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2022年12月10日
ちょっとだけMリーグ#81
今回もMリーグの一局だけを掘り下げていきます。
今日の主役は黒沢 咲プロです。
まずは動画からご覧ください。
https://youtu.be/7i5x9q_eoHE
2022年11月7日 第1試合
南4局 3本場(供託リーチ棒2)
東家 黒沢 咲 49100
南家 鈴木 優 21000
西家 渋川 難波 -26600
北家 鈴木 たろう 54500
(敬称略)
たろうさんが二着目・黒沢さんと5400点差のトップ目ですが、供託リーチ棒2本+3本場でアガリに+2900点されるので黒沢さんが2900ロンか700オールツモ以上でトップ目(連荘)、三着目・優さんは二着目と28100点差で黒沢さんから跳満直撃でも逆転できません。(リーチ棒が出て跳満ロンなら逆転)
また、ラス目の渋川さんに至っては三着目・優さんと47600点差と三倍満直撃しないと三着になれない大差です。(役満ツモでも届かない)
これらをふまえた上で4人の手を見ていきましょう。
最初に親・黒沢さんの手は
ドラ黒沢手牌
赤が1枚あるメンツ手、ピンフやイーぺーコーを見ながら進めます。
後はドラをくっつけてリーチ・ピンフ・赤・ドラ12000点なら十分です。
ツモ打
次に南家・優さんの手は
ドラ優手牌
こちらもメンツ手、ピンフを中心に見る手になりそうです。
ここからソーズと字牌が増えればホンイツ、更にトイツが増えればホンイツ・チートイツ、19字牌を全部払ってタンヤオも少しあります。
ツモ打
次に西家・渋川さんの手は
ドラ渋川手牌
渋川さんは三着目から三倍満以上直撃で三着なので小四喜・大四喜を見て進めるので良さそうです。
の動きに注意して進めるので良いでしょう。
ツモ打
最後に北家・たろうさんの手は
ドラたろう手牌
自風トイツがあるのでこれをポンした・赤2000点が最初に浮かびます。
もしメンゼンならと何かのシャンポン待ちになりそうです。
3巡後、黒沢さんは
ドラ黒沢手牌
ソーズの形が決まり、2メンツはできそうなので後はマンズとピンズのくっつきを見ます。
同巡、優さんは
ドラ優手牌
タンヤオ3シャンテン。
ソーズイーぺーコーや赤引きにも対応できるように準備しておきます。
また同巡、渋川さんは
ドラ渋川手牌
3トイツでチートイツ3シャンテン。
あわよくば素点回復できれば、という腹づもりのようです。
5巡後、黒沢さんは
ツモドラ黒沢手牌
チートイツ1シャンテンにツモ。
場にマンズの真ん中に関する情報はほぼ無く、黒沢さんは打。
同巡、優さんは
ドラ優手牌
役なしリーチかタンヤオのどちらかの1シャンテン。
また同巡、渋川さんは
ドラ渋川手牌
ポンか役なしリーチになりそうな2シャンテン。
更に同巡、たろうさんは
ドラたろう手牌
が渋川さんとモチモチで鳴けません。
シャンポン待ちになったとしても渋川さんから切られない限り、たろうさんのアガリは薄そうです。
次巡、渋川さんが打、これをたろうさんがチーして打バック(後付け)1シャンテン。
チードラたろう手牌
ここの切りはたろうさんに対して渋川さんがアシストしにいったように見えます。
次巡、黒沢さんは
ドラ黒沢手牌
チートイツ1シャンテンを継続。
同巡、優さんは
ドラ優手牌
ピンフ1シャンテン。
次巡、黒沢さんは
ドラ黒沢手牌
アンコになり、黒沢さんはタンヤオにシフトチェンジ。
同巡、たろうさんは
チードラたろう手牌
バックテンパイですが、渋川さんに2枚で切られない限りたろうさんのアガリ目はありません。
次巡、優さんは
ドラ優手牌
ピンフ1000点ダマテン待ちに取りました。
同巡、渋川さんは
ドラ渋川手牌
役なし1シャンテン。
また同巡、たろうさんはをツモ切り渋川さんがポンして打テンパイ。
ポンドラ
シャンポン待ちですがは山に0枚、は0枚の合わせて0枚。
この直後、たろうさんは
ツモチードラたろう手牌
この時の場を見ると
黒沢捨牌
優捨牌
渋川捨牌
たろう捨牌
ポンドラ渋川手牌
ツモチーたろう手牌
渋川さんはマンズとピンズばかり切っていて、たろうさんはソーズのホンイツなどを警戒したのかもしれません。
ここでたろうさんが5200でも放銃すると、たろうさんは二着転落です。
たろうさんは打。
場には三枚切れでカンが薄いと見たのか、二枚あるが通れば二巡通せるという目論見なのかはわかりません。
結果論ですが、ここで打のどちらかを選択していれば、たろうさんトップで終了の世界線もありました。(1000の三本場1900失点)
次巡、黒沢さんは
ドラ黒沢手牌
広めの1シャンテンにパワーアップ。
同巡、たろうさんは
チードラたろう手牌
ソーズとが切りづらそうです。
次巡、黒沢さんは
ドラ黒沢手牌
ここからどれかを切ればテンパイ。
まず打はイーぺーコーの1翻アップがあります。
次に打はの三面待ちに受けられます。
最後に打はツモり三暗刻に受けられます。
黒沢さんはここから打ダマテン待ち。
ドラ黒沢手牌
同巡、優さんは
ドラ優手牌
イーぺーコーが付き、2000~3900点に。
同巡、渋川さんは
ポンドラ渋川手牌
ツモ打のスライド。
次巡、黒沢さんはツモツモ切りリーチ!
黒沢捨牌
早いから、このそばを持っていない可能性が高そうだと見ることはできます。
待ちのうちは山に1枚、は山に0枚の合わせて1+0=1枚。
同巡、優さんは
ツモドラ優手牌
ここから優さんは現物の打抜き打ってオリ。
同巡、渋川さんも現物の打オリ。
たろうさんも現物ツモ切り。
その後2巡もアガリが出ることはなく流局し、黒沢さん一人テンパイ。
今局は一部に過ぎませんが、黒沢さんはこの親番で
南4局 東・赤2 5800+1000 優→黒沢
一本場 リーチ・赤2 7700+300 たろう→黒沢
二本場 黒沢・優・たろう 3人テンパイ
三本場 黒沢 1人テンパイ
四本場 リーチ・ツモ・ピンフ・赤・ドラ 4400オール+.1000
五本場 リーチ・赤・ドラ 7700+1500+1000 たろう→黒沢
六本場 黒沢 1人テンパイ
七本場 リーチ・ツモ・三暗刻 4700オール+1000
八本場 白 2000+2400 たろう→黒沢
九本場 リーチ・一発・ツモ・イーぺーコー 4900オール
十本場 中・赤 2000+3000+1000 渋川→たろう
とオーラスだけで11局、10連荘したトータル26局、3時間27分にも及ぶ超ロングゲームとなりました。
親連荘すると最悪、こんなケースもあります。
黒沢さんはテンパイ料含めてオーラスだけで計80400点を叩き出しました。
持ち点112700点の半荘最高レコードを塗り替えた瞬間でもあります。
黒沢 +132.7
たろう +9.9
優 −35.0
渋川 −107.6
トップラスのスコア差が240.3ポイント(240300点)は過去最高クラス。
親連荘が続くデメリットの1つが、いわゆる「王様タイム」に突入させてしまう事です。
親が連荘を重ねるうちにバカヅキ状態に入り、手がつけられなくなってしまいます。
今回取り上げた3本場でもオーラスを終わらせるチャンスはありました。
本来なら「王様タイム」に入ってしまう前に子3人がアシストや差し込みして終わらせた方が良かった半荘です。
今回のまとめ
・親連荘が続くと「王様タイム」に入りやすくなる
10万点トップが生まれる要因の1つがこれ
・親連荘は子3人が協力して止めるもの
子同士がアシストや差し込みで親を流す
今回の3本場も親を止めるチャンスはあった
↓くろさーさんらしい半荘だったな、と思う人はクリック!
