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2022年09月12日
ちょっとだけMリーグ#42
今回もMリーグの一局だけを掘り下げていきます。
今日の主役は小林 剛プロです。
まずは動画からご覧ください。
https://youtu.be/Ndc3o7T958o
2019年1月29日 第1試合
南3局1本場
東家 小林 剛 23300
南家 滝沢 和典 27600
西家 魚谷 侑未 7500
北家 佐々木 寿人 41600
(敬称略)
トップ目が寿人さんで滝沢さんは跳満ツモか寿人さんから満貫直撃でトップ目に、小林さんは親なので6000オールツモか18000ロンでもトップ目になります。
魚谷さんは断ラス目で倍満ロンで三着目、倍満ツモで二着目になります。
最初に親・小林さんの手は
ドラ小林手牌
この手はメンツ手5シャンテンと遅く、通常の手組では他家のテンパイスピードに遅れそうです。
平和やタンヤオを中心に見そうですが、引き気味で良さそう。
後は役牌ポンもありますが、スピードで遅れそうなのと鳴いた後の形的に鳴かない寄り。
ツモ打
次に南家・滝沢さんの手は
ドラ滝沢手牌
ドラが1枚ありますがターツも少ないメンツ手4シャンテン。
あまり高い手にならなそうで愚形受け入れも多く、テンパイにも時間がかかりそうです。
どのみち遅い手なら対子が増えた時は七対子、それも守備的七対子でオリやすい構えにします。
ツモ打
続いて西家・魚谷さんの手は
ドラ魚谷手牌
ペンチャン2+カンチャン2+リャンメンでこれも形が悪く、テンパイスピードは遅そうです。
これはメンツ手3シャンテンですが引きなら789三色を意識したり、引きなら678三色を意識します。
ツモ打
最後に北家・寿人さんの手は
ドラ寿人手牌
赤1枚ありほぼメンツ手の3シャンテンで平和狙いでいいでしょう。
マンズ1メンツ、ピンズ2メンツ、ソーズ1メンツならメンツは十分です。
を両方引いた時はピンズ多面張に変化しやすいのでその時は一気通貫や、ノベタン待ち、三面張を意識します。
例えば
例1
例2
伸び方によってはを対子落としでタンヤオもあります。
ツモ打
次巡、寿人さんは
ドラ寿人手牌
1メンツ完成の3シャンテン。
次巡、小林さんは
ドラ小林手牌
3対子で七対子3シャンテン。
対々和には鳴きづらい対子なので七対子本線で進めたい所。
また同巡、滝沢さんは
ドラ滝沢手牌
こちらも3対子、七対子3シャンテンです。
この時点で2人が七対子の見える手で、対子場を連想させます。(対子場:特定のスジが偏りやすい場)
次巡、小林さんは
ドラ小林手牌
これで4対子、七対子2シャンテンです。
この同巡、寿人さんは
ドラ寿人手牌
2メンツ完成で平和2シャンテンになります。
次巡、魚谷さんは
ドラ魚谷手牌
ペンは山にあと2枚、ペンもあと2枚、ペンはあと3枚のペンチャン受け入れ3つが残る2シャンテンです。
仮にテンパイしたとしても三色の2ハンだけで形が悪く、受け入れ枚数も少ないのは不安が残ります。
2巡後、滝沢さんは
ドラ滝沢手牌
こちらも4対子、七対子2シャンテン。
同巡、魚谷さんは
ドラ魚谷手牌
789三色に決めて安全牌2枚を抱えていつでも戦える体勢です。
また同巡、寿人さんは
ドラ寿人手牌
ドラくっつきとのシャンポン待ちなら5200〜になります。
ドラが重なればと入れ替えてポン満貫もあります。
次巡、小林さんは
ドラ小林手牌
赤引きでタンヤオ・七対子を意識しているようです。
リーチ・タンヤオ・ツモ・七対子・赤なら跳満、6000オールでトップ目になれます。
同巡、滝沢さんは
ドラ滝沢手牌
5対子の七対子1シャンテンでスピードで一番乗り。
ここもドラ対子かドラ待ちで跳満です。
更に同巡、魚谷さんは
ドラ魚谷手牌
こちらも789三色1シャンテン。
次巡、小林さんは
ドラ小林手牌
5対子で七対子1シャンテン。
これで4人全員1シャンテンです。
同巡、魚谷さんは
ドラ魚谷手牌
789三色テンパイ即リーチペン待ち。
リーチを受け、寿人さんは現物を抜いてオリ。
次巡、小林さんは
ドラ小林手牌
現物の無い小林さんは端の切りで1シャンテンを維持。
滝沢さんもを合わせ打ちでオリ。
次巡、小林さんは
ドラ小林手牌
これで魚谷さんの当たり牌は純カラ(0枚)、魚谷さんのアガリ目は0です。
ここでのどちらを切ってタンヤオ・七対子でリーチするのか小林さんは考えているようです。
場を見ると
小林捨牌
滝沢捨牌
魚谷捨牌
寿人捨牌
枚数はともに1枚切れで見た目上山に残り2枚ずつあります。
ここで小林さんは切りリーチを選択します。
もしかすると待ちに放銃するのが嫌だったのか、あるいは端に近いの方が山にいると思ったのかはわかりません。
ここは点数の高さよりも連荘すればトップ目にも近づきます。
9600ロンや4000オールツモなら一時的に二着目になります。
リーチの2巡後、引きで待ちならツモアガリでした。
そのまた2巡後、小林さんツモアガリ。
リーチツモドラ裏ドラ小林手牌
裏ドラ2枚乗ってリーチ・ツモ・タンヤオ・七対子・裏2で跳満の1本場、6100オールでした。
結果的にはタンヤオを付けなくても跳満で、タンキ待ちなら8000オールになっていました。
このアガリで
小林 42600
滝沢 21500
魚谷 400
寿人 35500
小林さんが一気にトップ目に立ちました。
試合後のインタビューで小林さんは
「途中から七対子に路線を決めて親番で連荘しなきゃって言って七対子に決めない人も多いと思うんですけど
一撃決めやすいのがあの手だったらさすがに七対子かなと思って
後はリーチとのめくり合うにあたりからのどっちが有利かっていうことで
が2枚見えでが通っていたので
の方が若干安全だったのと
魚谷さんが切られていては結構危ないんじゃないかということで
待ちの強さと安全さの両方でタンキにしました。
(リーチ2巡後)ツモってきたなと思ったけど当たってんのかなとも思ってたのであれはしょうがないと思います。
七対子ってミスなしでアガれることの方が少ないので七対子のミスは気にしててもしょうがないと思うんです。」
今後も進化しつつあるコバゴーさんから目が離せません。
今回のまとめ
・親だから七対子を狙わないのは損
・七対子のミスは付き物だから気にし過ぎない
・七対子の待ちは場に出ている枚数や他家の狙いなどを考慮して決める(見た目枚数が残っている待ち、混一色・清一色狙いと同じ色の待ちにしないなど)
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2022年09月09日
ちょっとだけMリーグ#41
今回もMリーグの一局だけを掘り下げていきます。
今日の主役は村上 淳プロです。
まずは動画からご覧ください。
https://youtu.be/GJyJ8r9hhzw
2020年1月30日 第2試合
南4局1本場(供託リーチ棒1)
東家 朝倉 康心 28100
南家 村上 淳 13000
西家 茅森 早香 24200
北家 滝沢 和典 33700
(敬称略)
トップ目は滝沢さんで二着目・朝倉さんは1300オールツモや4800ロンでトップ目(ただし連荘)、三着目・茅森さんは満貫ツモかリーチ棒が出て満貫ロンでもトップです。
ラス目・村上さんは跳満ツモか倍満ロンで二着、倍満ツモか三倍満ロンでトップになれます。
※動画の都合上、3巡目・西家からになります。
最初に西家・茅森さんは3巡目リーチ!
