2024年07月06日
今日も一日が始まる
少しずつ
夜が明けてくる。
真っ暗で
何も見えなかった世界が
少しづつ
いつも見ている
景色が
薄く浮き上がってくる
少し冷たい空気に
先ほどまで泣いていた
蛙の声が
今は遠くで
鳥が鳴いている。
私は小さなころから
眠れない日があると
窓の外を見ていた
真夜中から
早朝に変わる醍醐味
この景色。
本当に2.3分で変わる。
案の定
私の仕事は出番がなかったですが、
仕事よりも
この景色、空気感に染まりたかったから
薄い雲が流れていく
その様を眺めていると
何となく懐かしい気持ちになる
そろそろ
生活音が聞こえてくる頃
思い出すのが
この時間あたりから
いつも聞こえていた
包丁の音
洗濯機の回す音
このあたりも
空き家が目立つようになり
少しづつ生活音が消えていった。
そんなことを
考えていたら
もう、空が明るくなってきている
朝だ。
今日も一日が始まる。
後一時間くらいで朝日が出る。
時折
変な時間に
目が覚めることがある
真夜中
やや早朝。
今のような時間。
寝てもいいのだけれど
いたずらに
起きてしまおうと思い
時折
私は仕事のために
パソコンに向かう。
鑑定の仕事の
待機に入るのだけれど、
大抵は
お仕事にならない。
でも、
何となく
起きては仕事をしてしまう。
出来るだけ
静かに
家族に知られないように。
何となく
秘密めいた
変な感覚。
この仕事ならではの
誰かの話を
聞くために
じっと身をひそめる。
こんな時間は
色々な物音が
あたりを心地よくさせてくれる
遠くに聞こえる
蛙の鳴き声。
明かりのついていない
家々。
いつもなら
所々
ついている
マンションも真っ暗。
しかし
後一時間くらいすれば
朝日が出てくる
その時間まで
このまま
気ままに仕事をしていよう。
誰かが
キーボード越しに
話をしに来るのを
息をひそめて
待って居よう。