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2023年01月22日
ちょっとだけMリーグ#101
今回もMリーグの一局だけを掘り下げていきます。
今回の主役は園田 賢プロです。
まずは動画からご覧ください。
https://youtu.be/5MBacdPzElA
2022年12月15日 第2試合
南4局
東家 高宮 まり 50000
南家 松ヶP 隆弥 -1900
西家 堀 慎吾 31600
北家 園田 賢 20300
(敬称略)
トップ目・高宮さんと二着目・堀さんの点差は18400点差で、堀さん跳満ツモでも400点足りません。
つまり二着目・堀さんはリーチ棒が出て跳満ツモ(倍満OK)かトップ目に跳満直撃でトップです。
三着目・園田さんは二着目・堀さんと11300点差で跳満ロンか跳満ツモ、二着目に6400直撃で二着。
三着目・園田さんは三倍満ツモか役満ロンかトップ目から倍満直撃でトップ。
ラス目・松ヶPさんは役満ツモでもトップになれず二着まで、三着目・園田さんに跳満直撃で三着。
松ヶPさんは二着目と33500点差で二着どころか三着すら難しそうです。
最初に親・高宮さんの手は
ドラ高宮手牌
赤もドラも無いメンツ手で、ピンフか役なしリーチになりそうです。
もし役牌がトイツになったらポンして1500点もありますが、オーラスなので流局ノーテンならトップです。
ここはアガリはあまり見ず、オリきってトップで十分です。
ツモ打
次に南家・松ヶPさんの手は
ドラ松ヶP手牌
こちらもピンフか役なしリーチになりそうな赤無しドラ無しの手。
一応3トイツなので4トイツになればチートイツ意識、ピンズの形からイーぺーコーくらいは見られますが、満貫にも届かない可能性が高いです。
ツモ打
続いて西家・堀さんの手は
ドラ堀手牌
マンズ・ピンズ・ソーズの伸びによっては345三色同順などもありますが、このまま進めても役なしリーチ1300やリーチ・ピンフ2000のような手になりそうです。
ツモ打
最後に北家・園田さんの手は
ドラ園田手牌
こちらはタンヤオ・赤が見える手で、変化によっては456三色や567三色もあります。
マンズの形もドラ受け入れやイーペーコー変化もあります。
ツモ打
次巡、堀さんは
ドラ堀手牌
ソーズを全部払ってマンズホンイツも視野に入れています。
同巡、園田さんは
ドラ園田手牌
この手に、、、の4ブロックあり、後は雀頭が必要です。
メンタンピン狙いの園田さんは中張牌(2〜8)を重ねてタンヤオを確定させたいようです。
次巡、松ヶPさんは
ドラ松ヶP手牌
イーぺーコーの種ができ、4トイツでチートイツ2シャンテン。
このままチートイツテンパイでも1600点では物足りないので赤かドラを引いてタンキ待ちか重ねたい所。
次巡、園田さんは
ドラ園田手牌
3メンツ完成でのどれが重なるか精査します。
場を見ると
高宮捨牌
松ヶP捨牌
堀捨牌
園田捨牌
場にが1枚切れ、南家の、西家のからその外側は山にありそう、西家のからは持ってなさそうです。
園田さんは1枚切れで見た目上山に2枚以下の打とします。
次巡、松ヶPさんは
ドラ松ヶP手牌
チートイツや引きでリャンぺーコー変化もあります。
ドラ例1
次巡、高宮さんは
ドラ高宮手牌
ドラ待ちになっても切りスジ引っ掛けリーチかドラ引きリーチ・ピンフ・ドラ5800のどちらかになりそうです。
同巡、園田さんは
ドラ園田手牌
ここに引き受け入れを作ったり、引きフリテン受け入れができるとどうなるかを考えているようです。
場にはと切られているので雀頭をと見た時、着順アップの跳満になるかどうかも考えなくてはいけません。
園田さんはここから打。
これは引き567三色変化も意識しての打のようです。
ロンドラ例2
リーチロン例3
こんなアガリを見ているようです。
次巡、高宮さんは
ドラ高宮手牌
受け入れ1シャンテンで目一杯の形。
同巡、園田さんは
ドラ園田手牌
テンパイ即リーチ待ち。
待ちのうちは山に2枚、は2枚の合わせて2+2=4枚。
リーチを受けた他家はとオリ模様。
4巡後、松ヶPさんは
ドラ松ヶP手牌
赤2の1シャンテンで粘っています。
同巡、園田さんは
リーチツモドラ裏ドラ園田手牌
ツモォォォォォォォォォォォ!
リーチ・ツモ・タンヤオ・ピンフ・赤・ドラの跳満、3000-6000。
このアガリで
高宮 +64.0
園田 +12.3
堀 −11.4
松ヶP −64.9
園田さんは三着→二着になる跳満ツモで順位ウマ20+跳満12=32ポイント得しました。
今回のまとめ
・配牌時にアガリ形を想像して進めて、ツモに合わせて構想を何度も手直ししていく
ドラ園田手牌
雀頭を作ってタンヤオやピンフ狙い。
3巡後
ドラ園田手牌
ここに引きツモの跳満もあるが、
リーチツモドラ例4
こんな跳満もあるが、1枚切れ、南家、西家切りからは持っている可能性が低い、などを見て打。
2巡後、
ドラ園田手牌
どちらか切りの場面。
ロンドラ例2
リーチロン例3
園田さんはこの567三色跳満を想像されたようですが、私なら
リーチツモドラ例5
リーチツモ例6
例5はアンコになった時はツモれそう、
例6は3枚見えではツモれそうとなるかも。
園田さんは打。
その後ツモテンパイ即リーチ、4巡後ツモアガリ。
リーチツモドラ裏ドラ園田手牌
リーチ・ツモ・タンヤオ・ピンフ・赤・ドラ3000−6000。
二着浮上の園田さんは順位ウマ20+跳満12=32ポイント得するアガリ。
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2023年01月20日
ちょっとだけMリーグ#100
今回もMリーグの一局だけを掘り下げていきます。
今日の主役は二階堂 瑠美プロです。
まずは動画からご覧ください。
https://youtu.be/zlZw9_ycZV4
2022年12月19日 第1試合
南4局
東家 渋川 難波 3500
南家 二階堂 瑠美 46400
西家 村上 淳 15500
北家 黒沢 咲 34600
(敬称略)
二着目・黒沢さんは跳満ロンかツモでトップ。
三着目・村上さんは倍満ツモか三倍満ロンか二着目から跳満直撃で二着。
ラス目・渋川さんは3200オールツモか12000ロンで三着目(連荘)。
最初に親・渋川さんの手は
ドラ渋川手牌
ペンチャン2つ+カンチャンの手でまだ役なしリーチになりそうです。
赤もドラも無い手であまり押したくない手ですがラス親なのでアガリかテンパイを見るしかありません。
ツモ打
次に南家・瑠美さんの手は
ドラ瑠美手牌
変化によっては789三色同順もありますが、その場合はペンチャン受け入れ2つとテンパイスピードは遅くなりやすい手です。
ツモ打
続いて西家・村上さんの手は
ドラ村上手牌
この手は19牌が7枚あり、チャンタ、純チャンか123三色同順か国士無双かくらいしか狙えなそうです。
もしここから19字牌トイツが増えればホンロウ・チートイツに変化はあります。
ツモツモ切り
最後に北家・黒沢さんの手は
ドラ黒沢手牌
こちらはほぼメンツ手、赤もドラも無い4シャンテン。
雀頭ができればピンフ、マンズの形からイーぺーコー、または状況により役牌を重ねて1000点の二着確定アガリをする選択もあります。
次巡、渋川さんは
ドラ渋川手牌
雀頭候補ができました。
同巡、村上さんは
ドラ村上手牌
国士無双を見切ってチャンタ・三色か純チャン・三色方向へ。
次巡、村上さんは
ドラ村上手牌
、、、、の5ブロック揃いました。
次巡、村上さんは
ドラ村上手牌
これで純チャン・789三色・ドラの跳満〜の材料が揃いました。
ここから村上さんは打。
同巡、黒沢さんは
ドラ黒沢手牌
マンズ2ブロック+ソーズ2ブロックであと1ブロック欲しい状況。
次巡、渋川さんは
ドラ渋川手牌
このままでは1ブロック不足なのでを伸ばして2ブロックか、にくっつけて1ブロック作るかのどちらかです。
次巡、瑠美さんは
打ドラ瑠美手牌
打、これを村上さんがカンでチーして打。
チードラ村上手牌
メンゼンなら純チャン・三色同順・ドラの跳満もありましたが、4枚目のなら鳴くしか選択肢はありません。
渋川捨牌
ドラ表示牌と合わせて瑠美さんからはが4枚見えで、村上さんは瑠美さんのをスルーするとアガリ目がかなり0に近くなってしまいます。
村上さんは仕方なくを鳴かされたわけです。
同巡、黒沢さんは