ドラ茅森手牌
この手はリーチ・平和・ドラ3900点で一発ツモかツモって裏ドラ1枚乗ればトップになります。
またはロンでも二着に着順アップするリーチです。
3巡目リーチで捨牌が
茅森捨牌
ではヒントはほとんどありません。
強いて言うならが孤立牌の可能性が高く、この周囲の牌は持ってなさそうというのはありますが(やからはは切られないから)、それ以外の待ちに関する情報はなく、ドラ切りリーチでまたぎスジやこの周りの待ちも否定できません。
このリーチ宣言牌を滝沢さんがチー。
チードラ滝沢手牌
これは一発消しと思われるチーですが、茅森さんは満貫ツモ、つまり一発ツモかツモって裏ドラを乗せて初めてトップになるのでこの局に限っては少し効果があります。
続いて親・朝倉さんの手は
ポンドラ朝倉手牌
これはバック(後付け)の特殊な例、どちらでも役が付くダブルバックほぼ1500点です。
個人的に親で鳴く時はせめて2900以上(2ハン以上)にしてから鳴くのをおすすめします。
1500点では軽過ぎて他家もある程度高い手になるので(赤やドラ、役牌がその分、他家に行くから)1500点の鳴きはおすすめしません。
その理由として親で鳴いても子から押し返される可能性が高くなるからです。
赤入りルールではブラフもあまり通用しない場面が多く、ブラフを使うたろうさんや石橋さんのようなタイプがMリーグであまり好成績を残せない原因の1つになります。
捨牌を見ても、
朝倉捨牌
ソーズ混一色に見せようとしていますが、ではまだピンズメンツを意識していてそこに違和感はあります。
もしソーズ混一色まっしぐらな捨牌であれば、
捨牌例1
のように放銃や鳴かれるリスクを考えて中張牌(2〜8)が先に切られるのが多いものです。
最後に南家・村上さんの手は
ドラ村上手牌
マンズ8枚で混一色はありますがリーチに無スジの牌ばかりでまだ戦える手になっていません。
ここは通りそうな字牌を切りつつ、様子見で混一色になれば攻め寄りでいいでしょう。
ツモ打
次巡、村上さんは
ドラ村上手牌
ここで村上さんは打、これを朝倉さんがポンして待ちテンパイ。
ポンポンドラ朝倉手牌
この鳴きで村上さんの次のツモは、鳴きで茅森さんがツモアガリだった牌が村上さんのツモになりました。
ドラ村上手牌
ここから村上さんは打。
まだアガリを諦めていないようです。
この手牌を見て気づくのは、村上さんはを4枚、を4枚持っている事です。
前回の伊達さんの4枚になった手を思い出す方がいらっしゃるなら、その感覚を大切にしてください。
ラス目の村上さんがこの形になっている時点でやは怪しいと思っていいでしょう。
ただ、茅森さんは切りから、待ちはありません。
この同巡、滝沢さんは
チードラ滝沢手牌
これで朝倉さんの待ちは村上さんがを1枚切り、茅森さんに1枚、滝沢さんに2枚で純カラ、は村上さんが1枚切りで山には0+3=3枚だけ。
次巡、村上さんは
ドラ村上手牌
4枚目の引きでカン(ペン)チーやカンチーでマンズ清一色もあります。
例えば鳴き清一色、清一色・対々和、清一色・七対子など満貫〜跳満は見られそうです。
ここから打、これを通せば次にも切りやすくなります。
次巡、朝倉さんはツモ切り、これを村上さんは当然のペンチャンチーして打。
チードラ村上手牌
これでチー、ポンができる形、チー以外でテンパイになります。
次巡、滝沢さんがツモで山には1枚、1枚と茅森さんのアガリ牌も少なくなってきました。
更に次巡、滝沢さんはツモで朝倉さんのアガリ牌もどんどん減っています。
この同巡、朝倉さんツモでフリーズ。
ここで下家の村上さんはマンズ清一色なのが見えていて、こので放銃すると清一色・赤で跳満が確定です。(一気通貫が付いても跳満まで)
もし跳満放銃ならラスに転落する場面ですが、朝倉さんは切りオリを選択。
ポンポンドラ朝倉手牌
この同巡、村上さんがツモ切りで朝倉さんが切りなら村上さんチーもあり、その場合は茅森さんの放銃になる未来もありました。
この半荘、特に入り込んでいる様子のASAPIN(天鳳で朝倉さんのハンドルネーム)さんの顔は忘れられません。
この2巡後、村上さんは
チードラ村上手牌
茅森さんの当たり牌を暗刻にしてカンテンパイ。
カンは山に2枚。
茅森さんのは山に1枚だけ。
3巡後、朝倉さんは引きで茅森さんのアガリ目は0になります。
この同巡、村上さんは
チードラ村上手牌
切りなら
例1
待ち。
切りなら
例2
待ちです。
まだ村上さんからが見えていない事(跳満になる1つの手段)、待ちの広さから村上さんは切りを選択。
チードラ村上手牌
次巡、村上さんツモで待ちならツモアガっていました。
その次巡、朝倉さんツモでまたアガリ牌が減っていきます。
ポンポンドラ朝倉手牌
朝倉さんはラス親でテンパイ以上にしたい所ですが引きしてテンパイになりますが1枚、0枚、0枚、1枚、0枚で山に2枚です。
残すは村上さんn最後のツモは・・・!
ツモチードラ村上手牌
このアガリは清一色・ハイテイの跳満の一本場、3100-6100です。(+2000)
日吉さん風に言えば二着と「替わるぅぅぅぅ!」な跳満で、
朝倉 22000
村上 27300
茅森 20100
滝沢 30600
一気にラス目→二着に着順アップ、1着順あたりスコアが20変わるので20×2=40、つまり40000点得するアガリです。
Mリーグルールでは1着順上がるだけで20000点スコアが変わる為、倍満1回アガるよりも着順を1つ上げる事の方が比重が大きくなります。
ただしチップが発生するようなルール、例えばチップ1枚5000点相当のルールではチップ4枚=1着順差と同価値になります。(この場合は着順アップよりもツモアガリでチップ集め優先がおすすめ)
試合結果は
滝沢 +50.6
村上 +7.3
朝倉 −18.0
茅森 −39.9
今回のまとめ
・Mリーグルールで1着順アップすると+20(20000点)変わるのでオーラスでも着順アップを目指す(倍満<1着順差)
・ただチップのやりとりをする場合は着順<チップになる(チップ1枚5000点相当なら1着順差=チップ4枚でチップの価値が高い、ツモアガリでチップを3人から集めるのがおすすめ)
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2022年09月07日
ちょっとだけMリーグ#40
今回もMリーグの一局だけを掘り下げていきます。
今日の主役は伊達 朱里紗プロです。
まずは動画からご覧ください。
https://youtu.be/oZvAXCcJhs0
2021年10月22日 第1試合
南3局1本場
東家 伊達 朱里紗 44800
南家 岡田 紗佳 19700
西家 二階堂 亜樹 34500
北家 魚谷 侑未 1000
(敬称略)
ラス目の魚谷さんは親番も無く蚊帳の外、岡田さんから12000以上直撃か倍満ツモ以上で三着目になれますがそれ以外のアガリは微妙で、現状はトップ目・伊達さんと二着目・亜樹さんのマッチレース状態。
三着目の岡田さんは二着目と14800点も離れていますがここでアガっておくとラス親でアガって二着やトップもあります。
最初に親・伊達さんの手は
ドラ伊達手牌
この手からは一盃口、タンヤオ、平和や対子が増えれば七対子、役牌が重なればポンもあります。
ツモ打
次に南家・岡田さんの手は
ドラ岡田手牌
第一ツモで4対子で七対子2シャンテンやタンヤオ、対子が暗刻になれば対々和・三暗刻もあります。
もし対子手になった時はとポンしづらい対子が多い為、対々和よりは七対子寄りの手です。
同じ鳴きでも、食いタンでメンツを見るなら赤かドラ引きで満貫になるので鳴くのも悪くないでしょう。など
ツモ打
続いて西家・亜樹さんの手は
ドラ亜樹手牌
マンズはカンと受け入れで2メンツ計算、雀頭は、残り2メンツをピンズとソーズで作れば十分です。
他にも役牌を重ねてポンでもOKです。
ツモ打
最後に北家・魚谷さんの手は
ドラ魚谷手牌
ドラでこれを生かすなら234三色同順、仮に三色にならずともマンズ1メンツ、ピンズ2メンツ、ソーズ1メンツで4メンツできます。
はくっつきに優秀なので切らないようにして他色の伸びも見ながらどこをメンツにするのか精査していきましょう。
例えばソーズで1メンツに固定せず、になれば2メンツを考えるなど、マンズ以外の伸びを見逃さないようにします。
ツモ打
次巡、伊達さんは
ドラ伊達手牌
これだとペンとペンのネックが大きく、あまりメンツ手にならないかもしれない、と考えることはできます。
実際、伊達さんに必要なを岡田さんが持っていたり、ピンズくっつきにも必要なを持っているのもまた岡田さんで、この2人が対立する関係にあると見ることもできます。
また同巡、岡田さんは
ドラ岡田手牌
これでどちらかが暗刻になるかポンで3900や5200も見えます。
岡田さんにはがあるのでその外側は多少鳴きやすいと見ることはできます。
更に同巡、亜樹さんは
ドラ亜樹手牌
赤2枚になり、メンツさえできればリーチ・平和・赤2やリーチ・赤2のような手が浮かびます。
次巡、伊達さんは
ドラ伊達手牌
3対子になり、これ以上対子が増えると対子手もあります。
