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2022年10月30日
ちょっとだけMリーグ#61
今回もMリーグの一局だけを掘り下げていきます。
今日の主役は沢崎 誠プロです。(元・Mリーガー)
まずは動画からご覧ください。
https://youtu.be/oZeTc9hl-Qw
2021年11月16日 弟2試合
東4局1本場
東家 茅森 早香 18900
南家 朝倉 康心 33200
西家 沢崎 誠 27000
北家 二階堂 瑠美 20900
(敬称略)
点棒上は少し朝倉さんが抜けている印象ですが、ラス目が4000オールツモでも追いつける程度なのであまり点差を意識する必要はありません。
最初に親・茅森さんの手は
ドラ茅森手牌
最初に見えるのは平和、を引けば789三色同順、チャンタや純チャンもありそうに見えますが、雀頭が19字牌にならない限りはチャンタ・純チャンにはなりません。
せっかくドラが2枚あるのでドラ雀頭かの待ちにしたい所です。
ツモ打
次に南家・朝倉さんの手は
ドラ朝倉手牌
これは字牌を全部払って平和、などを引けばタンヤオにはなりそうです。
あるいは引き一盃口を見たりもできます。
ツモ打
続いて西家・沢崎さんの手は
ドラ沢崎手牌
こちらはほぼ平和に見えます。
マンズで1メンツ、ピンズで1〜2メンツ、ソーズで1〜2メンツの予定で進めます。
そこから、一盃口になる形も意識しておきます。
マンズはカン、カン引き、引きリャンメンターツ変化も忘れずに。
ツモツモ切り
最後に北家・瑠美さんの手は
ドラ瑠美手牌
この手は対子+ドラで鳴くとほぼ2000点の安手です。
瑠美さんからは残りのドラや赤が見えてないので他家からリーチが入ると満貫以上の手は覚悟しないといけません。
ツモ打
次巡、沢崎さんは
ドラ沢崎手牌
1メンツ完成で雀頭のない2シャンテン。
2巡でが2枚切れになり、瑠美さんのが暗刻になる可能性は0になりました。
ドラ瑠美手牌
この時点で瑠美さんの手はあまり押す手には見えません。(ポンして他で雀頭ができてもがポンできないから)
勿論、が安全牌になるという考えもありますが、そうなるとマンズで2メンツ作るわけで、カン、カンの急所を引く必要があり、それも難易度が上がります。
次巡、茅森さんは
ドラ茅森手牌
一応789三色同順と純チャンの残る2シャンテンです。
ここは親でドラ2、平和ならリーチ・平和・ドラ2で12000やリーチ・ドラ2で7700あるので三色や純チャンは無理に狙わない方が良いでしょう。
ラス目の茅森さんはまず1アガリ拾ってそこから次へ繋げたい所。
同巡、朝倉さんは
ドラ朝倉手牌
タンヤオか平和かまだ決めきらない状態。
ここで朝倉さんの切ったを瑠美さんがポンして打。
ポンドラ瑠美手牌
2000点の1シャンテン。
次巡、茅森さんは
ドラ茅森手牌
ここで789三色を見切り、平和も見越した2シャンテン。
もしここに引きなら678三色変化もあります。
同巡、朝倉さんは
ドラ朝倉手牌
これで4対子、七対子2シャンテンと見るかメンツ手と見るかそろそろ決断の時が迫ってきました。
後はで一盃口もあります。
また同巡、沢崎さんは
ドラ沢崎手牌
が重なれば平和もあります。
今は役なしですが1シャンテン。
次巡、茅森さんは
ドラ茅森手牌
リーチ・平和・ドラ待ちかリーチ・ドラ2の1シャンテン。
次巡、朝倉さんは
ドラ朝倉手牌
カンチャン2つ残りですが満貫も見える1シャンテン。
同巡、沢崎さんは
ドラ沢崎手牌
ここで場を見てみると
茅森捨牌
朝倉捨牌
沢崎捨牌
瑠美捨牌
まず茅森さんの、朝倉さんのから、2人はマンズの上(789)を持っていない可能性が高く見えます。
後はピンズの下(123)〜真ん中(456)にかけての情報とソーズの真ん中〜上の情報がありません。
つまり沢崎さんのにくっつけば強い待ちになりそうです。
や
残りのピンズとソーズの判断は勘によるものかもしれません。
次巡、朝倉さんは
ドラ朝倉手牌
カンやカンのネックをチーしても牌の並びで待ちがバレない為の工夫でしょう。
それでおそらくドラ受けはタンヤオにならないので払うつもりのようです。
同巡、沢崎さんは
ドラ沢崎手牌
カン、役なしドラ・赤テンパイ。
リーチしないのは、、引き、引き平和の手替わりや引きタンヤオ、暗刻からの待ち変化、ドラ引き役なし満貫リーチもあるからでしょう。
例1
例2
例3−1
↓
例3−2
例4
沢崎さんがどこまで考えていたのかは知りませんが、ざっと見てもこれだけ手替わりがあります。
沢崎さんはトップ目と6200点差なのでこれをまくる(逆転する)点数のアガリが欲しい場面です。
それにはリーチ・平和・赤・ドラの満貫やリーチ・タンヤオ・平和・赤・ドラなどをアガる必要があるわけです。
これが私が考える沢崎さんがダマテンにした理由です。
その2巡後、朝倉さんテンパイ。
ドラ朝倉手牌
待ちのは山に1枚だけ。
同巡、沢崎さんは
ドラ沢崎手牌
ここから打テンパイ外し。
これも手替わりが比較的多いからテンパイを外したのかもしれません。
例えば@引き平和、A引きタンヤオ、B引き四面張、C引き待ち、D引きフリテン待ちを考えたのかもしれません。
@とAは上でも出したものです。
Bは
例5
Cは
例6
Dは
例7
次巡、茅森さんは
ドラ茅森手牌
赤引きで高くなりました。
同巡、沢崎さんは
ドラ沢崎手牌
打のダマテン待ちに取りました。
場にはが3枚切れで山に2枚、は1枚の合わせて2+1=3枚。
このを瑠美さんがチーして打。
チーポンドラ瑠美手牌
テンパイ取り打なら朝倉さんへ放銃になっていました。
次巡、朝倉さんは
ドラ朝倉手牌
タンヤオ+平和の2翻アップ待ちに変化。
この同巡、沢崎さんは
ドラ沢崎手牌
タンヤオが付き、満貫テンパイ。
また同巡、瑠美さんがツモ切り、沢崎さんロン!
