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<経営思考の補助線> 御立尚資





ボストン・コンサルティング日本の代表でもある著者が、日経ビジネスオンラインで連載している内容を書籍にしたものです。


タイトルをみるとノウハウ本のようにも感じますが、ノウハウ本ではありません。
世の中の潮流について書かれている一冊です。


いつも忙しいと緊急なことばかりにとらわれてしまい、
重要なことであっても緊急でないことにはあまり関心が向くことはありません。


この本もそんな重要であっても緊急でない本です。

「茹でガエル」の話のように気付いたときには世の中が急変している、ということのないように一読しておきたい一冊です。



印象に残ったポイントは以下の通りです。



今後のネット活用の方向性
理論値ではなく、実際の人間の行動結果をデータとして収集し、それをもとに効果の高い施策を考えて実行していく

例:アマゾンの併せ売り(××という商品を買った人はこんなものも買っています、△△という商品を見た人はこんなものも見ています)

さらに、消費者が購入に当たってネット販売ページを何回見たのか、途中で買わなかった場合はどういうページを見て買わなかったのか、など、通常の商売ではチェックできなかった「買わない理由」の一端もデータ収集することができる



様変わりしたデフレ
かつてのデフレは政策的な超緊縮財政政策がもたらしたデフレだが、1990年代以降の日本のデフレはそうではない。

今日のデフレ
1.需給ギャップ(供給過多)

2.グローバル化に伴う価格調整(低価格の新興工業国+不況により今までのように高価格では売れなくなった)



プロダクトから総合サービスへの転換
例:GEのビジネスモデルイノベーション
単なる「航空機エンジン販売」から「航空機エンジン販売+航空機エンジン保守+金融サービス+(エンジン稼働状況の遠隔モニタリング技術提供事業など)」のワンストップサービスのビジネスモデルを確立した



企業のROA向上から顧客のアセットプロダクティビティ改善へ
(企業の)ROA:総資産利益率。総資産がどれだけ効率的に使われているかを見るもの。

顧客のアセットプロダクティビティ:顧客の持つ資産を効率よく使っていく。例えば、カーシェアリングによって遊休時間を減少させる。このようなことが様々な資産にも応用する。



M&A成功の極意
相手の内部を見た経験のある人を意識的・積極的に活用する価値は大きい



自分で知恵を絞らなければ始まらない

努力しなければ本当に才能があるのかわからない

知恵を絞らずに与えられた機会を受身にとらえてはいけない




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