同巡、岡田さんは
ドラ岡田手牌
1暗刻+3対子でどちらかと言えば対子手のようです。
次巡、伊達さんは
ドラ伊達手牌
4対子になり、七対子の2シャンテン。
同巡、岡田さんは
ドラ岡田手牌
伊達さんの切りを見てかはわかりませんが、少なくとも伊達さんはを持っていないと見たのか、マンズの下()は山にあると判断したのかもしれません。
がある岡田さんから見るとメンツができても暗刻や対子ができても好都合です。
更に同巡、亜樹さんは
ドラ亜樹手牌
後はどちらかを引けばターツは十分。
次巡、亜樹さんは
ドラ亜樹手牌
ソーズ四連形ができ、のソーズ2メンツもあります。
次巡、伊達さんは
ドラ伊達手牌
七対子1シャンテンでが暗刻になっても一盃口もあります。
同巡、魚谷さんは
ドラ魚谷手牌
1シャンテンの人がいる中、赤もドラもないリーチのみ1300点になりそうな3シャンテンと一人だけ置いてきぼり。
次巡、岡田さんは
ドラ岡田手牌
受け入れの1シャンテン。
リーチ・ドラ2、5200やリーチ・ツモ・ドラ2の満貫にはなりそうです。
次巡、伊達さんは
ドラ伊達手牌
対々和・三暗刻や一盃口も残る1シャンテンにパワーアップ。
また同巡、岡田さんはテンパイ即リーチ。
ドラ岡田手牌
このリーチに対し、亜樹さん、魚谷さん、伊達さんの三者共に現物切り。
リーチ後1巡が過ぎ、伊達さんは
ドラ伊達手牌
対々和・三暗刻本線で進めるようです。
次巡、伊達さんは
ドラ伊達手牌
対々和・三暗刻、ツモり四暗刻テンパイ。
この時、伊達さんは悩んでいる様子ですが、リーチするかどうかを考えていた様子です。
もしここで伊達さんが岡田さんに満貫放銃(1本場)すると、
伊達 44800 → 36500
岡田 19700 → 28000
亜樹 34500
オーラス、親の岡田さんと2600オールでトップ逆転の位置まで迫られ、二着目と2000差まで詰められてしまいます。
ここは岡田さんにツモられるのは仕方ないとして放銃したくない場面です。
逆転しやすい人を1人→2人にする選択をしたくありません。
ツモり四暗刻だからと浮かれず、放銃しないよう構えたのはいい判断と言えるでしょう。
同巡、亜樹さんは
ドラ亜樹手牌
引きでこれは3枚目の、は伊達さんに3枚+亜樹さんに1枚の純カラで岡田さんのは山に1枚だけです。
次巡、リーチの岡田さんがツモ切りでこれを亜樹さんがチーして打。
チードラ亜樹手牌
くっつきのタンヤオ・赤3、満貫1シャンテン。
次巡、亜樹さんテンパイ。
チードラ亜樹手牌
その2巡後、伊達さんは
ツモドラ伊達手牌
最後のをツモった伊達
さんは小考して打。
これで伊達さんは8枚のうち半分の4枚を独占しています。(捨牌にがあり、5枚を引いている)
今回のように他家リーチ後、スジで何枚も引かされている時は注意です。
ここで切りすると、次に引きでタンヤオ・三暗刻テンパイに取れます。(は0枚)
ドラ伊達手牌
その次巡、亜樹さんツモアガリ。
ツモチードラ亜樹手牌
このアガリはタンヤオ・赤3、満貫の一本場、2100-4100でした。
これで点棒状況は
伊達 40700
岡田 16600
亜樹 43800
魚谷 -1100
亜樹さんがトップ目になりました。
この半荘は結局、
続くオーラスは岡田さんが亜樹さんから12000をアガり、連荘一本場は亜樹さんが岡田さんから8000ロンで終了します。
伊達 +60.7
亜樹 +20.1
岡田 −19.7
魚谷 −61.1
これで3戦2トップの成績を収めた伊達さんです。
今回のまとめ
・一人で同じスジを何枚も持っている時は注意(伊達さんはを5枚引いていて岡田さんの当たり牌、スジを何枚も持っている=他家の必要牌になりやすい)
・オーラス(南4局)が近い時は何点を放銃するとトップになりやすい人が何人になるかを考える(ラス前で満貫放銃は亜樹さんと岡田さんがトップに近くなる、トップ候補が1人→2人に増えるから放銃は良くない場面)
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2022年09月04日
ちょっとだけMリーグ#39
今回もMリーグの一局だけを掘り下げていきます。
今日の主役は岡田 紗佳プロです。
まずは動画からご覧ください。
https://youtu.be/6zEtrONFMTs
2021年2月8日 第1試合
東4局
東家 瀬戸熊 直樹 23000
南家 岡田 紗佳 27000
西家 小林 剛 28000
北家 魚谷 侑未 22000
(敬称略)
トップ目とラス目の差が6000点なら1300−2600ツモでも入れ替わるのでまだ点差は意識しなくて良いでしょう。
最初に親・瀬戸熊さんの手は
ドラ瀬戸熊手牌
を切ればタンヤオ、平和、234三色同順などが見られます。
で1メンツ+雀頭、、で2ブロックあるのでドラかにくっつけてもう1ブロック作れば手材料は足ります。
瀬戸熊さんはせっかくの親なのである程度高い手(5800〜)にしてアガりきりたい場面です。
ツモ打
次に南家・岡田さんの手は
ドラ岡田手牌
この手からは平和、タンヤオ、567三色同順、後は役牌を重ねてポンなどが見られます。
と赤+ドラがあり、平和でもタンヤオでも役が付けば、満貫以上にはなりそうです。
岡田さんもある程度アガリを見たい手です。
ツモ打
続いて西家・小林さんの手は
ドラ小林手牌
この手は役牌対子があるものの赤もドラも無く、安手になりそうです。
愚形受け入れもあり役もあまり見られそうにありません。
現在3対子で対子が増えれば七対子、端牌(1と9)や字牌が増えれば混老頭、対々和がある程度です。
ここはどちらかと言えば引き気味(守備寄り)に構えていつでもオリられるようにしておきましょう。
ツモ打
最後に北家・魚谷さんの手は
ドラ魚谷手牌
この手は役なしリーチになりそうな4シャンテンで現状ではリーチか役牌を重ねてポンくらいしかありません。
仮にテンパイが早かったとしてもリーチで2600~3200くらいにしかならなさそうなのでアガリを見るよりも引き気味(守備寄り)が良さそうです。
ツモ打
次巡、小林さんは
ドラ小林手牌
も重なり4対子、これなら対々和・で満貫、混老頭も付けば跳満も見られます。
もし他家から早いリーチが入ればノーガードになりますが、勝負する価値はある手になりました。
また同巡、魚谷さんからが切られてこれを小林さんがポンして打。
ポンドラ小林手牌
引きなら嬉しい手です。
ただメンツができてしまうと2000点止まりですが。
次巡、瀬戸熊さんは
ドラ瀬戸熊手牌
から打しますが、この手はタンヤオを中心に見る方がいざとなれば鳴きも使えて、マンズがある分、その外側引きを見たり部分が待ちになるとアガりやすい待ちにもなるので打はもったいなく感じます。
ペンは最大のネック部分でここが待ちになるとタンヤオが崩れます。
は重ならない限りは切るつもりで、ソーズはがありフォローもきくのでを中心にソーズメンツを組めば良さそうです。
更にツモなら一盃口も狙えます。
同巡、岡田さんは
ドラ岡田手牌
平和・赤・ドラの1シャンテン。
後はのくっつきでどちらかがくっつけば一盃口も狙えます。
また同巡、魚谷さんは
ドラ魚谷手牌
打の2シャンテン。
ここで切られたを小林さんがポンして打。
ポンポンドラ小林手牌
引きか鳴ければテンパイになる1シャンテン。
次巡、瀬戸熊さんは
ドラ瀬戸熊手牌
カンとペンが残る窮屈な形の2シャンテン。
更に次巡、瀬戸熊さんは
ドラ瀬戸熊手牌
とペンの1シャンテンでこのままではペン待ちになりそうです。
その次巡、魚谷さんは
ドラ魚谷手牌
引きでテンパイする1シャンテン。
次巡、瀬戸熊さんは
ドラ瀬戸熊手牌
ポンの食いタンもできるようになりました。
この同巡、魚谷さんは
ドラ魚谷手牌
テンパイ即リーチ、リーチ・赤2600の待ちです。
捨牌は
魚谷捨牌
リーチ宣言牌のまたぎスジ、、は待ち候補の1つです。
このリーチを受けて瀬戸熊さんは現物のスジツモ切り。
その次の岡田さんの手牌が
ドラ岡田手牌
場全体を見ると
瀬戸熊捨牌
岡田捨牌
小林捨牌
魚谷捨牌
この岡田さんの手から切る牌の選択肢は@、A、Bだと想像されます。
まず@のですが、を切ると放銃ですが、
ドラテンパイ例1
これはシャンポン待ちテンパイになります。
ただでさえ3枚見え、2枚見えのシャンポンは枚数が少なく、リーチ負けしそうです。
次にAは岡田さんからが3枚見えでワンチャンス、放銃の可能性は低そうです。
例1
例1はくっつき1シャンテン。
次にB切りは岡田さんから3枚見えでワンチャンス、これも放銃の可能性は低そうです。
例2
今度は雀頭でくっつきの1シャンテン。
ここで岡田さんはA切り1シャンテン戻しを選択。
同巡、魚谷さんはツモ切り、これを瀬戸熊さんがチーして打テンパイ。
チードラ瀬戸熊手牌
2巡後、岡田さんはツモ打。
ドラ岡田手牌
くっつきの1シャンテンになりました。
同巡、小林さんは
ポンポンドラ小林手牌
当たり牌引きで対々和もあります。
次巡、岡田さんは
ドラ岡田手牌
切りなら平和・赤・ドラテンパイ待ちで、リーチ現物のスジは岡田さんから3枚見えでワンチャンスです。
岡田さんはリーチ!