ロンドラ沢崎手牌
このアガリはタンヤオ・平和・赤・ドラで満貫の1本場、8300点。
これで
茅森 18900
朝倉 33200
沢崎 35300
瑠美 12600
沢崎さんはトップ目に飛び出しました。
この試合は結局
沢崎 +54.3
瑠美 +5.2
茅森 −17.3
朝倉 −42.2
たった2回のアガリでこのシーズン4度目のトップを決めました。
今回のまとめ
・愚形テンパイ即リーチよりも手替わりが多い時は手替わり優先
ドラ沢崎手牌
ここに@引きで平和、A引きタンヤオ、B引きからの、、多面張など変化多数だからダマテンに取ったと思われる
・もう一つは点棒状況から沢崎さんはトップ目と6200点差の二着目で高いアガリが欲しかった(一翻でもプラスしたい)
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2022年10月27日
ちょっとだけMリーグ#60
今回もMリーグの一局だけを掘り下げていきます。
今日の主役は魚谷 侑未プロです。
まずは動画からご覧ください。
https://youtu.be/WWunzcpQhO8
2021年11月11日 第2試合
南3局
東家 二階堂 亜樹 20400
南家 沢崎 誠 42600 (元・KADOKAWAサクラナイツ)
西家 魚谷 侑未 10800
北家 本田 朋広 26200
(敬称略)
現在、ラス目の魚谷さんは1600−3200ツモ以上か本田さんから満貫直撃で三着、リーチ棒が出て跳満ツモ以上か本田さんから跳満直撃で二着になれます。
また、役満ロンなら魚谷さんはトップ目です。
最初に親・亜樹さんの手は
ドラ亜樹手牌
2メンツ+ドラのある2シャンテンでほぼ平和のような手です。
もしリーチ・平和・ドラなら5800と加点のチャンス。
ここでアガれば二着も現実的になります。
ツモツモ切り
ここで切られたを魚谷さんがポンして打。
ポンドラ魚谷手牌
魚谷さんは着順アップには満貫ツモか本田さんから満貫直撃が必要です。
自風対子+赤+ドラがあり、・赤・ドラでは3900まで。
魚谷さんはオタ風のをポンしてしまった以上は、マンズ混一色だけ見ているようです。
ここでをポンする前の魚谷さんの手は
ドラ魚谷手牌
マンズと字牌のブロック数を数えると、、の3ブロックで両方とも対子になって初めて5ブロックになります。
マンズ混一色を考えるならどちらか対子になるのを見てからが私のマンズ混一色狙いにする判断基準です。
どちらか対子になれば字牌は全部ポンして対子にならなかった方のタンキ待ちで満貫になります。
例えば
ポンポンポンドラ例1
ポンポンポン例2
こんな形になります。
それに魚谷さんの手は赤+ドラで、メンゼンで手組すればリーチ・ツモ・赤・ドラで満貫になります。
ここはマンズ混一色に限定せず進める手もあります。
マンズ混一色ではピンズとソーズ全部を切ることになるのが問題になります。
メンゼンの場合は
リーチツモドラアガリ例1
リーチツモアガリ例2
このように、魚谷さんの手はメンゼンでも十分満貫の狙える手なのはお分かりになるかと思います。
鳴いてしまうと赤やドラ、役牌を引かない限り混一色限定になるのは大きなネックです。
続いて北家・本田さんの手は
ドラ本田手牌
対子でポンするくらいしか役が無さそうです。
伸びによっては567三色同順が少しあるか?程度でこの手に赤もドラも無く、鳴いても役なしリーチでも1000~1300点の安手です。
ツモ打
次巡、亜樹さんは
ドラ亜樹手牌
引きテンパイになる1シャンテン。
同巡、魚谷さんのポンでツモが飛んだ南家・沢崎さんの手は
ドラ沢崎手牌
対子のはオタ風、それにマンズは下家の魚谷さんがマンズ染めの可能性があるので切りにくい牌です。
この段階で気づいた方もいらっしゃると思いますが、魚谷さんのマンズ染めに決めたこの手、
ポンドラ魚谷手牌
重なりを見ているは沢崎さんに対子、は本田さんに対子でどちらもあと1枚、更に上家の沢崎さんは魚谷さんが混一色と分かればマンズは絞りそうです。
つまり魚谷さんはが対子になることはあっても暗刻になる可能性は0、ポンできる可能性も切られない限りは0です。
魚谷さんがの重なりを見る限り、この手のテンパイスピードは遅くなりそうです。
同巡、魚谷さんはをツモり加カンして新ドラ、ツモ打。
加カンドラ槓ドラ魚谷手牌
これでドラ2+赤なのでバック(後付け)でも満貫です。
次巡、亜樹さんは
ドラ槓ドラ亜樹手牌
引きなら234三色同順です。
同巡、魚谷さんは
加カンドラ槓ドラ魚谷手牌
ここから打。
先ほどバックでも満貫になる手になったばかりですが、マンズ混一色に決めました。
次巡、亜樹さんは
ドラ槓ドラ亜樹手牌
ここから打ならソーズツモでテンパイになります。
この巡目でがともに1枚切れで亜樹さんから2枚、3枚見えです。
ここから亜樹さんは打。
もし打してツモの場合は愚形待ちになってしまいます。
例3
例4
例5
例6
例3と4はツモ、例5はツモ、例6はツモの場合です。
ツモの場合はリャンメン待ちかノベタン待ちに取れます。
同巡、沢崎さんは
ドラ槓ドラ沢崎手牌
ソーズ一気通貫やドラ引きも、456三色を考えたようです。
同巡、魚谷さんは
加カンドラ槓ドラ魚谷手牌
ラス牌のを引き、これでどこからでも鳴ける形の1シャンテンです。(ただしは純カラで鳴けないし暗刻もない)
次巡、亜樹さんはテンパイ即リーチ!
ドラ槓ドラ亜樹手牌
リーチ・平和・ドラ2、12000点待ち。
()亜樹捨牌
第一打の後の後手出しでよりが大事だった、これでは孤立牌の可能性が高く、のそばを持っていると思われます。
リーチに沢崎さんはオリ。
満貫ツモか本田さんから満貫直撃で三着目の魚谷さんは戦うようです。
加カンドラ槓ドラ魚谷手牌
同巡、本田さんもオリ。
リーチの6巡後、亜樹さんから3枚目のが切られあと1枚、魚谷さんの手はネックだらけです。
同巡、魚谷さんは
加カンドラ槓ドラ魚谷手牌
も1枚切れであと1枚だけと鳴くにも苦しい状況です。
魚谷さんはここから打の1シャンテン維持。
この時の亜樹さんの捨牌は
亜樹捨牌
切りの後からは持っていない可能性大、次のからピンズは上か下メンツだけ、あるいは両方。
現物から、も無し。
も現物でピンズ待ちはほぼ否定しています。
マンズはから、、も無し。
また、はを否定しているので残るは、くらいです。
ソーズは現物でを否定しているだけで残りのスジは全部通っていません。
つまり一番当たりそうなのはソーズです。
次巡、魚谷さんは
ツモ加カンドラ槓ドラ魚谷手牌
亜樹さんの当たり牌を引き、ツモ切り。
この場面、魚谷さんはまばたきの回数が増え、苦悶の表情まで浮かべています。
これに亜樹さんからロン。
リーチロンドラ槓ドラ裏ドラカン裏ドラ亜樹手牌
リーチ・平和・ドラ2・裏の12000点です。
魚谷さんを−1200点と箱下に沈めると同時に、二着目を堅固なものにするアガリとなりました。
あまり「たられば」の話はしたくないですが、もし魚谷さんが亜樹さんの第一打をポンしていなければ
ツモがで、
配牌が
ドラ魚谷手牌
なので一切鳴きが入らなかったとすると、
ドラテンパイ例1
テンパイ例2
どちらかのテンパイが入ります。
テンパイ例1は待ち、例2は待ち平和でこれなら着順アップの条件、満貫にはなりそうです。
今回の動画内で実況の日吉さんが
「魚谷ってよくこういう事言うんですけど、ファンの人より諦めない」
と仰っています。
魚谷さんは雀荘などでお客さんを見送る際、深い角度のお辞儀をされる事でも有名で、麻雀に対しての真摯な姿勢が伝わってきます。
それとは違って、卓上では闘志溢れる打牌をよく見かけます。
女流プロの中で所持するタイトル数でも頭一つ抜きん出ています。
また、今期〜Mリーガーとなった鈴木 優プロとは師弟関係にあたります。
魚谷さんは先日、女流初めての十段位に輝きました。
魚谷プロ、おめでとうございます。
今回のまとめ
・ドラ2で満貫狙いならメンゼンが対応しやすい(リーチ・ツモ・ドラ2で満貫、一発・裏ドラで跳満〜も)
無理やりマンズ混一色ではピンズ、ソーズを切ることになり放銃の可能性大、鳴くなら役牌・ドラ3のような手を目指す
ドラ魚谷手牌
ここから魚谷さんはポンしたが対子になるかマンズターツが増えてから鳴く方が鳴ける牌も増えてテンパイスピードも変わる
ドラ例7
例8
例7はチー、ポンができ、例8はチー、チー、ポンができてテンパイスピードも変わる
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2022年10月25日
ちょっとだけMリーグ#59
今回もMリーグの一局だけを掘り下げていきます。
今日の主役は園田 賢プロです。
まずは動画からご覧ください。
https://youtu.be/xqQZ7mimeSE
2021年11月9日 第2試合
東2局
東家 滝沢 和典 23000
南家 園田 賢 33000
西家 魚谷 侑未 23000
北家 堀 慎吾 21000
(敬称略)
トップ目・園田さんが満貫ツモアガリ直後で東2ならここは点差は気にせず進めます。
最初に親・滝沢さんの手は
ドラ滝沢手牌
第1ツモで4対子、七対子の2シャンテンで暗刻が増えれば対々和、少し対子系の手を意識する手に見えます。
ただ役牌対子も無く、赤もドラも無いのでどちらかと言えば七対子寄りの手でしょう。(が出るとポンはあり)
ツモ打
次に南家・園田さんの手は
ドラ園田手牌
ここから手役を見るなら123三色、234三色はありますが、赤とドラがあり平和やタンヤオ、最悪役なしリーチを見て進めるので十分です。
ツモ打
続いて西家・魚谷さんの手は
ドラ魚谷手牌
ペンチャンとカンチャン合わせて3つあり、平和やタンヤオは厳しそうです。
変化によっては567三色があるのでそこだけ忘れないようにします。
後は自風、役牌が重なればポンできるように構えておきます。
ツモ打
最後に北家・堀さんの手は
ドラ堀手牌
これは役なしリーチ・ドラ2600か234三色同順かのような手です。
後は自風が重なったらポンできるようにしておきます。
もしカンが埋まると平和になりやすいのでここが入るのかにも注目です。
ツモ打
次巡、魚谷さんは
ドラ魚谷手牌
の三面受け入れができ、タンピン三色、メンタンピンドラのような満貫〜も見えてきました。
ただ雀頭が無いのでどう手組するかのルートはいくつか考えておきたい場面です。
例えば
ドラテンパイ例1
テンパイ例2
次巡、滝沢さんは
ドラ滝沢手牌
ここから暗刻が2つ、3つと増えればトイトイ・三暗刻へ進めます。
同巡、園田さんは
ドラ園田手牌
1メンツ完成で役なし2シャンテン。
また同巡、魚谷さんは
ドラ魚谷手牌
雀頭ができ、目一杯の2シャンテン。
2巡後、園田さんは
ドラ園田手牌
平和や待ちになった時の布石に先切り。
この先切りの良し悪しは別として、待ちになった時のアガリやすさは少し変わってきます。
同巡、魚谷さんは
ドラ魚谷手牌
とがあるので後はマンズ部分が変化すれば十分形になります。
更に同巡、堀さんは
ドラ堀手牌
自風がトイツになり鳴ける手になりましたが3シャンテン。
他家のテンパイスピードに遅れています。
それにが1枚切れであと1枚しかないのもネックです。
次巡、園田さんは
ドラ園田手牌
ピンズリャンカン形ができ、カンが埋まればなんとかなりそうです。
同巡、魚谷さんからが切られますが堀さんはこれをスルー。
また同巡、堀さんは
ドラ堀手牌
1メンツ完成で解説の土田さんはここから切るのはのどちらかと説明されています。
この手には2枚切れがあり、後の安全牌にもなるので切るのはかのどちらかになりそうです。
6ブロック→5ブロックにしてリーチに備えるつもりかもしれません。
堀さんはここから打。
次巡、滝沢さんは
ドラ滝沢手牌
リャンメン受け入れができましたが、対子手とメンツ手の両天秤は中途半端になるだけなので個人的にはあまりおすすめしません。
同巡、園田さんは
ドラ園田手牌
これでカンが埋まればテンパイになる1シャンテン。
ただはドラ表示牌で1枚少ない状態です。
次巡、園田さんは
ドラ園田手牌
テンパイ。
カンかカンのどちらに取るか?の二択です。
ここは打、カン待ちリーチ!
