コンクリートの壁に月型の模様が見え、何かなと疑問。
道路わきのコンクリートの強固な壁が続く。
そのコンクリートの壁に三日月形の模様が幾つも、幾筋も見える。
幾何学的な模様である。
何だろうなと暫くは判らなかった。
深く追求しようともせず、漠然と一つの風景として見ていただけであったから、其れがどうして描かれたのか、誰が綺麗に描いたのかなどと一向に興味を持たなかった。
口こそ開けていなかっただろうが、痴呆のように漠然と眺めていたある日、一本の弦状の細く長い草みたいなものがぶら下がっていた。
その日は風もなかったのでこれまた「ふーん」と言葉にしないが信号が青に変わるまでの間見ていた。
ほんの数秒が風が流れたのか、弦状の細く長い草が右に左に揺れ始めたのであった。
「そーか!、公共の壁にあの絵を描いていた犯人はこいつだったのかぁ」と思わず口にしていた。
そう言えば、時折「根性大根とか、根性竹の子」などとテレビ等に紹介されることがあったなと思い出していた。
道路の縁石の隙間からなぜか目を出した大根や竹の子が周りの厳しい環境に負けずにしっかりと目を出す光景は確かにテレビ映えしていた。
それ程のインパクトは無いせよ、こうして信号待ちをしているドライバーさんや、車中の人の気を引くという事は、それなりの存在感があるからこその為せる業であろう。
【雨垂れ石を穿つ】と同じ事であろう。
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