2020年02月23日
親の操り人形にはならない。
僕は大学進学で実家を離れた数日後に
茶髪にした。
その前は、私服の高校に通っていても
当たり障りのない服装だったのが、
実家を離れた瞬間、
ずっと憧れていた渋谷系や、
ホスト系ファッションに傾いていった。
そして大学1年生で左耳にピアスを開けた。
※「ピアスを自分で開けた時の話。」
https://fanblogs.jp/yaritaikotohanokosazuyaru/archive/455/0
これが「大学デビュー」だろうか。
ともかく、こんな様変わりした容姿で
初めて帰省した時の反応は絶句系が多かった。
ただ、全員が絶句系と思っていた中、
とある親戚にピアス姿を初めて見せた際に
真逆の反応が返ってきた。
・両親、妹弟→眉間にしわを寄せ絶句
・親戚→「あぁ…良かった。ほっとした。」
なぜ「良かった」のかを尋ねると、
こんな答えが返ってきた。
「理琉くんが自分の好みや意志を
ちゃんと表現できる人間とわかってほっとした」
「親戚から見ると、理琉くんの家族は
何でもできる完璧な人たち過ぎて、
実は近寄りがたい雰囲気があるのよ。
お父さんはものすごく勉強ができる
完璧な数学の先生。
お母さんはどの家事も腕前がすごくて
見習えないくらい完璧な専業主婦。
言葉は悪いけど、
あまりにも完璧すぎて気味が悪いくらい。」
「お父さんお母さんの昔の話を少し聞くと、
2人とも見事に親の期待にばっちり応えてきた人生でしょ?
お父さんは、おじいちゃんがどうしても
息子を大学に行かせたいと言って、
命を削って働くのを見て育って。
お母さんは余計なことをほとんど話さない
ミステリアスな雰囲気だけど、
ひいばあちゃんに仕える
おばーちゃんの姿を長女として間近で見て、
家事を完璧にして目上を立てる姿勢を身に着けてさ。」
「だから、高校生までの理琉くんを見ていて、
両親と同じように、期待に応えるだけの操り人形に
なってしまうんじゃないかと心配していたよ。
だけど大学に入って、親元を離れてから
こうやっておしゃれしたり、髪を染めたり、
ピアスを開けたり自分らしく振る舞っているのを見たら、
本当にほっとしたよ。
親の期待通りに生きる操り人形にはならない、
ちゃんと自分の好みや意思を持ってるんだと
主張できる人間とわかってさ。
親の期待に応える生き方を否定するわけじゃないけど、
髪を黒染めしたり、地味な服に戻したりせずに
自分らしい姿でそのまま帰って来たのを見れてよかった。」
高校生までの僕は、とにかく親を拒絶、反発、忌避し、
話しかけない、姿を見せないことに注力していた。
一方で、大学に行ける程度の勉強をしていたことは、
学校の成績で人を序列化する傾向のある父には
期待に応える姿勢と映ったかも知れない。
そして帰省した際には従弟の勉強を見たり、
家事を手伝ったりと働いていたことは、
親戚からすれば「親の期待通りに」
「何でもできる完璧な人」に見えたんだろう。
自分の家族が、第三者から見れば
「近寄りがたいくらい何でもできる完璧な人たち」
だったことには驚いたけど、
今から思えばあの集団は本当に気味が悪い。
会話はゼロ、ふれあいもなし、
ただそれぞれが黙々と、それぞれのやることをこなす。
家の中に漂う重苦しい沈黙の空気は
まるで昭和30年代で時が止まったような異空間。
あそこは家族の生活環境ではなく、
まさに「静かで集中できる職場」だった。
→「時が止まった家。」
https://fanblogs.jp/yaritaikotohanokosazuyaru/archive/329/0
それを見破っていた親戚だからこそ、
異空間に染まらず自分を表現した僕の姿を見て
ほっとしたのかも知れない。
僕は自分が好きなことは決して譲らない、
とても頑固なところがある。
それは自覚していたものの、
当時はなぜ実家を離れた瞬間から
自由に振る舞い始めたのかわからなかった。
茶髪にピアスに渋谷系の服装で帰ったら、
実家の連中が顔をしかめることをわかった上で、
落胆させてやろうという意地悪な思いはあった。
でも、やっとわかったのは、
意地悪や反発心といった他人基準の感情は
僕の行動理由の1割に過ぎなかったこと。
残り9割は自分が着たい服、自分が付けたいピアス、
自分がなりたい姿、すべて自分の意思での選択だった。
彼らが好まない姿を非難される、否定される、
その恐怖に自分の意思が打ち勝った瞬間だった。
まだ親への怒りで満ち溢れていたあの頃から、
僕は「操り人形にはならない」という意思を
ちゃんと持っていたんだ。
そのことに気づけて、本当によかった。
気づかせてくれた親戚には今でも感謝している。
茶髪にした。
その前は、私服の高校に通っていても
当たり障りのない服装だったのが、
実家を離れた瞬間、
ずっと憧れていた渋谷系や、
ホスト系ファッションに傾いていった。
そして大学1年生で左耳にピアスを開けた。
※「ピアスを自分で開けた時の話。」
https://fanblogs.jp/yaritaikotohanokosazuyaru/archive/455/0
これが「大学デビュー」だろうか。
ともかく、こんな様変わりした容姿で
初めて帰省した時の反応は絶句系が多かった。
ただ、全員が絶句系と思っていた中、
とある親戚にピアス姿を初めて見せた際に
真逆の反応が返ってきた。
・両親、妹弟→眉間にしわを寄せ絶句
・親戚→「あぁ…良かった。ほっとした。」
なぜ「良かった」のかを尋ねると、
こんな答えが返ってきた。
「理琉くんが自分の好みや意志を
ちゃんと表現できる人間とわかってほっとした」
「親戚から見ると、理琉くんの家族は
何でもできる完璧な人たち過ぎて、
実は近寄りがたい雰囲気があるのよ。
お父さんはものすごく勉強ができる
完璧な数学の先生。
お母さんはどの家事も腕前がすごくて
見習えないくらい完璧な専業主婦。
言葉は悪いけど、
あまりにも完璧すぎて気味が悪いくらい。」
「お父さんお母さんの昔の話を少し聞くと、
2人とも見事に親の期待にばっちり応えてきた人生でしょ?
