2019年07月10日
「またそうやって取り乱す。」
父から言われた中で、
直近で一番傷ついた言葉。
「またそうやって取り乱す。」
物心ついた頃には
自分の意思を父に伝えることを諦めた僕は
何かをしたいと伝えた数は
片手の指で数えられるくらい。
その中で一番最近、父に伝えたことは
就職という形に囚われない自由な働き方も
人生の中で視野に入れているということ。
この頃はちょうど会社を退職し、
直後に離婚を経験したばかりで、
急な人生の変化がいっぺんに訪れ
精神的にとても参っていた。
しかし、僕が会社を辞めたことを知った父は
こういう状況と精神状態にある僕に構わず
直近の公務員試験の日程をどっさり送ってきた。
公務員の他に、遠隔地の農家への出稼ぎ求人や
その他忘れたがとにかく求人関係の情報を
大量に印刷してきた。
「ここの面接受けなさい」
「この試験いついつまでだから応募しろ」
「この出稼ぎ行ってみてもいいだろ」
仕事を辞めた
→収入がなくなる
→働かせなければ
という心配をしてくれたのか、
就職していない=まずいという図式からか
そこはわからない。心配であればひとまず感謝する。
情報自体はありがたいのだが、
この時の僕の精神状態は決して良好とは言えず、
大きな喪失感でいっぱいだった。
だから正直、僕の気持ちはどうでもいいのかと
少し失望してしまった。
※そもそも父は診断が付いていないだけで
ASD(自閉症スペクトラム)の傾向がかなり強いので、
一方的な言動には無理やり納得する必要もあった。
→「一方的な父のASD特性。」
https://fanblogs.jp/yaritaikotohanokosazuyaru/archive/221/0
ある日、突然連絡が入り食糧を届けてくれたが、
この時は珍しくすぐに帰らなかった。
もしかして話を聞いてくれるのかな、という
今から考えれば最も裏切られる期待を抱いたが、
お茶を出した直後に僕の手元に置かれたのは
やはりというべきか、分厚い求人資料と
公務員試験のパンフレットだった。
長いおすすめ演説が一通り終わった後、
僕はそのこと自体にはお礼を言いながらも、
今のしんどい状況を思い切って伝えた。
会社を辞める時にも一悶着あり、
キツイ言葉をたくさん言われたこと。
その直後に相手から離婚したいと言われたことで、
一時期は見捨てられたと思ってしまったこと。
辛かったと伝え、僕はその場で涙を流した。
これを見た父から返ってきた反応が、
そう、冒頭の言葉。
「またそうやって取り乱す。」
淡い期待をした自分への反省と、
どこまでも僕の気持ちに興味がない父への失望が
一気に頭の中を駆け巡り、僕は愕然とした。
押し付けるばかりの人というのは
これまでに何度となく再確認してきたはずなのに、
今回はさすがに、人が泣き出したその前で
あまりに無慈悲な言葉を発した父への不信感が
ピークに達してしまった。
先ほど、仕事の情報を大量に持ってきたのが
僕の生活を心配してのことかも知れないと書いたが、
冷静になってみれば、しばらくは失業保険があるし、
1分1秒を争わなくても、じっくり考えればいいことだ。
だから、申し訳ないが父の心には僕の生活よりも、
「働いていない息子の父」という肩書になったことへの
周囲の目の方が大きく映っていたんじゃないか。
大学までは出た、結婚もした、なのに、
突然の退職だ離婚だなんて。
こんなはずじゃない。自分の息子は
自分が完璧に仕立て上げたはずだ。
こんなに次から次へと挫折したり、
自分の行ってほしい道に背き続けるのは
自分が間違っているのではない。
完璧なはずの自分の言うことを
少しも聞かなかった息子が悪いんだ。そうに違いない。
そんなエゴにも似た不安感に
耐えられないだけじゃないか。
いつもと違い、多少は話をするような素振りを見せた時、
してはいけない期待をしてしまった僕も悪い。
ただ、こういう瞬間の対応1つで、
やっぱり父の心には僕がいないことがわかってしまう。
完璧”なはずの”息子が完璧から遠ざかったから、
今度こそ公務員にして完璧にしてやろう。
せめて早く働かせよう、じゃないと周囲から
「お宅の息子さん働いてないんですってねぇ」
と言われてしまうから、何としてでも避けねば。
父の意識の一番下にそんな不安が潜んでいたことを、
傷つきながらも僕は見逃さなかった。
直近で一番傷ついた言葉。
「またそうやって取り乱す。」
物心ついた頃には
自分の意思を父に伝えることを諦めた僕は
何かをしたいと伝えた数は
片手の指で数えられるくらい。