ドラ黒沢手牌
引きでテンパイする1シャンテン。
もしピンフテンパイなら反撃もありそうなのでいつでもオリられるダマテンが良さそうです。
次巡、渋川さんは打、これを村上さんがポンして打1シャンテン。
ポンチードラ村上手牌
2巡後、瑠美さんは打、下家の村上さんに対してアシストするような抜き打っています。
村上捨牌
ポンチードラ村上手牌
第一打からタンヤオではない、鳴いた、からチャンタか純チャン。
純チャン・ドラでも3900~では素点回復にも狙うとは考えにくい。
だとすると789三色同順が一番ありそうです。
ピンズ789は鳴いているので789三色の残りのどれかが村上さんの鳴きたい牌(必要牌)だと考えたようです。
もしかするとその前巡から村上さんへのアシストかもしれません。
同巡、村上さんが切ったを渋川さんがポンして打。
ポンドラ渋川手牌
タンヤオ1500点1シャンテン。
渋川さんポンの直後、瑠美さんは打、これを村上さんがチーして打テンパイ。
チーポンチードラ村上手牌
カン待ちでは山に0枚。
この時瑠美さんは考えている様子。(動画4:19頃)
次巡、瑠美さんは打、これに村上さんはロン。
ロンチーポンチードラ村上手牌
純チャン・三色同順・ドラの満貫、8000点のアガリ。
このアガリで
渋川 3500
瑠美 38400
村上 23500
黒沢 34600
瑠美さんが見事、トップに輝きました。
オーラス開始時の点棒状況は
南4局
東家 渋川 難波 3500
南家 二階堂 瑠美 46400
西家 村上 淳 15500
北家 黒沢 咲 34600
(敬称略)
で、瑠美さんは12000(跳満)放銃すると二着転落があります。
ということは瑠美さんが放銃できるのは満貫まで。
それをふまえた上で瑠美さんがアシストした場面を振り返りましょう。
瑠美捨牌
村上捨牌
黒沢捨牌
渋川捨牌
ポンチードラ村上手牌
村上さんはチャンタか純チャンと思われる仕掛けでチャンタではチャンタ・三色・ドラ3900がせいぜいでドラ3枚使いでもない限り、チャンタで満貫の可能性は0に近いと推察されます。
ということは純チャン・三色・ドラなら満貫で、これなら素点回復目的の鳴きが考えられます。
それとが村上さんに1枚、場に2枚、ドラ表示牌に1枚で4枚すべてが見えています。
ということは村上さんに2メンツはありません。
村上さんにはマンズかソーズのどれかが必要牌になりそうです。
手出しとペンチャンターツを嫌っているのも、より優先するものがあった裏返しです。(を切らないようにした)
村上さんがピンズ、ソーズと鳴いたので瑠美さんはと残りのマンズからアシスト牌を選んだようです。
その後村上さんはチー。
チーポンチードラ村上手牌
は鳴いたので残りはのどれか。
次巡、瑠美さんは打で満貫差し込みが成功しました。
この純チャン・三色同順が跳満になるのはドラ3かドラ4の場合だけです。
瑠美さんの手は
ドラ瑠美手牌
ドラ1枚あり村上さんのドラ4否定、残り2枚のドラがすべて村上さんにあるとは考えづらい。
村上さん跳満の可能性がほぼ0なら満貫、瑠美さんは満貫放銃OKの判断のようです。
素点回復したい村上さんとトップ終了したい瑠美さんの利害が一致した一局でした。
今回のまとめ
・点棒状況から放銃してもいい点数を把握する
点棒状況は
南4局
東家 渋川 難波 3500
南家 二階堂 瑠美 46400
西家 村上 淳 15500
北家 黒沢 咲 34600
トップ目・瑠美さんは二着目と11800点差で跳満放銃は二着転落するので二着目以外に満貫放銃でもトップ。
・放銃したい相手の手役を正確に読み取る
村上捨牌
ポンチードラ村上手牌
村上さんは第一打からタンヤオではなさそう、鳴きからチャンタ・789三色・ドラや純チャン・789三色・ドラが考えられる。(1の三色同刻は切りと4枚切れで否定)
二着目と19100点差の村上さんは跳満ツモでも届かないので素点回復の鳴きと推測。
瑠美さんにドラ1枚あり、村上さんの跳満の可能性は0に近い。(純チャン・三色・ドラ3くらい、あとはハイテイ、チャンカンなど)
村上さんはチャンタ・三色・ドラで3900、純チャン・三色・ドラで満貫と瑠美さんは放銃可能。
ポンチードラ村上手牌
ピンズ、ソーズと鳴いたので瑠美さんはマンズとアシスト。
その後
チーポンチードラ村上手牌
を鳴いたので残りのどれかが待ちと推察。
瑠美さんは打差し込み。
ロンチーポンチードラ村上手牌
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2023年01月18日
ちょっとだけMリーグ#99
今回もMリーグの一局だけを掘り下げていきます。
今日の主役は渋川 難波プロです。
まずは動画からご覧ください。
https://youtu.be/tk6eICjpIMw
2022年12月19日 第1試合
東1局 3本場
東家 二階堂 瑠美 44900
南家 村上 淳 17700
西家 黒沢 咲 18700
北家 渋川 難波 18700
(敬称略)
東パツから親の瑠美さんが連荘して二着目と26200点差もついている断トツ状態。
子の三人は親などへ大きな放銃は避けたい場面です。(ここで放銃はラス率が高まる)
※動画の都合上、親・3巡目から見ていきます。
最初に親・瑠美さんの手は
ドラ瑠美手牌
赤もドラも無いメンツ手になりそうです。
マンズ部分がのイーぺーコーが見えるのでリーチ・ピンフ・イーぺーコーで5800になります。
二着目に26200点差つけているとはいえ、トップにはあと少し点数が欲しいのであと20000点くらいは稼ぐつもりで進めるといいでしょう。
ツモツモ切り
次に南家・村上さんの手は
ドラ村上手牌
ドラ1枚のメンツ手で、雀頭が他にできれば678三色、789三色もあります。
もし三色が付けばリーチ・ピンフ・三色で満貫あるので押し寄りかもしれません。
ツモ打
続いて西家・黒沢さんの手は
ドラ黒沢手牌
トイツでポンかアンコにするかのどちらかですが、リャンカン+カンチャンの愚形が2つで2000~2600くらいの手になりそうです。(リーチで5200程度)
この手は3シャンテンとテンパイスピードでも早くないのは意識しておいてもいいでしょう。
ツモツモ切り
最後に北家・渋川さんの手は
ドラ渋川手牌
こちらはトイツがある4トイツでチートイツ2シャンテンでトイツ手寄りです。
この手にターツはと()の2ターツしかないので4メンツを見るとテンパイスピードで遅れてしまいそうです。(4メンツにはあと5枚+アガリ牌の6枚が必要だから)
ツモ打
次巡、瑠美さんは
ドラ瑠美手牌
この手のがなら純チャン・イーぺーコー、純チャン・ドラで満貫狙いもできますが、ここはピンフ・イーぺーコーやピンフ・ドラ狙いでいいでしょう。
同巡、村上さんは
ドラ村上手牌
これで、、、、の5ブロックが揃いました。
同巡、黒沢さんは
ドラ黒沢手牌
1メンツ完成のこれで2シャンテン。
更に同巡、渋川さんは
ドラ渋川手牌
ドラ表示牌で1枚見えの打でチートイツを見ています。
次巡、瑠美さんは
打ドラ瑠美手牌
ここから打とします。
もし打としておけば引きに対応できるのと、もし純チャンを見るなら打としておけば引きを見たりドラ引きにも対応できる手もあります。
同巡、黒沢さんは
ドラ黒沢手牌
1シャンテン一番乗り。
同巡、渋川さんは
ドラ渋川手牌
1アンコでき、トイトイも見ています。
次巡、村上さんは
ドラ村上手牌
こちらもピンフ・ドラの1シャンテン。
後は一気通貫変化も残っています。
同巡、黒沢さんは
ドラ黒沢手牌
アンコができ、少し高くなりました。
2巡後、村上さんは
ドラ村上手牌
リーチ・ピンフ・ドラ待ちリーチ!
待ちはが山に0枚、が山に2枚の合わせて0+2=2枚。
リーチの次巡、黒沢さんは
ドラ黒沢手牌
村上捨牌
村上さんの捨牌から
などは待ち候補の1つです。
また、から待ちは否定されています。(はある)
黒沢さんはここから打。
同巡、渋川さんは
ドラ渋川手牌
5トイツでチートイツ1シャンテン。
次巡、瑠美さんは
ドラ瑠美手牌
引きでテンパイする1シャンテン。
同巡、渋川さんは
ドラ渋川手牌
トイトイ・三暗刻の1シャンテン。
2巡後、瑠美さんは
ドラ瑠美手牌
待ち役なし追いかけリーチ!
待ちはが山に2枚、が2枚の合わせて2+2=4枚。
この同巡、黒沢さんは
ドラ黒沢手牌
瑠美さんの待ちを重ねて即追いかけリーチ!