お父さんは、おじいちゃんがどうしても
息子を大学に行かせたいと言って、
命を削って働くのを見て育って。
お母さんは余計なことをほとんど話さない
ミステリアスな雰囲気だけど、
ひいばあちゃんに仕える
おばーちゃんの姿を長女として間近で見て、
家事を完璧にして目上を立てる姿勢を身に着けてさ。」
「だから、高校生までの理琉くんを見ていて、
両親と同じように、期待に応えるだけの操り人形に
なってしまうんじゃないかと心配していたよ。
だけど大学に入って、親元を離れてから
こうやっておしゃれしたり、髪を染めたり、
ピアスを開けたり自分らしく振る舞っているのを見たら、
本当にほっとしたよ。
親の期待通りに生きる操り人形にはならない、
ちゃんと自分の好みや意思を持ってるんだと
主張できる人間とわかってさ。
親の期待に応える生き方を否定するわけじゃないけど、
髪を黒染めしたり、地味な服に戻したりせずに
自分らしい姿でそのまま帰って来たのを見れてよかった。」
高校生までの僕は、とにかく親を拒絶、反発、忌避し、
話しかけない、姿を見せないことに注力していた。
一方で、大学に行ける程度の勉強をしていたことは、
学校の成績で人を序列化する傾向のある父には
期待に応える姿勢と映ったかも知れない。
そして帰省した際には従弟の勉強を見たり、
家事を手伝ったりと働いていたことは、
親戚からすれば「親の期待通りに」
「何でもできる完璧な人」に見えたんだろう。
自分の家族が、第三者から見れば
「近寄りがたいくらい何でもできる完璧な人たち」
だったことには驚いたけど、
今から思えばあの集団は本当に気味が悪い。
会話はゼロ、ふれあいもなし、
ただそれぞれが黙々と、それぞれのやることをこなす。
家の中に漂う重苦しい沈黙の空気は
まるで昭和30年代で時が止まったような異空間。
あそこは家族の生活環境ではなく、
まさに「静かで集中できる職場」だった。
→「時が止まった家。」
https://fanblogs.jp/yaritaikotohanokosazuyaru/archive/329/0
それを見破っていた親戚だからこそ、
異空間に染まらず自分を表現した僕の姿を見て
ほっとしたのかも知れない。
僕は自分が好きなことは決して譲らない、
とても頑固なところがある。
それは自覚していたものの、
当時はなぜ実家を離れた瞬間から
自由に振る舞い始めたのかわからなかった。
茶髪にピアスに渋谷系の服装で帰ったら、
実家の連中が顔をしかめることをわかった上で、
落胆させてやろうという意地悪な思いはあった。
でも、やっとわかったのは、
意地悪や反発心といった他人基準の感情は
僕の行動理由の1割に過ぎなかったこと。
残り9割は自分が着たい服、自分が付けたいピアス、
自分がなりたい姿、すべて自分の意思での選択だった。
彼らが好まない姿を非難される、否定される、
その恐怖に自分の意思が打ち勝った瞬間だった。
あなたは自分を
「独立した、欠けることのない一人の人間」
だと感じてかまわないのです。
他人から侵略されたり蹂躙されることのない、
自分と他人を分ける健全な境界線を引いていいのです。
感じたことを述べ、
本当の気持ちを表現する自由を持っていいのです。
あなたは苦しみから癒える権利があるのです。
『不幸にする親』序章 より
まだ親への怒りで満ち溢れていたあの頃から、
僕は「操り人形にはならない」という意思を
ちゃんと持っていたんだ。
そのことに気づけて、本当によかった。
気づかせてくれた親戚には今でも感謝している。
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