待ちは場に2枚切れ+魚谷さんに1枚の残り1枚、は魚谷さんに3枚であと1枚の1+1=2枚です。
次巡、瀬戸熊さんから一発でが出てロンアガリ。
リーチ一発ロンドラ裏ドラ岡田手牌
このアガリはリーチ・一発・平和・赤・ドラ・裏の跳満12000点でした。
これで
瀬戸熊 11000
岡田 40000
小林 28000
魚谷 21000
と、二着目に跳満分リードしました。
この試合は結局
岡田 +74.0
魚谷 + 4.9
小林 −16.2
瀬戸熊 −62.7
岡田さんトップで終了しました。
今回のまとめ
・テンパイを取っても枚数が少ない、待ちの形が悪い、手役を付けたい時は1シャンテン戻しで手役が付くのを待ったり好形変化を見る
ドラ岡田手牌
ここから切りはシャンポン待ちは愚形で枚数が少ないから3枚見えワンチャンス打。
これでくっつきの1シャンテン戻しがおすすめ。
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2022年09月01日
ちょっとだけMリーグ#38
今回もMリーグの一局を掘り下げていきます。
今日の主役は松本 吉弘プロです。
まずは動画からご覧ください。
https://youtu.be/MXafgELtVy4
2022年2月25日 第2試合
南4局1本場
東家 松本 吉弘 55900
南家 二階堂 亜樹 7600
西家 石橋 伸洋 11000
北家 滝沢 和典 25500
(敬称略)
点棒状況からトップ目松本さんは二着目に跳満放銃でもトップ終了、二着目は三着目に満貫放銃か跳満ツモで逆転、ラス目は3900ロンか700-1300ツモで三着になります。
これを踏まえて東家・松本さんの手は
ドラ松本手牌
マンズどれでも使える、マンズ混一色、清一色両方見られる手で更には一気通貫、の一盃口もあります。
雀頭が決まれば平和・一盃口・混一色など満貫〜跳満、裏ドラ等で倍満も見られるチャンス手です。
ツモ打
次に南家・亜樹さんの手は
ドラ亜樹手牌
この手はツモによっては678三色同順、手なりで進めてもリーチ・ツモ・ドラ1000−2000なら三着に着順アップします。
着順アップを目指してこの手ならリャンメン待ちにしてツモりたい手に見えます。
役なしながら2シャンテンでカンチャン+リャンメン+リャンメンと愚形があるものの比較的テンパイスピードは早そうです。
ツモツモ切り
続いて西家・石橋さんの手は
ドラ石橋手牌
この手は役牌を重ねてリーチ・役牌・ドラでも5200、ツモって満貫では着順アップの条件を満たせません。
満貫直撃か跳満ツモが必要な石橋さんはタンヤオ・平和にしてリーチ・タンヤオ・平和・ツモ・ドラ2のような手を目指したい所ですが、あいにく材料が足りません。
19字牌を切りながらタンピンを目指して赤やドラ引きなら跳満ツモ狙いで良いんじゃないでしょうか。
4シャンテンでスピードの遅い手なので他家より遅れそうです。
また、ラス目がテンパイしそうなら安手でもアガって終了させる手もあります。
ツモツモ切り
最後に北家・滝沢さんの手は
ドラ滝沢手牌
1暗刻+2対子の役なしリーチになりそうな手です。
2シャンテンながら赤なしドラなしなので逆転手は難しそうです。
滝沢さんはトップ目と30400点差で倍満ツモでも届きません。(倍満直撃か三倍満ツモ以上が必要)
ここは三着目に満貫放銃しないよう気をつけながらいつでもオリられる構えで良いでしょう。
後は三暗刻は少しありそうですが、守備がおろそかになるので狙い過ぎに注意です。
ツモ打
次巡、松本さんは
ドラ松本手牌
雀頭候補はになり、マンズ混一色まっしぐら。
後はや引きを見れば良さそうです。
同巡、亜樹さんは
ドラ亜樹手牌
これで亜樹さんはリーチ・・ドラ5200以上になりました。
後は待ちと雀頭探り。
2巡後、亜樹さんは
ドラ亜樹手牌
1シャンテンになりました。
また同巡、滝沢さんは
ドラ滝沢手牌
1暗刻+3対子で七対子か対々和に決めたようです。
次巡、石橋さんは
ドラ石橋手牌
カンチャン2つ+リャンメン2つの3シャンテンで一番、テンパイスピードで遅れています。(リャンカンを1つとカウント)
更に同巡、滝沢さんは
ドラ滝沢手牌
2暗刻+2対子で対々和の2シャンテンで受け入れが少なく、石橋さんに近いくらいです。
は2枚切れで対子にしかならないので切りました。
次巡、松本さんは
ドラ松本手牌
ションパイの、1枚切れのどちらかが暗刻になるか、引きのどちらかを待つだけです。
をポンすれば、・混一色・赤12000になります。
ポンドラ例1
次巡、松本さんは
ドラ松本手牌
メンゼン混一色・・赤待ちテンパイ、高目ロン・一盃口かツモなら跳満、6000オールです。
ここで松本さんはダマテンを選択しました。
松本さんは二着目・滝沢さんと30400点差で倍満直撃以上、三倍満ツモ以上されない限りはトップ逆転されません。
個人的には三面張で高目をリーチ・ツモなら倍満(リーチ・ツモ・南・混一色・赤・一盃口)で二着目に倍満の逆転手はなかなか入らないと見て、少しリーチしたい場面です。
今回のケースでは待ちで高目の牌が外側で19牌です。
場を見ると
松本捨牌
亜樹捨牌
石橋捨牌
滝沢捨牌
松本さんは字牌が1枚も切られていない&マンズが切られるのが遅い、亜樹さんと石橋さんは通常、滝沢さんは6巡で3〜7牌が4枚も切られていて、不自然さを感じます。
おそらく変則手だろうとピンとくれば十分です。
場を見ると松本さんの高目が場に2枚切れで山には残り1枚。
捨牌の1枚と松本さんの手に2枚で松本さんから3枚見え、が松本さんに2枚と場に1枚切れ松本さんから3枚見えでその外側は普段なら狙い目になる牌です。
これが今回のように2枚切れでないケースなら即リーチでOKです。
おそらく松本さんは場の2枚切れを見てダマテンにしたのでしょう。
ダマテンでも混一色・赤、高目一盃口で18000点です。
石橋さんと滝沢さんが切り、亜樹さんも3巡目切りでは不要牌になりそうです。
松本さんテンパイの次巡、ツモ切りリーチ。
テンパイスピードが一番早い亜樹さんで・ドラの1シャンテンとタイミングも良かったリーチです。
親リーに押し返せるような人がいないのは展開的にも松本さんに向いています。
リーチの2巡後、亜樹さんテンパイ。
ドラ亜樹手牌
ただこのカンは滝沢さんにカンツで純カラです。
ドラ滝沢手牌
石橋さんはタンヤオ2シャンテンでしたが字牌が1枚も切られないリーチに対し場に1枚切れ、ションパイを切るのは流石に無謀でしょう。
松本捨牌
次巡、松本さんツモアガリ。
リーチツモドラ裏ドラ松本手牌
このアガリはリーチ・ツモ・・混一色・一盃口・赤の倍満の一本場、8100オールでした。
今回のリーチのように高目が端寄りの牌の時(1、2、8、9)、個人的にリーチをおすすめします。(高目枚数が少ない時はダマ推奨)
例えば123三色同順で1−4待ち、789三色同順で6−9待ちの時です。
例2
例3
例2は待ち、例3は待ちですが基本的によりもが出やすく、よりもが出やすい為、こんな場合はリーチ寄りです。
これと同様に
例4
例5
例4は234三色待ち、例5は678三色待ちですがこれもよりも高目の方が出やすく、例5もよりも高目の方が出やすいのでリーチ寄りです。(ドラや場況で変わる)
続く南4局2本場は亜樹さんがダマテン平和・赤2、3900の2本場4500点を石橋さんからアガり三着浮上で終了しました。
結局、この試合は
松本 +100.2
滝沢 −2.6
亜樹 −36.0
石橋 −61.6
松本さんが100ポイント超えのデカトップをチームに持ち帰りました。
今回のまとめ
・一盃口や三色同順、一気通貫の三面張など高目安目があって高目が端寄りの時はリーチ寄り
、待ち高目時や
、待ち高目時
、待ち高目時など端に近い牌が高目はリーチ寄り(ドラや場況で変わる)
待ちや
待ち高目一気通貫など
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2022年08月30日
ちょっとだけMリーグ#37
今回もMリーグの一局だけを掘り下げていきます。
今日の主役は多井 隆晴プロです。
まずは動画からご覧ください。
https://youtu.be/9Cppu6zp2Yw
2021年3月10日 第1試合
南1局
東家 魚谷 侑未 31500
南家 丸山 奏子 11700
西家 二階堂 瑠美 33700
北家 多井 隆晴 23100
(敬称略)
トップ目と二着目の点差は微差、三着目と二着目の差は満貫くらい、ラス目の丸山さんは三着目と跳満1つ分くらい離れています。
※動画の都合上、親4巡目〜になります。
最初に親・魚谷さんの手は
ドラ魚谷手牌
この手は3対子ありますがマンズが西ヨーロッパ形と悪形です。
形だけで言えば全部奇数のと似ていると言う方もいらっしゃるかもしれませんが、全部奇数ではそこから先にまだ変化があります。(2がくっついて23579)
2468という形は2468が対子になるかダイレクトにカンチャン受け入れを引くしか変化はありません。
他にもこれが1枚減った、246と357の比較でも同様です。
からのリャンメン変化はがくっつくだけですが、にはリャンメン変化はとがくっつく2通りあります。
つまり偶数のリャンカン形の伸びは奇数のリャンカン形に劣るわけです。
魚谷さんの手は3シャンテンですが愚形受け入れが多く、テンパイスピードはあまり早いとは言えません。
対子が増えれば七対子、役牌ポンもできますが赤もドラもなく安手ではリーチと戦うかどうか迷ってしまいそうです。
ツモツモ切り
次に南家・丸山さんの手は
ドラ丸山手牌
この手はほぼタンヤオで1暗刻+3対子で七対子や対々和もあります。
ブロック数を数えてみると、、、と4ブロック揃っているのでブロックはあと1つになります。
ドラにくっついても使えるように一応、ドラも残しました。
ツモ打
ここは234三色の伸びも見ながら打する手はあります。
続いて西家・瑠美さんの手は
ドラ瑠美手牌
この手はチャンタ・ドラ、チャンタ・789三色同順・ドラ、純チャン・三色同順・ドラなど5200~12000の手になりそうですが、ペン、ペン、カン、カンなど愚形受け入れが4つもあり、三色同順狙いなら更に愚形が増えることになります。