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2022年12月08日
ちょっとだけMリーグ#80
今回もMリーグの一局だけを掘り下げていきます。
今日の主役は多井 隆晴プロです。
まずは動画からご覧ください。
https://youtu.be/tz2q5oEUR3k
2022年10月7日 第2試合
南1局2本場
東家 多井 隆晴 35500
南家 堀 慎吾 32000
西家 小林 剛 10600
北家 東城 りお 21900
(敬称略)
前局、南1局1本場で多井さんがリーチ・七対子4800の一本場、5100点を小林さんから出アガリした次局。
リーチロンドラ裏ドラ多井手牌
点棒上は多井さんと堀さんのトップ争い、1万点程離された三着目・東城さん、そして前局放銃の小林さんが更に1万点程離れています。
東城さんは満貫ツモ程度のアガリが欲しい場面で、ラス目の小林さんは2万点差を少しでも縮められるアガリが複数回欲しい場面です。
堀さんは当面のライバルの多井さんのアガリを防ぎたい所。
多井さんは親なので連荘が目標。
最初に親・多井さんの手は
ドラ多井手牌
赤1枚があるもののメンツ手なら5シャンテンと遅い手です。
チャンタを見るにもがあり切るだけで4巡が必要、真ん中に寄せるにしてもがあるので切るのに9巡もかかります。
ピンフなどメンツ手狙いは5シャンテンと他家に遅れるのがわかっているので、テンパイスピードの遅さを意識しつつ、他家のテンパイを感じたらサッとオリるくらいの意識でいいかもしれません。
ツモ打
次に南家・堀さんの手は
ドラ堀手牌
こちらはドラトイツでリーチ・ピンフ・ドラ2の満貫が見えています。
ピンフならこの手は3シャンテンと早くも遅くもない中間くらいのテンパイスピードです。
ここに引きタンヤオ、赤引きで更に高くなるのは意識しておいてもいいでしょう。
ツモ打
続いて西家・小林さんの手は
ドラ小林手牌
待ちが残ればリーチのみになってしまいそうです。
ドラや赤引きを意識しつつ、タンヤオ変化も見て進めます。
ツモ打
最後に北家・東城さんの手は
ドラ東城手牌
メンツ手にはカンチャン受け入れが3つある愚形の多い手なのでメンツ手というよりも3トイツの方に注目して、4トイツならチートイツ意識で進めると良さそうです。
もし引きならイーぺーコーを見たり、引きも考えておくといいかもしれません。
次巡、多井さんは
ドラ多井手牌
3トイツでチートイツ3シャンテン、メンツ手と見ても4シャンテンとまだまだ遅い手なので守備意識でチートイツに構えておく方が後々楽かもしれません。(チートイツなら端牌や字牌を持てる分、オリやすい)
ここから多井さんは打。
同巡、小林さんは
ドラ小林手牌
マンズ四連形ができてが使える形でピンズ、ソーズでも受け入れは多いのでいくらでも変化が望めそうです。
同巡、東城さんは
ドラ東城手牌
メンツ手2シャンテン。
234三色変化は残っていますが、ピンフなら1000点、イーペーコーが付いて2000点と高い手は厳しそう。
次巡、多井さんは
ドラ多井手牌
4トイツになりチートイツ2シャンテン。
手牌にが残っていますが打とします。
これはおそらくドラなのでドラくっつきを待つパターンも含めてを持っているケースが多いと見たのかもしれません。
チートイツ作りが苦手な方に伝えたいのは、4トイツで愚形受け入れが多い時、メンツ手ではネックが多かったりターツすら多くない時にはチートイツ狙いに割り切ってみるのをおすすめします。
メンツ手でまともに進めてもテンパイスピードで他家に負けそうなら、ちょっと守備寄りのチートイツ、守備的チートイツで流局狙いかチートイツでのアガリを目指します。
解説の石橋さんは「ドラのを引いたところでメンツ手じゃ厳しいなーと。だったらチートイツで使えるしってことで切りましたね」と仰られています。
次巡、多井さんは
ドラ多井手牌
が重なりチートイツ1シャンテン、これで場に2枚切れの打。
同巡、小林さんは
ドラ小林手牌
赤やドラを引かない限りリーチ・タンヤオ2600点止まりの安手1シャンテンです。
また同巡、東城さんは
ドラ東城手牌
234三色変化も見えた東城さんは2シャンテン。
次巡、多井さんは
ドラ多井手牌
チートイツタンキ待ちテンパイ即リーチ!
は場に1枚切れで山に2枚。
同巡、小林さんは
ドラ小林手牌
ツモ打でドラ受け入れと456三色を意識しています。
ドラ引きリーチ・タンヤオ・ドラ5200なら勝負でしょうか。
次巡、小林さんがをツモ切りロン。
リーチロンドラ裏ドラ多井手牌
リーチ・七対子・赤9600の二本場、10200点のアガリ。
このアガリで
多井 45700
堀 32000
小林 400
東城 21900
多井さんが二着目に子跳満程度の点差をつけました。
ここでチートイツについてもう一度、解説します。
一般的な打ち手の意見には「親でチートイツは狙いたくない」「チートイツは嫌い」という声もあります。
そういう方はトイツ手が嫌い(トイトイ嫌いも)とか親でチートイツは受け入れが少ないから、という言葉を聞くことも少なくありません。
今回の多井さんの手が
ドラ多井手牌
この手のブロック数は、、の3ブロックしかなく、ターツも、のペン、ペンの大きなネックが2つもあります。
残りはの孤立牌でメンツ手なら5シャンテンとテンパイスピードが遅く、4人の中で一番遅い可能性が大きいです。
こんな手でメンツ手狙いしても他家からリーチが入るのが先になるのが自然でしょう。
こういうシチュエーションでチートイツ狙いすると、19字牌を中心に集めながら進めて他家からリーチが入れば切る牌に困らず流局狙い、テンパイなら押し寄りでそちらのプランでもいつでもオリられます。
シャンテン数が進むごとに、場に出た枚数が2枚<1枚<0枚の優先度で待ちになりそうなものを残します。
残す牌も、他家が使っていなさそうな牌=山にありそうな牌を優先して残します。(5<4と6<3と7<2と8<1と9<字牌の順が基本)
この順番を場況やドラなどによって修正していきます。(マンズホンイツ仕掛けの人がいたらマンズ待ちを避ける、逆転条件によってドラ待ち優先など)
チートイツ狙いの注意点はアンコになる3枚目の牌を引いた時。
その時がオリを考えるタイミングです。
以前も言いましたが、スジを多く持てば持つ程、放銃する可能性が高くなります。
スジの枚数は4枚+4枚=8枚しかありません。
そのうちの3枚、4枚、5枚と独占していると、そのスジを必要とする人はそのスジ待ちが残りやすい訳です。
今回のまとめ
・チートイツ狙いは4トイツ以上の時、ターツが少ない時、愚形受け入れが複数の時、メンツ手狙いでも4、5シャンテンのテンパイスピードが遅い時のどれかに当てはまった時にする
多井さんの手
ドラ多井二巡目手牌
多井さんの手はペンチャン残りの5シャンテンで、チートイツの3シャンテン。
ターツは1つだけとメンツを作るにも時間がかかり過ぎるのでトイツ手のチートイツへ。
チートイツ狙いで守備的に進めて流局かテンパイした時だけ押し寄りのプラン。(スピードが遅い手だから流局で御の字)
5<4と6<3と7<2と8<1と9<字牌の優先度、他家が使わなそうな順=山にありそうな順で残す。
ホンイツ・チンイツの染め手狙いの人がいるとかドラが何か、場に安い色(たくさん切られる)、現物のスジなどによってこの順を調整する。
基本的には場に2枚切れ<1枚切れ<0枚(ションパイ)の順で残す。(自分から見える牌によって他家が使いづらいなどで優先するのもOK)
・チートイツ狙いでは3枚目の牌を引いた時がオリを考えるタイミング
スジを多く一人で独占するほど(1人で3枚〜)、他家の必要牌になりやすく、相手の待ちになりやすいから。
・場はシュンツができやすい場(シュンツ場)とトイツやアンコができやすい場(トイツ場)の大きく2つに分かれる
だからツモり四暗刻がある程度の確率でできやすくなる
↓多井さんがなんで残したのか聞いてみたい人はクリック!