リーチ・・ドラ2、満貫待ち。
待ちはが山に1枚、が2枚の合わせて1+2=3枚。
この三軒目のリーチの同巡、渋川さんは
ドラ渋川手牌
トイトイ・三暗刻、ツモり四暗刻テンパイ。
ここから切りは黒沢さんに放銃、切りは村上さんへ放銃となってしまいます。
渋川さんは・・・打。
これが村上さんにロン。
リーチロンドラ裏ドラ村上手牌
リーチ・ピンフ・赤・ドラ・裏の満貫の3本場、8900点。(+2000)
このアガリで
瑠美 43900
村上 28600
黒沢 17700
渋川 9800
ここから
瑠美 +58.4
黒沢 +14.6
村上 −16.5
渋川 −56.5
という結果になりました。
この一局で気になったシーンが2つあります。
ドラ瑠美手牌
瑠美さんが待ちリーチ。
それを受けた黒沢さんは
ドラ黒沢手牌
この時の黒沢さんからは2枚(場に1枚)、2枚が見えていて、がスジで4枚、スジ8枚のうち半分が黒沢さんから見えています。
はドラスジというのもありますが、一人からこれだけ見えていると当たり牌になりやすいというわけです。
もう一つは、
ドラ村上手牌
村上さんのリーチは待ち。
そして12巡目、渋川さんは
ドラ渋川手牌
トイトイ・三暗刻、ツモり四暗刻テンパイ打で放銃となった場面。
ここでも渋川さんの目からが4枚(場1枚+手に3枚)、が1枚の合わせてスジ5枚、全体の8分の5(62.5%)が見えています。
こんな時には他家への放銃確率が一気に高くなります。
今回のまとめ
・自分からスジの牌がたくさん見えている時は放銃に注意(スジ合わせて4枚以上は要注意)
ドラ瑠美手牌
瑠美さんに待ちリーチが入り、黒沢さんは
ドラ黒沢手牌
この時の黒沢さんからは2枚(場に1枚)、2枚が見えていて、がスジで4枚、スジ8枚のうち半分が黒沢さんから見えている。
ドラスジ+4枚見えでかなり危険。
村上さんの先制リーチに
ドラ村上手牌
渋川さんは
ドラ渋川手牌
ここでも渋川さんの目からが4枚(場1枚+手に3枚)、が1枚の合わせてスジ5枚、全体の8分の5(62.5%)が見えている。
このも他家にとっては8枚中3枚しか使えず相手の必要牌になりやすくかなり当たる可能性が高い。
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2023年01月16日
ちょっとだけMリーグ#98
今回もMリーグの一局だけを掘り下げていきます。
今日の主役は茅森 早香プロです。
まずは動画からご覧ください。
https://youtu.be/9cFoZx47FA0
2022年12月12日 第2試合
南4局 2本場(供託リーチ棒1)
東家 鈴木 優 35000
南家 茅森 早香 29500
西家 萩原 聖人 6300
北家 内川 幸太郎 28200
(敬称略)
親の優さんがトップ目でノーテン流局ならトップ終了、二着目・茅森さんは3900ロンで優さんと同点トップ、700ー1300ツモ以上で逆転トップ。
三着目・内川さんは5200ロンで優さんと同点トップ、1000−2000ツモ以上で逆転トップになります。
また、大きく離れたラス目・萩原さんは役満ロンか三倍満ツモ以上でトップとかなり条件は厳しい状況です。
※この逆転条件計算について後で解説します。
最初に親・優さんの手は
ドラ優手牌
赤もドラも無い手でピンフ狙いにもペンチャン2つ+カンチャン1つで愚形受け入れが多く、役なしリーチになりそうです。
流局ノーテンでトップの優さんはオリきればトップ。
ここで優さんが5500点差二着目の茅森さん、6800点差の内川さんの逆転条件を軽くするようなリーチ棒を出すと、相手の逆転確率を高めるだけです。
ツモ打
次に南家・茅森さんの手は
ドラ茅森手牌
茅森さんはダブドラのがありますが、カンチャン+ペンチャン受け入れがあるのでもう少し変化を見たい形です。
茅森さんは3900ロンか700-1300ツモ以上でトップなのでタンヤオ・赤・ドラかリーチ・赤・ドラで条件を満たします。
もしここから中張牌(2〜8)が増えれば食いタン、それ以外ならリーチ・赤・ドラ狙いで進めます。
ツモ打
続いて西家・萩原さんの手は
ドラ萩原手牌
こちらも赤もドラも無い安手、リーチ・ピンフでも2000点と素点回復にも物足りない手になりそうです。
他家のテンパイ気配が無ければ1000点でサッとアガる選択もありそうですが、高い手になりそうもない時点でオリ寄りです。
ツモ打
最後に北家・内川さんの手は
ドラ内川手牌
内川さんは5200ロンで同点トップ、リーチ・ドラ2ならトップ条件を満たします。
ただこの手のターツが2つ、しかないのでメンツ手ではスピードで遅れてしまいそうです。
また、鳴き仕掛けで攻めるにしてもがオタ風で役なし、トイトイなら鳴けますがが鳴きづらいのでトイトイ・ドラ2なら満貫で点数的に条件を満たしますが、がネックになりそうです。(=待ちになってもアガりづらいのを意味する)
上2つのプランが難しそうなので渋々チートイツ2シャンテンと見て他家の不要牌や端牌、字牌などが重なればチートイツ・ドラ2の6400アガリを見ます。
ツモ打
次巡、優さんは
ドラ優手牌
赤を引きますが、まだまだ愚形受け入れが多い手です。
次巡、茅森さんの手は
ドラ茅森手牌
ピンズとソーズ部分の変化によってはピンフやタンヤオもあります。(ピンフは引き、タンヤオは引きなど)
次巡、優さんは
ドラ優手牌
マンズリャンカン形が埋まればピンフです。
2シャンテンまで来たらアガリを見たくなりそう。
同巡、茅森さんは
ドラ茅森手牌
かのどちらかが雀頭になりそうです。
同巡、内川さんは
ドラ内川手牌
1メンツ完成でリーチ・ドラ2、5200を見ているようです。
次巡、優さんは
ドラ優手牌
カンチャンが埋まり、リーチ・ピンフ・赤で5800以上もある1シャンテンですが、リーチ棒はあまり出したくない点棒です。
次巡、茅森さんは
ドラ茅森手牌
くっつきに良い残し、ペンチャン落としの打。
マンズ2〜3ブロック+ピンズ1〜2ブロック+ソーズ1ブロックの構想のようです。
同巡、萩原さんは
ドラ萩原手牌
カンチャンが埋まりましたが雀頭が無く、2シャンテンのまま。
同巡、内川さんは
ドラ内川手牌
ちょっと遅いですがタンヤオ・ドラ2やリーチ・ドラ2を見て打2シャンテン。
次巡、優さんは
ドラ優手牌
テンパイすればダマでも5800の1シャンテン。
同巡、茅森さんは
ドラ茅森手牌
こちらもタンヤオ2シャンテン。
同巡、内川さんは
ドラ内川手牌
シャンポン受けいれを残せば2シャンテンですが、食いタン目も残してか打。
タンヤオやピンフの3シャンテンにダウン。
次巡、茅森さんは
ドラ茅森手牌
シャンポン待ちスジひっかけの形も意識してか、打。
同巡、萩原さんは
ドラ萩原手牌
ピンフ1シャンテン。
ここで萩原さんが切ったを茅森さんがポンして打。
ポンドラ茅森手牌
チーでテンパイするタンヤオ・赤・ドラ、1シャンテン。
このポンの直後、萩原さんは
ドラ萩原手牌
もしタンヤオテンパイなら打でを切らずに済みます。
ここで萩原さんが切ったを内川さんがチーして打。
チードラ内川手牌
それでもまだ2シャンテンと一人だけスピードで遅れています。
次巡、萩原さんは
ドラ萩原手牌
ピンフテンパイ、待ち。
待ちのうちは山に3枚、は1枚の合わせて3+1=4枚。
次巡、優さんは萩原さん現物のスジツモ切り。
これを茅森さんがチーして打テンパイ。
チーポンドラ茅森手牌
タンヤオ・赤・ドラ3900テンパイ待ち。
待ちのうちは山に1枚、は0枚の合わせて1+0=1枚。
次巡、茅森さんは
ツモチーポンドラ茅森手牌
タンヤオ・赤・ドラ、1000-2000の2本場、1200-2200ツモアガリ。(+1000)
3900ロンなら同点トップですが、これなら文句なしの単独トップ。
最後のをツモって最高のアガリをゲットしました。
このアガリで
優 32800
茅森 35100
萩原 5100
内川 27000
優さんをまくってトップ。
今局最初に二着目・茅森さんと三着目・内川さんのトップ条件を出しました。
トップ目の優さんは微差のトップ目で、直撃を避けてオリる可能性が高いです。
それと優さんはトップ条件を軽くするだけなので、リーチ棒も出したくない状況です。
点棒状況は
南4局 2本場(供託リーチ棒1)
東家 鈴木 優 35000
南家 茅森 早香 29500
西家 萩原 聖人 6300
北家 内川 幸太郎 28200
(敬称略)
トップ目と二着目の点差は5500点。
ここで積み棒は2本場でリーチ棒1本あります。
供託リーチ棒はアガった人しか貰えない(放銃した人はリー棒分のマイナスはない)ので5500-1000=4500点差。
この4500差を縮めるアガリが何になるか?を計算します。
まずトップ目直撃以外の出アガリ(ロン)から計算してみます。
ロンの場合、アガリ+本場分=4500以上になればOKです。
今回は2本場=600点で4500-600=3900。
つまり茅森さんは3900以上ロンでトップと出ます。
次にツモアガリの場合。
