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2019年11月09日

無意識に子どもを追い詰める、口うるさい母親。

社会人2年目になる僕の知人が
精神を病んで会社を退職した経緯を聞いた。



配属先が初めての土地、会社の寮生活で、
1年目は信頼できる同期がいたことで
慣れないながら何とかやっていた。

しかし2年目に同期がいなくなり、
会社の寮のためオンとオフの切り替えが難しく、
孤独の中で追い詰められていった。

現在は引きこもりに近く、誰にも心を開かず、
鬱病かはわからないが危険な状態だそうだ。



その知人の母親とも、
僕は親しくさせてもらっていて、
彼のことについてよく相談される。

しかし、その母親の主張を聞いていると、
知人が心を病み、また母親に反発し
心を閉ざしてしまうのも無理はないと思った。



母親は僕に対して、相談というよりも
彼への愚痴を垂れ流しているように聞こえた。

自分で働く気がない、
退職したのに生活レベルを落とさない、

かといって実家に帰ってきた時はきた時で、
私はイライラして小言ばかり言ってしまう、
それに反発する彼とすぐ喧嘩になってしまう、と。



話を聞きながら、僕は表向きは冷静なふりをするも、
内心では過去の自分に文句を言われているようで、
本当に心が痛かった。

僕も社会人になって間もなく、挫折を味わった。
そして鬱病になり、実家に帰った経緯がある。

再び家を出るまでの3年間、
「いつまで居る」「居候」と言われ
肩身の狭い思いをしていた。

→「「資格か公務員の勉強するなら置いてやる」。
https://fanblogs.jp/yaritaikotohanokosazuyaru/archive/342/0

母親が言っている「働く気がない」は、
この頃の僕に文句を言っているように聞こえた。

挫折し、心を病んだ子どもをさらに追い詰める言葉だ。



会社を辞めたが、知人はまだ一人暮らしで
実家に帰っていない。

帰りたくないだろう。

打ち砕かれ、追い詰められているのに、
追い打ちをかける親元に帰ったら、
潰されてしまうのは目に見えている。

僕が実家に帰った時に味わった、
残された逃げ道を実の親に塞がれるという絶望。

その悲しみが再現されてしまうのではないかと
懸念してしまった。



心の病に対して「働け」は絶対に言ってはいけない。

ぎりぎり耐えてきて、もう頑張る気力がなくなって
病にかかった、ライフポイントがゼロの状態。

これ以上頑張れずに、心がパンクしたのに、
僕の両親も、知人の母親も、どうしてさらに
追い詰めるようなことばかり言うのだろう。



理由は、母親がいろいろと言っていることは
本心では”自分のため”であって知人のためではないから。

彼が不安定になったり、自分の言うことに反発したり、
安定して生活してくれないと”自分が”不安になるから。

彼が心を閉ざし、引きこもりのようになり、
未来が見えにくい状況になっては”自分が”安心できないから。

彼の状態がこう、問題点はこう、
だから彼が回復するために何かしたい、ではなく、

彼を”自分が安心できる”状態にしておきたいという
コントロール願望、支配欲が根底にあるから。



本当に子どものことを思っているなら、
彼が引きこもりに近い状態になってしまった時に
かける言葉は「働く気がない」ではなく、

「1年ちょっともよくやったね、しばらく休みな、帰っといで」
がいいんじゃないかと思う。

これは僕自身が、実家で肩身の狭い思いをしていた時に、
ほしかった言葉。

当時はその理由なんて考える余裕はなかったけど、

まるで僕と同じような道を辿っている知人のことを
聞けば聞くほど、親が追い打ちをかけているのが
はっきり見て取れる。



母親は”自分の不安を取り除きたい気持ち”の裏返しで
彼を追い詰めたり小言を言っていることに
気づいていない。

だからこれからも、無意識に彼を追い詰める言葉を
浴びせ続けるんだろうな、と思う。

僕は相談を受けたり、彼の近況を聞いたりするたびに、
胸が苦しくなる。

どちらの味方をするわけにもいかず、
母親に「あなたが追い詰めています」とも言えない。

どうすればいいんだろう。

かつての自分と、知人を重ねながら、
苦しむ両者の話をただ聞き、ただ見守っている。


posted by 理琉(ワタル) at 22:28 | TrackBack(0) | 家族

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自閉傾向の強い広汎性発達障害。鬱病から再起後、低収入セミリタイア生活をしながら好きなスポーツと創作活動に没頭中。バスケ・草野球・ブログ/小説執筆・MMD動画制作・Vroidstudioオリキャラデザインに熱中。左利き。 →YouTubeチャンネル
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