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2022年12月06日
ちょっとだけMリーグ#79
今回もMリーグの一局だけを掘り下げていきます。
今日の主役は二階堂 亜樹プロです。
まずは動画からご覧ください。
https://youtu.be/gpfkY5WgeRE
2022年11月3日 第1試合
南1局1本場(供託リーチ棒1)
東家 仲林 圭 20000
南家 二階堂 亜樹 18300
西家 園田 賢 42100
北家 岡田 紗佳 18000
(敬称略)
園田さんが二着目以下を2万点以上離したトップ目、二着目以下は団子状態。
最初に親・仲林さんの手は
ドラ仲林手牌
現在、役なし3シャンテン。
マンズ4枚、ピンズ4枚、ソーズ2枚とホンイツには1ブロック足りないのでターツが増えるか字牌トイツが増えればホンイツ寄りです。
ツモ打
これはおそらくチャンタを見ながら、枚数が少ないソーズを払いつつマンズかピンズに偏ればホンイツに進めるつもりだと思われます。
次に南家・亜樹さんの手は
ドラ亜樹手牌
赤2枚+トイツで鳴いても3900、役なしリーチでも5200以上の手です。
ここで5200でもアガっておくと、二着争いが有利になります。
ツモ打
続いて西家・園田さんの手は
ドラ園田手牌
ここにドラトイツでこれをポンした満貫、リーチ・ドラ2の5200が見えています。
マンズと字牌で、、、の4ブロックあるのでマンズか字牌でブロックが増えればマンズホンイツのプランもあります。
ツモ打
最後に北家・岡田さんの手は
ドラ岡田手牌
字牌を全部払えばタンヤオ、役牌を重ねてポンのどちらかになりそうな手です。
ツモツモ切り
次巡、亜樹さんは
ドラ亜樹手牌
アンコになり、2シャンテン。
次巡、仲林さんは
ドラ仲林手牌
ツモ打、このを亜樹さんがチーして打。
チードラ亜樹手牌
そこから8巡後、亜樹さんの1シャンテンは変わらず。
亜樹捨牌
捨牌の早いや切りが目立っています。
切りから、亜樹さんのソーズは0か、、、
、、のどれかがありそうです。
マンズはと切っているのに切りでマンズメンツは無さそうです。
亜樹さんの仕掛けに対し、園田さんは「通るでしょ」とばかりにと何枚も通しています。
まだ亜樹さんはノーテンだと見ているようです。
ドラ園田手牌
次巡、仲林さんが現物のスジで切ったを亜樹さんがチーして打テンパイ。
チーチードラ亜樹手牌
待ちは場に3枚切れの純カラで、テンパイ打牌のも場に3枚切れでどちらのタンキ待ちでもアガリ目は0。
場全体を見てみると、
仲林手牌
亜樹手牌
園田捨牌
岡田捨牌
※上から東家、南家、西家、北家の順
場を見ても違和感しかありません。
字牌の高い(切られない)場でがションパイ。
チーチードラ亜樹手牌
亜樹さんの手はホンイツも無く、小三元・大三元、小四喜・大四喜もありません。
また、三色同順や一気通貫も鳴くメンツが違います。(一気通貫は123、456、789だけ)
それとタンヤオにしてはの3〜7が4枚も切られているのは不自然です。
ということは亜樹さんの手は赤かドラのどちらかがある役牌絡みの手に見えます。
亜樹さんにとっての役牌はしかありません。
そう考えると亜樹さんはどちらかの役牌バックか役牌アンコのどちらかの可能性が高そうです。
2巡後、亜樹さんはタンキに待ち替え。
チーチードラ亜樹手牌
4枚目のが手出しで切られ、亜樹さんがタンキ待ちだったのが伝わります。
更に次巡、亜樹さんはタンキに待ち替え。
チーチードラ亜樹手牌
そこから3巡後、亜樹さんは待ち替えタンキ。
チーチードラ亜樹手牌
ハイテイは仲林さんの4枚見え連打で流局し、亜樹さん一人テンパイでした。
亜樹さんは3巡目からカンチャンチーしています。
チードラ亜樹手牌
こんな早いチーが入る時は、1000点や2000点のような仕掛けはあまりなく、タンヤオ・ドラ2や役牌・ドラ3のような手が多くなります。(子3900~8000点、親5800~12000点)
それも鳴いた後は1シャンテンかテンパイというスピードの早い手が多いです。
その理由はリーチしたい手でありながら、愚形受け入れが残っている手でそこを解消する牌が切られたら喜んで鳴くからです。(今回の手で言うカン)
今回のまとめ
・早い鳴き(捨牌一段目、6巡目まで)は3翻以上(タンヤオ・ドラ2、役牌・ドラ2)で鳴いて1シャンテン以上のテンパイスピードの早い手が多い
今回の亜樹さんの手
チードラ亜樹手牌
愚形受け入れが残る鳴いて3翻以上の手で、早い巡目に愚形を解消する牌が切られたら、ある程度打点の高い1シャンテン以上になるから。(子3900以上、親5800以上)
愚形を先に解消するからリャンメンなど好形待ち率もそれなりに高い
・鳴いた数字で三色同順や一気通貫を否定できる
チーチードラ亜樹手牌
一気通貫のメンツは123、456、789しかない=それ以外の鳴き(今回はと)が2つある=テンパイ形4メンツの残り2メンツで一気通貫は不可能、一気通貫を否定できる
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2022年12月04日
ちょっとだけMリーグ#78
今回もMリーグの一局だけを掘り下げていきます。
今日の主役は魚谷 侑未プロです。
まずは動画からご覧ください。
https://youtu.be/cCVa_xdv4QM
2022年10月11日 第1試合
東4局 3本場(供託リーチ棒1)
東家 仲林 圭 18000
南家 渋川 難波 17800
西家 魚谷 侑未 35000
北家 佐々木 寿人 28200
(敬称略)
二着目が寿人さんで5200ロン以上でトップ目、三着目が親で4000オールツモでトップ目、ラス目は跳満ツモでトップ目と並びます。
最初に親・仲林さんの手は
ドラ仲林手牌
ダブトイツでこれをポンしてドラや赤を引いて5800、ダブと何かのシャンポン待ちにしてリーチ・ダブ、マンズとピンズの伸びによっては234三色のこのくらいでしょうか。
ツモ打
次に南家・渋川さんの手は
ドラ渋川手牌
こちらも役牌トイツがありポンした1000点、ドラか赤引きで2000点があります。
ラス目の渋川さんはある程度高い手が欲しいのでメンゼンでリーチ・ツモ・ドラ狙いにする手もあります。
ツモツモ切り
続いて西家・魚谷さんの手は
ドラ魚谷手牌
こちらはメンツ手、リーチ・ピンフ・ドラやリーチ・ピンフ・赤・ドラの3900~8000になりそうです。
あとはマンズとピンズの伸びによっては123三色同順もあり、これならリーチ・三色・ドラの満貫です。
この手には雀頭候補と2つあるので、マンズでメンツを作るか、ソーズでメンツを作るかの選択を迫られることになりそうです。
ツモ打
最後に北家・寿人さんの手は
ドラ寿人手牌
こちらは自風アンコがあり、メンゼンでも鳴きでもアガれます。
ただ点棒上で寿人さんは二着目なのでリーチ・ツモ・やリーチ・・赤のようなある程度高い手を目指したい場面。
ツモ打
次巡、魚谷さんは
ドラ魚谷手牌
ツモで123三色の必要牌がの6枚で、もう1枚増えると123三色狙いでいいでしょう。
次巡、仲林さんは
ドラ仲林手牌
1シャンテンですがペンチャン残りでこれが最大のネックです。
ダブポンができると楽な手です。
同巡、魚谷さんは
ドラ魚谷手牌
これで123三色まであと2枚。
ここから1枚切る所ですが、魚谷さんは打。
雀頭をのどちらにするかで打牌が変わってきます。
ここからの打牌候補はのどれかになりそうです。
一番シンプルに1シャンテンに取れるのが打です。
ドラ例1
ただこの選択はテンパイスピードで早い代わりに愚形テンパイ率が高くなります。
カンかシャンポンかカン待ちのどれかになりそうです。
次に切りではのリャンカン形を決めてどちらが埋まっても良いように構えています。
更に残しで123三色も狙える手にしています。
3つ目の打ではを雀頭にしてマンズ、ソーズへのくっつき、変化も見た一手です。
くっつきでピンフ変化もあります。
こちらも123三色があります。
次巡、渋川さんは