これもリー棒分をマイナスした4500点差が縮まるアガリを探ります。
ツモアガリ時の本場はアガった人:本場×300プラス、ツモられた3人:本場×100マイナスが3人となります。
つまり2本場でツモアガると+300×2=+600され、他家は−100×2=−200点されます。
ということはアガった人とアガられた人では600−(−200)=800点、本場だけで縮まります。
さっきリー棒分を引いた点差が4500点、そこから本場で縮まる800点を引き4500−800=3700点。
結果、3700点差以上縮まるアガリがトップ条件です。
親と3700以上変わるツモアガリは700−1300。
アガった人は700×2+1300=2700点プラス。
ツモられた親は1300点マイナス。
2700−(−1300)=4000点縮まります。
ツモアガリの条件は700-1300です。
これでトップ条件の計算は難しくなくなりました。
今回のまとめ
・オーラス、積み棒がたくさんある時、最初に供託リーチ棒をトップ目との点差から引く
トップ目と二着目の点差は35000−29500=5500点差
ここからリーチ棒を引き、5500-1000=4500点差とする(これがアガリ+本場の差になればいい)
・リーチ棒を引いた点差から、本場を引く
4500−300×2(2本場)=3900点差
これが本場などを除いたアガリになれば条件、ロンなら3900以上
・ツモアガリ時はアガった人に本場×300プラスされ、他家は本場×100マイナスされるのでそれを除く
4500−2×300−2×100=3700
3700点縮まるアガリを探すと、700-1300ツモ
これで二着目は700-1300ツモ以上が条件
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2023年01月13日
ちょっとだけMリーグ#97
今回もMリーグの一局だけを掘り下げていきます。
今日の主役は多井 隆晴プロです。
まずは動画からご覧ください。
https://youtu.be/T8P-zkauxEE
2022年12月1日 第2試合
東2局
東家 二階堂 瑠美 24000
南家 多井 隆晴 30000
西家 鈴木 優 24000
北家 岡田 紗佳 22000
(敬称略)
まだ東場なので点差は意識しなくて構いません。
ざっくりとトップ目と○○点差あるな、程度で十分です。
ラス目とトップ目の点差は子・満貫分の1アガリで届きます。
※動画の都合上、1巡目・南家から見ていきます。
最初に南家・多井さんの手は
ドラ多井手牌
この手は4トイツでチートイツ2シャンテンですが、ここからメンツを作ろうとしてもと2メンツ候補しかありません。
4メンツ作るには遠いのでチートイツの方が早そうです。(4メンツにはここにメンツになる最低6枚引く必要があるから)
ツモ打
次に西家・優さんの手は
ドラ優手牌
赤もドラも無い手でリーチ・でも2600止まりであまり高い手にならなそうです。
これをメンツ手と見るなら5シャンテンと他家よりテンパイスピードは遅く、あまり攻める手に見えません。
ツモ打
続いて北家・岡田さんの手は
ドラ岡田手牌
赤1枚のメンツ手4シャンテン。
ペンチャン2つ+リャンメン2つと愚形受け入れが目立つ、テンパイスピードで遅れそうな手です。
こちらも西家・優さんのようにリーチ・赤2600点くらいになりそうです。
ペンチャン受け入れ2つあるのでピンフは厳しい、やからタンヤオにもならなそうで役なしリーチになるのが精一杯といった所。
ツモ打
次巡、親の瑠美さんの手は
ドラ瑠美手牌
トイツがあり・赤・ドラで5800、リーチ・赤・ドラで7700と打点は十分。
ただ形的にリャンカン、ペンチャン、カンチャンの愚形3つがあるのでテンパイスピードで遅れやすく、他家リーチを受ける可能性が高い状況です。
ツモ打
同巡、優さんは
ドラ優手牌
3トイツの4シャンテン。
2巡後、多井さんは
ドラ多井手牌
5トイツになりチートイツ1シャンテン、ここから打。
素直に1シャンテンに取りました。
同巡、優さんは
ドラ優手牌
ペンチャンが埋まり、3シャンテン。
次巡、多井さんは
ドラ多井手牌。
多井さんの目から2枚見え、3枚見えでは山にありそうに見え、待ちとしてもタンキは良さそうです。
情報の少ないピンズよりはマンズの方が良さそうです。
ここは打。
次巡、瑠美さんは
ドラ瑠美手牌
ペンチャンが埋まり、123三色同順もある2シャンテン。
同巡、多井さんは
ドラ多井手牌
岡田さんの捨牌に、瑠美さんの捨牌にがあり、を使っている人は優さん以外はいなさそうです。
同巡、優さんは
ドラ優手牌
2シャンテン。
次巡、多井さんは
打ドラ多井手牌
2人が使っていない可能性が高いタンキなら出アガリできると見たようです。
同巡、優さんは
ドラ優手牌
次にツモでテンパイする1シャンテン。
次巡、多井さんはツモでタンキを選択していればツモアガリです。
同巡、優さんは
ドラ優手牌
待ち、高目で三暗刻が付くリーチ・・赤、6400~12000の手でリーチ!
待ちは山に1枚、は3枚の合わせて1+3=4枚。
優捨牌
もしリーチがリャンメン待ちだとすると、、を否定していて、も否定しています。
1枚も切られていないソーズ待ちが一番怪しいですが、や、カンなども注意です。(から打リーチ)
リーチの一発目、多井さんは
打ドラ多井手牌
ドラを引き、打で回って1シャンテン戻し。
ここで河野直也プロが
「リーチが入ってなかったら切ってリーチとか切ってヤミテンとかあったと思うんですけど、
このトップ目に立ってリーチになってからは切りか切りかどっちかな?ってちょっと見たかったんですよね。
(中略)多井さんなら『こういうのをヤミテンにしたのもこういう事もあるからだよ』っていうのを教えてくれているような・・・」
と解説されています。
次巡、多井さんは
ドラ多井手牌
が浮いている1シャンテン。
次巡、多井さんは
ドラ多井手牌
ソーズよりは切りやすい打、チートイツ・ドラ2、タンキ待ちテンパイ。
待ちは山に2枚。
次巡、多井さんはツモ切りヤミテン続行。
その次巡もツモ切り、また次巡もリーチ現物のスジ手出しで押しています。
次巡、多井さんは
ツモドラ多井手牌
ツモ・チートイツ・ドラ2、2000−4000。(+1000)
優さんの当たり牌を使い切っての満貫ツモアガリです。
リーチの一発目、もし多井さんが切りせず切りヤミテンドラタンキなら、で放銃する世界線もありました。
もし私の手順なら、
ツモドラ例1
このタンキをダマツモ、800−1600と満貫すらアガれていません。
試合後のインタビューで多井さんは
「(でオリてなければ優さんへ放銃だったが)Beautiful!それだとBeautiful!(美しい)かなりBeautiful!かなり美しい。
(カメラが笑う岡田さんを抜く)そうだったんですか、まあ危ないとは思ってましたけど。」
多井さんならかなり当たり牌だろうと推察の上でを切ったと思われます。
↓この局の本人による牌譜検討はこちら。
多井プロの牌譜検証『ザ・パーフェクトセブンペアーズ』(チートイツ)
https://youtu.be/JLA2ofjj2QY?t=1245
多井さんのこの局の捨牌が
多井捨牌
は通常の捨牌と変わりませんが、と真ん中(5)に近い牌ばかり切られています。
はくっつきを見るにも良い牌で、タンヤオでもピンフでも必要牌です。
ということは通常のメンツ手ではない、トイツ手などの変則手(チートイツ、トイトイ、チャンタ等)だと推測できます。
チートイツの待ちは必ずタンキ待ちになり、その枚数も最大で3枚と、リャンメン待ちよりも枚数で下回るケースが多くなります。
つまりリャンメン待ち相手のめくり合い(リーチ合戦)になると五分の勝負とは言えず、リャンメン5枚対タンキ2枚、リャンメン4枚対タンキ1枚など枚数的に不利な勝負になりがちです。
特にチートイツドラタンキ待ちでは他家にドラを押さえられて流局のケースが増えます。
今回の多井さんのケースではドラが重なり6400以上が確定したのでは押したようです。
今回のまとめ
・チートイツと通常のリーチとのリーチ合戦では、チートイツはタンキ待ちで最大3枚(大抵は1〜2枚が多い)でチートイツ側が枚数的に不利になりがち
今回の多井さんのようにどうしても放銃したくない場合はダマテン(ヤミテン)をおすすめ(いつでもオリられるから)
点棒状況などによりリーチする時は放銃の覚悟を
・チートイツ(七対子)狙いは他家が使ってなさそうな牌を重ねたり待ちにする
5<4と6<3と7<2と8<1と9<字牌
チートイツ狙いでは1枚でも場に切られたものから切っていくのが基本で、↑の優先順位で残す
ドラや場に安い色、自分の現物のスジなどでこの順番は変わる
ドラ多井手牌
多井さんは7巡目、打したが、+場に1枚の3枚見えでここが他家に使いづらいから残すのをおすすめ(実際は山に1枚だった)
・メンツ手ではなさそうだと思ったらトイツ手
多井捨牌
捨牌のはタンヤオでもピンフでも使いやすい牌でくっつきにも良い牌が不要になるのはメンツ手狙いではなさそう=変則手
