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2020年12月23日

檍原の古傳説地 その9

飫肥紀行の檍原
急ぎける程に、檍が原の波間より露はれ出でし住吉の里の近く見え渡り、八重の潮路の松の秋風、冷々として袖吹き送る。玉鉾の道の行衞に見渡せば、人王の始、宮崎の京、神武天皇の御前近き所にて、辱さに泪落ちけりと云ひし古事まで、思ひ合せられて通りけるに、其の里人に事問へば、平家の一門景清の御墓もありと聞くままに、六字一編手向して行けば、程なく小戸の渡に至りぬ。神道の秘密數々に思ひ出づるとて、
 神代より其の名は今もたちばなや、小戸の渡りの舟の行く末。
とよみ侍りぬ。
とあり。
此の書義祐の作として、果して信ずべくば、少なくも戰國時代の頃、此の地に此の説のありしことを認むべし。

閑話休題
タグ:飫肥紀行
posted by うさぎ at 05:52| Comment(0) | TrackBack(0) | 檍原
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