その中で一番最近、父に伝えたことは
就職という形に囚われない自由な働き方も
人生の中で視野に入れているということ。
この頃はちょうど会社を退職し、
直後に離婚を経験したばかりで、
急な人生の変化がいっぺんに訪れ
精神的にとても参っていた。
しかし、僕が会社を辞めたことを知った父は
こういう状況と精神状態にある僕に構わず
直近の公務員試験の日程をどっさり送ってきた。
公務員の他に、遠隔地の農家への出稼ぎ求人や
その他忘れたがとにかく求人関係の情報を
大量に印刷してきた。
「ここの面接受けなさい」
「この試験いついつまでだから応募しろ」
「この出稼ぎ行ってみてもいいだろ」
仕事を辞めた
→収入がなくなる
→働かせなければ
という心配をしてくれたのか、
就職していない=まずいという図式からか
そこはわからない。心配であればひとまず感謝する。
情報自体はありがたいのだが、
この時の僕の精神状態は決して良好とは言えず、
大きな喪失感でいっぱいだった。
だから正直、僕の気持ちはどうでもいいのかと
少し失望してしまった。
※そもそも父は診断が付いていないだけで
ASD(自閉症スペクトラム)の傾向がかなり強いので、
一方的な言動には無理やり納得する必要もあった。
→「一方的な父のASD特性。」
https://fanblogs.jp/yaritaikotohanokosazuyaru/archive/221/0
ある日、突然連絡が入り食糧を届けてくれたが、
この時は珍しくすぐに帰らなかった。
もしかして話を聞いてくれるのかな、という
今から考えれば最も裏切られる期待を抱いたが、
お茶を出した直後に僕の手元に置かれたのは
やはりというべきか、分厚い求人資料と
公務員試験のパンフレットだった。
長いおすすめ演説が一通り終わった後、
僕はそのこと自体にはお礼を言いながらも、
今のしんどい状況を思い切って伝えた。
会社を辞める時にも一悶着あり、
キツイ言葉をたくさん言われたこと。
その直後に相手から離婚したいと言われたことで、
一時期は見捨てられたと思ってしまったこと。
辛かったと伝え、僕はその場で涙を流した。
これを見た父から返ってきた反応が、
そう、冒頭の言葉。
「またそうやって取り乱す。」
淡い期待をした自分への反省と、
どこまでも僕の気持ちに興味がない父への失望が
一気に頭の中を駆け巡り、僕は愕然とした。
押し付けるばかりの人というのは
これまでに何度となく再確認してきたはずなのに、
今回はさすがに、人が泣き出したその前で
あまりに無慈悲な言葉を発した父への不信感が
ピークに達してしまった。
先ほど、仕事の情報を大量に持ってきたのが
僕の生活を心配してのことかも知れないと書いたが、
冷静になってみれば、しばらくは失業保険があるし、
1分1秒を争わなくても、じっくり考えればいいことだ。
だから、申し訳ないが父の心には僕の生活よりも、
「働いていない息子の父」という肩書になったことへの
周囲の目の方が大きく映っていたんじゃないか。
大学までは出た、結婚もした、なのに、
突然の退職だ離婚だなんて。
こんなはずじゃない。自分の息子は
自分が完璧に仕立て上げたはずだ。
こんなに次から次へと挫折したり、
自分の行ってほしい道に背き続けるのは
自分が間違っているのではない。
完璧なはずの自分の言うことを
少しも聞かなかった息子が悪いんだ。そうに違いない。
そんなエゴにも似た不安感に
耐えられないだけじゃないか。
”完全主義者の親”
このタイプの親は「子供のため」より
「一家が他人の目にどう映るか」のほうが大事なのです。
もうひとつのパターンは、人の目を気にしてというよりは
純粋に完璧さを要求するタイプですが、その完璧さとは、
”親が望むように”子供が完璧にやり遂げることを意味します。
『不幸にする親』 第二章 より
いつもと違い、多少は話をするような素振りを見せた時、
してはいけない期待をしてしまった僕も悪い。
ただ、こういう瞬間の対応1つで、
やっぱり父の心には僕がいないことがわかってしまう。
完璧”なはずの”息子が完璧から遠ざかったから、
今度こそ公務員にして完璧にしてやろう。
せめて早く働かせよう、じゃないと周囲から
「お宅の息子さん働いてないんですってねぇ」
と言われてしまうから、何としてでも避けねば。
父の意識の一番下にそんな不安が潜んでいたことを、
傷つきながらも僕は見逃さなかった。
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