チートイツやトイトイ、チャンタなど通常のメンツ手ではなさそう
リャンメンターツ落としもヒント
リャンメンターツより優先するものがある→タンヤオやピンフではなさそう→トイツ手?→チートイツかトイトイ
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2023年01月11日
ちょっとだけMリーグ#96
今回もMリーグの一局だけを掘り下げていきます。
今日の主役は東城 りおプロです。
まずは動画からご覧ください。
https://youtu.be/kJ4UsNc_rVk
2022年11月25日 第2試合
東4局
東家 白鳥 翔 20900
南家 萩原 聖人 13800
西家 渋川 難波 37800
北家 東城 りお 27500
(敬称略)
渋川さんがトップ目で二着目に10000点差ついていますが満貫ツモで追いつかれる程度です。
二着目と三着目の差も満貫程度、三着目とラス目の差も満貫程度です。
※動画の都合上、2巡目・親から見ていきます。
最初に親・白鳥さんの手は
ドラ白鳥手牌
こちらは赤もドラも無いメンツ手3シャンテン。
ここからテンパイしてもリーチ・ピンフ2900程度で終わってしまいそうです。
まだ三着目で点棒の欲しい白鳥さんは連荘したい所ですが、赤やドラが他家にある可能性が高いので放銃すると高い手になりやすいので注意です。
白鳥さんは早くもなく高い手でも無いので引き気味が良さそうです。
ツモ打
次に南家・萩原さんの手は
ドラ萩原手牌
こちらは4トイツでチートイツ2シャンテン。
この手にはターツがマンズしかないのでメンツ手ではテンパイスピードで遅れてしまいそうです。
ドラが重なるとリーチ・ツモで跳満なのでその時は押し寄りかもしれません。
萩原さんに役牌トイツがありますが、これをポンしても残りのトイツのうち2つが鳴きづらいトイツ(3〜7)なのでトイトイというよりはチートイツ寄りです。
ツモ打
続いて西家・渋川さんの手は
ドラ渋川手牌
ドラ1枚あるもののメンツ手4シャンテン、、のペンチャン2つが大きなネックでここが埋まりにくく、テンパイスピードで遅れやすくなります。
渋川さんはこのまま進めてもネック2つで他家に遅れやすいので他家リーチが入るとオリられるように現物を確保しておくのが良さそうです。
最後に北家・東城さんの手は
ドラ東城手牌
こちらは赤1枚のメンツ手になりそうな4シャンテンですがピンフやタンヤオ、ピンズの形からイーペーコーなどを見ます。
ツモ打
次巡、白鳥さんは
ドラ白鳥手牌
3トイツのカンチャン3つでスピードは遅そうです。
同巡、渋川さんは
ドラ渋川手牌
ペンチャン+カンチャン残りで役なしになりそうです。
もしここからドラが重なれば食いタンヤオ・ドラ2、リーチ・ドラ2の3900~5200を見て進めます。
また同巡、東城さんは
ドラ東城手牌
部分の変化を見たいですが、、、5ブロックが揃っています。
ピンズは+ではなく+2ターツとして見て、2枚あるのでその周辺の牌を引いた2メンツ完成やイーペーコー、待ちにする事も考えます。(の外側は山にありそう)
次巡、東城さんは
ドラ東城手牌
さっき私が言いましたを引き、ピンズ2メンツになりそうです。
次巡、白鳥さんは
ドラ白鳥手牌
白鳥さんから2枚見え、3枚見えで山にがあると判断したようです。
トイツの打。
同巡、東城さんは
ドラ東城手牌
ができ、待ちになれば強い待ちです。(アンコで他家はを使いづらくアガりやすいから)
次巡、渋川さんは
ドラ渋川手牌
安全牌として2枚切れを抱えた1シャンテン、でテンパイです。
次巡、萩原さんは
ドラ萩原手牌
なかなか手が進まない萩原さんは危険牌を先切りでも良さそうです。
東城さんの必要牌、カンが山にあと1枚。
同巡、東城さんは
ドラ東城手牌
1メンツ完成でここから1枚切る場面。
場にが2枚切れ、はションパイ、が1枚切られています。
が待ちになった時の、が待ちになった時のが2枚切られて待ちとして少し弱くなっています。
現時点でソーズ1〜5部分のヒントが少ないので私なら後の変化も含めて(引き)ソーズは残してピンズを切りたい場面です。
東城さんはここから打。
これではほとんどのソーズを切ることになります。
※この場面について後で解説します。
次巡、東城さんは
ドラ東城手牌
裏目ツモで場に3枚切れになったのを見て打。
2巡後、白鳥さんは
ドラ白鳥手牌
4枚目のが切られて山に0、アンコにならなくなり打。
白鳥さんのカンやは純カラでこの手が進みにくくなっています。
同巡、萩原さんは
ドラ萩原手牌
役なし1シャンテン。
次巡、東城さんは
ドラ東城手牌
場に4枚切れ、3枚目のが切られての受け入れは少なくなってしまいました。(見た目上は山に2枚、1枚、3枚の計6枚だけ、実際は2枚しかない)
ノーテンからドラ切りを嫌った東城さんは打。
引きを見ながらあわよくばドラ重なり満貫も見ています。
次巡、白鳥さんは
ドラ白鳥手牌
タンヤオ・赤1シャンテン。
同巡、東城さんは
ドラ東城手牌
打ドラダマテン。
リーチしないのはドラポンされるかどうかなど、様子見のようです。
ここでタンヤオ・ドラ3の満貫でも放銃すると、トップ目渋川さんを追う立場から転落してしまいます。(満貫放銃で19500、ラス目と5700点差)
次巡、ドラポンがなくなった東城さんはツモ切りリーチ!
次巡、東城さんは
リーチ一発ツモドラ裏ドラ東城手牌
リーチ・タンヤオ・一発・ツモ・赤・裏の跳満、3000-6000。
このアガリで
白鳥 14900
萩原 10800
渋川 34800
東城 39500
一時的にトップに立った東城さんの一局をお伝えしました。
この半荘のオーラスは#92にあります。
ここで東城さんが打した場面(7巡目)をおさらいしていきます。
ドラ東城手牌
マンズメンツ完成でタンヤオ・赤の1シャンテン。
1シャンテン維持ならのどれかですが、トップ目と10300点差で東城さんは満貫以上が欲しい場面です。
点数の欲しい東城さんはメンツを作るかトイツにしたい。
ということは選択は打のどちらかになりそうです。
打した場合、
ドラ例1
この1シャンテンになり、テンパイするのはで、見た目上2枚、2枚、2枚、3枚、4枚、3枚、2枚、3枚の合わせて8種21枚。
打の場合は
ドラ例2
ここに引きテンパイになります。
見た目上2枚、2枚、2枚、3枚、4枚、3枚、4枚、3枚の見た目上は8種23枚あります。
つまり見た目上の受け入れ枚数では打よりも打の方が優れています。
基本的にアンコ+ターツがある時()はターツの牌を切らないようにすると受け入れ枚数は多くなりやすいと言えます。
それはアンコが1つあるだけでそれが雀頭にもアンコにも使えるからです。(アンコから1枚切る→雀頭)
後は7巡目の時点でが共に場に2枚切れで、が待ちになった時の強さが少し失われています。
そういう理由から東城さんの7巡目は打よりも打が受け入れ枚数で少し優れています。
ドラ東城手牌
東城さんのこの手でやは待ちになると強い形で待ちの外側、待ちの外側は他家の不要牌になりやすく切られやすいが7巡目でどちらも2枚切れで弱くなっています。
2回前、#94で「自分の待ちが目に見えて少ない時は一旦ダマテンの選択、手替わり待ちをおすすめ」というのがありましたが、今回の、部分が微妙になりここを待ちにしないのをおすすめします。
今回のまとめ
・アンコ+ターツの手ではターツを切らないようにすると受け入れ枚数が多くなりやすい
ドラ東城手牌
東城さんの7巡目、東城さんは打したが、ここは打が受け入れ枚数で勝る。
打は
ドラ例1
でテンパイする8種21枚。(見た目上)
実際は11枚。好形待ち率ではこっちが上
打は
ドラ例2
でテンパイする8種23枚。(見た目上)
実際は10枚。
アンコ(暗刻)があるとアンコのまま使うパターンと1枚切って雀頭のパターンの両方で使える。
のターツ部分を切ると受け入れ→のみになったり大きく受け入れ枚数を減らしやすい。
・待ちになると強い部分でも、複数枚切られるとランクダウン
ドラ東城手牌
やは待ちになると強い形だが、2枚切れ、2枚切れと待ちの外側で切られやすい部分が減り、待ちとしても弱くなる。(つまり切るならこの部分から)
強い形でも、受け入れの牌が複数切られるとそこを嫌う(切る)選択をおすすめ
#94と近い話だがテンパイかノーテンの違いで、(未来の)待ち牌が複数切られると手替わり待ちをおすすめ
https://fanblogs.jp/tccdesu/archive/343/0
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2023年01月09日
ちょっとだけMリーグ#95
今回もMリーグの一局だけを掘り下げていきます。
今日の主役は堀 慎吾プロです。
まずは動画からご覧ください。
https://youtu.be/vvIdqTElcV0
2022年11月14日 第1試合
東4局
東家 萩原 聖人 25800
南家 伊達 朱里紗 39000
西家 近藤 誠一 21000