ドラ園田手牌
この選択を土田さんは称賛されています。
土田さんはかつて雀鬼会という団体に所属されていて現在も雀鬼流という打ち方を貫いてらっしゃいます。
この打ち方では出アガリに頼るリーチをしない、という鉄の掟があります。
いわゆるスジひっかけリーチは禁止されています。(このケースでは切りカンリーチ)
もしテンパイしてスジひっかけになる場合は1巡まわしてからリーチします。
雀鬼流で出アガリを良しとしていないのは、ツモアガリする為にリーチするのが根っこにあるからです。
1人からしか点棒を削れないロンアガリよりも、3人から点棒を削れるツモアガリを目指しましょう、というのがその理由だそうです。
それにツモの1翻を付ける目的もあります。
リーチに対し、魚谷さんと堀さんはオリ。
次巡、滝沢さんは
ドラ滝沢手牌
5対子になり、七対子1シャンテン。
3巡後、園田さんツモアガリ。
リーチツモドラ裏ドラ園田手牌
このアガリはリーチ・ツモ・赤・ドラの満貫、2000-4000でした。
これで
滝沢 19000
園田 41000
魚谷 21000
堀 19000
園田さんが二着目を20000点離したトップ目に立ちます。
そこからは激しい撃ち合いになり
園田 +63.0
堀 +8.0
魚谷 −20.0
滝沢 −51.0
で終了します。
園田さんのテンパイしたこの手牌、
ドラ園田手牌
ここから打のカンか打のカンスジひっかけリーチにするかどうかですが、見た目上ドラ表示牌1枚少ない事になるので打リーチしたと思われます。(実際はは山に2枚、も山に2枚)
麻雀のアガリはロンアガリ(出アガリ)とツモアガリの2種類しかありません。
スジひっかけリーチのようにロンアガリを積極的に狙いにいく打ち方では今後も自分のアガリはロンアガリに比重が偏っていく事になります。
それに反してツモアガリ狙いでは好形を作る事に集中したり、山にある可能性が高い牌を待ちにするのに専念します。
つまり他家から出やすい待ち(スジひっかけの為にペンチャン待ち、カンチャン待ちの愚形)にしたり、相手から切られやすい牌を待ちする出アガリ重視の打ち方とは正反対です。
最初から出アガリ目的にせず、ツモアガリを目標にするのを土田さんだけでなく私からもおすすめします。
今回のケースなら何よりリーチ一発ツモって裏1なら跳満になるのが大きいです。
今回のまとめ
・出アガリを目的としたリーチ(スジひっかけなど)をかけているとその後もロンアガリに偏りやすくなる(ツモアガリを狙う打ち方とは正反対になるから)
・出アガリ狙いはスジひっかけの為にペンチャン待ち、カンチャン待ちの愚形待ちにしたり山にある牌より相手から切られやすい待ちにするが、ツモアガリ狙いでは好形待ちにしたり山にある可能性の高い牌を待ちにするので打ち方自体が正反対になる
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2022年10月23日
ちょっとだけMリーグ#58
今回もMリーグの一局だけを掘り下げていきます。
今日の主役は堀 慎吾プロです。
まずは動画からご覧ください。
https://youtu.be/few3SHf2AMQ
2021年2月22日 第2試合
東3局
東家 萩原 聖人 16700
南家 村上 淳 25000
西家 小林 剛 33300
北家 堀 慎吾 25000
(敬称略)
小林さんが原点から満貫程度プラスしたトップ目ですがまだいくらでも入れ替わる点差なのであまり気にせず進めます。
最初に親・萩原さんの手は
ドラ萩原手牌
親で1メンツ完成のメンツ手2シャンテンですが赤もドラもなくこのままでは役なし愚形待ちリーチ2000点になりそうです。
ここから手役を見るならチャンタ、789三色同順も少しありますが、くっつきにも良いを全部切るのもやり過ぎに見えます。
ここは真ん中にくっついての平和、赤引きも見ながらリーチ・平和・赤5800になりそうなら押し寄り、それ以外は勝負には向かない手になりそうなので引き寄りです。
ツモ打
次に南家・村上さんの手は
ドラ村上手牌
ドラが1枚ありますがこれが重ならない限りタンヤオになりそうです。
マンズがと変化しづらい形なのでここをどうするかが問題になりそうです。
例えばカン、カンを引くか、引き部分を待ちにしたり、カン引きにする選択はあります。
ほぼタンヤオなら赤を使える形を意識しておきましょう。
ツモ打
続いて西家・小林さんの手は
ドラ小林手牌
対子でポンやドラを重ねてポン、234三色同順や引き123三色もあります。
伸び方によってはチャンタもありそうですがチャンタはをポンした時、123三色になった時のおまけ程度に考えておくといいでしょう。
無理に狙う必要はありません。
ツモ打
最後に北家・堀さんの手は
ドラ堀手牌
この手は役なし5シャンテン、赤1枚あるだけであまり高い手にはならなそうです。
現状、アガリを見るなら役牌が重なればポンする程度です。
ツモ打
次巡、萩原さんは
打ドラ萩原手牌
カンチャンターツができたばかりなのにここから打。
私には意図がわからない打牌です。
既に5ブロックあり、チャンタを見るにしてもが残ったままですし、一盃口を見ているとしても決め打ちには早い一打です。
となって打ならターツが残っているのでわかります。
同巡、村上さんは
ドラ村上手牌
3対子になり七対子・ドラ2の3シャンテンと考える事もできますし、変化によっては567三色、678三色も残るので打としました。
また同巡、堀さんは
ドラ堀手牌
こちらも3対子で七対子3シャンテン。
ここからメンツを見るにもペン、カン、カンなどを引かないとメンツやターツにはなりませんし、メンツ手なら4シャンテンと時間がかかりそうです。
次巡、萩原さんは
ドラ萩原手牌
リャンメン受け入れが1つ増えました。
同巡、小林さんは
ドラ小林手牌
これで5ブロックできました。
また同巡、堀さんは
ドラ堀手牌
4対子になり、七対子2シャンテン。
もしが重なればマンズ+字牌で5ブロックになるので、全部鳴いてマンズ混一色もできます。
次巡、村上さんは
ドラ村上手牌
更に次巡、村上さんは
ドラ村上手牌
リャンメン受け入れが3つになりました。
同巡、堀さんは
ツモドラ堀手牌
ここから堀さんは打とします。
この巡目の捨牌を見てみると、
萩原捨牌
村上捨牌
小林捨牌
堀捨牌
まず萩原さんのが早く、孤立牌の可能性が高まります。
つまりは持っていない可能性が高いわけです。
村上さんのはからの打もあるのでを持っていないとは限りません。
そして小林さんのから、などを想像してを持っていない可能性が高いと見たのかもしれません。(実際は)
次巡、萩原さんは
ドラ萩原手牌
一盃口も出てきました。
が場に3枚切れなのが気になります。
同巡、村上さんは
ドラ村上手牌
七対子2シャンテン。
また同巡、堀さんは
ドラ堀手牌
ションパイのを残した2シャンテン。
捨牌の一段目を見ると、
萩原捨牌
村上捨牌
小林捨牌
堀捨牌
※上から東家、南家、西家、北家の順
こんな捨牌がゴリッゴリの対子場(対子や暗刻ができやすい場)の典型的な例です。
2人が同じ牌を切っているペアが何組あるか?を数えてみると
親と西家の
南家と北家の
西家と北家の
これでペアが6組あります。
私の基準では6巡でペア5組以上なら対子場と見ていいでしょう。
2巡後、小林さんは
ドラ小林手牌
これで対子のダブルバックでも鳴ける形になりました。
同巡、堀さんは
ドラ堀手牌
これで七対子1シャンテン。
ここから堀さんはションパイながらドラ表示牌で1枚見えている打。
これを小林さんがポンして打。
ポンドラ小林手牌
次巡、堀さんは
ドラ堀手牌
タンキ待ちテンパイ即リーチ!!