ドラ渋川手牌
役なし3シャンテンでちょっとスピードで遅れています。
同巡、魚谷さんは
ドラ魚谷手牌
ツモ打とソーズメンツを見切りました。
はドラ表示牌で魚谷さんから3枚見えでイーぺーコー・ドラ2なら満貫も狙えます。
ドラ例2
また同巡、寿人さんは
ドラ寿人手牌
安いですがツモでテンパイする1シャンテン。
次巡、仲林さんは
ドラ仲林手牌
ペンチャンを処理してリャンメン残し。
同巡、渋川さんは
ドラ渋川手牌
4トイツでチートイツ2シャンテン。
ドラ引きならドラタンキ待ちチートイツになりそうです。
また同巡、魚谷さんは
ドラ魚谷手牌
123三色とイーぺーコー・ドラ2の1シャンテンで打。
更に同巡、寿人さんは
ドラ寿人手牌
寿人さんはを切っていてフリテン含みですが引きでテンパイになる広い1シャンテンに。
次巡、魚谷さんは
ドラ魚谷手牌
待ち高目イーぺーコー・ピンフ・ドラ2のダマテン。
場を見ると
仲林捨牌
渋川捨牌
魚谷捨牌
寿人捨牌
この巡目で魚谷さんから4枚見えでかなり良い待ちに見えます。
特にの外側は狙い目です。
待ちは山に2枚、は山に3枚の合わせて2+3=5枚。
魚谷さんテンパイの3巡後、仲林さんは打、これを渋川さんがポンして打。
ポンドラ渋川手牌
の1シャンテン。
同巡、寿人さんはツモ切り、これを仲林さんがチーして打。
場に3枚切れの安全牌が切られてテンパイの可能性が高そうです。
チードラ仲林手牌
ダブバック(後付け)テンパイ。
シャンポン待ちですがだけアガれます。
その直後、渋川さんがをツモ切り、仲林さんロン。
ロンチードラ仲林手牌
ダブ2900の3本場、3800点のアガリ。(+1000)
魚谷さん絶好の待ち高目満貫、山に5枚ある手が流されてしまいました。
前回、「オリる時は4枚見えの牌を探す」というのが出てきました。
今回の魚谷さんの手はがドラ表示牌含めて魚谷さんから4枚見えです。
それに高目イーぺーコーのが4枚見えの外側で他家に使いづらい牌。
ドラ魚谷手牌
待ちを表現する時に「強い待ち」と「弱い待ち」という表現があります。
場況などで他家が使いづらい待ちになったり、早い巡目に先切り待ちになったり、多面張(三面張〜)などアガリの可能性が高い待ちを「強い待ち」と呼びます。
アガリ(和了:ホーラ)率を上げたい時はこの強い待ちを目指すといいでしょう。
今回のまとめ
・アガリ率を上げたい時は強い待ちを目指す
強い待ちとは場況などで他家が使いにくい待ちや捨牌からは想像されにくい待ち、多面張(三面張〜)などアガリの可能性が高い待ちを指す
相手にとって都合の悪い待ちにするとアガリ率も高くなる
魚谷さんから4枚見えになり、そのまたぎスジは強い待ち(特にの外側は狙い目)
ドラ魚谷手牌
目安は自分から3枚以上見えている牌のまたぎスジなど(例えばが3枚以上見えた、など)
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2022年12月02日
ちょっとだけMリーグ#77
今回もMリーグの一局だけを掘り下げていきます。
今日の主役は堀 慎吾プロです。
まずは動画からご覧ください。
https://youtu.be/yjdNBfGCW9Y
2022年10月27日 第2試合
南4局3本場(供託リーチ棒2)
東家 園田 賢 13300
南家 堀 慎吾 30400
西家 伊達 朱里紗 21900
北家 魚谷 侑未 32400
(敬称略)
点棒状況から二着目・堀さんはトップ目と2000点差積み棒は3本場+供託リーチ棒2でアガリに+2900点されます。
つまり堀さんは1000点アガればトップです。
三着目・伊達さんは満貫ツモやリーチ棒が出て満貫ロン(8000+1000+2900=11900)でトップ。
ラス目・園田さんは7700ロンや伊達さんから3900ロンで三着目(連荘)、4000オールツモで二着目、6000オールツモか18000ロンでトップ目です。
※動画の関係上、親・10巡目から見ていきます。
最初に親・園田さんの手は
ドラ園田手牌
こちらは赤もドラも無いメンツ手になりそうですが、このままではリーチ・ピンフ2900点程度になりそうです。
ここで園田さんは打、これを堀さんがポンして打。
次に南家・堀さんの手は
ポンドラ堀手牌
・赤2000点、待ちテンパイ。
1000点でもアガればトップの堀さんは意地でもアガりたい場面。
堀さんの待ちはが山に1枚、が山に2枚の合わせて1+2=3枚。
続いて西家・伊達さんの手は
ドラ伊達手牌
ドラ2で役なしリーチ・ツモ・ドラ2ならトップ終了の手です。
ブロック数を数えてみると、、、、、、の6ブロックあります。
アガリにはここから1ブロックを切る必要があります。
ここから手役を見るならツモり三暗刻や、イーぺーコーくらいでしょうか。
リーチツモドラ例1
リーチロン例2
最後に北家・魚谷さんは
ドラ魚谷手牌
既にチートイツ1シャンテン。
魚谷さんはここをアガればトップ終了ですが、タンキ待ちになるのが悩みの種です。
3巡後、園田さんは
ドラ園田手牌
これならをトイツ落とししたメンタンピンや片アガリ食いタンも可能です。
解説の河野 直也プロは「園田さんはアガリよりもテンパイを重視している、いかに放銃しないでテンパイ取れるかを考えてると思います」と仰られています。
同巡、魚谷さんが打、これを園田さんがチーして打。
チードラ園田手牌
解説通り、形式テンパイ狙いです。
園田さんは連荘する限り、逆転のチャンスが増えます。
チーの次巡、園田さんは
チードラ園田手牌
当たり牌を引き、1シャンテンを維持。
更に次巡、園田さんは
チードラ園田手牌
ここから当たり牌を切らずにテンパイを取ろうとすると、@ツモ、Aツモ打、Bカンチー、Cチーなどが必要になります。
ただし@のツモは純カラで山にないので不可能。
堀捨牌
堀さんはポン時に手出し、その前の手出しが。
これをどう見るかがポイントになりそうです。
通っているマンズは、ピンズは、ソーズは、字牌は(4枚見え、2枚切れでシャンポン待ちなし)ともし堀さんがリャンメン待ちとするとマンズだけ、ピンズは、、、ソーズはなし、字牌はドラだけです。
数牌は、、、のスジ4本しかありません。
園田さんのが当たるのはスジ4分の1という話になります。(25%)
ここから園田さんは打。
はかなり当たるという判断のようです。
同巡、伊達さんは
ドラ伊達手牌
満貫ツモ目標の伊達さんはドラは切れない、あとはアガリを見るならマンズかピンズを切るかの場面です。
場を見るとが3枚切れ、1枚切れでは見た目上4枚以下です。
は場にが1枚切れなだけ。
見た目枚数の差で伊達さんは打とします。
次巡、魚谷さんはツモで堀さんのアガリ牌は山に1枚だけです。
その次巡、園田さんは
チードラ園田手牌
解説の河野さんは「形を維持して誰かがポンと言ってくれる牌を探してますね」と解説されています。
園田さんの手からを4枚持っています。
このスジを必要としている人はいるかもしれません。
は3枚持ちなのでポンできるが良さそうです。
園田さんはここから打、これを伊達さんがポンして打形式テンパイ。
ポンドラ伊達手牌
待ちですが役が無くアガれません。
今後ドラが出ればポンして打の役ありにも変化します。
ポンポンドラ例3
同巡、魚谷さんは
ドラ魚谷手牌
ここで切る牌は慎重に選ぶ必要があります。
もし園田さんに鳴かれてテンパイを入れてしまえばもう一局しないといけなくなります。
園田さんが打の時点でノーテンなら、園田さんと同じ牌を切れば放銃は無く、テンパイも入りません。
ここは魚谷さんは打。
そしてハイテイツモは堀さんで、
ポンドラ堀手牌
堀さんが切っているを引きました。
を切ると伊達さんにハイテイ・ドラ2、3900の3本場4800点です。(+2000)
もし伊達さんに放銃すると堀さんは三着にダウンしてしまいます。(堀 25600 伊達 28700)
堀さんテンパイにはどちらかを切る必要がありますが、1つ言えるのは切りではリャンメン待ちとカンチャン待ちのパターンが少なくなります。
堀さんから3枚見えでは1つ、も1つだけ。