北家 堀 慎吾 14200
(敬称略)
伊達さんが二着目と跳満ツモ差程度のトップ目、二着目と三着目が1アガリで変わる程度、ラス目・堀さんは三着目と満貫近い差が開いています。
最初に親・萩原さんの手は
ドラ萩原手牌
ソーズ8枚+字牌3種でソーズだけで3ブロックあるので字牌が重なるかソーズターツが増えればソーズホンイツになります。
もしホンイツにならなくても赤+ドラでリーチ・ピンフ・赤・ドラかリーチ・タンヤオ・赤・ドラで満貫になりそうです。
ツモ打
次に南家・伊達さんの手は
ドラ伊達手牌
こちらも赤+ドラがありリーチ・ピンフ・赤・ドラやリーチ・タンヤオ・赤・ドラで満貫。
役なしリーチ・赤・ドラで5200とそれなりの手になりそうです。
ツモ打
続いて西家・近藤さんの手は
ドラ近藤手牌
これはトイツがありポンした・ドラ2000点になりそうです。
この手は3トイツでメンゼンの場合は受け入れ枚数が少なく、テンパイに時間がかかりやすくなります。(トイツの受け入れが2枚しかないから)
あまり高い手になりにくい手なのを意識しつつ進めます。(いつでもオリの構え)
ツモ打
最後に北家・堀さんの手は
ドラ堀手牌
この手はマンズ8枚+字牌3種でマンズと字牌が増えればマンズホンイツ、また一気通貫の必要牌7枚があり一気通貫もあります。
あとはリーチ・ピンフ・赤・ドラで満貫など、満貫程度になりそうです。
ツモ打
次巡、萩原さんは
ドラ萩原手牌
ネックのペンが埋まり、ピンフ狙いも良さそうです。
次巡、萩原さんは
ドラ萩原手牌
近藤さんのが出るまであと一歩になった1シャンテン。
次巡、伊達さんは
ドラ伊達手牌
ピンズが不安定な形で、マンズはドラ表示牌のスジが必要で、マンズ2メンツか3メンツかまだはっきりしていません。
同巡、堀さんは
ドラ堀手牌
マンズ3メンツ+ピンズ1メンツか、マンズ2メンツ+ピンズ1メンツ+ソーズ1メンツのどちらかになりそうですが、マンズを引くかどうかがこの手の要です。
ここで堀さんが切ったを近藤さんがポンして打。
ポンドラ近藤手牌
・ドラ2000点の1シャンテン。
次巡、伊達さんは
ドラ伊達手牌
ここにがあれば一気通貫。
特にドラ表示牌は最初から1枚少ないのでその薄さを意識しながら進めます。
同巡、堀さんは
ドラ堀手牌
ツモで345三色同順・タンヤオ・赤・ドラの2シャンテン。
2巡後、伊達さんは
ドラ伊達手牌
ネックの1つカンが埋まり、一気通貫2シャンテン。
次巡、萩原さんは
ドラ萩原手牌
雀頭ができテンパイ即リーチ!
リーチ・ピンフ・赤5800の待ち。
待ちは山に2枚、は1枚の合わせて2+1=3枚。
親リーチの一発目、伊達さんは、近藤さんは切り、堀さんは当たり牌ツモ打。
ドラ堀手牌
堀さんの手には萩原さんの当たり牌が浮いています。
次巡、近藤さんは
ポンドラ近藤手牌
シャンポン待ちテンパイ。
待ちは山に1枚、は1枚で合わせて1+1=2枚。
同巡、堀さんは
ドラ堀手牌
萩原捨牌
ここから1枚切る場面。
現物なら、押し返す攻撃100%なら切りといった所ですがまだオリたくない堀さんは打。
※この場面については後で解説します。
次巡、堀さんは
ドラ堀手牌
ここから打のトイツ落とし。
マンズ受け入れを諦め、オリを選択。
次巡、近藤さんは
ツモポンドラ近藤手牌
ツモアガリ、・ドラ500-1000。(+1000)
この試合は堀さんが終始苦しそうな展開で進み、オーラスは堀さんが近藤さんを二着→三着に突き落とす満貫をアガりますが、伊達さんへの一発放銃12000が響きラス。
伊達 +66.5
萩原 + 0.5
近藤 −20.7
堀 −46.5
改めて堀さんが打した場面。
ドラ堀手牌
萩原捨牌
堀さんから見えているマンズは1枚、が手に2枚+ドラ表示牌1枚=3枚、2枚、2枚、2枚。
ここでが当たるケースを考えてみましょう。
は3枚見えでワンチャンス。
はともに2枚ずつ見えでツーチャンス。
はリーチ宣言牌でドラ切りしてわざわざペンチャン待ちにするのか疑問です。
残りのシャンポン待ちとタンキ待ちは2枚見えで可能性は薄そうです。
もし萩原さんがドラまたぎ待ちであれば5枚見えでここが本命になりそうです。
萩原さんのドラが孤立牌なら、、、、、、辺りに注意です。
試合後のインタビューで堀さんは
「(と切った東4局について)勿論あの自分もそこそこいい手なんだけど
あの形のまま全部押して押してマンズ押してって
もう(テンパイ)張る前にもう3スジ押さなきゃいけない事が確定していて
ちょっとそれはねあまりにも3スジで済む事がほとんどないので
もっと押す事になるので
あの2シャンテンから全部行くっていうのは厳しいなと思ったんですけど
抜いたっても結局アンパイ(安全牌)は1枚も無いんで
で次詰まってもうアガリが無くなった手から1枚切るっていうのがすごく損に思えたんで
比較的通りやすいワンチャンスのを切ってそれが通って
次のツモが有効牌だったらまっすぐ
次のツモが危険牌だったらとか切っていってオリよう、みたいな思考でした。」
他のプロでも結局オリそうな場面ですが、ここまで切った後の方針が明確に決まっていて、言語化できる存在がどれだけ居るのか個人的に気になります。
堀さんの手はタンヤオや345三色2シャンテン、ここから、マンズなど無スジ3枚以上を切る必要がありそれなりの手とはいえ押すリスクとリターンが見合ってないからオリた、という判断のようです。
今回のまとめ
・自分の手の高さ、シャンテン数、受け入れの形などを総合して押し引きを考える
萩原捨牌
萩原さんリーチに対し、堀さんの手は
ドラ堀手牌
堀さんから3枚見え(ドラ表示牌含む)、2枚見え、2枚見え、2枚見えで
を切る場合
はワンチャンス
はツーチャンス
はドラ切りペンチャン待ちにするのか疑問
シャンポン待ち、タンキ待ちは2枚見えで薄い
つまりは比較的通りやすそう
もしドラまたぎなら5枚見えでここが本命
2シャンテンからマンズと3枚以上切らないとテンパイしないリスクはこの手のリターンに見合っていないからオリ
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2023年01月07日
ちょっとだけMリーグ#94
今回もMリーグの一局だけを掘り下げていきます。
今日の主役は小林 剛プロです。
まずは動画からご覧ください。
https://youtu.be/CLBuhztU09Q
2022年11月29日 第1試合
南2局
東家 小林 剛 13500
南家 松ヶP 隆弥 -1000
西家 近藤 誠一 62000
北家 日向 藍子 25500
(敬称略)
トップ目・近藤さんはデカトップになりそうな独走状態、二着目・日向さんが三着目に子・跳満差、その三着目・小林さんもラス目・松ヶPさんと14500点差とそれぞれ大きく点差が開いています。
三着目で二着目と12000点差の小林さんは4000オールツモで二着目になれます。
最初に親・小林さんの手は
ドラ小林手牌
赤1のピンフ狙いしてマンズが伸びればイーぺーコー狙い、リーチ・ピンフ・イーぺーコー・赤なら12000。
ツモ打
次に南家・松ヶPさんの手は
ドラ松ヶP手牌
赤もドラも無いリーチのみ1300点になりそうな4シャンテンです。
役なしになりそうなので赤やドラを引いて少しでも素点回復できるような手(リーチ・赤・ドラやリーチ・ツモ・赤2など)をアガりたい場面です。
ここでアガれるとオーラス逆転三着もあります。
ツモ打
続いて西家・近藤さんの手は
ドラ近藤手牌
赤もドラも無いメンツ手5シャンテンならのんびり進行で遠いタンピンを見ながらでいいかもしれません。
断トツ目の近藤さんは無理してアガらなくていい場面。
ツモ打
最後に北家・日向さんの手は
ドラ日向手牌
ピンズ7枚+役牌トイツ1つで他に字牌トイツがあれば5ブロックになります。
、、、で4ブロックある。
こういう手の字牌はオタ風でも1枚も切らないようにしてどれかが重なると全部鳴いてホンイツ・役牌・ドラの満貫狙いでOKです。
ツモ打
次巡、小林さんが打、これを日向さんがポンして打。
ポンドラ日向手牌
ポンの直後、小林さんは
ドラ小林手牌
ソーズで一番良い所を引き、2シャンテン。
マンズが微妙な形なので周りか周りを引いてハッキリさせたい所です。(を引いてソーズ待ちか引き待ちが理想)
同巡、近藤さんは
ドラ近藤手牌
ここで切ったを日向さんがチーして打。
チーポンドラ日向手牌
ピンズホンイツ2シャテン。
チーの直後、小林さんは
ドラ小林手牌
ツモでテンパイする1シャンテン。
同巡、近藤さんは
ドラ近藤手牌
4トイツでタンヤオ・チートイツ2シャンテン打、これを日向さんがポンして打1シャンテン。
ポンチーポンドラ日向手牌
3巡後、小林さんは
ドラ小林手牌
ピンフ・赤・イーぺーコーもある高目5800ダマテン待ち。
※このダマテンについては後で解説します。
同巡、近藤さんは
ドラ近藤手牌
チートイツ1シャンテン。
次巡、小林さんは日向さんのピンズホンイツにも臆せずツモ切り。
3巡後、小林さんは
ドラ小林手牌
テンパイ、打リーチ!