場には2枚、1枚、2枚切れで山にありそうに見えます。
待ちは小林さんに1枚で山に2枚。
このリーチには解説のトイツ王子こと土田さんも納得している様子です。
リーチに対し堀さん以外の3人はオリています。
流局間際の16巡目、堀さんツモ。
リーチツモドラ裏ドラ堀手牌
裏ドラ表示牌にがあり、堀さんはラス牌のでツモアガリました。
リーチ・ツモ・七対子・赤の満貫、2000-4000ツモで
萩原 12700
村上 23000
小林 31300
堀 33000
トップ目に立った堀さんです。
対子場の判断基準は6巡で同じ牌のペア5組以上、と言いましたが、他にもトイツかぶりが自然と増えるのもわかりやすい対子場の特徴です。
例えば今局の捨牌は
萩原捨牌
村上捨牌
小林捨牌
堀捨牌
萩原さんの、村上さんの、小林さんの(だけアンコかぶり)、堀さんのはトイツかぶりです。
今回のまとめ
・対子場(トイツば)は対子や暗刻の縦引きしやすい場のこと(厳密には対子場と暗刻場は別だがここでは大きなくくりとして対子場と呼ぶ)
・対子場の目安は捨牌6巡で同じ牌を切ったペア5組以上
・トイツかぶりが普段より全体的に多くなるのも特徴
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2022年10月20日
ちょっとだけMリーグ#57
今回もMリーグの一局だけを掘り下げていきます。
今日の主役は小林 剛プロです。
まずは動画からご覧ください。
https://youtu.be/jQPNwjyKpO4
2019年1月10日 第二試合
南2局
東家 白鳥 翔 8800
南家 鈴木 たろう 9100
西家 滝沢 和典 72500
北家 小林 剛 9600
(敬称略)
トップ目・滝沢さんと二着目との点差は62900点と役満直撃しないと着順が変わらない大差で、二着目〜ラス目は団子状態。
今局を入れて残り三局でアガリを拾えなかった人がラス濃厚です。
最初に親・白鳥さんの手は
ドラ白鳥手牌
今の所、染め手も難しそう、役牌は孤立牌、数牌の伸び方によっては234三色もわずかにありますが、まだ手役が見つかりません。
この手をメンツ手と見るなら5シャンテンと遅いのでアガリは厳しいと見て守備を意識した手組で良さそうです。
234三色や役牌が複数対子(ドラで5800など)になったらアガリを見て進めます。
ツモ打
次に南家・たろうさんの手は
ドラたろう手牌
と123三色の必要牌7枚があるのでのどちらかを引けば123三色になります。(残る片方はアガリ牌でいいから)
123三色狙いなら3メンツ+雀頭が確定しているので残る1メンツがあればブロック数は足りることになります。
ツモ打
続いて西家・滝沢さんの手は
ドラ滝沢手牌
マンズ・ピンズ・ソーズの三色が横に伸びれば456三色同順、現在3対子で七対子3シャンテン、対子が暗刻になると対々和もあります。
また、は自風、も役牌で重なればポンもあります。
他にもと引いてくれば一盃口もあります。
4人の中で滝沢さんの手が一番難しくメンツ手とトイツ手の選択や三色、役牌と選択肢が多いのでツモに合わせて手役を見切っていく必要があります。
ツモ打
最後に北家・小林さんの手は
ドラ小林手牌
この手はドラ対子+赤で役なしリーチでも満貫にはなりそうです。
役牌を重ねてポンでも、食いタンでも、平和でも役が付くなら何でもOK。
ツモ打
次巡、滝沢さんは
ドラ滝沢手牌
赤にくっついてドラ引きでも使える形。
同巡、小林さんは
ドラ小林手牌
1メンツ完成の3シャンテン。
次巡、白鳥さんは
ドラ白鳥手牌
1メンツ完成ですが4シャンテンでアガリまではまだまだ遠い状態です。
同巡、小林さんは
ドラ小林手牌
2シャンテンになりました。
雀頭がドラとは限らないのでツモの雀頭のケースも考えておきます。
次巡、たろうさんは
ドラたろう手牌
メンツ手2シャンテンですが123三色なのかそうでないかはまだ判断しづらい状況です。
同巡、小林さんは
ドラ小林手牌
ソーズリャンメン受け入れと一盃口も見られるので打。
理想形はこんな跳満。
リーチツモドラアガリ例1
一発や裏ドラが乗って倍満になれば十分です。
次巡、たろうさんは
ドラたろう手牌
愚形残りですが、一応1シャンテン。
更に次巡、たろうさんは
ドラたろう手牌
ここから打ならカンテンパイにも取れますが打1シャンテン戻し。
これはツモっての123三色や引きリャンメン待ちを考えているからでしょう。
次巡、白鳥さんは
ドラ白鳥手牌
自風と場風対子で鳴ける手になりました。
同巡、たろうさんは
ドラたろう手牌
これで123三色と一盃口を見ているようです。
あるいはリャンメン待ちにしてリーチ・ツモ狙いも悪くないです。
ドラテンパイ例1
同巡、小林さんは
ドラ小林手牌
引きテンパイになる1シャンテン。
ここで小林さんが切ったを白鳥さんがカンでチーして打。
チードラ白鳥手牌
状況に応じて落としでマンズ混一色にしたりリーチが入ればそれぞれ1枚切れの落としで比較的安全に進めるのも構想の内でしょう。
次巡、白鳥さんは1シャンテンになるを引きますがツモ切り。
同巡、たろうさんは
ドラたろう手牌
カン待ちで即リーチ!
