郎氏。与野党伯仲の緊張関係を作り出す事で、政治の劣化を止める「日本再建」の志を聞きました。
・・・東京都知事選は大勝負に為りますか。
2020年の東京都知事選、戦おうと云う事に為った時に考えて見れば、小池百合子東京都知事は2017年10月、民進党を立憲民主党と国民民主党に分断させた当事者ですよ。そして、今、自民党の二階俊博幹事長と近い。
「野党として黙っていて好いのか」と、私は言って居るんですよ。分断させられた、元仲間同士、立憲と国民が喧嘩して居るよりは、当時の指導者が東京都知事に為って居るんだから、野党として立ち向かって行くべきだと。それが二階氏とくっ付いてどうたらこうたら何て飛んでも無いと。政治家として、そこは立ち向かって行か無くちゃいけない。
ましてや、東京オリンピックに絡んで大きな問題が生じた。マラソンの実施場所が札幌に為った。アスリートファーストだからとか云うが本当かなと。日本の組織委員会がそう考えたのでは無くて、IOC(国際オリンピック委員会)が言い出した。「そんなことができるかな」と考えると、これは実は「小池外し」で行われたんじゃないか。そう云う疑問を野党は持つべきだ。
その事を、選挙戦で小池さんにブツケテ行くべきだ。与党は、絶対に口が裂けたって言え無い。だから野党が言うべきだ。平和の祭典・スポーツの祭典にもし「小池外し」と云う政治的な背景があるとする為らば、言語道断だ。そう言って、立ち向かって行けば好い。
次期衆院選迄に態勢構築
・・・とは云え、小池知事は選挙に強いですよ。
勝ち負けじゃ無いんですよ。オール野党で正論を言って向かって行く。「アア、野党は本気に為って来たな」と有権者に映る。そこに共産党も居ると「オオ、共産党も一緒か。変わったもんだな」と為る。こう云う処を見せて郁子とが大事だ。
ヤッパリ、戦う野党を見せて行く。錦の御旗を立てて堂々と戦うと。そう云う野党に為って行かなくちゃいけ無い。私は高知の県知事選挙が終わったら今度は東京都知事選だと。都知事選、皆で頑張ろうと今、野党の代表者に言って居ますよ。
代表者間の手探りが続いて居ます。この間、皆で共有して来たじゃないですか。志位和夫共産党委員長も、共産党も一緒に為って遣りますと、こう云う事を言って居ますし、そう為れば、この間、枝野幸男さんが志位さんと一緒に高知に入った事も、過つて共産党と距離があった枝野さんがそこの処は変わって来た。
2019年11月の高知県知事選は、必ずしも連合の協力は貰えませんでした。更に、候補者は無所属で戦いましたが共産党の党籍を持った人でした。知事選と同時に共産党が独自候補を立てて戦った高知市長選があり、捻じれて居ると云う中と云う最悪の状況でも戦えた。野党の主要政党、皆で戦った。一つ、次の総選挙への布石は打たれたと思います。
・・・今なお、連合は、共産党との共闘に消極的です。労働運動の現場での対立が根深い。
こう云う事に為ると、連合はどう為るか分かりません。只、労働組合である連合の動きと、政治の動きが全て一緒じゃ無くちゃダメだと云う事は無いと思いますよ。連合は連合の、組合としての組織の存亡を懸けた動きです。政党としての動きは、国民の為に動いて居る訳ですから、そこはヤッパリ隔たりがあって当然。それがハッキリすれば初めて、正常な政治が動いて居ると有権者に思われます。
・・・次の衆院解散の時期をどう予測して居ますか。
それは首相の専権事項ですから。何時あるか分かりませんが。野党はそう云う事よりも「オール野党」を、次の衆院選までの早い内に形を作れるかが大事だ。
1回目は埼玉知事選が終わった後、共産党の志位委員長は入りませんでしたが、野党の代表者を集めて会合を遣りました。その後、高知の知事選前にオール野党の代表者、集まって貰いました。オール野党の代表者が集まれる様に為って来た。
・・・野党共闘を進める方が優先事項だと云う事ですね。
1カ月の内に2回位オール野党の代表者が、政策の話じゃ無くて飯でも食って酒でも飲んで、バカ話を出来るかどうか。それを出来る様にして置くと、何時でも「オール野党」と云う枠組みを発動する事は出来るんじゃないですか。その後、幹事長、書記長ナンかにも同じ様な事が出来れば、猶更良いと。
・・・小選挙区でガチンコ対決を作って行くのですね。
そうです。だけど、痺れる結果が出無くたって好いんですよ。「しびれる結果が出たら好いね」じゃ無くて、オール野党で戦う。そして、そこで何が行け無かったのかと云う事を反省する。
今回の高知県知事選の事ナンか直ぐ分かって居る訳ですよ。 「無所属、オール野党で戦ったんだけど、ヤッパリ共産党籍はキツかったよね」「共産党が独自候補を出した高知市長選との捻じれもキツかった」「連合との協力もだから上手く行かなかった」「衆院高知2区で自民党を破った広田一君だったらどうだったろうか」ナドナド、考えれば、ドンドン次の事に対して反省するものが出て来るから、直して行ける。
選挙に出しゃばる
・・・高知の選挙事情にも精通して居ますね。
選挙の事って、実は誰も考えて居ないんですよ。考えて居る様に見えて、誰も人任せなんですよ。だから誰か1人が考えれば好いんですよ。昔ね、自民党に居た時に、小沢一郎さんが最初の幹事長だった1989年、私は総務局長を遣ってたんですよ。
