2022年12月08日
ちょっとだけMリーグ#80
今回もMリーグの一局だけを掘り下げていきます。
今日の主役は多井 隆晴プロです。
まずは動画からご覧ください。
https://youtu.be/tz2q5oEUR3k
2022年10月7日 第2試合
南1局2本場
東家 多井 隆晴 35500
南家 堀 慎吾 32000
西家 小林 剛 10600
北家 東城 りお 21900
(敬称略)
前局、南1局1本場で多井さんがリーチ・七対子4800の一本場、5100点を小林さんから出アガリした次局。
リーチロンドラ裏ドラ多井手牌
点棒上は多井さんと堀さんのトップ争い、1万点程離された三着目・東城さん、そして前局放銃の小林さんが更に1万点程離れています。
東城さんは満貫ツモ程度のアガリが欲しい場面で、ラス目の小林さんは2万点差を少しでも縮められるアガリが複数回欲しい場面です。
堀さんは当面のライバルの多井さんのアガリを防ぎたい所。
多井さんは親なので連荘が目標。
最初に親・多井さんの手は
ドラ多井手牌
赤1枚があるもののメンツ手なら5シャンテンと遅い手です。
チャンタを見るにもがあり切るだけで4巡が必要、真ん中に寄せるにしてもがあるので切るのに9巡もかかります。
ピンフなどメンツ手狙いは5シャンテンと他家に遅れるのがわかっているので、テンパイスピードの遅さを意識しつつ、他家のテンパイを感じたらサッとオリるくらいの意識でいいかもしれません。
ツモ打
次に南家・堀さんの手は
ドラ堀手牌
こちらはドラトイツでリーチ・ピンフ・ドラ2の満貫が見えています。
ピンフならこの手は3シャンテンと早くも遅くもない中間くらいのテンパイスピードです。
ここに引きタンヤオ、赤引きで更に高くなるのは意識しておいてもいいでしょう。
ツモ打
続いて西家・小林さんの手は
ドラ小林手牌
待ちが残ればリーチのみになってしまいそうです。
ドラや赤引きを意識しつつ、タンヤオ変化も見て進めます。
ツモ打
最後に北家・東城さんの手は
ドラ東城手牌
メンツ手にはカンチャン受け入れが3つある愚形の多い手なのでメンツ手というよりも3トイツの方に注目して、4トイツならチートイツ意識で進めると良さそうです。
もし引きならイーぺーコーを見たり、引きも考えておくといいかもしれません。
次巡、多井さんは
ドラ多井手牌
3トイツでチートイツ3シャンテン、メンツ手と見ても4シャンテンとまだまだ遅い手なので守備意識でチートイツに構えておく方が後々楽かもしれません。(チートイツなら端牌や字牌を持てる分、オリやすい)
ここから多井さんは打。
同巡、小林さんは
ドラ小林手牌
マンズ四連形ができてが使える形でピンズ、ソーズでも受け入れは多いのでいくらでも変化が望めそうです。
同巡、東城さんは
ドラ東城手牌
メンツ手2シャンテン。
234三色変化は残っていますが、ピンフなら1000点、イーペーコーが付いて2000点と高い手は厳しそう。
次巡、多井さんは
ドラ多井手牌
4トイツになりチートイツ2シャンテン。
手牌にが残っていますが打とします。
これはおそらくドラなのでドラくっつきを待つパターンも含めてを持っているケースが多いと見たのかもしれません。
チートイツ作りが苦手な方に伝えたいのは、4トイツで愚形受け入れが多い時、メンツ手ではネックが多かったりターツすら多くない時にはチートイツ狙いに割り切ってみるのをおすすめします。
メンツ手でまともに進めてもテンパイスピードで他家に負けそうなら、ちょっと守備寄りのチートイツ、守備的チートイツで流局狙いかチートイツでのアガリを目指します。
解説の石橋さんは「ドラのを引いたところでメンツ手じゃ厳しいなーと。だったらチートイツで使えるしってことで切りましたね」と仰られています。
次巡、多井さんは
ドラ多井手牌
が重なりチートイツ1シャンテン、これで場に2枚切れの打。
同巡、小林さんは
ドラ小林手牌
赤やドラを引かない限りリーチ・タンヤオ2600点止まりの安手1シャンテンです。
また同巡、東城さんは
ドラ東城手牌
234三色変化も見えた東城さんは2シャンテン。
次巡、多井さんは
ドラ多井手牌
チートイツタンキ待ちテンパイ即リーチ!
