2020年06月25日
【ギリシャ神話・デメテルとペルセポネ】娘を所有物化する母、溺愛という名の依存。
アダルトチルドレンの視点から
ギリシャ神話を読んでいると。
ドロドロした親子闘争の話はどうしても胸に刺さる。
豊穣の女神・デメテルと、
娘・ペルセポネの結婚エピソードを読んで。
ー目次ー
父:最高神・ゼウス
母:豊穣の女神・デメテル
娘:ペルセポネは
冥界の神・ハデスに見初められ冥界へ連れ去られる。
デメテルは怒りと悲しみのあまり、豊作の仕事を放棄。
結果、地上では不作と飢饉が蔓延。
ペルセポネは帰ってくるものの、
冥界のザクロを3分の1だけ口にしたため、
その期間だけ冥界に行かなければならない。
解決策として、ゼウスが提案する。
ペルセポネが冥界へ行っている期間、
娘の不在を悲しむデメテルが仕事をしないことから、
豊作の時季、不作の時季=四季が生まれた。
という、娘の結婚を巡るお話。
惚れた相手を妻にしたいと連れ去るハデス。
急とはいえ、娘が不在の期間は
仕事が手につかないほど落ち込むデメテル。
仲裁のため、最善の妥協案を出すゼウス。
誰も悪くない。誰を責めても仕方ない。
ただ、彼らの思惑の中に
ペルセポネがどうしたいかが反映されていない。
誰と結婚したいのか、結婚したくないのか。
どこに住みたいのか、母のもとにいたいか、いたくないか。
ぜんぶ、親の都合で決められてる。
娘が手元にいない間は、
悲しみのあまり神の仕事も手につかない。
まるで、娘こそ我が命、私のすべて。
娘がいなければ生きていけないかのように。
自分の目の届く範囲に、娘がいなければ不安で仕方ない。
「ペルセポネの母」というポジションを保たなければ
自分の存在価値を確認できない。
母・デメテルの悲しみの根源には、
そんな自尊心の低さがあるんじゃないだろうか。
そして、ペルセポネは母の顔色を伺いながら生きる
アダルトチルドレンなんじゃないか。
デメテルはおそらく「不安型」の愛着障害。
見捨てられる不安が強いために、
娘に依存してしまう状態。
どうしてデメテルは娘に依存するくらい
不安が強くなったんだろう。
デメテルは生まれると同時に父・クロノスに飲まれ、
ゼウスが助け出す頃には体内で育っていた。
母・レアに抱かれなかったことと、
父・クロノスに愛されなかったことで、
愛着や安心感が育たなかった。
クロノスの体内では、
兄ハデスや姉妹ヘラ、ヘスティアらと過ごした(?)ものの、
それでは足りなかったのかも知れない。
さらに、ペルセポネは
ゼウスと合意の上でできた子ではないらしい。
親の愛情を十分に受けられなかった出自に加え、
ゼウスに迫られた心の傷があったとしたら。
なおさら不安が強く、依存的な気質になったのかも知れない。
「神話だから」
「そういう時代だから」
と言われれば、片づいてしまう。
現代の愛着や親子関係の通説を、
ギリシャ神話に当てはめるのは強引かなとも思った。
それでも、僕はアダルトチルドレンの1人として。
デメテルとペルセポネのエピソードから、
親とは何か、親子とは何かを改めて考えさせられた。
母・ヘラに捨てられたヘパイストスの話と同じように。
→「【ギリシャ神話・ヘパイストス】親に詫びを求めたら、きっと虚しくなるんだろう。」
ずっと考えてきた親子問題と、
ギリシャ神話がこんな形でつながるなんて。
そんな予想外も含めて、ギリシャ神話は本当におもしろい。
ーーギリシャ神話をもっと深く知れる本ーー
ーー愛着障害をわかりやすく学べる本ーー
ギリシャ神話を読んでいると。
ドロドロした親子闘争の話はどうしても胸に刺さる。
豊穣の女神・デメテルと、
娘・ペルセポネの結婚エピソードを読んで。
- 子どもは親の所有物という概念
- 溺愛という大義名分を振りかざす過保護な母親
ー目次ー
- ペルセポネの結婚、エピソード概要