マア、小沢さんが指揮を表で執って居たんですけど、裏では、私が選挙の実務的な事を遣った。その時に思ったのは、これ、誰もやん無いんだなと。自分で遣ら無いと何も動か無いなと知った。と云う事は選挙と云うのは頼まれて遣るんじゃダメだ。出しゃばって遣る事だな、と。
只管出しゃばって遣る。だからもう、新潟県知事選も埼玉県知事選も頼まれて無いですよ。「行かして呉れ」「手伝わせて呉れ」と。高知も「行かせて呉れ」と自分から押し掛けて行く。そう云う人が1人居ると、何と無く雰囲気が出来上がって来るんですよ。そう云う役割を担いたい。今の野党では、担っていか無くちゃ行けないと思ってます。皆さん結果ばかりに拘って居るから。
・・・キチンとした総括が出来て居ますか。
どうでしょうか。今度、野党の人が、高知の知事選を踏まえてどう総括出来るかによっては、国民から「野党が変わった」と思われたら、これは大きな成果を得たと云う事に為ると思います。そう云う事を自民党は嫌がって居ます。私は自民党に居たから、何と無く分かる。
与党と野党が、お互いに切磋琢磨して、良い緊張感を取り戻して行く。それが日本の民主主義をもう1回、再生させて行く為には必要な事だと。マア、日本再建ですね。日本再建と云うのはヤッパリ、誰かが遣るんじゃ無くて、自分で志を持って遣るしかないと、こう思って居ます。
共産党と確り連携
・・・気の早い話だが、政権交代が実現した時、共産党は閣内に入って貰うのか好いか、閣外協力に留めて貰うのが好いか。どうお考えですか。
先ずは、保革伯仲迄持って行か無くちゃ為ら無い。政権を取ると云う事は2段階目ですよ。最低でも2段階に分け無きゃしゃあ無いですよ。先ずは、保革伯仲が政治目標です。それが出来て、次の目標が政権交代だから。だから保革伯仲の処までは、共産党と確り連携を組んで行く事とは当然です。
昔の共産党の事は知りません、私は。でも今の共産党は変わって来ていると思います。自民党には「共産党と組んでは可笑しい」と言って居る人が居る。ジャア、中国共産党の習近平国家主席の事、安倍さんはどう遣って迎え入れるのか。国賓で迎え入れるんじゃないですか。中国共産党と仲良くしますって、日本の共産党は駄目なんだって、これも無茶苦茶な話で、そう云う事が権威主義だと思うんですよ。
・・・共産党の機関誌「しんぶん赤旗」は今年、100万部を切り、国政選挙の比例票も減少して居ます。
この間、茨城県議選の時に地元を歩いたら、私の支持者も高齢化して居ますけれど、共産党の支持者はもっと高齢化して居ます。だから共産党だって生き残りを懸けて行く為には、従来の独自路線だけじゃあ生き残れ無いと云う状況に来て居る。
その事が今回、野党と足並みをそろえると言って居る理由だと思います。共産党が無茶苦茶な事言ったら、縁を切れば好いだけですよ。だけどそれは共産党に取っても困るでしょ。野党共闘に舵を切ったなら、トコトン一緒に遣らないといけ無い。
そこから弾き出された共産党ナンてのは、今迄の共産党とは全く違った立場に為りますよ。そこは彼等も分かって居る。そんな無茶苦茶なことは言わ無い様に、対応する事が大切なんじゃないですか。
小沢一郎氏とも共闘
・・・野党連携に向け、小沢一郎氏も大分動いて居ます。所謂小沢アレルギーと云う事も、野党の共闘を考える時に好く語られますが、小沢氏の今日的な役割をどう見て居ますか。
個人的な感想は少し控えたいと思います。だけど、小沢さんと私は昔から政治手法が違います。小沢さんはドラスチックに政治の局面を変えて行くのが得意ですけど私は全員野球。兎に角下から皆の気持ちを大切にして、そして「汗は掻いて手柄は人に」と云うのが、私が教えを受けた田中角栄さんや竹下登さんの政治手法なので。
だから「改革派」だとか云う言葉で昔、衆院への小選挙区比例代表並立制を導入する「政治改革」を遣られた時には、大変な事に為ると考えた。「日本がヒックリ返っちゃう。こんな選挙制度を遣ったら飛んでも無い事に為る」と言って。
当時は小泉純一郎さんや加藤紘さんや山崎拓さんと云った、反田中、反竹下の動きをして来た人達と一緒に為って反対運動をしました。それに対して竹下も金丸も別に止め無かった。だから私は不思議な事に、何とかして選挙制度改革は止め無くちゃ為らないと、小泉、山崎、加藤の3氏と一緒に為って行動した。
・・・小選挙区が、日本の民主主義を変えたと云う認識ですか。
本当にそう為っちゃった。正しく日本のこの権威主義を生んだ最大の理由は、選挙制度を変えた事。結局、民主主義を衰退させちゃった。米国は、人種差別問題とか移民問題とか、そう云った問題を切っ掛けに、トランプ大統領の権威主義がドンドンドンドン、強く為って来て居る。日本は選挙制度を変えた事によって、政治に活力が本当に無く為ってしまった。
だけど、それを幾ら嘆いたってしょうが無い。これを踏まえた上でどうするかと云う事を考えていかなきゃ仕方無い。誰かが批判を恐れずに遣るしか無いと。そう云う役割を、私が遣れるものなら遣って行きたい。
・・・小沢さんと共闘出来ますか。
小沢さんとは、最初からスタートが違うし目指して居る事も違う。だけどマア、小沢さんが汗を掻いて、結果的にそれが野党結集に為って行くなら拒むものじゃありません。
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