逆に打は堀さんから3枚見えでシャンポン待ちを否定しています。
その代わりはリャンメン待ち、カンチャン待ち、ペンチャン待ちも追加されます。
もう堀さんのアガリも無くなったので打。
放銃を回避した堀さんは伊達さんと二人テンパイで終局。
ポンドラ堀手牌
ポン伊達手牌
2人テンパイにより
園田 11800
堀 31900
伊達 23400
魚谷 30900
これで3000点(1500+1500)縮まり、堀さんの逆転トップ。
堀さんが時間を使って悩んだ場面ですが、
園田捨牌
堀捨牌
伊達捨牌
魚谷捨牌
伊達さんが
ポンドラ伊達手牌
堀さんは
ポンドラ堀手牌
ここから1枚切る場面。
じっくり考えたい人向けです。
今回のまとめ
・相手に通っているスジを一本ずつ消していく
もし相手がリャンメン待ちならどのスジが通っているか確認する
・4枚見えの牌を探してノーチャンスの牌を探す
数牌ノーチャンスならそれを使ったリャンメン待ちやカンチャン待ちなどを否定できる
字牌なら場2枚切れ以上のシャンポン待ちは無し(待ちがカラだから)
4枚見えが無ければ3枚見えの牌を探す
・スジを頼るのはそれらの確認が終わってから
安易にスジに頼らない
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2022年11月30日
ちょっとだけMリーグ#76
今回もMリーグの一局だけを掘り下げていきます。
今日の主役は渋川 難波プロです。
まずは動画からご覧ください。
https://youtu.be/53d24rzkd5k
2022年10月11日 第1試合
南1局2本場
東家 渋川 難波 32500
南家 魚谷 侑未 31800
西家 佐々木 寿人 26200
北家 仲林 圭 9500
(敬称略)
点棒上は渋川さんと魚谷さんがトップ争い、寿人さんが虎視眈々とトップを狙う位置に居て、仲林さんが三着目と16700点差開いたラス目です。
仲林さんは大差のラス目なのでできるだけ高い手を、寿人さんもトップ目に追いつける5200クラスのアガリが欲しい所です。
最初に親・渋川さんの手は
ドラ渋川手牌
これは字牌を全部払えばタンヤオ、ピンフのメンツ手、あと234三色の必要牌7枚が揃っているので234三色狙いも当然ありますし、役牌を重ねてポンもあります。
ツモ打
次に南家・魚谷さんの手は
ドラ魚谷手牌
現在3トイツなので4トイツになればチートイツも少しあり、ピンフならドラもリャンメン受け入れで使えます。
この手にはがありタンヤオになりづらいので食いタンは難しそうです。
ツモ打
続いて西家・寿人さんの手は
ドラ寿人手牌
こちらはメンツ手でピンフを中心に狙う手になりそうです。
ここにドラがくっつけば678三色目も出てくるのでその時は押し寄りになりそうです。
ツモ打
最後に北家・仲林さんの手は
ドラ仲林手牌
ドラトイツあるものの、、、、の4ブロックしかなく、愚形が2つ残っているので、テンパイスピードも早いとは言えません。
現状は役なしリーチ・ドラ2になりそうなのでピンフやイーぺーコーも視野に入れて好形待ちリーチにしたい所です。
仲林さんはラス目なのでせめて満貫の見える手でリーチしたい。
ツモ打
2巡後、魚谷さんは
ドラ魚谷手牌
既に役なし2シャンテン。
次巡、渋川さんは
ドラ渋川手牌
2シャンテンになりました。
雀頭としてできればタンヤオにしたい手です。
同巡、魚谷さんは
ドラ魚谷手牌
役なし・ドラ1シャンテン。
同巡、仲林さんは
ドラ仲林手牌
カンチャン6つもある愚形まみれの4シャンテンでテンパイも厳しそうです。
次巡、渋川さんは
ドラ渋川手牌
どちらかを引けばテンパイになる1シャンテンでドラ引きでも好形になるようにも残しています。
また、引きならの三面受け入れになるのでそれも見ているようです。
234三色・赤ならメンゼンで7700以上、リーチで12000点になります。
同巡、魚谷さんは
ドラ魚谷手牌
テンパイですがリーチせずダマテンを選択。
ここに引きでピンフ、引きマンズ一気通貫、赤引きも考慮しての変化待ちです。
ドラ例1
例2
例3
例4
次巡、魚谷さんはツモでカン待ちにも受けられますがツモ切り。
また次巡、魚谷さんはツモ打のカン待ちリーチ。
は山に2枚。
ドラ魚谷手牌
魚谷さんは前巡、ツモ切りのスジ待ちになっています。
また、場に1枚切れで魚谷さんから3枚見えでは山にあると見たのかもしれません。
魚谷捨牌
このリーチに渋川さんは現物切り。
寿人さんも現物、仲林さんも現物切り。
次巡、渋川さんは
ドラ渋川手牌
魚谷さんにとってのダブを押して1シャンテンを維持。
次巡、渋川さんは
ドラ渋川手牌
ここから切りなら受け入れが残りますが、場に2枚切れ、2枚切れ(渋川さんから3枚見え)で三面受け入れのメリットはあまりありません。
234三色がありピンズには手をかけられないのでどれかが候補になりそうです。
安全性を求めるならが場に2枚切れ(渋川さんから3枚見え)につき、はどれもワンチャンスです。
ですが渋川さんは打。
この一打に解説の土田さんも「ろーくーまーん!!」と驚きを隠せない様子。
魚谷捨牌
魚谷さんの切りが少し早いので待ちは無さそうと見ることはできます。(ただ待ちはある)
あとはドラがなのでもしマンズ待ちなら待ちの方がありそうに見えます。
コバミサさんもカイジの1シーンのように「押せ!押せ!」が口をついて出ています。
切りの2巡後、渋川さんはツモ打テンパイ、カン待ち。
ドラ渋川手牌
待ちは山に2枚。
3巡後、渋川さんは
ドラ渋川手牌
ツモで満貫のまま変わらず、待ちがに変化。
2巡後、渋川さんツモアガリ。
ツモドラ渋川手牌
タンヤオ・ピンフ・ツモ・赤2の4000オールの2本場、4200オール。
このアガリで
渋川 46100
魚谷 26600
寿人 22000
仲林 5300
と二着目を約2万点離したトップ目になります。
そこから南3局1本場、渋川→魚谷 ホンイツ、3900の1本場をロン。(+1000)
ロンポンチードラ魚谷手牌
南4局1本場は仲林→寿人 リーチ・ピンフ・赤、3900の1本場をロン。(+1000)
リーチロンドラ裏ドラ寿人手牌
寿人 +61.1
渋川 +19.9
魚谷 −10.2
仲林 −70.8
これで寿人さんが今シーズン初トップを収めました。
今回のまとめ
魚谷さんリーチの3巡後、渋川さんが切りした場面、
ドラ渋川手牌
が渋川さんから3枚見えで安全度ならどれもワンチャンス。
切り三面受け入れは2枚、3枚が見えているのであまりメリットは無し。
魚谷捨牌
がより先に切られて待ちは考えにくい。(待ちはある)
渋川さんは切りした。
その場合ツモで12000の見えるテンパイに取れる。
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2022年11月28日
ちょっとだけMリーグ#75
今回もMリーグの一局だけを掘り下げていきます。
今日の主役は伊達 朱里紗プロです。
まずは動画からご覧ください。
https://youtu.be/uYmyf8VcmBw
2022年10月3日 第2試合
南1局
東家 瑞原 明奈 49900
南家 本田 朋広 14100
西家 近藤 誠一 13200
北家 伊達 朱里紗 22800
(敬称略)
点棒上は瑞原さんが全体の約半分(50000)を独占していてトップの可能性が高いのと二着目が伊達さん、そこから子の満貫分開いて本田さん、近藤さんが続いています。
三着目とラス目は満貫をアガれば二着目に接近できるので満貫目標、伊達さんはトップ目と27100点差開いているのでトップを目指すなら何回かに分けてアガってその差を縮める必要があります。
例えば満貫2回+跳満(28000点)や跳満2回+3200(27200点)、満貫ツモ3回(30000点差縮まる)のどれかのプランでざっくりと点差を意識しておきます。
ここから伊達さんはアガリ1回あたり満貫以上が必要だとわかります。
最初に親・瑞原さんの手は
ドラ瑞原手牌