は場に1枚切れで山に2枚。
同巡、小林さんは
ドラ小林手牌
ツモ打でドラ受け入れと456三色を意識しています。
ドラ引きリーチ・タンヤオ・ドラ5200なら勝負でしょうか。
次巡、小林さんがをツモ切りロン。
リーチロンドラ裏ドラ多井手牌
リーチ・七対子・赤9600の二本場、10200点のアガリ。
このアガリで
多井 45700
堀 32000
小林 400
東城 21900
多井さんが二着目に子跳満程度の点差をつけました。
ここでチートイツについてもう一度、解説します。
一般的な打ち手の意見には「親でチートイツは狙いたくない」「チートイツは嫌い」という声もあります。
そういう方はトイツ手が嫌い(トイトイ嫌いも)とか親でチートイツは受け入れが少ないから、という言葉を聞くことも少なくありません。
今回の多井さんの手が
ドラ多井手牌
この手のブロック数は、、の3ブロックしかなく、ターツも、のペン、ペンの大きなネックが2つもあります。
残りはの孤立牌でメンツ手なら5シャンテンとテンパイスピードが遅く、4人の中で一番遅い可能性が大きいです。
こんな手でメンツ手狙いしても他家からリーチが入るのが先になるのが自然でしょう。
こういうシチュエーションでチートイツ狙いすると、19字牌を中心に集めながら進めて他家からリーチが入れば切る牌に困らず流局狙い、テンパイなら押し寄りでそちらのプランでもいつでもオリられます。
シャンテン数が進むごとに、場に出た枚数が2枚<1枚<0枚の優先度で待ちになりそうなものを残します。
残す牌も、他家が使っていなさそうな牌=山にありそうな牌を優先して残します。(5<4と6<3と7<2と8<1と9<字牌の順が基本)
この順番を場況やドラなどによって修正していきます。(マンズホンイツ仕掛けの人がいたらマンズ待ちを避ける、逆転条件によってドラ待ち優先など)
チートイツ狙いの注意点はアンコになる3枚目の牌を引いた時。
その時がオリを考えるタイミングです。
以前も言いましたが、スジを多く持てば持つ程、放銃する可能性が高くなります。
スジの枚数は4枚+4枚=8枚しかありません。
そのうちの3枚、4枚、5枚と独占していると、そのスジを必要とする人はそのスジ待ちが残りやすい訳です。
今回のまとめ
・チートイツ狙いは4トイツ以上の時、ターツが少ない時、愚形受け入れが複数の時、メンツ手狙いでも4、5シャンテンのテンパイスピードが遅い時のどれかに当てはまった時にする
多井さんの手
ドラ多井二巡目手牌
多井さんの手はペンチャン残りの5シャンテンで、チートイツの3シャンテン。
ターツは1つだけとメンツを作るにも時間がかかり過ぎるのでトイツ手のチートイツへ。
チートイツ狙いで守備的に進めて流局かテンパイした時だけ押し寄りのプラン。(スピードが遅い手だから流局で御の字)
5<4と6<3と7<2と8<1と9<字牌の優先度、他家が使わなそうな順=山にありそうな順で残す。
ホンイツ・チンイツの染め手狙いの人がいるとかドラが何か、場に安い色(たくさん切られる)、現物のスジなどによってこの順を調整する。
基本的には場に2枚切れ<1枚切れ<0枚(ションパイ)の順で残す。(自分から見える牌によって他家が使いづらいなどで優先するのもOK)
・チートイツ狙いでは3枚目の牌を引いた時がオリを考えるタイミング
スジを多く一人で独占するほど(1人で3枚〜)、他家の必要牌になりやすく、相手の待ちになりやすいから。
・場はシュンツができやすい場(シュンツ場)とトイツやアンコができやすい場(トイツ場)の大きく2つに分かれる
だからツモり四暗刻がある程度の確率でできやすくなる
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