リーチ・一盃口・赤5200をアガれば二着争いでも一歩リードという所。
待ちは山に3枚。
たろう捨牌
捨牌の数牌はリーチ宣言牌以外6〜9に集中していて、手牌は6より下の牌に集中しているのがわかります。
こんな捨牌では123三色、234三色や345三色に注意しましょう。
当たり牌は1〜5の数牌の可能性が高いです。
後は早い切りでこれが孤立牌の可能性が高まります。
つまりリーチがソーズ待ちなら、待ちが怪しいわけです。(リャンメン待ちの場合)
リーチの同巡、小林さんは
ドラ小林手牌
ドラ3ですが平和にもタンヤオにもなりきらない1シャンテン。
ここは現物の打とします。
次巡、白鳥さんは当たり牌を引き、現物の打。
チードラ白鳥手牌
同巡、小林さんも当たり牌を引き打。
ドラ小林手牌
次巡、たろうさんがツモ切り、これを小林さんがポンして打。
ポンドラ小林手牌
ポンした以上は食いタン・ドラ3狙いだとわかります。
これを鳴く以上、小林さんは切りくらいからこの形を想定していたことになります。(ポンは予定していたと推察)
次巡、小林さんは
ポンドラ小林手牌
当たり牌にがくっつき、片アガリタンヤオ待ちでだけタンヤオでアガれます。
3巡後、小林さんは
ポンドラ小林手牌
ここでシャンポン待ちに取れますが、ツモ切り。
更に3巡後、小林さんツモアガリ。
ツモポンドラ小林手牌
このアガリはタンヤオ・ドラ3、2000-4000です。(+1000)
これで
白鳥 4800
たろう 6100
滝沢 70500
小林 18600
小林さん二着の可能性が一気に高まりました。
この第二試合は
滝沢 +95.2
小林 −5.2
たろう −33.0
白鳥 −57.0
と滝沢さんデカトップのまま終了。
解説の寿人さんも驚愕のアガリが飛び出した一局でした。
私だと平和かリーチ・ドラ3狙いで進めていたかもしれません。
その場合、
ドラ手牌例1
は山に1枚、が場に4枚切れ、は滝沢さんに2枚あり、山には1枚だけで私の手順ならメンゼンテンパイすら難しかった可能性大です。
今回のまとめ
・リーチ捨牌の数牌(マンズ・ピンズ・ソーズ)の数字に注目してみる
たろうさんの捨牌
たろう捨牌
リーチ宣言牌以外の数牌は9、9、6、8、6、9と6〜9に集中している
つまりたろうさんの手は6より下(1〜5)の数牌を中心に構成されている可能性が高い(途中まで123三色同順狙いだった)
123三色、234三色、345三色もある捨牌
ドラたろう手牌
↓これはこばごーオリジナル手順だぜ!!という人はクリック
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2022年10月17日
ちょっとだけMリーグ#56
今回もMリーグの一局だけを掘り下げていきます。
今日の主役は鈴木 たろうプロです。
まずは動画からご覧ください。
https://youtu.be/1KbsaGM-NZE
2021年11月5日 第1試合
南1局
東家 堀 慎吾 24900
南家 鈴木 たろう 20600
西家 白鳥 翔 29700
北家 東城 りお 24800
(敬称略)
※動画の都合上、1巡目・南家から見ていきます。
最初に南家・たろうさんの手は
ドラたろう手牌
チャンタ、789三色同順もありますが愚形受け入れが増えてテンパイスピードが遅くなりがちなのでが重なればダブの2翻になるのでポンしたり、メンゼンリャンメン待ちにしてツモりにいく選択はあります。
ツモ打
次に西家・白鳥さんの手は
ドラ白鳥手牌
、、、と4ブロックあるのでが重なれば全部鳴いてピンズ混一色、暗刻になればメンゼンでリーチ・ツモで満貫狙いもできます。(リーチ・ツモ・・赤)
ツモ打
続いて北家・東城さんの手は
ドラ東城手牌
この手はほぼ平和、雀頭+1メンツ+3ターツと5ブロックがほぼ決まっています。
ここに引きなら234三色同順、引きなら345三色同順があります。
ただこの手は赤もドラもなくリーチで2000点しかありません。
他家に赤やドラがある可能性が高いので放銃に注意しながら進めます。
後はいつ赤を引いても良いように構えておきます。
ツモ打
最後に次巡の親・堀さんの手ですが
ドラ堀手牌
こちらも赤もドラも無い手で平和にもならなそうなので他家の仕掛けに備えておく必要があります。
こんな場合に5ブロック進行で放銃しない構えにしておくといいかもしれません。
ツモ打
同巡、たろうさんは
ドラたろう手牌
これで789三色も見えてきました。
トップ目と9100点差のたろうさんはそろそろ1アガリ欲しい場面です。
また同巡、堀さんは
ドラ堀手牌
2メンツ完成の2シャンテン。
次巡、東城さんは
ドラ東城手牌
平和1シャンテン。
2巡後、たろうさんは
ドラたろう手牌
雀頭ができ、役牌の重なりも一応見ています。
打点的にリーチ・ダブやリーチ・・ドラ3のような手を考えているようです。
同巡、白鳥さんは
ドラ白鳥手牌
5ブロックある形ですがを残して混一色ルートもまだ残しています。
次巡、堀さんは
ドラ堀手牌
引きで平和、引きで役なしテンパイになる1シャンテン。
次巡、堀さんは
ドラ堀手牌
ツモ打で
ソーズ4連形を活かして引きなら落としでタンヤオ・平和に変化するので安いですがいざとなれば鳴きも入れられます。
また同巡、たろうさんは
ドラたろう手牌
ドラが重なりドラポンが可能になりました。
更に同巡、白鳥さんは
ドラ白鳥手牌
が暗刻になりたろうさんの必要牌を4枚押さえています。
次巡、堀さんは
ドラ堀手牌
引きソーズ三面受け入れができ、ここが待ちになるのが堀さんの狙いでしょう。
同巡、たろうさんは
ドラたろう手牌
これでチーのできる満貫1シャンテン。
また同巡、白鳥さんは
ドラ白鳥手牌
次巡、堀さんは
ドラ堀手牌
テンパイ即リーチ待ち。
このリーチを受けてたろうさんは
ドラたろう手牌
1シャンテン維持にはどちらかを切る必要があります。
場には2枚、1枚、2枚が切れています。
それはたろうさんの目から2枚、2枚、3枚が見えていることになります。
つまり他の無スジよりはペンチャン待ち、カンチャン待ち、シャンポン待ちの可能性が低いと見ることはできます。
また、リャンメン待ちも2枚切れでツーチャンスです。
おそらくその理由から打(手出し)したのかもしれません。
白鳥さんは現物の打。
同巡、東城さんは
ドラ東城手牌
打でダマテン。
このを白鳥さんがポンして待ちテンパイ。
ポンドラ白鳥手牌
待ちはが東城さんに1枚で山に3枚、はたろうさんに1枚、東城さんに1枚の山に2枚で合わせて3+2=5枚。
待ちはが堀さんに1枚、白鳥さんに1枚の山に2枚、は山に1枚の合わせて2+1=3枚。
ポンの直後、東城さんは堀さんの現物があり、打で回ります。
たろうさんは堀さんと白鳥さんの当たり牌を引き、
ドラたろう手牌
満貫1シャンテンを維持するならここから打のどれかになりそうですが、はの外側でツーチャンスです。
よりはの二択になりそうです。
場を見るとが4枚切れでペンチャン待ちの可能性は0です。
マンズはが2枚、が3枚切れでまだわずかにペンチャン待ちが残っています。
これらの理由からたろうさんはここから打としたようです。
次巡、白鳥さんはツモ手出しでテンパイを維持。
同巡、東城さんはツモと当たり牌が減少。
次巡、堀さんがツモ切ったをたろうさんがチーして打、待ちテンパイ。
チードラたろう手牌
待ちのうちは場に3枚切れで山に1枚、は堀さんに1枚、東城さんに1枚で山に2枚で合わせて1+2=3枚。
堀捨牌
捨牌から、待ちを否定していますが、、のどちらも通っていません。
同巡、白鳥さんもツモ切りでテンパイ維持。
更に同巡、東城さんも1シャンテン。
ドラ東城手牌
次巡、たろうさんは前巡切ったのスジツモ切り。
次巡、白鳥さんは引きオリ。
その次巡、堀さんがをツモ切り、たろうさんに軍配が上がります。
ロンチードラたろう手牌
・ドラ3の満貫。(+1000)
このアガリで
堀 15900
たろう 29600
白鳥 29700
東城 24800
たろうさんはトップ目と100点差に詰め寄ります。
たろうさんの鋭い押しとドラ重なりを見据えた手組が冴えた一局でした。
特に他家に役牌のドラが行った時、他家はこれが切れずにまっすぐテンパイを取れなくして他家の進行を遅らせたりもできるので、自分が役牌ドラ対子時には自分のペースで進行できることも多くなります。(相手による)
ドラ例1
ここにツモ打かする人もいる
今回のまとめ
・ドラが孤立牌でも重なれば雀頭にしてリーチや暗刻になることもある
・自分に役牌ドラが対子時に他家が孤立牌のドラを引くと、これを切れない他家はまっすぐテンパイを取れず、相手のテンパイスピードを遅くする効果もある
↓これがゼウスの選択や!と思った人はクリック!