トイツでこれをポンして・赤や・トイトイ、メンゼンならチートイツかトイトイ・三暗刻のどれかになりそうです。
瑞原さんは二着目と点差が大きいので無理にアガリは見ず、テンパイが早そうならアガリを見る程度でいいでしょう。
ツモツモ切り
次に南家・本田さんの手は
ドラ本田手牌
こちらもトイツがありポンして1000点、2000点や役なしリーチもあります。
ツモ打
続いて西家・近藤さんの手は
ドラ近藤手牌
これは字牌を全部処理すればタンヤオ、赤を引けばリーチ・タンヤオ・ツモ・赤の満貫が狙えます。
ブロックは、、、、の5ブロックあるのでできればリャンメン待ちにしてリーチ・ツモ狙いしたい所。
ツモツモ切り
最後に北家・伊達さんの手は
ドラ伊達手牌
配牌から赤2+ドラ2のリーチ・ツモで跳満あります。
役なしリーチでも十分ですがやのイーペーコーが付けば倍満の可能性も高まります。
ツモ打
次巡、瑞原さんは
ドラ瑞原手牌
リャンメン受け入れが1つ増えましたが3シャンテンのまま。
このままではメンツかトイツか方向性が中途半端で判断が難しい状態です。
同巡、本田さんは
ドラ本田手牌
一応456三色目も出てきて役なし2シャンテン。
更に同巡、伊達さんは
ドラ伊達手牌
ツモ打とメンツ手には不要なを残しています。
これはチートイツになった時にタンキ待ちも考慮した一打で、トイツ手も考えている証拠です。
ここからや引きならピンフ、引きならチートイツを見て進めます。
この手のカギはと部分です。
これがメンツ手ならここが横に伸びる必要があり、ピンズで1〜2メンツ、ソーズで1〜2メンツ作る必要があります。
次巡、瑞原さんは
ドラ瑞原手牌
アンコができ、役なし2シャンテン。
点数的に不満(・赤3900くらい)ですが、が出たらポンでいいでしょう。
同巡、近藤さんは
ドラ近藤手牌
タンヤオ1シャンテン。
変化によっては567三色もありますが、赤引きかタンピンになれば点数的に十分です。
次巡、伊達さんは
ドラ伊達手牌
5トイツでチートイツ1シャンテンかメンツを見ると2シャンテン。
メンツを見るならを引くかどうかに注目です。
逆に言えばここを引かないならチートイツに決めていいでしょう。
その時は伊達さんの残しが生きてきます。
2巡後、伊達さんは
ドラ伊達手牌
念願のを重ねてチートイツ・赤2・ドラ2、タンキ待ち跳満テンパイ。
ここはリーチせずダマテンに取りました。
リーチ・ツモで倍満ですが瑞原さんからの直撃で24000点縮まるので一か八か出アガリ狙いのようです。(リーチ・ツモでも16000+8000=24000点縮まるのは同じ)
この時点で瑞原さんと近藤さんの必要牌が山に3枚しかありません。
ドラ瑞原手牌
ドラ近藤手牌
次巡、近藤さんは
ドラ近藤手牌
一歩間違えばで伊達さんに12000点放銃する展開もあったかもしれません。
先にドラが入れば切りになっていたでしょう。
次巡、瑞原さんは
ドラ瑞原手牌
役なし1シャンテン。
同巡、伊達さんは
ドラ伊達手牌
タンキ待ちにチェンジ。
これで近藤さんの放銃がなくなり、助かった形です。
次巡、近藤さんは
ドラ近藤手牌
リーチ・ピンフ待ち。
このリーチ一発目に伊達さんはツモ、ツモ切り。
ここで一発放銃するとラスの確率が高くなりますが、伊達さんはダマで押しています。
次巡、伊達さんツモアガリ。
ツモドラ伊達手牌
ツモ・チートイツ・赤2・ドラ2の3000-6000。(+1000)
このアガリで
瑞原 43900
本田 11100
近藤 9200
伊達 35800
伊達さんがトップ目に約満貫差(8100点差)まで近寄るアガリになりました。
ベルサール六本木も熱気に包まれた一局。
この次局、例のアガリが飛び出すわけですが、この局についても取り上げていますので、興味のある方は覗いてみてください。
https://fanblogs.jp/tccdesu/archive/299/0?1669551800
今局のアガリを生んだ要因は伊達さん2巡目の残しです。
ドラ伊達手牌
まだメンツ手ともトイツ手とも言えない段階からチートイツになった時の為にションパイ残し。
を残してなければチートイツテンパイもアガリも拾えていません。
伊達さんは個人的に女流プロの中で成長株として注目するうちの一人です。
最近はSNSでブロック騒動がありましたが、一個人としてブロックは正当な権利なので私からは「ご自由に」といった所ですが、目に見えるブロックは余計な敵を作らないか心配になりました。(見たくなければミュートも可能)
今回のまとめ
・メンツ手かトイツ手か決めきらない時、これを引けばトイツ手、これならメンツ手という目安を定めておく
ドラ伊達二巡目手牌
ここにツモならメンツ手、ツモならトイツ手といった具合に次のツモによって狙いを変える
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2022年11月26日
ちょっとだけMリーグ#74
今回もMリーグの一局だけを掘り下げていきます。
今日の主役は白鳥 翔プロです。
まずは動画からご覧ください。
https://youtu.be/XOkeJyb_-3U
2022年10月14日 第2試合
南1局
東家 白鳥 翔 62900
南家 伊達 朱里紗 14000
西家 園田 賢 11600
北家 茅森 早香 11500
(敬称略)
点棒上は白鳥さんのトップはかなり高確率で残り3人の二着争い。
ここから大きい放銃をした人がラスになりそうです。
※親・4巡目から見ていきます。
最初に親・白鳥さんの手は
ドラ白鳥手牌
字牌を切ればタンヤオでが3枚、が5枚とスジの偏りを感じます。
手形から1アンコ+3トイツでトイツ系手役、トイトイやチートイツが浮かびます。
ツモツモ切り
ドラ伊達手牌
こちらは赤もドラも無い手でピンフやタンヤオが見えます。
これ以上トップ目の白鳥さんに加点させないように子3人は動く必要があります。
場合によっては他家の安手にはアシスト、1000や2000点には差し込みを考えてもいいでしょう。
今局は高い手をアガるよりも白鳥さんの親を終わらせるのを優先します。
ツモ打
続いて西家・園田さんの手は
ドラ園田手牌
234三色や678三色が少しありそうなメンツ手です。
ツモの伸び方によってはタンヤオ、ピンフ含みで進めます。
ツモ打
最後に北家・茅森さんは
ドラ茅森手牌
赤2+ドラ1枚浮いている手です。
字牌を切ってタンヤオ・赤2や役牌を重ねてポンした役牌・赤2のどちらでも鳴けるのとトイツやアンコが増えればトイトイ・三暗刻やその先にはツモり四暗刻もあります。
ここも手の高さよりもアガリ優先です。
ツモ打
次巡、伊達さんは
ドラ伊達手牌
ピンフ3シャンテン。
次巡、白鳥さんは
ドラ白鳥手牌
ここから白鳥さんは打。
もうメンツ手は見ずにチートイツやトイトイを見ています。
これは良い一打です。
この時点で白鳥さんはと8枚のうち半分の4枚を独占しています。
これは伊達さんの必要牌でしかも園田さんと2ターツで必要牌です。
好調者ほど自然とこうして他家のテンパイを防ぐケースが増えます。
同巡、伊達さんは
ドラ伊達手牌
一応2シャンテン。
更に同巡、園田さんが切ったを白鳥さんがポンして打。
ポンドラ白鳥手牌
タンヤオ・トイトイ5800~7700の1シャンテン。
今回のケースでもトイトイのみのような手は考えにくいのはお分かりになるでしょう。
白鳥さんはドラ切りなのでタンヤオか赤、役牌のどれかが絡んでいると推察されます。
その後、茅森さんは
ドラ茅森手牌
この巡目で茅森さんのもは純カラ、は山に3枚の合わせて0+3=3枚。
次巡、伊達さんは
ドラ伊達手牌
1シャンテンですががまだ入らない伊達さんはテンパイも遠そうです。
同巡、茅森さんは
ドラ茅森手牌
メンツ手2シャンテン。
次巡、園田さんはツモで茅森さんのは2枚だけ。
次巡、伊達さんは
ドラ伊達手牌
の2枚必要な形は嫌ってダブルメンツ落としの打。
打としないのは、危険度の高い内側から処理したいからです。
同巡、園田さんは
ドラ園田手牌
園田さんはを切っていてフリテン、受け入れも枚数が少なく苦しくなっています。