後、789三色狙いの場合、ドラ表示牌が1枚少ないのでここが待ちになった時はアガれない可能性が高いです。
ツモツモ切り
最後に北家・多井さんの手は
ドラ多井手牌
ソーズは引きでのリャンメン、引きリャンカン、一盃口もある形になります。
また、ドラ引きでもリャンメンで使えます。
ソーズは引きで使えます。
またピンズが待ちになると強い形で暗刻の外側待ちになります。(5が真ん中で467はすべて外側待ち)
他家はを使いづらくなっていて、ある程度出アガリも期待できます。
ツモ打
次巡、魚谷さんは
ドラ魚谷手牌
4対子になり、七対子2シャンテン。
同巡、丸山さんは
ドラ丸山手牌
ドラにくっつき、安全牌気味の切りで目いっぱいの形。
また同巡、多井さんは
ドラ多井手牌
切りでペン待ちでリーチした時の布石を打ったのとソーズは受け入れとドラくっつきでも使える形でどこも切りたくなかったのでしょう。
特にペンは場を見てみると
魚谷捨牌
丸山捨牌
瑠美捨牌
多井捨牌
丸山さんの捨牌の、瑠美さんの捨牌のを見ると、この2人はを持っている可能性が低いと見ます。
特に丸山さんはと持っていてもタンヤオ確定でない限りはとは切らないものです。
またとあっても1メンツ+雀頭でこれもタンヤオ確定以外での切りはあまりありません。(例外として対々和、三暗刻は切る)
瑠美さんはチャンタ、789三色同順狙いなのでと持っていたわけですが、この時点で山には3枚残っています。
次巡、瑠美さんは
ドラ瑠美手牌
これで789三色の種6枚になりましたが三色にはあと3枚、チャンタ・三色の4シャンテンとスピードで明らかに遅れています。
次巡、丸山さんは
ドラ丸山手牌
引き5対子で七対子1シャンテン、次にツモならテンパイ。
日吉さんは「四暗刻を捨てました」と実況されていますが、四暗刻を見るには早過ぎます。
同巡、瑠美さんは
ドラ瑠美手牌
対子ができ、やっと3シャンテン。
そして次巡、多井さんは
ドラ多井手牌
一盃口完成で1シャンテン、ドラ表示牌で後々当たり牌になりそうなから処理しています。
多井さんはペンによほど自信がお有りのようです。
次巡、多井さんは
ドラ多井手牌
最初に伝えた、強い形の待ち即リーチ。
この待ちなら山にもある可能性は高いでしょう。
は魚谷さんに2枚、丸山さんに2枚の純カラ、は丸山さんに2枚の山に2枚、は魚谷さんが1枚切り、丸山さんに1枚で山に2枚の2+2=4枚です。
リーチの次巡、丸山さんは
ドラ丸山手牌
多井さんの現物がありますが南場でラス目の丸山さんはここを反撃のチャンスと見たようで、1シャンテンを維持。
次巡、丸山さんは
ドラ丸山手牌
多井さんの当たり牌を重ねてテンパイ即リーチドラタンキ待ち。
は丸山さんに1枚と瑠美さんに1枚で山には残り2枚。
丸山さん追いかけリーチの次巡、多井さんがツモアガリ。
リーチツモドラ裏ドラ多井手牌
このアガリはリーチ・ツモ・一盃口・赤・裏の2000-4000です。(+1000)
多井さんのペンが山にいる読みが見事にハマった一局でした。
丸山さんの粘りも良かったですがドラタンキ待ちでは枚数的にも厳しく(最大3枚まで)出やすい待ちでもありません。
このアガリで
魚谷 27500
丸山 8700
瑠美 31700
多井 32100
多井さんは一躍トップに立ちました。
この試合は結局、
多井 +52.7
瑠美 +4.0
丸山 −16.3
魚谷 −40.4
この日のトップで多井さんは4年連続+200ポイントを達成します。
更に4着回避率1位も決定しました。
今回のまとめ
・奇数のリャンカン形と偶数のリャンカン形、とでは変化の少なさから偶数のリャンカン形が劣る、はだけ、はだけしか横に伸びない
それに対しはでリャンメンに変化、そこから西ヨーロッパ形も悪形でに劣る
・序盤の捨牌から山にある牌が見えることもある(丸山さん、瑠美さんからは山にある)
・暗刻+1牌形、などの形は暗刻の外側の牌は特に他家にも使いづらく(メンツにしづらいから暗刻や対子の縦でしか使えない)、自分にはアガりやすい良形
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2022年08月28日
ちょっとだけMリーグ#36
今回もMリーグの一局だけ掘り下げていきます。
今日の主役は近藤 誠一プロです。
https://youtu.be/xWRZAzYQCy0
2022年3月3日 第2試合
東1局は近藤さんドラタンキ待ち一発ツモ2000−4000アガリ。
東2局は近藤さんと松本さん2人テンパイ。
続く東2局1本場は近藤さんが6100オールツモ。
リーチツモドラ裏ドラ近藤手牌
このアガリもラス牌をツモって裏ドラ2枚が乗り、近藤さんはやたらとドラづいています。
この3局で8000+1500+18300=27800点を稼いだ近藤さんは絶好調、おじおじタイム、誠誠タイム、いや尻尻タイムに入りそうなくらいの勢いです。(もう温泉入っちゃえ!)
東2局2本場を迎えて点棒状況は
東家 近藤 誠一 52800
南家 松本 吉弘 18400
西家 小林 剛 15400
北家 本田 朋広 13400
(敬称略)
トップ目の近藤さん以外は5000点差に3人が詰まっています。
親との点差が開きすぎているのとこれ以上親にアガらせないように子3人は動く必要があります。
例えば子同士でアシストしたり、親には鳴かせないように絞ったりするなどの工夫が必要です。
ここはまず目の前の親連荘を止めてから着順争いを意識します。
最初に親・近藤さんの手は
ドラ近藤手牌
赤2枚あり役なしリーチ・ツモでも4000オール、役牌を重ねてポンでも5800~が見えるチャンス手ですが、カンチャン受け入れが多く、テンパイスピードは微妙な手です。
愚形受け入れが多く、平和もちょっと厳しそうですが、ピンズは一盃口なら付けられそうです。
ツモ打
次に南家・松本さんの手は
ドラ松本手牌
赤もドラも無い手ででタンヤオにもなりきらず、中途半端な手です。
暗刻が増えた時だけ三暗刻はありそうですが、偶然性の高い役を狙うのはちょっとリスクが大きいでしょう。
ここは他家へのアシストか放銃回避で良さそうです。
ツモ打
続いて西家・小林さんの手は
ドラ小林手牌
ペンチャン1つ+カンチャン2つの3シャンテンで形的には遅い手に見えます。
ここも赤もドラも無く安手なのがわかっているので攻めよりも守る方が良さそうです。
タンヤオに変化した時は鳴きで動けるのでその時だけアガリを考えます。
ツモツモ切り
最後に北家・本田さんの手は
ドラ本田手牌
この手はターツ1つ+1雀頭しかない6シャンテンと非常に遅い手です。
その上赤もドラも無く高い手は難しそうです。
4人の中で一番遅いと思われるのが本田さんで、アガリは見ずに守備意識でいつでもオリられるようにしたい状況です。
下家が親なので他家にアシストも難しく、役牌を切る程度にしておきましょう。
ツモ打
次巡、近藤さんは
ドラ近藤手牌
ドラ引きならの三面受け入れになるのでピンズ変化を見たい所。
同巡、松本さんは
ドラ松本手牌
1暗刻+3対子で七対子や対々和の可能性も出てきました。
更に同巡、本田さんは
ドラ本田手牌
これで引きで近藤さんのカンは純カラになりました。
近藤さんはここからカンを切ってしまうかマンズ変化引きを待つかどちらかを選ぶ必要があります。
次巡、近藤さんは
ドラ近藤手牌
ソーズリャンメンターツができたものの、雀頭がなく、どこが重なるのか考えながら進めます。
同巡、松本さんは
ドラ松本手牌
対子落としで対子手→マンズ混一色へ決めました。
また同巡、小林さんが打、これを松本さんがポンして打。
ポンドラ松本手牌
これでチーかポンでテンパイになります。
他にもカンチー、カンチーでリャンメン待ちテンパイになりますがこれでは混一色のみ2000点ではアガリの価値が低くなります。
もし待ちになると枚数の多い待ちと思う人がいるかもしれませんが、先程も伝えた通り、は小林さんに暗刻、本田さんに1枚の純カラ、は松本さんに暗刻で1枚、4枚の山に計5枚です。
これでは通常のリャンメン待ちと変わりません。
次巡、近藤さんは
ドラ近藤手牌
引きソーズは受け入れになります。
同巡、小林さんは
ドラ小林手牌
ツモでますます松本さんの受け入れが減ります。
次巡、近藤さんは
ドラ近藤手牌
ソーズメンツ完成で一番不要な打。
近藤さんが下家のマンズ混一色模様の仕掛けにどう対応するのか興味があります。
この同巡、小林さんは
ドラ小林手牌
雀頭候補ができ、マンズ2メンツなどタンヤオ変化もあります。
次巡、小林さんは
ドラ小林手牌
ドラ引きでツモならテンパイになる1シャンテン。
この同巡、本田さんは
ドラ本田手牌
松本さんの欲しいが対子になりモチモチ(字牌など対子2人ずつ持ち合って鳴けない状態)。
これで松本さんの手が進む牌が1枚と2枚とだけしかありません。
この次巡、小林さんは
ドラ小林手牌
で、引きテンパイになる1シャンテン。
同巡、本田さんは
ドラ本田手牌
役なし3シャンテンですがはモチモチで松本さんが切らない限り出てきません。
この次巡、近藤さんは
ドラ近藤手牌
ここから切りならカン役なしテンパイ、タンヤオ意識なら切り1シャンテン戻しもあります。
この手は雀頭が無い形なので123、234三色にはなりません。
役なしリーチ・赤2も悪いとは言いませんが、下家の松本さんがマンズ混一色模様でマンズ待ちにはあまりしたくありません。
それなら平和かタンヤオを付けて少しでも高い手にしたい場面です。
同巡、松本さんは
ポンドラ松本手牌
ラス牌引きで本来なら待ちと言いたい所ですがは純カラで無い待ちなので待ちです。
実際のアガリ牌は2枚だけです。
2巡後、近藤さんはテンパイ。
ドラ近藤手牌
もし次に引きならリャンメン待ち以上になります。
ドラ例3
例4
例5
例6
例7
例8
例9
例10
例11
例12
例13
例14
例3〜9がピンズ引きテンパイ、例10〜14はソーズ引きテンパイです。
おそらく近藤さんはこの中のどれか狙いでしょう。
次巡、近藤さんは引き即リーチ!
