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2022年02月21日

反出生主義は、親に愛されなかった者たちがたどり着く救済思想。

ー目次ー
  1. 反出生主義は、親に愛されなかった者たちの救済思想
  2. 自己肯定感ブームの裏にある、自己否定と絶望
  3. 愛着障害と欠乏感、生後2〜3年で決まる”運ゲー”
  4. 反出生主義にある安心感、”生物の義務”からの解放
  5. 反出生主義者の役割、”苦しむ人間をこれ以上、新規作成しない”

1.反出生主義は、親に愛されなかった者たちの救済思想

僕は『反出生主義』に賛成です。

人は生まれなければ苦しまなくてすむので、
人間の新規作成はやめた方がいいと思います。


僕は自分の代でこの家系を断絶させたいと思っています。

何万年も続いてきた自分の遺伝子が
途絶えることにロマンすら感じています。

反出生主義には
「出産行為は産まれてくる子どもへの暴力・親のエゴ」
と考える側面もあるようです。

同意はできますが、すべての出産を悪だとは思いません。
あくまで自分が肯定的に思うだけで、
他人に押し付けるつもりはないです。



昨今は僕のように、
反出生主義に賛成する人が増えているそうです。

それは、現代社会には
「生まれなければよかった」
「こんなに苦しいならもう生きていきたくない」

と、絶望している人がいかに多いかを物語っています。

そして、僕を含め、
反出生主義に賛成する人には共通点があると思います。

それは
「親からの愛情や共感的な応答を受けられずに育ったこと」です。

そういう人たちにとって、反出生主義は救済の思想です。

「せめて自分が愛されなかったことに意味がほしい」
という叫びに理屈を付け、救われた気にさせてくれます。

2.自己肯定感ブームの裏にある、自己否定と絶望

昨今は「自己肯定感ブーム」です。

・自己否定を止めましょう、自己肯定感を持ちましょう
・承認欲求に振り回されないようにしましょう
・何事もポジティブに捉えましょう
・幸せは心の持ちようです

自己肯定感を上げるための書籍や、
カウンセリング、セラピーが大盛況です。

なぜ、自己肯定感が声高に叫ばれるのか。
理由はそれだけ「自己否定に苦しむ人が多いから」でしょう。

「自己肯定感ブーム」とは、
自己否定に苦しむ人の救済が巨大なビジネスになった結果です。



自己肯定感の源である「自分への自信や安心感→愛着スタイル」は、
生後3歳くらいまでに作られるそうです。


・自分が求めた時に、親から共感的な応答をしてもらえたか
・十分に共感的な愛情を受けて育つことができたか

それによって、安定した愛着スタイルを身につけた子どもは、
「自分を信じられる」「自分を肯定できる」ようになります。

この時期に親から放置されたり、
求めても気持ちを無視した対応をされると、
子どもは「自分は親からも関心を持たれない存在だ」と学習してしまします。

これが自己否定の根源になります。
後からどれだけ自己肯定感を持ったつもりになっても、
心のいちばん奥底では常に自分を否定し続けることになります。


3.愛着障害と欠乏感、生後2〜3年で決まる”運ゲー”

心の奥底に自己否定が根付いてしまうと、

・見捨てられるのが不安で他人の顔色をうかがう(不安型愛着スタイル)
・他人と親密な関係になることを回避する(回避型愛着スタイル)