ドラ小林手牌
待ちリーチ・赤、3900点。
次巡、小林さんは
リーチ一発ツモドラ裏ドラ小林手牌
リーチ・一発・ツモ・赤の4000オール。
ここで小林さんがテンパイした場面を振り返ってみましょう。
ドラ小林手牌
ここから1枚切る場面ですが、選択肢は打の4つあります。
まず1:は
例1
シャンポン待ちで見た目上の枚数は2枚と1枚の2+1=3枚以下。
は良い待ちですがが1枚以下と枚数が少な過ぎます。
次に2:は
ドラ例2
待ちは変わらずイーぺーコーが消え、はともに3枚見えで切るはワンチャンスと安全度は高めです。
一翻下がるデメリットがあり、選ばなそうです。
3:続いて切りは
ドラ例3
これは小林さんが選んだもので待ち。
見た目上は2枚、は3枚、は1枚の合わせて2+3+1=6枚以下。
最後に4:切りは
ドラ例4
待ちピンフ・イーぺーコー・赤、高目5800です。
待ちのうち見た目上はが3枚、が1枚の合わせて3+1=4枚以下。
場に2枚切れなのもあり、待ちに不安が残ります。
小林さんがリーチする前の捨牌を見ると
小林捨牌
松本手牌
近藤捨牌
日向手牌
場にが4枚切れ、が3枚切れでを使っている人はいなさそう、は山にありそうです。
つまりと何かの待ちならめくり合い勝負に勝機ありと考えたのかもしれません。
試合後のインタビューで小林さんは
「日向さんが注目を浴びててが3枚見えで
今なら出るかなって
リーチしても日向さんとのめくり合い(ツモり合い)ならまだノーテンかもしれないしなんとかなる・・・
ダマってるなら全員選んで切るような待ちだと!
残り少ないを手から選んでもらえるチャンスが大事だと思うんで
で5800アガればかなり大きい・・・
ダマってたんですがそろそろこっちも目立ってきてるし
手から選ばれることは無いのかなと思った所に
がリーチしても凄い良さそうな待ちで
日向さんに通りそうなのに誰も切ってないが特に凄い良くて
こっちの方がアガリ率高いのかなと思ってリーチしました。」
待ちはが3枚、1枚、2枚の山に6枚。
日向さんの満貫はありそうなピンズホンイツ仕掛けが目立っている中、染め色ではないソーズ待ち、場に2枚切れであまり良くない待ちと考えてダマテンにとった小林さん。
の場況が良さそうだと思った所に待ちテンパイ即リーチになり一発ツモ4000オール。
小林さんの狙いとツモがマッチした一局です。
今回のまとめ
・自分の待ちが目に見えて少ない時は一旦ダマテンの選択、手替わり待ちをおすすめ
ドラ小林手牌
小林さん最初のテンパイは待ちだが場に2枚切れでは山に3
枚以下、は1枚以下で合わせて3+1=4枚以下なのが見えているからダマテン(実際は山に1枚、1枚の合わせて2枚だけ)
・ホンイツ・チンイツの一色に染めている人がいる時はダマテンにとる手もある
日向さんがピンズホンイツ仕掛けでそれ以外のマンズやソーズなら切られやすいから
ポンチーポンドラ日向手牌
・場況から山にある可能性が高い牌、他家が使っていない牌を見つけて待ちにする
小林捨牌
松ヶP捨牌
近藤捨牌
日向捨牌
捨牌から4枚切れ、3枚切れで他家はを使ってない可能性が高く、山にありそう。
ドラ小林手牌
小林さんは待ちリーチ。
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2023年01月05日
ちょっとだけMリーグ#93
今回もMリーグの一局だけを掘り下げていきます。
今日の主役は岡田 紗佳プロです。
まずは動画からご覧ください。
https://youtu.be/xFTtfFmE4rE
2022年12月5日 第1試合
南1局
東家 松本 吉弘 26600
南家 滝沢 和典 26500
西家 岡田 紗佳 31300
北家 魚谷 侑未 15600
(敬称略)
魚谷さんが三着目と満貫ツモ差程度のラス目、二着目と三着目が100点差でトップ目と4700点、4800点差と1アガリでまくれる(逆転する)差です。
トップ目・岡田さんは二着目・三着目を突き放すようなアガリが欲しい場面。
最初に親・松本さんの手は
ドラ松本手牌
赤1の4トイツ、チートイツ2シャンテンです。
もしアンコが増えればトイトイ・三暗刻狙い、ツモならピンフ・イーペーコー狙いでいいでしょう。
ツモ打
次に南家・滝沢さんの手は
ドラ滝沢手牌
赤もドラも無い手で3トイツ、役なしリーチ1300点になりそうな手です。
少しでも高くしたい三着目の滝沢さんは赤やドラ引きを意識した手にしたい所。
あとはソーズの形からイーペーコーやを見る程度です。
ツモ打
続いて西家・岡田さんの手は
ドラ岡田手牌
ここはマンズ9枚+字牌2種類ありマンズホンイツや役牌トイツになればポンして役牌・ホンイツ・赤の満貫。
また、ドラを使ったイーペーコーもあります。
ツモ打
岡田さんはここで切りしましたがホンイツも意識して打や打の選択もあります。
最後に北家・魚谷さんの手は
ドラ魚谷手牌
ドラ1のメンツ手、ピンフ狙いが良さそうです。
ただドラが孤立牌でこれが重ならない限りあまり高くならないのでラス目の魚谷さんには厳しい手に見えます。
ツモ打
次巡、松本さんは
ドラ松本手牌
赤2枚でリーチ・赤2でも7700~になりました。
同巡、魚谷さんは
ドラ魚谷手牌
4ブロックであと1ブロック作りたい手です。
次巡、松本さんは
打ドラ松本手牌
引きでテンパイする1シャンテン。
イーペーコー・赤の1シャンテンです。
次巡、岡田さんは
打ドラ岡田手牌
を2アンコと数えることもできますが、++との4ブロックと捉えることもできます。
つまりマンズホンイツかチンイツの4ブロックあり、あと1ブロックあれば一色手です。
ここにマンズか字牌トイツができれば形になるのでもうソーズターツは不要です。
同巡、魚谷さんは
ドラ魚谷手牌
イーペーコーを見ています。
次巡、岡田さんは
ドラ岡田手牌
ホンイツ2シャンテン。
同巡、魚谷さんは
ドラ魚谷手牌
イーペーコー1シャンテン。
次巡、岡田さんは
ドラ岡田手牌
チンイツ・赤・ドラの2シャンテンに変化。
次巡、松本さんは
打リーチドラ松本手牌
テンパイ即リーチペン待ち。
待ちは山に3枚。
このリーチの捨牌は
松本捨牌
これも前回出てきた「早い5切りにヒントあり」で、が待ちで残っています。
切りで上(789)か下(123)のどちらかは持っていると推測され、切りから、、を否定できます。
ということはソーズを持っているなら下(123)部分というわけです。
もし私なら
ドラ例1
のダマテンに取り、引きチートイツにして良さそうなタンキ待ちに変えてリーチか、引きピンフ・イーペーコー・赤の待ち狙いで進めます。
リーチの同巡、岡田さんは
ドラ岡田手牌
マンズすべてでテンパイするチンイツ1シャンテン。
次巡、魚谷さんは
ドラ魚谷手牌
1シャンテン戻し。
ラス目の魚谷さんが1300のペンチャン待ちではアガる意味もあまりありません。
次巡、岡田さんは
ドラ岡田手牌
テンパイで、ここから一枚切る必要があります。
もし打なら
ドラ例2
待ち。
待ちは山に0枚、は2枚、は1枚の合わせて0+2+1=3枚。
見た目上でも3枚見えだったり場に1枚切れ+手に1枚だったり、がドラ表示牌入れて3枚見えとあまり枚数は無さそうです。
次に打では
例3
待ち。
また、打では
例4
こちらも待ち。
例3と例4は切る牌の危険度の違いとイーペーコーの付きやすさの違いです。(例4は100%イーペーコー)
待ちは山に2枚、も2枚で合わせて2+2=4枚。
岡田さんは熟考した上で打を選択。(例3)
この次巡、魚谷さんは
ドラ魚谷手牌
ドラが重なりテンパイ即リーチ!
シャンポン待ちでは山に1枚、は1枚の合わせて1+1=2枚。
魚谷さんリーチの次巡、岡田さんはツモ切りリーチ!