ドラ近藤手牌
場を見てみると
近藤捨牌
松本捨牌
小林捨牌
本田捨牌
場を見ると松本さんがを、小林さんがを切っていて、少なくともこの2人には不要牌です。
リーチの一発目、松本さんがをツモ切り、近藤さんロン。
リーチ一発ロンドラ裏ドラ近藤手牌
このアガリはリーチ・一発・赤2、12000の2本場12600点。
これで点棒状況は
近藤 65400
松本 5800
小林 15400
本田 13400
と更に堅固なトップ目になりました。
この試合は
近藤 +84.4
松本 +0.4
小林 −20.0
本田 −64.8
のデカトップで決着。
今回のまとめ
・テンパイ崩しする時は自分の待ちを広くしたい時や手役(平和、タンヤオ、三色など)・ドラ(赤)引きで高くしたい時にする
ドラ近藤手牌
カン役なしリーチ・赤2もあるがここから平和変化、タンヤオ変化も見て打
・リーチする時は自分の待ちを他家が切っているかを確認(松本さん、小林さん切り)
・自分の待ち色で染めている(混一色、清一色)人がいる時は待ちが抑えられていることもあるので注意(近藤さんマンズ待ち、松本さんマンズ混一色)
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2022年08月26日
ちょっとだけMリーグ#35
今回もMリーグの一局だけを取り上げます。
今日の主役は佐々木寿人プロです。
まずは動画からご覧ください。
https://youtu.be/Y8egWL5O17g
2020年2月3日 第1試合
南3局
東家 石橋 伸洋 33800
南家 沢崎 誠 20700
西家 魚谷 侑未 22600
北家 佐々木 寿人 22900
(敬称略)
トップ目が石橋さんで二着目寿人さんや三着目魚谷さんは満貫ツモでもトップ目になり、有利にオーラスを迎えます。
ラス目の沢崎さんも跳満ツモ以上ならトップ目です。
最初に親・石橋さんの手は
ドラ石橋手牌
この手は役なしリーチになりそうな4シャンテンでが対子になればポンもありますが鳴いた後の形的に微妙で、鳴くにもスピードは微妙な手です。
石橋さんはトップ目というのもあり、放銃だけは避けたい場面です。
他家リーチにはいつでもオリられる格好にしておきたい所。
ツモツモ切り
次に南家・沢崎さんの手は
ドラ沢崎手牌
第1ツモで4対子なら七対子2シャンテンでと三元牌が揃っている事から小三元ならアガれそうです。(大三元は3種類とも対子以上になってから)
小三元だけでは満貫止まりにつき対々和・小三元や混一色・小三元にして最低跳満〜にしたい所です。
沢崎さんはラス目で3000ー6000ツモでもトップ目になれるので点棒状況的にも跳満以上にしたい場面。
ツモ打
第一打字牌で対子手や字牌対子の存在を薄める意味合いもあります。
土田さんは「大三元の匂いを消す」と表現されています。
例えば
ドラ例1
こんな手なら混一色、七対子、対々和など一色手や対子手を考えるものです。
たとえ孤立牌のでも切らず、対子になればポンを考えたり混一色・七対子などでも使える牌です。
1枚だけ先に切っておくと、そういう可能性を薄くする一打ですががカブると痛い一打にもなるデメリットもあります。
このを寿人さんがポン。
ポンドラ寿人手牌
は寿人さんの自風でドラ対子、3900〜が見えています。
ここで寿人さんが3900をアガると三着目を4000点差ほど離した二着目かつトップ目と7000点差で満貫ロン、1600−3200ツモ圏内に詰め寄ります。
これはオーラス逆転トップまで見た鳴きの意味です。
この後、沢崎さんは
ドラ沢崎手牌
三元牌すべてが対子になり、これを3つポンすれば大三元テンパイになります。
麻雀プロの方で大三元パオ(包:役満を確定させる鳴き、大三元の3つ目ポン、大四喜の4つ目ポンなど)させる人は滅多に居ないと思いますが、大三元、大四喜など鳴いてもアガれる役満はキー牌さえ鳴かせなければアガれない役なのでガンガン絞って(鳴かせない)かまいません。(まれに1つポン、2つポンでアガる猛者もいますが)
この手は5対子で七対子1シャンテンで1600点、リーチで3200点では点数的に物足りず、三元牌をポンする方が満貫〜になってトップ率も上がります。
ポンで順番が飛びましたが西家・魚谷さんの手は
ドラ魚谷手牌
赤一枚あるメンツ手がメインで自風とがあり対子になればポンしていく手もあります。
ドラなのでは簡単には切れない牌で、遠くに678三色もありますが、赤やの方を大事にする手に見えます。
ドラを引けばリーチ・平和・赤・ドラの満貫もあり、トップが見えてきます。
仮に今局で満貫ロンでも、オーラスで3200点以上をアガればトップです。
魚谷さんも300点差で二着目の寿人さんと似た状況だと言えます。
ツモツモ切り
このを沢崎さんがポン。
ポンドラ沢崎手牌
この直後、魚谷さんが切ったを寿人さんがチーして打。
チーポンドラ寿人手牌
まだ3900点の2シャンテンですが、マンズかピンズにくっついてソーズリャンカンをチーできればテンパイできます。
切られたを沢崎さんがポンして打。
ポンポンドラ沢崎手牌
これでどれかポンすればテンパイになる1シャンテン。
ですが寿人さんにがあり、カンが埋まれば沢崎さんにポンされてテンパイが入ってしまいます。
魚谷さんは
ドラ魚谷手牌
は切ったのには切らず打。
魚谷さんから3枚見えでは強い待ちになります。
そういう理由から寿人さんの鳴きは無視して切ったと思われます。
ですがこれを寿人さんがチーして1シャンテン。
チーチーポンドラ寿人手牌
沢崎さんの手が進むが出ない形になったのは寿人さんにとってラッキーの1つです。
その2巡後、寿人さんテンパイ。
チーチーポンドラ寿人手牌
この次巡、沢崎さんがドラをツモ切り。
これをテンパイしていた寿人さんがポンして打。
ポンチーチーポンドラ寿人手牌
ドラポンしてタンキ待ちになりましたが沢崎さんが
ポンポンドラ沢崎手牌
ポンしていて対々和・でも満貫、ここに1枚でもあれば小三元、大三元も考えるはずで、それなら跳満〜役満まであります。
もし沢崎さんが大三元ならシャンポン待ち高目で当たり牌の可能性が高いを自分の待ちにもしたい。
そこから寿人さんはタンキ待ちにして沢崎さんの大三元を防ぐ目的も最初から想定していたと思われます。
そういう意味のドラポン、裸タンキです。
その次巡、寿人さんはそのタンキ待ちにチェンジ。
ポンチーチーポンドラ寿人手牌
このツモ直前、沢崎さんのをポンしたので元々はは沢崎さんのツモでした。
ドラポンしなければ沢崎さんは大三元出来合いテンパイが入っていました。
ポンポンドラテンパイ例1
どこまで寿人さんが意識していたのかは謎ですが、この嗅覚は伊達じゃない(格闘倶楽部だけに)。
おそらくここにドラ引きなら加カンして跳満以上にするプランも算段済みでしょう。
次巡、石橋さんは
ドラ石橋手牌
七対子で粘っていますが、切れない牌が多く苦しい形。
この同巡、魚谷さんも
ドラ魚谷手牌
カンとカンが残っていて寿人さんはドラポン、は場に2枚切れとソーズ変化やドラ引きにも期待できません。
3巡後、沢崎さんはツモ切りでこれは3枚目のです。
魚谷さんはこれをチーして・赤3、満貫テンパイカン待ち。
チードラ魚谷手牌
残りツモ3回になった時、魚谷さんがツモ。
沢崎捨牌
沢崎さんの捨牌を見るとマンズは、ピンズは、ソーズはが切られています。
当たり前の話ですが、捨牌は手牌の中で不要なものが切られます。
つまり捨牌の反対が手牌の中にある可能性が高いわけです。
ということはマンズは、ピンズは、ソーズはのどれかがある可能性が高いわけです。
そう考えるとピンズはのどれかを持っているだろうと考えられます。
となるとはロンかチーかポンされる可能性が高い牌と言えるでしょう。
魚谷さんは沢崎さんの下家なのでポンかロンしかありませんが。
実際、沢崎さんは
ポンポンドラ沢崎手牌
カンチーできる1シャンテン。
魚谷さんはツモ切り。
ここで困ったのが次巡の石橋さん。
