2022年10月27日
ちょっとだけMリーグ#60
今回もMリーグの一局だけを掘り下げていきます。
今日の主役は魚谷 侑未プロです。
まずは動画からご覧ください。
https://youtu.be/WWunzcpQhO8
2021年11月11日 第2試合
南3局
東家 二階堂 亜樹 20400
南家 沢崎 誠 42600 (元・KADOKAWAサクラナイツ)
西家 魚谷 侑未 10800
北家 本田 朋広 26200
(敬称略)
現在、ラス目の魚谷さんは1600−3200ツモ以上か本田さんから満貫直撃で三着、リーチ棒が出て跳満ツモ以上か本田さんから跳満直撃で二着になれます。
また、役満ロンなら魚谷さんはトップ目です。
最初に親・亜樹さんの手は
ドラ亜樹手牌
2メンツ+ドラのある2シャンテンでほぼ平和のような手です。
もしリーチ・平和・ドラなら5800と加点のチャンス。
ここでアガれば二着も現実的になります。
ツモツモ切り
ここで切られたを魚谷さんがポンして打。
ポンドラ魚谷手牌
魚谷さんは着順アップには満貫ツモか本田さんから満貫直撃が必要です。
自風対子+赤+ドラがあり、・赤・ドラでは3900まで。
魚谷さんはオタ風のをポンしてしまった以上は、マンズ混一色だけ見ているようです。
ここでをポンする前の魚谷さんの手は
ドラ魚谷手牌
マンズと字牌のブロック数を数えると、、の3ブロックで両方とも対子になって初めて5ブロックになります。
マンズ混一色を考えるならどちらか対子になるのを見てからが私のマンズ混一色狙いにする判断基準です。
どちらか対子になれば字牌は全部ポンして対子にならなかった方のタンキ待ちで満貫になります。
例えば
ポンポンポンドラ例1
ポンポンポン例2
こんな形になります。
それに魚谷さんの手は赤+ドラで、メンゼンで手組すればリーチ・ツモ・赤・ドラで満貫になります。
ここはマンズ混一色に限定せず進める手もあります。
マンズ混一色ではピンズとソーズ全部を切ることになるのが問題になります。
メンゼンの場合は
リーチツモドラアガリ例1
リーチツモアガリ例2
このように、魚谷さんの手はメンゼンでも十分満貫の狙える手なのはお分かりになるかと思います。
鳴いてしまうと赤やドラ、役牌を引かない限り混一色限定になるのは大きなネックです。
続いて北家・本田さんの手は
ドラ本田手牌
対子でポンするくらいしか役が無さそうです。
伸びによっては567三色同順が少しあるか?程度でこの手に赤もドラも無く、鳴いても役なしリーチでも1000~1300点の安手です。
ツモ打
次巡、亜樹さんは
ドラ亜樹手牌
引きテンパイになる1シャンテン。
同巡、魚谷さんのポンでツモが飛んだ南家・沢崎さんの手は
ドラ沢崎手牌
対子のはオタ風、それにマンズは下家の魚谷さんがマンズ染めの可能性があるので切りにくい牌です。
この段階で気づいた方もいらっしゃると思いますが、魚谷さんのマンズ染めに決めたこの手、
ポンドラ魚谷手牌
重なりを見ているは沢崎さんに対子、は本田さんに対子でどちらもあと1枚、更に上家の沢崎さんは魚谷さんが混一色と分かればマンズは絞りそうです。
つまり魚谷さんはが対子になることはあっても暗刻になる可能性は0、ポンできる可能性も切られない限りは0です。
魚谷さんがの重なりを見る限り、この手のテンパイスピードは遅くなりそうです。
同巡、魚谷さんはをツモり加カンして新ドラ、ツモ打。
加カンドラ槓ドラ魚谷手牌
これでドラ2+赤なのでバック(後付け)でも満貫です。
次巡、亜樹さんは
ドラ槓ドラ亜樹手牌
引きなら234三色同順です。
同巡、魚谷さんは
加カンドラ槓ドラ魚谷手牌
ここから打。
先ほどバックでも満貫になる手になったばかりですが、マンズ混一色に決めました。
次巡、亜樹さんは
ドラ槓ドラ亜樹手牌
ここから打ならソーズツモでテンパイになります。
この巡目でがともに1枚切れで亜樹さんから2枚、3枚見えです。
ここから亜樹さんは打。
もし打してツモの場合は愚形待ちになってしまいます。
例3
例4
例5
例6
例3と4はツモ、例5はツモ、例6はツモの場合です。
ツモの場合はリャンメン待ちかノベタン待ちに取れます。
同巡、沢崎さんは
ドラ槓ドラ沢崎手牌
ソーズ一気通貫やドラ引きも、456三色を考えたようです。
同巡、魚谷さんは
加カンドラ槓ドラ魚谷手牌
ラス牌のを引き、これでどこからでも鳴ける形の1シャンテンです。(ただしは純カラで鳴けないし暗刻もない)
次巡、亜樹さんはテンパイ即リーチ!