- 親の都合と、考慮されないペルセポネの意思
- 自尊心が低く、娘に依存的な母・デメテル
- デメテルの「不安型愛着障害」
- ギリシャ神話は、親子とは何かを再考させてくれる
1.ペルセポネの結婚、エピソード概要
父:最高神・ゼウス
母:豊穣の女神・デメテル
娘:ペルセポネは
冥界の神・ハデスに見初められ冥界へ連れ去られる。
デメテルは怒りと悲しみのあまり、豊作の仕事を放棄。
結果、地上では不作と飢饉が蔓延。
ペルセポネは帰ってくるものの、
冥界のザクロを3分の1だけ口にしたため、
その期間だけ冥界に行かなければならない。
解決策として、ゼウスが提案する。
- 1年の3分の1は冥界で過ごす
- 残りの3分の2は母・デメテルの元で過ごす
ペルセポネが冥界へ行っている期間、
娘の不在を悲しむデメテルが仕事をしないことから、
豊作の時季、不作の時季=四季が生まれた。
という、娘の結婚を巡るお話。
2.親の都合と、考慮されないペルセポネの意思
惚れた相手を妻にしたいと連れ去るハデス。
急とはいえ、娘が不在の期間は
仕事が手につかないほど落ち込むデメテル。
仲裁のため、最善の妥協案を出すゼウス。
誰も悪くない。誰を責めても仕方ない。
ただ、彼らの思惑の中に
ペルセポネがどうしたいかが反映されていない。
誰と結婚したいのか、結婚したくないのか。
どこに住みたいのか、母のもとにいたいか、いたくないか。
ぜんぶ、親の都合で決められてる。
3.自尊心が低く、娘に依存的な母・デメテル
娘が手元にいない間は、
悲しみのあまり神の仕事も手につかない。
まるで、娘こそ我が命、私のすべて。
娘がいなければ生きていけないかのように。
自分の目の届く範囲に、娘がいなければ不安で仕方ない。
「ペルセポネの母」というポジションを保たなければ
自分の存在価値を確認できない。
母・デメテルの悲しみの根源には、
そんな自尊心の低さがあるんじゃないだろうか。
そして、ペルセポネは母の顔色を伺いながら生きる
アダルトチルドレンなんじゃないか。
4.デメテルの「不安型愛着障害」
デメテルはおそらく「不安型」の愛着障害。
見捨てられる不安が強いために、
娘に依存してしまう状態。
どうしてデメテルは娘に依存するくらい
不安が強くなったんだろう。
デメテルは生まれると同時に父・クロノスに飲まれ、
ゼウスが助け出す頃には体内で育っていた。
母・レアに抱かれなかったことと、
父・クロノスに愛されなかったことで、
愛着や安心感が育たなかった。
クロノスの体内では、
兄ハデスや姉妹ヘラ、ヘスティアらと過ごした(?)ものの、
それでは足りなかったのかも知れない。
さらに、ペルセポネは
ゼウスと合意の上でできた子ではないらしい。
親の愛情を十分に受けられなかった出自に加え、
ゼウスに迫られた心の傷があったとしたら。
なおさら不安が強く、依存的な気質になったのかも知れない。
5.ギリシャ神話は、親子とは何かを再考させてくれる
「神話だから」
「そういう時代だから」
と言われれば、片づいてしまう。
現代の愛着や親子関係の通説を、
ギリシャ神話に当てはめるのは強引かなとも思った。
それでも、僕はアダルトチルドレンの1人として。
デメテルとペルセポネのエピソードから、
親とは何か、親子とは何かを改めて考えさせられた。
母・ヘラに捨てられたヘパイストスの話と同じように。
→「【ギリシャ神話・ヘパイストス】親に詫びを求めたら、きっと虚しくなるんだろう。」
ずっと考えてきた親子問題と、
ギリシャ神話がこんな形でつながるなんて。
そんな予想外も含めて、ギリシャ神話は本当におもしろい。
ーーギリシャ神話をもっと深く知れる本ーー
ーー愛着障害をわかりやすく学べる本ーー
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