ドラ石橋手牌
ここで前巡、魚谷さんの通した切りすると、沢崎さんがチーしてテンパイ。
チーポンポンドラ沢崎手牌
個人的にここは寿人さんが前巡通した切りで良かったと感じます。
寿人さんが1枚切り+ドラ表示に1枚+石橋さん1枚の3枚見え、寿人さんドラポン3枚見えでシャンポン待ちもなく、リャンメン待ち、カンチャン待ち以外はタンキ待ちしかないのと寿人さんが通したばかりで少なくともこの1巡は通ります。
周囲の牌が見えないピンズよりは鳴かれにくく、私なら切りします。
この同巡、寿人さんがツモ切り、魚谷さんのアガリです。
ロンチードラ魚谷手牌
このアガリは・赤3、8000点でした。
大三元をめぐり沢崎さんと寿人さんが争う中、漁夫の利を得た形の魚谷さん。
これで
石橋 33800
沢崎 20700
魚谷 30600
寿人 14900
寿人さんをラス目に落とす大きなアガリとなりました。
この試合は最終的に
魚谷 +59.9
沢崎 +4.4
石橋 −19.2
寿人 −45.1
で終了します。
今回のまとめ
・仮に役満相手でも鳴くタイプの役満(大三元、大四喜、清老頭)はキー牌を鳴かせなければかなりの確率でアガリを防げる(大三元は、大四喜、清老頭)
・それを利用してパオ(包)になる牌を待ちにする手はある(ポンが入り寿人さんタンキ待ち)
ポンチーチーポンドラ寿人手牌
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2022年08月23日
ちょっとだけMリーグ#34
今回も過去のMリーグから一局だけを掘り下げます。
今日の主役は鈴木たろうプロです。
まずは動画からご覧ください。
https://youtu.be/n4ouXSLBGsg
2021年11月19日 第1試合
南1局
東家 日向 藍子 26100
南家 鈴木 たろう 27600
西家 内川 幸太郎 21100
北家 瑞原 明奈 25200
(敬称略)
トップ目からラス目までの点差が6500点で1300−2600ツモでも入れ替わる点差なので点差はあまり意識しなくていいでしょう。
最初に親・日向さんの手は
ドラ日向手牌
この手は自風があり対子になればポンして5800~や平和・ドラ2、リーチ・ドラ2などが見えます。
日向さんは親なので、できればドラ2枚を使いきれるように一盃口や平和にしたい所です。
愚形受け入れ含めたメンツ手3シャンテンで、特別早くも遅くもない手です。
ツモ打
次に南家・たろうさんの手は
ドラたろう手牌
ダブ対子がありポンしてダブ・赤3900~なら鳴ける分、テンパイスピードもそれなりに早くなりそうです。
勿論鳴けなくともリーチ・ダブ・赤8000もあります。
現在2シャンテンでここが一番早そうです。
続いて西家・内川さんの手ですが
ドラ内川手牌
平和かタンヤオか役牌のどれかになりそうな手で、赤+ドラがあり3900〜にはなりそうです。
メンツ手3シャンテンでくっつきを見ながら好形待ちにしてツモるのが理想です。
ツモ打
最後に北家・瑞原さんの手は
ドラ瑞原手牌
これは役なしリーチかタンヤオのどちらかになりそうな3シャンテンです。
雀頭候補が2つあり平和にはなりづらい形で形的に愚形受け入れが2つあり微妙です。
ツモツモ切り
次巡、たろうさんは
ツモツモ切りドラたろう手牌
この手からたろうさんはツモ切りしますが、これはソーズの下が待ちになった時の伏線かもしれません。
例えば引きの場合は先切りする効果が高くなります。
例1
例2
例3
例4
例1はカン、例2は、例3は、例4はと他家が現物切りしてくれる程、その外側待ちになれば強い待ちになります。
もしかすると安全牌の無くなった他家が切ってくれる可能性も0ではありません。
次巡、日向さんは
ドラ日向手牌
3対子で変わりませんが対子が増えれば対子手、が孤立牌でメンツ手のくっつきを見るには悪くない牌です。
同巡、内川さんは
ドラ内川手牌
を雀頭にしたタンヤオ・平和・マンズ・ソーズの伸びによっては456三色、567三色変化もあります。
次巡、たろうさんは
ドラたろう手牌
受け入れの1シャンテン。
同巡、内川さんは2シャンテン。
ドラ内川手牌
また同巡、瑞原さんも愚形受け入れが3つ残った2シャンテン。
ドラ瑞原手牌
次巡、日向さんは
ドラ日向手牌
愚形受け入れが2つ残る2シャンテン。
できればドラを使いたいものの、ペン待ちが残りそうです。
この同巡、たろうさんは
ドラたろう手牌
どちらかを切ればダブ・赤、5200点テンパイカン待ちですが、切り1シャンテン戻し。
これは例えば次に引きでリャンメン待ち以上にしてリーチ・ツモ狙いの満貫〜にしたい意思の現れでしょう。(例6〜9)
ラス目でも1300−2600ツモでトップ目に立てる団子状態から満貫でもアガれば少しでもトップの可能性が上がります。
例5
例6
例7
例8
例9
次巡、日向さんは
ドラ日向手牌
やっと受け入れの1シャンテン。
また同巡、たろうさんは
ドラたろう手牌
シャンポン待ちですが、引きで上で挙げた変化もあります。
更に同巡、内川さんは
ドラ内川手牌
役なしリーチでも満貫になる1シャンテン。
次巡、日向さんは
ドラ日向手牌
役なしリーチ・ドラ3900でテンパイ即リーチ待ち。
この時点ではがたろうさんが1枚切り、1枚が手に1枚の残り2枚、はたろうさんに2枚、瑞原さんに1枚で残り1枚の合わせて2+1=3枚。
このリーチにたろうさんはダマテンのまま押しています。
また同巡、内川さんは
ドラ内川手牌
シャンポン待ち、リーチ・赤2・ドラ満貫で追いかけリーチ。
次巡、日向さんはアンカン、新ドラ。
アンカンドラ槓ドラ日向手牌
カンドラはたろうさんに2枚あり、ツモならツモ・ダブ、赤・ドラ2で跳満にもなります。
この同巡、たろうさんは
ドラたろう手牌
ここから切りならフリテン待ち、切りなら待ち、切りならカン待ち一盃口テンパイに取れます。
ここで場を見てみると
日向捨牌
たろう捨牌
内川捨牌
瑞原捨牌
捨てられたソーズは2枚、1枚、1枚、1枚、1枚、2枚で、そこから考えると待ちでも待ちでも枚数はそれほど多くなさそうです。
は見た目上残り4枚以下(実際は1枚+1枚の計2枚)、は2枚+1枚+2枚の計5枚です。
ここでたろうさんは
ドラたろう手牌
切りカン、一盃口に受けました。
こうしておくと引きでも変化してなら満貫ツモアガリです。
また、他のソーズ引きでも落としでタンヤオ変化があります。
そして次巡、たろうさんツモアガリ。
ツモドラ槓ドラたろう手牌
このアガリはツモ・一盃口・赤・ドラ2、2000-4000です。(+リーチ棒2本)
ここでたろうさんがトップ目に立ちますが南2局1本場、内川さんのリーチ・タンヤオ・平和・ツモ・三色・赤・ドラ4の三倍満6100-12100ツモが炸裂。(+2000)
これにより
内川 +62.9
たろう + 4.0
日向 −20.1
瑞原 −46.8
で終了します。
たろうさんのカンはたまたまツモ筋にアガリ牌があっただけとも言えますが、の薄さやフリテンに決めず、保留の一打によって生まれたアガリでした。
テンパイ形にソーズを引けば切りタンヤオへの移行も考えてらしたのだと思われます。
今回のまとめ
・リーチに対してド危険牌を勝負する手もあるが、待ち枚数やフリテンと天秤にかけて保留する手もある
ドラ槓ドラ
ここからドラ切りの枚数の薄さ、フリテンの頼りなさ、後の変化なども見て保留の打、決めきれない時はあえての保留も。
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2022年08月20日
ちょっとだけMリーグ#33
今回もMリーガーの良い部分に目を向けて一局だけ掘り下げます。
これで2021−2022シーズンのMリーガー32人の紹介ができたと思っていましたが堀さんの回を忘れておりました。
新Mリーガーの3名(渋川 難波、鈴木 優、仲林 圭)は次シーズンが始まってから触れたいと思っております。