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2022年10月15日
ちょっとだけMリーグ#55
今回もMリーグの一局だけを掘り下げていきます。
今日の主役は松本 吉弘プロです。
まずは動画からご覧ください。
https://youtu.be/0zHi6ed32LY
2021年4月13日 セミファイナル1試合目
南3局2本場
東家 瀬戸熊 直樹 -3500
南家 松本 吉洋 33000
西家 前原 雄大 16500 (元・KONAMI麻雀格闘倶楽部)
北家 丸山 奏子 54000
(敬称略)
※動画の都合上、6巡目・西家から見ていきます。
最初に西家・前原さんの手は
ドラ前原手牌
できれば平和は付けたい手ですがリャンメンターツが埋まればシャンポン待ちにもなりかねません。
ここから手役を見るとすればの一盃口かピンズ一気通貫くらいです。
点棒状況から二着目・松本さんと16500点差、二着目から満貫直撃か倍満ツモで着順アップするのでできれば赤を引いてリーチ・赤2・ドラの満貫、リーチ・平和・ツモ・一気通貫・ドラの跳満くらいの手にしたい状況です。
ツモツモ切り
次に北家・丸山さんの手は
ドラ丸山手牌
これは自風があるのでポンして・ドラ2000点やトップ目の丸山さんはメンゼンで放銃回避してお茶を濁す手もあります。
メンゼンなら役なしリーチ・ドラ2600になりそうです。
ツモツモ切り
続いて親・瀬戸熊さんの手は
ドラ瀬戸熊手牌
この手はドラ1で4対子あるので七対子や暗刻ができれば対々和を見たい手。
瀬戸熊さんは-3500点で三着目と20000点差あるので連荘メインで何局かに分けてアガリを見るといいでしょう。
ツモ打
最後に南家・松本さんの手は
ドラ松本手牌
この手は345三色同順や、引きなら456三色変化もあります。
ドラ+赤があるので役なしリーチでも5200~、松本さんはトップ目と21000点差の二着目なので倍満ツモでもトップ目になれません。(トップ目から跳満直撃でトップ目)
点差からほぼ一局では逆転できないので、この局で1アガリしてオーラスのトップ条件を緩くするか、それとも他家からリーチが入れば放銃回避で二着の可能性を上げるかのどちらかを選択する必要があります。
ツモツモ切り
同巡、前原さんは
ドラ前原手牌
を対子落としして雀頭はに固定した5ブロック進行である程度守備を意識した手組です。
更に同巡、丸山さんは
ドラ丸山手牌
引きでテンパイになる1シャンテン。
次巡、瀬戸熊さんは
ドラ瀬戸熊手牌
これで5対子、七対子1シャンテンです。
ドラタンキ待ち七対子ならリーチ・ツモ・七対子・ドラ2で6000オール、着順アップも見えてきます。
4巡後、前原さんは
ドラ前原手牌
引きを待つ一盃口完成の1シャンテン。
次巡、松本さんは
ドラ松本手牌
345三色同順・赤・ドラの1シャンテン。
次巡、松本さんは
ドラ松本手牌
待ち高目345三色同順・・赤・ドラ、リーチなら跳満。
松本さんの待ちのうちは場に1枚切れ、前原さんに1枚、丸山さんに1枚で山に1枚、は場に2枚切れ、瀬戸熊さんに2枚の純カラで合わせて山に1+0=1枚だけ。
この同巡、前原さんは
ドラ前原手牌
リーチ・平和・一盃口・赤の満貫、待ち。
松本さんから直撃かツモって裏を載せて跳満以上にはしたいリーチです。
前原捨牌
このリーチに注意する点がいくつかあります。
まずリーチ宣言牌がションパイので、これを切る以上はそれなりに高い勝負手だと推察できます。
それと捨牌一段目の辺りは孤立牌の可能性が高く、リーチがマンズ待ちなら、待ちが怪しいですがが現物で待ちは否定できます。(実際、前原さんの入り目が)
また、リーチがソーズ待ちなら、待ちが怪しいわけです。
次巡、松本さんは
ドラ松本手牌
高目ならダマテン12000点。
その2巡後、松本さんは
ドラ松本手牌
ここから迷わず打オリを選択。
先程挙げた、の2つのスジが通っていない為、2スジにかぶっているは切れないと判断したのでしょう。
それと三着目・前原さんのリーチに満貫放銃は逆転されてしまいます。
このリーチにを切れない理由が2つありました。
このツモで山にはは0、前原さんのアガリ目も0です。
この局は前原さんの1人テンパイで流局。
続くオーラス3本場は瀬戸熊さんがダマで松本さんから12000の3本場をロン。(+1000)
ロンドラ瀬戸熊手牌
このアガリで
丸山 +72.0
松本 −0.9
前原 −21.5
瀬戸熊 −49.6
丸山さん一人浮き(+)のデカトップを勝ち取りました。
ここからは私独自の意見なので聞きたい人だけ聞いてください。
私の中で大きく分けると放銃には4種類あります。
1つ目は放銃したら致命的なもの。(例:2着順以上変わる放銃、役満放銃など)
2つ目は放銃しても大勢に影響はほぼ無いもの。(例:全員原点から仕掛けが入ってない場面の1000点など)
3つ目は良い放銃。(例:オーラス・トップ目からラス目への1000~3900程度の放銃、他家リーチをかわす別の他家への安い放銃いわゆる差し込み)
4つ目は放銃しても良否がどちらか判別が難しいもの。
昔の麻雀業界で放銃は悪という考え方がありましたが、今はそんな考えの人も少なくなっています。
私の考えでは上の通り放銃と一口に言っても4種類存在することになります。
今回のまとめ
・点棒状況から放銃してはいけないリーチを判断(三着目・前原さんのリーチに満貫放銃は三着目に転落)
・通ってないスジの重複から切ってはいけない牌を判断(前原さんリーチに、は通ってない、2スジにかぶるは切りにくい)
↓は私個人の意見です
・放銃には4種類ある
1、放銃すると致命的なもの(二着順以上変わる放銃、役満放銃など)
2、放銃してもほぼ影響がないもの(全員原点からの1000点放銃など)
3、良い放銃(オーラス・トップ目からラス目への1000~3900程度の放銃、他家リーチをかわす別の他家への安い放銃、いわゆる差し込みなど)
4、良否を判別しづらいもの
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2022年10月13日
ちょっとだけMリーグ#54
今回もMリーグの一局だけを掘り下げていきます。
今日の主役は白鳥 翔プロです。
まずは動画からご覧ください。
https://youtu.be/A847QmPw5Wk
2022年2月17日 第2試合
南4局1本場
東家 堀 慎吾 41200
南家 茅森 早香 19200
西家 白鳥 翔 7500
北家 伊達 朱里紗 32100
(敬称略)
二着目・伊達さんは満貫ツモかリーチ棒が出て満貫ロンでトップ、三着目・茅森さんは跳満ツモで二着、倍満ツモならトップ、ラス目・白鳥さんは三着目から6400以上直撃か跳満ロンで三着です。
※動画の都合上、親の2巡目から見ていきます。
最初に親・堀さんの手は
ドラ堀手牌
ドラが1枚でメンツ手、ネックがあるもののこれが埋まれば平和は狙えそうです。
堀さんは親なのでリーチ・平和・ドラ5800くらいを目標にする程度でいいでしょう。
カンやドラにがくっついて平和、引きタンヤオもあります。
ツモ打
次に南家・茅森さんの手は
ドラ茅森手牌
この手は赤2+ドラで役なしリーチでも満貫になります。
ただ雀頭が無いのでどこで頭を作るのかは考えておきたい所です。
この手は123三色同順というよりは567三色を見たい手ですが雀頭が決まらない限り方向性は決めづらいでしょう。
を全部切って内に寄せて(5に近い手にする)タンヤオ、伸び方によっては平和、三色同順のどれかは見たい手です。
ツモ打
続いて西家・白鳥さんの手は
ドラ白鳥手牌
この手は自風対子があるのでポンしたりでダブドラ(1枚で2翻分)があり役なしリーチでも5200以上の手になります。
白鳥さんの着順アップ条件は茅森さんから6400以上直撃か跳満ロンでこれに合う手組が必要になります。
自風をポンすると・赤・ドラ3900点と安くなってしまうのでできればメンゼンでリーチしたい場面です。
ただこのままリーチしても5200~なので混一色を付けたり暗刻にしたりする工夫が必要です。(リーチ・・赤・ドラで満貫、リーチ・混一色・赤・ドラで跳満、混一色・七対子・赤・ドラでダマテン跳満)
ツモ打
ここで切られたを北家・伊達さんがポンして打。
ポンポンドラ伊達手牌
満貫ツモならトップの伊達さんは混一色・対々和や清一色・対々和狙い、清一色でも満貫あります。
ちょっと厳しそうな仕掛けですが、字牌が対子になっても満貫にはなりそうです。
次巡、堀さんは
ドラ堀手牌
対子で鳴きもありますが、2900で連荘するなら流局の方が嬉しいかもしれません。
同巡、茅森さんは
ドラ茅森手牌
タンヤオ・赤2・ドラでも満貫、345三色同順や456三色同順に変化すれば跳満や倍満にもなります。
また同巡、白鳥さんは
ドラ白鳥手牌
マンズとピンズメンツも見ながらオタ風・役牌重なりも視野に入れ、ソーズ混一色も見ています。
次巡、白鳥さんは
ドラ白鳥手牌
ドラメンツ完成の3シャンテンで5200~満貫くらいにはなりそうです。
また同巡、伊達さんは
ポンポンドラ伊達手牌
引きで混一色・対々和もあります。
次巡、茅森さんは
ドラ茅森手牌
さえ切ればタンヤオ・平和などにはなりそう。
同巡、白鳥さんは
ドラ白鳥手牌
になり2暗刻でリーチなら満貫あります。
マンズとピンズの伸びによっては345三色もわずかにあります。
更に同巡、伊達さんは
ポンポンドラ伊達手牌
などを引けば満貫も見えてきます。
次巡、堀さんは2巡前からと切って二着目の伊達さんの仕掛けに鳴かれないような牌を選んでいます。(は対々和に、はマンズ混一色、清一色に鳴かれない牌)
同巡、茅森さんは
ドラ茅森手牌
引きでテンパイになる1シャンテン。
次巡、茅森さんは
ドラ茅森手牌
タンヤオが確定し、ツモならリャンメン待ち以上になります。(引きはと自分で複数使っている待ちで微妙)
他にもツモでも愚形テンパイにはなります。
タンピンになればリーチ・タンヤオ・平和・赤2・ドラの跳満で一発、ツモ、裏ドラで倍満もあります。
同巡、白鳥さんは
ドラ白鳥手牌
こちらも1シャンテンとテンパイ間近。
次巡、白鳥さんは
ドラ白鳥手牌
テンパイで待ちですがリーチでロンでは満貫で直撃以外は逆転できません。
リーチロンドラアガリ例1
例えばここにドラ引き、アンカンなら満貫でこれならリーチする予定かもしれません。
ここで白鳥さんが切ったを伊達さんがポンして打。
ポンポンポンドラ伊達手牌
2巡後、白鳥さんは
ツモドラ白鳥手牌
ここでアガリを宣言してもツモ・・赤・ドラ2000-4000と着順は変わりません。
小考の後、白鳥さんは打。
ドラ白鳥手牌
次巡、茅森さんはテンパイ即リーチ!
