アフィリエイト広告を利用しています

広告

posted by fanblog

2019年08月29日

優しいお父さんと、抱っこをせがむ子と。

久しぶりに、
近くのお気に入りの温泉に行った。

お風呂から上がり、
脱衣所で扇風機を浴びながらぼーっとしていると、

3歳くらいの男の子と、
日焼けした体格のいいお父さんが上がってきた。



見た目で判断するわけではないが、
体格のいいお父さんは、体重計に興味津々の子に
優しく微笑みかけ、言葉をかける。

体重計の周りをぐるぐる回りながら
その子はお父さんへ抱っこをせがみ、走り寄る。



その様子を見ていた僕は、
気がつけば温泉の脱衣所で一人、泣いていた。

壁に背を向け、ロッカーの陰に隠れ、
周りの人に表情を見られないようにしながら、
バスタオルで顔を拭くふりをしながら泣いた。



こんなお父さんがほしかった、
こんなあったかい親子関係がほしかった。

それが叶わなかったのは誰のせいかと
犯人捜しをする自分が嫌だった。

僕が話しかけるのを放棄したのが悪いのか、
僕を受け入れようとしなかった親が悪いのか、

相変わらずバスタオルでごまかしながら
不毛な犯人捜しが頭の中を駆け巡った。



涙を拭い、着替えてロビーのベンチへ移動した。

またしばらくぼーっとしていると
脱衣所からさっきの親子が出てきた。

先にお風呂から上がって、
ロビーで待っていたであろうお嬢さんが
待ちかねたようにお父さんの方へ駆けていった。

お父さんはそれを嬉しそうに抱きかかえていた。

今度は泣かなかった。

涙の代わりに、胸の奥の方から
孤独感と寂しさが湧き上がってくるのを流れとして感じた。



あの1シーンだけを見て、
幸せな家庭かどうかなんてわからないけど、

子どもたちがああやって無警戒にお父さんに寄りつき、
お父さんも優しく迎えてくれるのは
普段からそういう信頼関係ができているからだ。

子どもはいつも家でびくびくしてるのに、
外に出たら父に対して違う反応を無理してするなんて
そんな不自然なパフォーマンスには見えなかった。



温泉にいる間は再び泣くことはなかった。

けど、帰りの自転車を漕ぎながら、
そして家に帰った後でまた泣いた。

こうしたかった。

こんな親子関係がほしかった。

決して叶うことのない願いだけが
僕一人しかいない部屋にこだました。



運命を決めている誰かがいるなら、
僕にはあたたかい親子関係をあげないと
どうして決めたんだろう。

この子には親とのあたたかい経験をあげる、
この子にはあげないで大人になってもらう、
それを決めている誰かがいるなら出てきてほしい。

どんな説明を受けても納得しないのを
わかっててこんなことを言うのもなんだけど、

僕にあたたかい親子の経験をあげないと決めた
その理由を教えてほしい。


posted by 理琉(ワタル) at 23:52 | TrackBack(0) | 家族

この記事へのトラックバックURL
https://fanblogs.jp/tb/9121868

※言及リンクのないトラックバックは受信されません。

この記事へのトラックバック
検索
プロフィール
理琉(ワタル)さんの画像
理琉(ワタル)
自閉傾向の強い広汎性発達障害。鬱病から再起後、低収入セミリタイア生活をしながら好きなスポーツと創作活動に没頭中。バスケ・草野球・ブログ/小説執筆・MMD動画制作・Vroidstudioオリキャラデザインに熱中。左利き。 →YouTubeチャンネル
プロフィール
最新記事
カテゴリーアーカイブ
×

この広告は30日以上新しい記事の更新がないブログに表示されております。