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2019年11月27日

【部活の理不尽】補欠選手の渇き

学校の部活経験者なら、
多くの人に「補欠」の経験があると思う。

そして補欠を長く経験した人ほど、
試合の日が1番憂鬱だったんじゃないか。

たとえば大人になってから学生の大会を観戦に行ったら、
1番気になるのはどこだろう?

1点を争うコート上?
祈るように見つめるベンチ?
大声で指示を出すコーチ?
悲鳴と歓喜に沸く父兄応援団?

違う。

ずっと補欠選手だった人が気になるのは、
そんな華やかなオモテ面じゃない。

ベンチに入れず、2階席で応援する補欠選手たちだ…。



僕は小学生からバスケを始めたが、
小中高大と試合に出られなかった。
ベンチにも入れない時間の方が長かった。

正直に言うと、
僕は試合の日なんか少しも嬉しくなかった。


試合の日は、
練習の成果を出すチャンスが
与えられないことが確定している。

悔しさや惨めさを嚙みしめて
1日が終わることが確定している。

なのに、悔しさや惨めさを押し殺して
「チームのため」の振る舞いを求められる。

なのに僕は、どうしても
「チームのため」と思えない自分が嫌だった。

・部活に所属している以上、
 チームの成功を喜ばなければいけない

・「自分が出られないならどうでもいい」と
 投げやりになってはいけない


本当は投げやりになっているのに、
自分にそんなウソをつく自分が嫌だった。




ユニフォームをもらっている選手なら、
点差が開けば出場のチャンスがある。

勝敗がほぼ決した終盤だけでも、
「試合に出られるかも」という希望を持てる。

補欠選手はどうか?
補欠選手にはそんなわずかな希望すらない。

おそろいのチームジャージを着ているのに、
ウォームアップすらできずに1日が終わる。

悔しさ、惨めさ、消化不良が募ったまま、
チームが勝てば喜んだフリをする。
チームが負けたら残念なフリをする。

「ずっとレギュラーで活躍してきた」という人は、
補欠選手がどんな気持ちで家路につくかを
想像したことがあるだろうか?

「チームのためなら」

そんな美しい自己犠牲の言葉は、
補欠選手には響かない。


それが響くのは、
試合にたくさん出場している選手だけだ。

人間はきれいな生き物じゃない。

悔しさ、惨めさ、嫉妬心をすべて捨てて、
無心に応援できる聖人君子じゃない。




僕は社会人バスケを始めてから、
今までがウソのようにバスケが上達した。
試合にも出られるようになった。

けど、今でも試合の日は憂鬱だ。
普段の練習に行く時の方が何倍も楽しい。

試合の日は10〜30分しかバスケができない。
練習なら2時間びっちりゲームができる。

僕にとって、ゲームに出られるなら、
それが公式戦でも練習中の紅白戦でもどっちでもいい。

とにかくたくさんゲームに出たい。
本当は2時間じゃ足りない。

社会人バスケでは、
1日に2試合を消化することは稀だ。
1試合分では足りないから、本当は2〜3試合やりたい。

補欠選手は、とにかく喉が渇いている。

試合に出られない悔しさと、
1日をムダにしたような消化不良感を
長く味わってきたからだ。


コートに立てない選手たちも、
僕と同じように渇いているんだろうか。

試合に出られずに終わった1日を悔やみ、
平日への絶望を抱えているんだろうか。

「チームが勝って嬉しい」
自分にそんなウソをついているんだろうか。



「嫌なら部活を辞めろ」
「レギュラーになれないお前の自己責任だ」


という意見もあるだろう。
これ以上ないくらい合理的な解決策だ。

補欠選手の悲哀が
「負け犬の遠吠え」に映る人もいるだろう。


その通りだ。
実力不足か、何かの理由かわからないが、
補欠選手はどこかで負けたから補欠だ。

が、それを責めることで誰が幸せになるだろう?

「自分は補欠でも我慢してきたんだ」
「そんな利己的なことを言うヤツが許せない」


というなら1度、
学生の大会を観戦に行ってみてほしい。

そしてコートではなく、
2階席で応援している補欠選手たちの声を
よく聞いてみてほしい。


彼らの声援の成分は、純度100%の励ましだろうか?
きっと、励ましなんて1割くらいだろう。

大部分は「飢え」「渇き」だ。

補欠選手だった者だけが聞き取れる”悲鳴”だ…。




部活の理不尽「補欠」

僕は幸運だった。

補欠選手の渇きが、
「もっとバスケがしたい」という情熱に変換されたから。

けど、人によっては
「試合に出られないからバスケを辞めよう」
に繋がったんじゃないか。


一生の趣味になったかもしれない。
プロ選手や指導者として活躍できる素質を持っていたかもしれない。

なのに補欠が溢れるスポーツ環境がつまらなくて、
多くの人が辞めてしまったら、とてつもない損失ではないか。


本来、わくわくするはずの試合の日。
その日が1番憂鬱だなんて、あまりにも悲しい…。



⇒他記事
【遅咲き】何かを始めるのに年齢は関係ない、楽しいかどうかで決めればいい

【バスケ心理分析】ディフェンスをサボる理由は、強い承認欲求と自己否定ではないか


⇒参考書籍




posted by 理琉(ワタル) at 00:41 | TrackBack(0) | 部活

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自閉傾向の強い広汎性発達障害。鬱病から再起後、低収入セミリタイア生活をしながら好きなスポーツと創作活動に没頭中。バスケ・草野球・ブログ/小説執筆・MMD動画制作・Vroidstudioオリキャラデザインに熱中。左利き。 →YouTubeチャンネル
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