同巡、茅森さんは
ドラ茅森手牌
雀頭候補が2つになり、カンチーしてトイツ落としした食いタンも可能です。
チー例1
次巡、白鳥さんは
ポンドラ白鳥手牌
タンヤオ・トイトイシャンポン待ちテンパイ。
待ちは山に1枚、も山に1枚です。
同巡、園田さんは
ドラ園田手牌
4トイツでチートイツ2シャンテン。
また同巡、茅森さんは
ドラ茅森手牌
こちらもチートイツ1シャンテン。
次巡、園田さんは
ドラ園田手牌
チートイツ1シャンテン。
同巡、茅森さんは
ドラ茅森手牌
こちらも1シャンテン。
次巡、園田さんは
ドラ園田手牌
場に2枚切れのかションパイのの選択ですがタンキ待ちダマテンを選択。
次巡、茅森さんは
ドラ茅森手牌
テンパイ即リーチを選択。
シャンポン待ち。
は山に0枚、は山に2枚で合わせて0+2=2枚。
リーチの4巡後、園田さんはタンキに待ち替え。
ドラ園田手牌
同巡、茅森さんがハイテイでをツモ切り、白鳥さんロン。
ロンポンドラ白鳥手牌
タンヤオ・トイトイ・ハイテイの12000点です。(+1000)
この第2試合のオーラスは以前取り上げたこの回になります。
https://fanblogs.jp/tccdesu/archive/317/0?1669398125
第2試合はオーラスまでずっと大物手が飛び交う激しい乱打戦で終わりました。
トップ目・白鳥さんのテンパイ形を見ると
ポンドラ白鳥手牌
がスジで5枚、がスジで5枚固まっています。
が白鳥さんに固まって入ったことから、伊達さんの、園田さんのは埋まることなく2人のテンパイスピードを遅くする結果になりました。(伊達さんは1シャンテン止まり、園田さんはメンツ手からトイツ手への移行を迫られる)
アガリを考える時も、相手リーチの待ちを読む時も、スジを意識するのが基本になります。
攻める時はターツが完成するスジが山に残っていそうか、誰にどのスジを持たれていそうかなどを考え、待ち読みの際もどのスジ待ちかや現物がなくなると現物のスジを頼ることもあります。(オリる時は現物のスジ待ちに注意)
今回の白鳥さんのように他家の必要牌が8枚のうち5枚も偏っていたのは好調者によく現れる現象です。
今回のまとめ
・アガリを考える時、相手リーチの待ち読みにもスジを意識する所から
ターツが完成する牌が何枚切られているか、山に何枚残っていそうか(攻撃時)
相手リーチの待ちがどのスジか、どのスジが通りそうかなど考える(守備時)
現物のスジ待ちも時々出てくるので注意(三色同順、一気通貫、チャンタ、純チャン、イーぺーコーなど手役絡みが多い)
・好調者ほど相手ターツや待ちをスジで複数ブロックして相手のテンパイスピードを遅らせたりアガリを防ぐパターンが出てくる(スジで4枚以上ある時)
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2022年11月24日
ちょっとだけMリーグ#73
今回もMリーグの一局だけを掘り下げていきます。
今日の主役は内川 幸太郎プロです。
まずは動画からご覧ください。
https://youtu.be/zbHw2lbwUYY
2022年10月7日 第1試合
南4局
東家 内川 幸太郎 46600
南家 茅森 早香 4800
西家 仲林 圭 30000
北家 白鳥 翔 18600
(敬称略)
親の内川さんがトップ目、二着目は跳満ツモかリーチ棒が出て倍満ロン、リーチ棒が出て内川さんから満貫直撃でトップ。
三着目は二着目と11400点差で跳満ツモか跳満ロン、二着目から6400直撃で二着。
ラス目は三着目と13800点差で跳満ツモか倍満ロン、三着目から満貫直撃で三着。
まだ二着目にも逆転トップの可能性は少し残っています。
最初に親・内川さんの手は
ドラ内川手牌
手にドラトイツ+赤で役なしリーチでも12000、役牌を重ねてポンでも12000です。
ただ今局はオーラスにつきオリればトップの可能性はある程度高い状況です。
もし次局跳満ツモに耐えられる18500点差(次局二着目の跳満ツモは12300+6100=18400点差変わる)以上になる時はアガリを見るのもいいでしょう。
ここはピンフやタンヤオを見ながら、二着目のリーチにはオリでいいでしょう。(リーチ棒が出て満貫放銃で逆転)
ツモ打
次に南家・茅森さんの手は
ドラ茅森手牌
ピンフが狙えそうな赤1枚の手です。
着順アップには最低満貫ロンか跳満ツモが必要なのでリーチ・ピンフ・赤では1役足りません。
満貫にはドラをくっつけたピンフ、跳満には234三色、345三色狙いがいいでしょう。
ツモ打
続いて西家・仲林さんの手は
ドラ仲林手牌
トイツでこれをポンした2000点、あるいはトイツ落とししてピンフ狙いもあります。
仲林さんは跳満ツモが狙えそうになければ二着確定アガリでいいでしょう。
ツモ打
最後に北家・白鳥さんの手は
ドラ白鳥手牌
字牌を処理すればタンヤオで、234三色や345三色変化も残る手です。
白鳥さんは跳満ロンか跳満ツモが必要なのでドラや赤引きのタンヤオ・ピンフ狙いでいいでしょう。(メンタンピンツモ赤ドラ)
ツモ打
次巡、内川さんは
ドラ内川手牌
これでイーぺーコーもあります。
これでリーチかイーぺーコーかピンフかタンヤオ、役牌を重ねてポンの5通りのプランがあります。
3巡後、内川さんは
ドラ内川手牌
これでタンヤオとピンフは見切ってリーチ、イーぺーコー、役牌ポン、3つのどれかになりそうです。
同巡、茅森さんは
ドラ茅森手牌
マンズのメンゼンホンイツなら満貫〜跳満にはなります。
ここにツモや重なりならなんとかなりそうです。
同巡、仲林さんは
ドラ仲林手牌
ピンズ一気通貫やピンズホンイツでこちらも伸びによっては満貫〜跳満もあります。
また同巡、白鳥さんは
ドラ白鳥手牌
これなら234三色と345三色の両方が狙えます。
2回前のテーマ、「三色狙いは必要牌7枚以上なら狙う」がここで出てきます。
この手にある234三色の必要牌はの7枚、345三色の必要牌もの7枚あります。
ここからどう変化するかでどちらの三色狙いにするか決めるといいでしょう。
更にドラ・赤引きやイーペーコーもあり、跳満もまだありそうです。
次巡、内川さんは
ドラ内川手牌
マンズリャンメン受け入れができ、ターツを払います。
場を見ると、
内川捨牌
茅森捨牌
仲林捨牌
白鳥捨牌
※上から東家、南家、西家、北家の順
茅森さんと仲林さんは打、白鳥さんからが3枚見えています。
後は2枚切れでソーズの下は2人が持ってなさそうです。
ここからのプランとしてはを処理したタンピン、234三色などを見た三色狙いの2方向あります。
ドラ例1
例2
例3
例1はタンピン、例2、例3は234三色でドラも使えるのと例3は2人が使っていない可能性が高いをターゲットにした三色。
白鳥さんは打。
ドラ白鳥手牌
次巡、仲林さんが切ったを内川さんがポンして打。
ポンドラ内川手牌
12000の1シャンテン。
次にツモならテンパイです。
同巡、茅森さんは
ドラ茅森手牌
ホンイツ2シャンテン。
更に同巡、白鳥さんは
ドラ白鳥手牌
受け入れの1シャンテン。
白鳥さんは3900〜跳満の手になりそうです。
次巡、仲林さんは
ドラ仲林手牌
カンチー、ペンチー、ポンもできる一気通貫1シャンテン。
2巡後、内川さんは
ポンドラ内川手牌
・ドラ2・赤、12000テンパイ待ち。
待ちののうちは山に2枚、は山に1枚の合わせて2+1=3枚。
内川さんテンパイの2巡後、茅森さんの切ったを仲林さんがチーして打テンパイ。
チードラ仲林手牌
シャンポン待ち。
ともに場に1枚切れで山に
1+1=2枚。
同巡、白鳥さんがをツモりオリ。
次巡、茅森さんは
茅森手牌
次にツモでテンパイになるホンイツ1シャンテン。
2巡後、仲林さんはをツモり打と回ります。
チードラ仲林手牌
次巡、茅森さんはテンパイ即リーチ!
ドラ茅森手牌
待ちリーチ・ホンイツ・赤で満貫ですがツモや一発、裏1枚でも乗れば跳満。
は山に1枚、も山に1枚、も山に1枚で合わせて1+1+1=3枚。
誰もアガる事無く内川さんのハイテイツモを残すのみ。
最後のツモは・・・!!