ドラ茅森手牌
リーチ・タンヤオ・平和・赤2・ドラの出アガリ跳満〜待ち。
待ちののうちは茅森さんに1枚、白鳥さんに1枚、堀さんに1枚の山に1枚、は白鳥さんに3枚、堀さんに1枚の純カラ(0)で山には合わせて1+0=1枚だけ。
リーチの3巡後、白鳥さんはツモで
ドラ白鳥手牌
白鳥さんはフリテンを解消し待ち満貫リーチ!
高目ドラツモで跳満ですが高目は純カラ。
山にアガリ牌は1枚だけ。
この同巡、伊達さんもテンパイ。
ポンポンポンドラ伊達手牌
次にマンズどれでも引けば清一色で逆転トップもあります。
次巡、白鳥さんはツモ切りでこれを伊達さんがチーして打テンパイ。
チーポンポンポンドラ伊達手牌
アガリ牌は山に1枚あります。
2巡後、茅森さんがツモ切ったのは!!
リーチロンドラ裏ドラ白鳥手牌
リーチ・赤・ドラ2、8000の1本場、8300点のアガリです。
三着目から6400以上直撃で、白鳥さんは三着に着順アップ。
今局もトップまであと一歩だった伊達さんが結果を分析しているようなシーンが印象的でした。
堀 +61.2
伊達 +12.1
白鳥 −23.2
茅森 −50.1
この局の白鳥さんは茅森さんの待ち5枚持ちで8分の5をブロックして山には茅森さんのアガリ牌は0、白鳥さんの負けは無い状態です。
今回のケースもスジ5枚を持っていてがドラスジというのもありますが茅森さんの当たり牌になっています。
ドラ茅森手牌
白鳥手牌
白鳥さんは4着で終了すると順位ウマ(順位ごとに持ち点に上乗せされる点数)は−30、3着にアップするとウマは−10、つまりウマだけで+20(20000点)変わります。
オーラス(できればその3局前くらいから)、何を目標にすればいいかわからない時は1つ上の着順に上げるのを考えるといいでしょう。
つまりオーラス、ラス目なら3着、3着目なら2着、2着目ならトップを目指すわけです。
今回のまとめ
・オーラス、目標がわからない時は1つ上へ着順アップを見て進める
・仮にツモアガリになってもこれ以上高くなるかどうか考えてみる
ツモドラ白鳥手牌
白鳥さんはツモアガリでも2000-4000で逆転できないので打、ドラ引き、引きアンカンでカンドラ・裏ドラ狙い、ドラ引きリーチ高目ドラツモ跳満で着順アップを見たと推測される
それと同時に茅森さんの待ち5枚をブロックした
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2022年10月10日
ちょっとだけMリーグ#53
今回もMリーグの一局だけを掘り下げていきます。
今日の主役は堀 慎吾プロです。
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https://youtu.be/YNf_CxZ0mRQ
2022年2月17日 第2試合
南4局
東家 堀 慎吾 29200
南家 茅森 早香 23200
西家 白鳥 翔 11500
北家 伊達 朱里紗 36100
(敬称略)
オーラス、二着目の堀さんは2000オールツモか7700ロンでトップ目で連荘、三着目・茅森さんは跳満ツモか倍満ロン、ラス目・白鳥さんは三倍満ツモか役満ロンでトップになります。
最初に親・堀さんの手は
ドラ堀手牌
この手はリャンカン+カンチャン2つと愚形が多く、このままでは役なしリーチになりそうです。
後はドラ1枚が浮いていてこれを切るのか重ねるまで待つのかを考えておく必要があります。
ドラが重なればポンか雀頭にしてリーチで満貫になります。
ツモ打
次に南家・茅森さんの手は
ドラ茅森手牌
この手は4対子あるのでメンツ手より対子手の方が早そうです。
七対子の2シャンテン、暗刻が増えれば対々和もあります。
これもドラが浮いているのでいつ切るのか、それとも重なるのを待つのか、タンキ待ち七対子にするのか3通りの方法があります。
ツモ打
続いて西家・白鳥さんの手は
ドラ白鳥手牌
この手はリャンカン+ペンチャン2つのテンパイスピードが遅そうな手です。
これをメンツ手と見れば3シャンテンですが愚形が多く、リーチしても負けてしまいそうです。
ツモ打
ペンチャン落としで打、ツモでもとフォローが効きます。
最後に北家・伊達さんの手は
ドラ伊達手牌
この手は19字牌が9種9牌あります。
Mリーグに途中流局のルールは無い(4人リーチも続行など)ので九種九牌は宣言できません。
ここから手役を見るなら国士無双かチャンタ、純チャン、混老頭・七対子などがあります。
今後のツモを見ながらどれを目標にするのか定めていきます。
ツモツモ切り
4人の配牌から見ると堀さんが2、3歩リード、次に茅森さん、その更に2、3歩後に白鳥さん、そのまた後ろに国士もある伊達さんが居る感覚です。
次巡、白鳥さんは
ドラ白鳥手牌
ここに引きなら345三色同順。
次巡、堀さんは
ドラ堀手牌
456三色や567三色も少しあります。
更に次巡、堀さんは
ドラ堀手牌
引きを中心にほぼ平和の見える手です。
また次巡、堀さんは
ドラ堀手牌
この手に、、、、、の6ブロックあり、平和には雀頭を除いた5ターツのうち4つを選ぶわけです。
この巡目の場を見てみると、
堀捨牌
茅森捨牌
白鳥捨牌
伊達捨牌
茅森さんの第一打から、茅森さんはなど周囲の牌を持っていない可能性が高く、孤立牌と思われる一打です。(やから打もあるがレア)
以前も出ましたが早い5切りは上(789)か下(123)にメンツやターツが分断されているケースが多くなります。
実際、茅森さんはを持っています。
また、伊達さんのツモ切りも周囲の牌を持っていない可能性の高い一打です。
更に茅森さんのがこれも孤立牌と思われる一打で、伊達さんのも早く、これも孤立牌の可能性が高まります。
堀さんの目からが3枚見えていて、堀さんのは山に複数居そうです。(特には他家にも不要牌になりそう)
次巡、伊達さんは
ドラ伊達手牌
暗刻になり・チャンタ2シャンテン。
ペンチャン2つですが一応、アガリを見ています。
次巡、堀さんは
ドラ堀手牌
唯一情報の少ないマンズメンツが埋まり、6ブロックのまま手を進めます。
同巡、白鳥さんは
ドラ白鳥手牌
ネックが埋まればメンタンピン赤の満貫も見えてきます。
次巡、堀さんは
ドラ8巡目堀手牌
これで1シャンテン。
後は、、のどのターツを切るのか、選択に迫られています。
場にはが1枚、が2枚、が1枚切られています。
堀さんは打、ターツを嫌います。
同巡、白鳥さんは
ドラ白鳥手牌
そろそろ堀さんのリーチが近いと見たのか、スリムな形にして備えています。
2巡後、堀さんはツモでテンパイ即リーチ!