まずは動画からご覧ください。
https://youtu.be/k1_s7XHXsGM
2022年3月31日 第2試合
南3局
東家 堀 慎吾 30400
南家 多井 隆晴 32300
西家 茅森 早香 11600
北家 佐々木 寿人 25700
(敬称略)
堀さんは親でトップ目と1900点差、三着目と4700点差で北家に800-1600ツモられても逆転されてしまう点差です。
堀さんにここで大きめのアガリが出ればトップの可能性は上がりますが、三着目との点差も近く、油断できない場面だと言えるでしょう。
最初に親・堀さんの手は
ドラ堀手牌
第一ツモでドラ対子になりこれが雀頭になった平和ならダマテンでも平和・赤・ドラ2、12000以上になります。
ソーズ4連形変化を見たり、マンズ・ピンズくっつきを見ます。
特にソーズは引きならリャンメン受け入れ以上の形に変化します。
ツモ打
次に南家・多井さんの手は
ドラ多井手牌
現時点で3対子で4対子になれば七対子をはじめとした対子手、またピンズ中ぶくれ形があり引きなら2メンツ計算とまだメンツ手か対子手か決めづらい状態にあります。
この手は赤もドラもなく七対子でもリーチで3200、平和になっても1000〜と安手になりそうなので攻めるというよりも受け(守備)を考える手になりそうです。
ツモツモ切り
続いて西家・茅森さんの手は
ドラ茅森手牌
この手は平和2シャンテンですが赤、ドラ重なりしない限りは安手で終わりそうな手です。
ラス目の茅森さんには2局合計14100点差を詰めるには三着目から5200直撃〜が必要なので最低5200~の手が必要。
つまりリーチ・タンヤオ・赤5200やリーチ・平和・タンヤオ・赤8000のような手にしたい所。
ツモ打
最後に北家・寿人さんの手は
ドラ寿人手牌
この手からはチャンタ、純チャン、789三色、一盃口、などが考えられます。
愚形受け入れの多い3シャンテンでテンパイスピードはあまり早くない部類でアガれそうにない為、放銃に注意する手でしょう。
ツモ打
2巡後、寿人さんは
ドラ寿人手牌
3対子で対子が増えれば七対子、引きで一盃口もできます。
ただがドラ表示牌含め3枚目で暗刻にはなりにくいので同じ対子手でも対々和にはなりづらくなっています。
次巡、堀さんは
ドラ堀手牌
これでピンズとソーズが4連形で引きや引きで2メンツ計算できます。
同巡、多井さんも
ドラ多井手牌
まだメンツか対子か判断ができません。
更に同巡、寿人さんも
ドラ寿人手牌
チャンタ・一盃口の1シャンテンですがペン+ペンの大きなネックが2つも残っています。
次巡、多井さんは
ドラ多井手牌
4対子になったばかりですが対子の切り。
受け入れが2つ、後はマンズかソーズのくっつき待ちと見ることも可能です。
次巡、堀さんは
ドラ堀手牌
2シャンテンになりました。
そして同巡、多井さんは
ドラ多井手牌
また対子が増えて4対子、前巡切りしなければ5対子で七対子1シャンテンにも取れていました。(例1)
ドラ例1
次巡、堀さんは
ドラ堀手牌
がくっつき、1シャンテン。
そのまた次巡、堀さんは
ドラ堀手牌
受け入れの1シャンテンからのリャンメン+リャンメンにパワーアップ。
この同巡、多井さんは
ドラ多井手牌
引き戻し、5対子で七対子1シャンテンに取りました。
次巡、堀さんは
ドラ堀手牌
ここから打、平和・赤・ドラ2、12000点待ちテンパイ。
ここで打としないのは他家リーチ後、ツモで打の、の2スジに重なっている切りしなくて済むからです。
また同巡、多井さんは
ドラ多井手牌
場にが切られているものの、
茅森捨牌
多井さんは茅森さん捨牌のを見てが山にあると判断したようです。
七対子タンキ待ち1600点テンパイ。
次巡、茅森さんは
ドラ茅森手牌
受け入れの1シャンテンですが、ドラを残しているのは対子になった際にと雀頭を入れ替えて満貫〜にする為です。
次巡、茅森さんは
ドラ茅森手牌
で即リーチ。
リーチ・平和待ちの2000点です。
この巡目で場全体を見てみると
堀捨牌
多井捨牌
茅森捨牌
寿人捨牌
場から得られる情報を全部出して考えてみましょう。
1:堀さんから赤が全部見えている
2:茅森さんはドラを使えない手
3:役牌が使えない
4:茅森さんの手はマンズメンツがほぼ決まっている
最初に上2つから、茅森さんは赤もドラもないリーチだと分かります。
次に3からほぼ字牌と何かのシャンポン形が否定できます。
場に出ている字牌は4枚、3枚、1枚、2枚、2枚、2枚です。(+ドラ表示牌に1枚)
2枚以上出ている字牌が多く、以外のシャンポン待ちはありません。
最後の4から、と全部ツモ切りでリーチがリャンメン待ちだと仮定するとマンズの形が決まっていて、、、以外のマンズ待ちはありません。
後はからソーズ待ちなら真ん中から上()、ピンズはより下()に待ちがある可能性が高いでしょう。
これらの情報から茅森さんの手は字牌がほぼ使えない事からメンツ手の可能性が高く、一発や裏ドラを除くと満貫の可能性はあまり高くない手だと言えるでしょう。
私ならこのリーチはリーチ・平和やリーチ・平和・タンヤオなど2000〜3900点と見ます。
これを見ている方は「三色はないの?」と言われるかもしれませんが、ツモ切りで123、234、345、456三色の可能性が薄くなり、堀さんから3枚見えで567三色も薄くなっています。
後は678と789ですが3巡目ツモ切りでやになってもツモ切ったことになります。(実際はからツモ切った)
↑678と789を否定する理由が弱いですが、他の三色の可能性がかなり低くなっています。
あと一盃口は序盤のマンズツモ切りで同じマンズ2メンツは厳しい、3枚切れで234、345、456、567の2メンツは不可能、ピンズはが3枚切れで345、456、567、678、789の一盃口は不可能で、ピンズの下、なら可能です。
ここでもう一つ考える事があります。
もう一つというのは点棒状況です。
堀 30400
多井 32300
茅森 11600
寿人 25700
もしここで堀さんが茅森さんに満貫放銃すると
堀 22400
多井 32300
茅森 19600
寿人 25700
堀さんは三着目に落ちてオーラスを迎えます。
これではトップ条件が満貫ツモクラスと難易度が上がります。
その上ラス目が復活して堀さんまくられラスの可能性が上がっています。
上と下両方を気にするオーラスにはしたくありません。
堀さんはダマテンのままプッシュ。
多井さんは待ち替えフリテンタンキ。
ドラ多井手牌
次巡、多井さんはションパイを引き打。
そして17巡目、堀さんのツモはですがこれもツモ切り。
ならタンヤオはつかないから当たっても1ハン安い(最大3900まで)と見たのかもしれません。
次巡、堀さん最後のツモはで前巡通った打でテンパイ維持。
ハイテイの多井さんでもアガリは出ず、流局しました。
ドラ堀手牌
茅森手牌
堀さんと茅森さんの二人テンパイ。
茅森さんの当たり牌を使い切った上に点棒を積み重ねて多井さんと1100点差のトップ目に立ちます。
続く南3局1本場は茅森さんからリーチ・平和・三色・裏12000の一本場をアガり、
更に二本場は寿人さんから平和・一盃口2900の二本場ロン、
そして三本場は流局、オーラス四本場は
1000の4本場をアガり、堀さんがトップを決めました。
試合結果
堀 +72.2
多井 + 7.3
寿人 −14.8
茅森 −64.7
茅森さんのリーチに対しの無スジは切るのに当たり牌だけは切らない辺りが堀さんらしいですね。
今回のまとめ
・場に切られた赤やドラの枚数を数えてリーチの最大点数を考える
・点棒状況からここから何点放銃すると次局のトップ条件がどうなるか?など考えてみる(一時的着順ダウンは上と下を同時に見る必要があり不利)
・2枚以上切られた字牌は待ちにできない=その字牌シャンポン待ちを否定できる
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