ツモポンドラ内川手牌
・赤・ドラ2・ハイテイ、4000オール。(+1000)
このアガリで
内川 59600
茅森 -600
仲林 26000
白鳥 14600
点棒全体の約六割を独占した内川さんはほぼトップという状況です。
続く連荘1本場は
ロンドラ槓ドラ仲林手牌
ピンフ・赤・ドラ、3900の一本場、4200点を茅森さんから出アガリ。
二着確定のアガリで内川さんのトップが決定した瞬間でした。
オーラス開始時、点棒状況は
南4局
東家 内川 幸太郎 46600
南家 茅森 早香 4800
西家 仲林 圭 30000
北家 白鳥 翔 18600
この点棒状況なら、内川さんは跳満ツモられない限りオリていれば流局トップです。
そんな内川さんが鳴く=異常事態と言えるわけです。
鳴く以上1500、2900のような安手ではないのはわかります。
赤入りルールで46600点程度ではセーフティリードとは呼べません。
25000点持ちルールなら4人の合計100000点でその過半数50100点くらい〜少し余裕がある程度です。
親で4000オールを3回ツモられると48000点差が縮まり、+積み棒があれば50000点差でも逆転されます。
実際、内川さんはリーチ棒が出て仲林さんから満貫直撃で二着転落があります。
ツモポンドラ内川手牌
内川捨牌
変則手(トイツ系、チャンタ系手役)を除き、3〜7が2枚切られると1シャンテンかテンパイ、3〜7が3枚切られるとテンパイの可能性大、と以前言いました。
3〜7はと2枚切られて次にドラ切りテンパイ。
その次巡が切られて3〜7が3枚切られてここでもテンパイを示唆しています。
今回のまとめ
・トップ目のラス親が鳴く=異常事態
ラス親のトップ目・内川さんは46600点持ちから鳴いた
流局でトップ終了なのに鳴いた、安手ではない12000点の手
ポンドラ内川手牌
・持ち点が50000点を超えるくらいから余裕が出てくる
25000点持ちルールでは4人の合計100000点、その過半数50100点くらいから有利になる
親が4000オールツモ3回で48000点差縮まり、それ+積み棒で50000点差あっても赤入りルールではセーフティリードとは呼べない
子の役満直撃でも64000点差変わるのもある
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2022年11月22日
ちょっとだけMリーグ#72
今回もMリーグの一局だけを掘り下げていきます。
今日の主役は堀 慎吾プロです。
まずは動画からご覧ください。
https://youtu.be/PbAYPx3ZXVs
2021年2月12日 第2試合
南4局
東家 小林 剛 40000
南家 前原 雄大 16900 (元・KONAMI格闘倶楽部)
西家 堀 慎吾 33300
北家 勝又 健志 9800
(敬称略)
トップ目と二着目・堀さんの点差は6700点で1300-2600ツモかトップ目に3900直撃で逆転トップ。
二着目と三着目の差は16400点で倍満ツモか跳満直撃で二着。
つまり三着目の着順アップは厳しそうです。
ラス目は満貫ロンか1600-3200ツモ、三着目から3900直撃で三着。
最初に親・小林さんの手は
ドラ小林手牌
これはほぼタンヤオで、二着目と6700点差なのである程度の加点か、放銃回避のどちらかになりそうです。
アガリを見る時は親でオーラス、満貫ツモに耐えられる二着目と12100点差以上、跳満ツモに耐えられる18100点差以上を一つの目標に定めます。
この手のカギは、特にカン部分です。
ツモでもカンは残るのでこの部分の変化に注目します。
ピンズ部分はツモでになりこの変化も意識しておきます。
ツモ打
次に南家・前原さんの手は
ドラ前原手牌
前原さんはラス目に3900放銃で入れ替わってしまうので引き気味がいいかもしれません。
もし早いテンパイが入りそうなら役牌ポンなどでサッとアガってしまうのもいいでしょう。
ここは跳満ツモでも着順アップしないので高い手は必要ありません。
ツモ打
続いて西家・堀さんの手は
ドラ堀手牌
こちらは1アンコ+3トイツのほぼトイツ手です。
狙うのはトイトイ・三暗刻や役牌・トイトイのような役になりそうです。
ただトイトイだけでは点数的に足りないので(2600~3200では直撃でも足りない)、自風やを重ねてポン、赤やドラ引きでも条件を満たします。(1300−2600ツモ以上か3900以上直撃)
ツモ打
最後に北家・勝又さんの手は
ドラ勝又手牌
こちらはほぼメンツ手で赤もドラも無く、安手になりそうです。
勝又さんの着順アップには満貫ロンか1600−3200ツモが必要なので赤かドラを引いてのリーチ・ツモ狙いくらいしか高くならなさそうです。
ツモ打
次巡、小林さんは
ドラ小林手牌
打として2枚受け入れにはしたくない意思を感じます。
もしかするとにくっつけたピンフにしてリャンメン待ちでアガろうとしているのかもしれません。
3巡後、堀さんは
ドラ堀手牌
のどれも役牌で重なってポンかアンコになれば1翻アップになります。
同巡、勝又さんは
ドラ勝又手牌
これで345三色やを重ねたリーチ・ツモの裏1枚の満貫のプランもあります。
次巡、小林さんは
ドラ小林手牌
受け入れのピンフ・ドラ2シャンテン。
同巡、前原さんは
ドラ前原手牌
タンヤオ・ピンフの見える3シャンテンと他家より出遅れています。
2巡後、堀さんは
ドラ堀手牌
2アンコ+2トイツのトイトイ2シャンテン。
同巡、勝又さんは
ドラ勝又手牌
役なしテンパイでここから1枚を切る必要があります。
ここから勝又さんは打。
もしここにドラ引きなら
ドラ例1
例2
例3
3通りのテンパイに取れます。
次巡、前原さんが切ったを堀さんがポンして打。
ポンドラ堀手牌
は場に1枚切れ、はションパイで山にありそうです。
次巡、前原さんは
ドラ前原手牌
タンヤオ・ピンフ・ドラの2シャンテン。
親の小林さんはもうアガリを見ていないのか、現物を抜き打ってオリ。
流局ならトップ、堀さんにツモられなら仕方なしの構えでしょうか。
次巡、勝又さんは
ツモドラ勝又手牌
本来ならツモアガリの所ですが、満貫ロンか1600−3200ツモが欲しい状況です。
ここは切りフリテンリーチ!
ドラ勝又手牌
ドラツモか一発ツモ、ツモって裏1で三着。
は小林さんと前原さんに1枚ずつの山に2枚、は場に3枚切れで山に1枚の合わせて2+1=3枚。
リーチの次巡、小林さんがをツモ切り純カラ。
同巡、堀さんテンパイ。
ポンドラ堀手牌
が高目のトイトイ・5200テンパイ。
もしをツモると三暗刻が付き、トイトイ・三暗刻の満貫になります。
ロンなら5200、リーチ棒付きで6200なら堀さんは39500点になり、二着のままトップに500点足らず。
もしかすると堀さんはツモだけを見ているのかもしれません。
次巡、堀さんツモアガリ。
ツモポンドラ堀手牌
トイトイ・三暗刻の満貫、2000−4000。(+1000)
このアガリで
小林 36000
前原 14900
堀 42300
勝又 6800
堀さんの見事な逆転劇でした。
トイトイ(対々和)はそれだけでは2翻でトイトイのみでは子2600点程度にしかなりません。
そういう理由からトイトイ仕掛けには赤やドラ、役牌が含まれている可能性が高くなります。
これを利用してトイトイの待ちを絞りやすくなります。
例えば
東1局西家
ポンポンポンドラ西家手牌
こんな相手なら役牌かドラ、5がシャンポン待ちの片方に入っている可能性が高いです。
トイトイ狙いではトイツ系手役という特性から、これと相性の良い役も限られてきます。
例を挙げるとホンイツ、ホンロウ(混老頭)、役牌、三色同刻。
あと忘れてはいけないのが三暗刻の存在です。
堀さんのアガリは
ツモポンドラ堀手牌
鳴いているのに手に2アンコ+ツモってアンコ完成の三暗刻が付きます。
仮にこの手がメンゼンなら
例4
トイトイ・三暗刻、ツモり四暗刻になります。
このように、トイトイと三暗刻は切っても切れない関係にあります。
その関係を例えるなら兄弟といった所でしょうか。
今回のまとめ
・トイトイはトイツ系手役の為、相性の良い役が限られる
ホンイツ(混一色)、ホンロウ(混老頭)、役牌、三暗刻、三色同刻
・トイトイと三暗刻は兄弟のように切っても切れない関係
鳴いてもツモり三暗刻があり、メンゼンでもトイトイ・三暗刻がある
ツモポンドラ堀手牌
例4
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