という、愛着障害に苦しむ人生になります。


愛着障害を抱えて育つと、
「自分は何があっても大丈夫」
「必ず助けてくれる人がいる」
という自信を持つことができません。

なぜなら、自分を生んだ親ですら、
自分に興味も愛情も示してくれなかったからです。



「心が逃げ込める安全基地」がないので、
常に地盤がグラついている感覚がつきまといます。

いつも心に欠乏感を抱え、
何かを達成してようやくゼロになります。


よほどのことがない限り、人生はマイナス。
苦しみや孤独、寂しさ、悲しみでいっぱいです。

そして人生にはリセットボタンがありません。
3歳に戻り、親に愛着スタイルを作り直してもらうことは叶わないんです。

生後2〜3年までという、
自分ではコントロールできない期間に、親に愛されたか否か。

それ次第で生涯、自己否定し続けるかが決まるなんて、
残酷な「運ゲー」です。


完全ランダム、チャンスは1度、リセット不可だからこそ、
「親ガチャ」という言葉が多くの人の心に刺さるんでしょう。

4.反出生主義にある安心感、”生物の義務”からの解放

そうやって、ぬくもりや共感を知らずに育った人は、
次第にこんな思いへ傾倒していきます。

・こんなに寂しくて、悲しくて、孤独な思いをする人間を再生産したくない
・そもそも生まれなければ、こんなに苦しまなくていい


反出生主義に賛成する人は、こうしてできあがるんだと思います。



反出生主義は、愛情不足に苦しんで育った人には、
とても魅力的で合理的に見えます。

「自分のように孤独や欠乏感に苦しむ人間を、
 少なくとも新規作成しなくてすむ」

そう思うとまるで、「子孫を残し、種を維持せよ」という、
生物としての義務感から解放されたような安心感さえ覚えます。




また、反出生主義はこれまで、
「親のせいにするな」と言われて
黙らされてきた人たちにとっても救いになります。

「親からの愛情に恵まれなかった?
 もう大人なんだから親のせいにするな。
 ”親ガチャ”なんて言葉で親に責任転嫁するな

そう言われても、反論できなかった人たちはいるはずです。
でもこれからはこう言えます。

「だから自分は”もう大人なんだから親のせいにする”人間を
 これ以上、作成しないのだ。

 そう言うあなたたちは経験したことあるの?
 ”生まれなければよかった””存在を消したい”と
 自分を責め続けるほどの絶望を」




反出生主義は、
「自分は誰にも愛されない」
「自分に興味のある者などいない」
と苦しんでいる者に役割を与えてくれます。

「自分は誰にも愛されない」
「自分に興味のある者などいない」
と苦しむ人をこれ以上、生産しないことに貢献する、

という役割を。


5.反出生主義者の役割、”苦しむ人間をこれ以上、新規作成しない”

ドイツの哲学者アルトゥル・ショーペンハウアーは、
反出生主義を唱えた著名人の1人です。

ショーペンハウアーはなぜ、
反出生主義にたどり着いたのでしょうか。

それは彼自身が幼少期から、
母親からの愛情不足に苦しみ続けたからだと思います。

彼の母ヨハナは作家として大成する一方、
夫と結婚したのは「資産家だったから」でした。

生まれた息子アルトゥルの世話も
「人形遊びに飽きたから」という理由で、
数年で愛情を注がなくなりました。

アルトゥルはわずか6歳で
「自分は母親にさえ愛されない存在だ」と悟り、
絶望に打ちひしがれたといいます。


そんな彼が反出生主義へたどり着くのは自然なことです。
母親からの無関心と、強まる厭世観の果てに、

「生誕などしなければ不幸が訪れることはないのだ」
という考えに至ることを、誰が非難できるでしょうか。



僕らの大半は「子孫を残したいと思う個体」です。

「子孫を残したくないと思う個体」は、
種の保存にとって危険なので淘汰されるはずです。

だから僕らは”後天的なエラー個体”です。
それでも命ある限り生きていられるのは、
反出生主義に救済されているからでもあります。


「苦しむ人間をこれ以上、新規作成しない」
その役割をもって、少しでも生きた証を残せた気になれるなら。








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posted by 理琉(ワタル) at 19:35 | TrackBack(0) | 人生観

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自閉傾向の強い広汎性発達障害。鬱病から再起後、低収入セミリタイア生活をしながら好きなスポーツと創作活動に没頭中。バスケ・草野球・ブログ/小説執筆・MMD動画制作・Vroidstudioオリキャラデザインに熱中。左利き。 →YouTubeチャンネル
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