ドラ堀手牌
待ちのは山に1枚、は山に3枚の合わせて1+3=4枚。
同巡、茅森さんは一発で引き現物切り。
また同巡、白鳥さんは
ドラ白鳥手牌
タンヤオ・赤1シャンテン。
更に同巡、伊達さんも
ドラ伊達手牌
一応1シャンテン。
リーチの2巡後、堀さんツモアガリ。
リーチツモドラ裏ドラ堀手牌
裏ドラが乗りリーチ・平和・ツモ・裏2の満貫、4000オールツモ。
堀さんの牌姿を見つめる伊達さんの目が印象的な一戦でした。
着順の意識が強めな伊達さんはトップ目→二着の逆転でポイント的にも大ダメージがあったのかもしれません。
このアガリで
堀 41200
茅森 19200
白鳥 7500
伊達 32100
この半荘は
堀 +61.2
伊達 +12.1
白鳥 −23.2
茅森 −50.1
と連戦の堀さんが2連勝を収めます。
今回の堀さんは6ブロックに構えたわけですが、
ドラ堀手牌
他家の進行が遅い時、山に残っている牌がある程度見えている時、攻撃だけを見たい時に有効な手段です。
ラス目の白鳥さんと堀さんの点差は17700点差で、満貫直撃されてもラス落ちしないのは強みです。(跳満放銃〜ラス)
アガればトップ、満貫放銃でも3着ならアガリを見るのが自然です。
では逆に5ブロックに構える時はどういう状況でしょうか?
5ブロックのメリットはある程度守備的に構えやすい所です。
5ブロックでは安全牌を常に1枚持ったまま進められるので、リーチが入っても一発放銃の可能性がかなり下がります。
例えば上の堀さんの手を5ブロックに構えると、
例1
これならだけを見て進められるので押し引きの判断もしやすく、オリるのも楽になります。
他家が自分と同じくらいのテンパイスピードだったり、放銃したくない時には5ブロック進行が対応しやすくなります。
ドラ堀手牌
上の堀さんの6ブロックの場合、リーチが入ってもどれか1ターツを切らないとアガれません。
アガリにはのどれか2枚は切らないといけません。
つまり6ブロックはあまり守備に向かないわけです。
今回のまとめ
・6ブロックは他家の手の進行が遅い時、攻撃100%で進めたい状況で有効な手段(堀さんはラス目に満貫放銃でも三着まででラスになりづらい)
・6ブロックはそこから2枚切る必要がある為、守備には向かないデメリットあり
・5ブロックは安全牌1枚を常に持てるメリットがあるので放銃したくない時に使え、一発放銃の可能性が大きく下がる
例1
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2022年10月08日
ちょっとだけMリーグ#52
今回もMリーグの一局だけを掘り下げていきます。
今日の主役は黒沢 咲プロです。
まずは動画からご覧ください。
https://youtu.be/RhTQLCs1l18
2018年11月20日 第1試合
東3局3本場
東家 黒沢 咲 43600
南家 勝又 健志 20800
西家 小林 剛 17800
北家 松本 吉弘 17800
(敬称略)
他家に2万点以上離したトップ目が黒沢さんで、あと1アガリすると1アガリでは追いつけない点差になりかなりトップの可能性が上がります。
二着目は倍満ツモでも逆転できる点差でここでアガっておくと二着争いではリードできます。
最初に親・黒沢さんの手は
ドラ黒沢手牌
ダブ対子でポンならドラ1で5800点、後は678三色同順も見えるのでメンゼンで手組するのも悪くないでしょう。
もしが重なれば役牌以外を鳴いてダブルバックという選択もあります。
ツモ打
次に南家・勝又さんの手は
ドラ勝又手牌
この手に自風対子があり、1000点ですが3本場でこの親連荘を止めるのは子に与えられたテーマの1つです。
これ以上親にアガられると逆転が難しい点差になってしまいます。(目安として30000点差〜)
できればドラや赤引きでも使える手にして1000点で終わらせないようにします。
ツモ打
続いて西家・小林さんの手は
ドラ小林手牌
対子がありポンして・赤2000点や暗刻1つ+2対子で対子が増えれば七対子、暗刻が増えれば対々和もあります。
ここも鳴ける手なので親連荘を止める役割になりそうです。
ツモ打
最後に北家・松本さんの手は
ドラ松本手牌
松本さんは愚形受け入れが複数ある4シャンテンで赤もドラもありません。
仮にテンパイしても1300点の役なしリーチになりそうなので他家の動向を注視しながら進めます。
親が早そうならオリ、テンパイに時間がかかりそうなら子へアシストも考えます。
ツモ打
次巡、黒沢さんは
ドラ黒沢手牌
、678三色、ドラのどれも狙える2シャンテン。
同巡、勝又さんは
ドラ勝又手牌
3対子で対子手も少しあります。
更に同巡、小林さんは
ドラ小林手牌
こちらも1暗刻+3対子でこちらは対子手を考えたい手になりました。
また同巡、松本さんが打、これを黒沢さんがポンして打。
ポンドラ黒沢手牌
ダブの2翻は決まったので引きマンズ2メンツとソーズリャンカンで1メンツ計算。
次巡、黒沢さんは
ポンドラ黒沢手牌
カンかカンが入ればテンパイになる1シャンテン。
また同巡、小林さんは
ドラ小林手牌
対子手→メンツを意識しています。
次巡、勝又さんは
ドラ勝又手牌
役なし2シャンテン。
また同巡、小林さんは
ドラ小林手牌
受け入れの1シャンテン。
次巡、松本さんは勝又さんが切ったに合わせ打ち打。
これを黒沢さんがチーして打。
切りしたのはドラリャンカンを残したかったからと思われます。
ドラは使い切るぞ!の意思を感じます。
チーポンドラ黒沢手牌
次巡、小林さんは
ドラ小林手牌
そして次巡、小林さんは
ドラ8巡目小林手牌
ここから小林さんは打で七対子1シャンテンに取ります。
次巡、黒沢さんは
チーポンドラ黒沢手牌
ドラが重なり12000点にパワーアップ。
同巡、勝又さんは
ドラ勝又手牌
こちらも七対子1シャンテン。
3巡後、黒沢さんは
チーポンドラ黒沢手牌
ダブ・ドラ3、12000テンパイ待ち。
待ちのうちは勝又さんに2枚、小林さんに2枚で純カラ、は勝又さんに2枚と1枚切っていて山に1枚で合わせて0+1=1枚。
次巡、黒沢さんはを引き暗刻になりますがツモ切り。
タンキ待ちなら跳満ですがアガリやすさ優先です。
この同巡、勝又さんのこの手から打し、黒沢さん12000の3本場、12900をアガりました。
ドラ勝又手牌
なぜ勝又さんがを切ったのか考えてみると、
黒沢捨牌
チーポンドラ黒沢手牌
黒沢さんはダブポンの後チーで、最近の手出しが、その前がです。
ピンズはターツ落とし後と通っているので現物のスジ待ちくらいしかなく、ほぼピンズ待ちは無さそうです。
そしてマンズ1メンツがチーで完成していてソーズ手出しがあります。
ソーズはこのそばを持っている、つまりドラを持っていそうだと推察できます。
それと場に字牌が高く、が場に3枚、が場に2枚、が2枚切れなだけでポンが入っている以外、他の字牌は勝又さんにがあるだけで残りは見えていません。
マンズをチーしている分、マンズ以外の待ち、例えば黒沢さんの待ちをドラと字牌のシャンポン待ち等と考えたのかもしれません。
チーポンドラ例1
チーポン例2
実際はマンズからチー食い伸ばしです。
黒沢さんのMリーグでの副露率は約8%というデータがあります。
これは大体12局に1回鳴くのに近い数値です。(約8.3%)
黒沢さん独特の手組と鳴きは私も興味深く観察しています。
今回は取り上げていませんが、役牌を一鳴きせずスルーしてシャンポン待ちにしたり、他のプロにはあまり見ない仕掛けをしています。
今回のまとめ
・黒沢さんの副露率8%は12局に1回鳴くくらいの頻度
・黒沢さんは鳴いてもセレブ、安い鳴き自体が少ない
(オーラス、2着を決めるタンヤオのみ300−500は一度あり)
https://youtu.be/lSWs-a6uK5A
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