ドラ槓ドラ亜樹手牌
リーチ・平和・ドラ2、12000点待ち。
()亜樹捨牌
第一打の後の後手出しでよりが大事だった、これでは孤立牌の可能性が高く、のそばを持っていると思われます。
リーチに沢崎さんはオリ。
満貫ツモか本田さんから満貫直撃で三着目の魚谷さんは戦うようです。
加カンドラ槓ドラ魚谷手牌
同巡、本田さんもオリ。
リーチの6巡後、亜樹さんから3枚目のが切られあと1枚、魚谷さんの手はネックだらけです。
同巡、魚谷さんは
加カンドラ槓ドラ魚谷手牌
も1枚切れであと1枚だけと鳴くにも苦しい状況です。
魚谷さんはここから打の1シャンテン維持。
この時の亜樹さんの捨牌は
亜樹捨牌
切りの後からは持っていない可能性大、次のからピンズは上か下メンツだけ、あるいは両方。
現物から、も無し。
も現物でピンズ待ちはほぼ否定しています。
マンズはから、、も無し。
また、はを否定しているので残るは、くらいです。
ソーズは現物でを否定しているだけで残りのスジは全部通っていません。
つまり一番当たりそうなのはソーズです。
次巡、魚谷さんは
ツモ加カンドラ槓ドラ魚谷手牌
亜樹さんの当たり牌を引き、ツモ切り。
この場面、魚谷さんはまばたきの回数が増え、苦悶の表情まで浮かべています。
これに亜樹さんからロン。
リーチロンドラ槓ドラ裏ドラカン裏ドラ亜樹手牌
リーチ・平和・ドラ2・裏の12000点です。
魚谷さんを−1200点と箱下に沈めると同時に、二着目を堅固なものにするアガリとなりました。
あまり「たられば」の話はしたくないですが、もし魚谷さんが亜樹さんの第一打をポンしていなければ
ツモがで、
配牌が
ドラ魚谷手牌
なので一切鳴きが入らなかったとすると、
ドラテンパイ例1
テンパイ例2
どちらかのテンパイが入ります。
テンパイ例1は待ち、例2は待ち平和でこれなら着順アップの条件、満貫にはなりそうです。
今回の動画内で実況の日吉さんが
「魚谷ってよくこういう事言うんですけど、ファンの人より諦めない」
と仰っています。
魚谷さんは雀荘などでお客さんを見送る際、深い角度のお辞儀をされる事でも有名で、麻雀に対しての真摯な姿勢が伝わってきます。
それとは違って、卓上では闘志溢れる打牌をよく見かけます。
女流プロの中で所持するタイトル数でも頭一つ抜きん出ています。
また、今期〜Mリーガーとなった鈴木 優プロとは師弟関係にあたります。
魚谷さんは先日、女流初めての十段位に輝きました。
魚谷プロ、おめでとうございます。
今回のまとめ
・ドラ2で満貫狙いならメンゼンが対応しやすい(リーチ・ツモ・ドラ2で満貫、一発・裏ドラで跳満〜も)
無理やりマンズ混一色ではピンズ、ソーズを切ることになり放銃の可能性大、鳴くなら役牌・ドラ3のような手を目指す
ドラ魚谷手牌
ここから魚谷さんはポンしたが対子になるかマンズターツが増えてから鳴く方が鳴ける牌も増えてテンパイスピードも変わる
ドラ例7
例8
例7はチー、ポンができ、例8はチー、チー、ポンができてテンパイスピードも変わる
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