次巡、松本さんがをツモ切り岡田さんは一発ロン。
リーチ一発ロンドラ裏ドラ岡田手牌
リーチ・一発・ピンフ・チンイツ・赤・ドラの11翻、三倍満の24000点。(+2000)
点棒状況は
松本 1600
滝沢 26500
岡田 57300
魚谷 14600
松本さんを二着目→ラス目と奈落の底へ突き落とす様な24000点が飛び出しました。
このまま岡田さんペースで試合は決着。
岡田 +84.1
滝沢 +2.2
魚谷 −32.4
松本 −53.9
今回のまとめ
・早い5切りにヒントあり
松本捨牌
早い切りで上(789)か下(123)ターツがありそう。
切りから、、は否定で、、のどれかが濃厚。
また切りでも否定。
打リーチドラ松本手牌
ペン待ちリーチだった。
・待ちを選ぶ時は1:待ちの形の良さ、2:待ち枚数の多さ、3:手の高さ、4:切る牌の安全度、5:場況などで決定する
ドラ岡田手牌
岡田さんはテンパイ、ここから1枚切るが候補は
切りは
ドラ例2
チンイツ・赤の跳満〜待ち。
見た目上でも3枚見えだったり場に1枚切れ+手に1枚だったり、がドラ表示牌入れて3枚見えとあまり枚数は無さそう。
切るのはドラでタンキ待ちやシャンポン待ちも十分ある。
切りは
例3
チンイツ・ピンフ・赤・ドラ、高目イーペーコー・ドラの三倍満もある待ち。
切りは
例4
こちらはどちらでも100%イーペーコー・チンイツ・ピンフ・赤・ドラ倍満〜待ち。
は見た目上が山に3枚、が3枚の見た目上は山に3+3=6枚以下あることになる。
打の違いはイーペーコーの付きやすさと切る牌の危険度。
打はの外側でワンチャンス、はのワンチャンスとのツーチャンス。
安全度では<
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2023年01月03日
ちょっとだけMリーグ#92
今回もMリーグの一局だけを掘り下げていきます。
今日の主役は渋川 難波プロです。
まずは動画からご覧ください。
https://youtu.be/EtLblO97xwI
2022年11月25日 第2試合
南4局 3本場
東家 白鳥 翔 26500
南家 萩原 聖人 -9900
西家 渋川 難波 42600
北家 東城 りお 40800
(敬称略)
オーラスを迎えて萩原さんが箱下の断ラス目、渋川さんがトップ目、微差の二着目が東城さんで二着目が1000の3本場をアガると逆転トップ。
三着目・白鳥さんは親で4000オールツモでトップ目(連荘)とまだ上2人も予断を許さない状況です。
※動画の関係上、2巡目の親から見ていきます。
最初に親・白鳥さんの手は
ドラ白鳥手牌
ピンズ一気通貫の必要牌6枚がありピンズが1種類増える(のどれか)と一気通貫狙い、更にピンズや字牌が増えればピンズホンイツ狙いします。
また、この手は4トイツありチートイツ2シャンテン。
あとはマンズやソーズ変化によっては678三色、789三色もあります。
ツモ打
白鳥さんは連荘なら逆転のチャンスがあり、アガリを見るなら高い手が良いので一気通貫や三色同順、ホンイツ狙いのどれかが良さそうです。
次に南家・萩原さんの手は
ドラ萩原手牌
これは2シャンテンでまだピンフ変化も残っており、リーチ・ピンフ・赤・ドラ変化も残っています。
箱下の萩原さんは三着目と36400点差で着順アップに三倍満直撃以上が必要です。(あるいは三倍満以上ツモ)
つまり萩原さんの着順アップの可能性はかなり0に近い状態です。
萩原さんは素点回復(マイナスを減らす)か親流しくらいしかできません。
ツモ打
続いて西家・渋川さんの手は
ドラ渋川手牌
赤2+ドラの役なしリーチでも満貫になる手ですが、3トイツとトイツの目立つ手です。
ここからを切ればタンヤオでは一見、不要に見えますがとリャンカン形では不可欠なです。
また、チートイツ3シャンテンと見るならは待ちにも重なりを見るにも良い牌です。(自分で2枚使っていてその外側、他家にとっては少し使いづらく待ちにも良さそう)
ツモ打
最後に北家・東城さんの手は
ドラ東城手牌
、、、と4メンツ候補は揃っているのであとは雀頭だけあればOKです。
この手には赤もドラも無いのでピンフか役なしリーチ1300など安手で終わってしまいそうです。
もし他家からリーチが入ればピンフ1000点で流す選択も出てくるかもしれません。
ツモ打
次巡、渋川さんは
ドラ渋川手牌
愚形受け入れは残りますが2シャンテン。
次巡、白鳥さんは
打ドラ白鳥手牌
ここで白鳥さんは待ちになった時の布石に先切り。
同巡、萩原さんは
ドラ萩原手牌
こちらも2シャンテン。
また同巡、渋川さんは
ドラ渋川手牌
ピンズ2メンツになりそう。
まだマンズが不安定な形なのでメンツになるか、好形変化を見たい所です。
更に同巡、東城さんは
ドラ東城手牌
マンズ一気通貫も見えてきました。
次巡、渋川さんは
ドラ渋川手牌
こうなるとピンズ3メンツで良さそうです。
イーペーコーや受け入れもあります。
次巡、白鳥さんは
ドラ白鳥手牌
ピンフは付かないですが受け入れの1シャンテン。
同巡、渋川さんは
ドラ渋川手牌
ここから1枚切る場面。
5トイツでチートイツ1シャンテン、メンツ手なら2シャンテンです。
渋川さんはここから打。
この一打はタンヤオ・イーペーコー・赤2・ドラや食いタン・赤2・ドラの満貫が見られます。
メンゼン役ありや鳴き仕掛けもできるのはメリットと言えるでしょう。
私の場合は打を選択します。
渋川さんからはが2枚ずつ見えていてなど山にありそうです。
受け入れは狭くなりますが、ドラタンキ待ちなど、ドラが重なっても切らずに済むのがメリットの1つでドラ待ちかドラ重なりのリーチなら跳満以上が確定します。
同巡、東城さんは
ドラ東城手牌
雀頭ができ、ピンフ2シャンテン。
次巡、渋川さんは
ドラ渋川手牌
打でタンヤオ。
私の手順なら
ドラ例1
ドラ表示牌で2枚見えの打してチートイツ・赤・ドラ2、ダマテンに取ります。
ここで切られたを東城さんがチーして打一気通貫1シャンテン。
チードラ東城手牌
次巡、渋川さんは
ドラ渋川手牌
ここから打。
メンゼンでも鳴きにしても雀頭候補はの3つあるのでどれか1つを落とすと形的に安定します。
トイツ部分の受け入れは2枚しかないので雀頭候補が3つあると受け入れは微妙になります。
2巡後、白鳥さんは
ドラ白鳥手牌
ツモでテンパイ即リーチ!
リーチ・ドラ3900点待ち。
白鳥捨牌
この捨牌で目立つのは第一打で、早いから白鳥さんのソーズ上下どちらかに分断されている可能性が高まります。
例えば、、や、、のどれかは持っていそうです。
場にはが4枚切れで、、は否定されています。
また、捨牌の1枚と2枚はすべて手出しなのが不自然です。(作為的過ぎる)
特にが場に3枚切れで待ちなら山にありそうです。(白鳥さんから4枚見え)
この捨牌にはピンズとに注意すればいいでしょう。
待ちのうちは山に1枚、は3枚の合わせて1+3=4枚。
リーチの同巡、渋川さんはツモ打。
ドラ渋川手牌
ツモでテンパイする1シャンテン。
次巡、渋川さんは
ドラ渋川手牌
ツモ打テンパイ待ち。
渋川さんから4枚見え(場に1枚切れ+手に3枚)でドラはノーチャンス。
ドラが当たるのはカンチャン待ちかシャンポン待ちかタンキ待ちだけ。
待ちのうちは山に2枚、は2枚の合わせて2+2=4枚。
親リーに対して渋川さんのドラ切りを見た東城さんは目を見開いてギョッとした表情。(動画5:23頃)
リーチはかけてなくてもテンパイに見えます。
リーチを受けて東城さんは打。
2巡後、東城さんは
チードラ東城手牌
一気通貫完成ですがピンズが切りづらそう。
更に2巡後、白鳥さんはをツモ切り、渋川さんロン。
ロンドラ渋川手牌
タンヤオ・ピンフ・イーペーコー・赤2・ドラの跳満の3本場、12900点。
このアガリで
渋川 +76.5
東城 +20.8
白鳥 −27.4
萩原 −69.9
2人浮きトップを決めました。
今半荘で見事トップに輝いた渋川さんの捨牌は
()
渋川捨牌
この捨牌の特徴として字牌から切られて4枚でメンツ手と思われる、(1枚は東城さんチー)、の2つのトイツ落とし、あとは手出しドラ切りです。
1つ目のトイツ落としでタンヤオへ移行、2つ目のトイツ落としでドラを含む2トイツを重視したのがわかります。
残りドラ切りでこれはリーチに無スジでかなりテンパイです。
打ドラ渋川手牌
打ドラ渋川手牌
今回のまとめ
・同じ牌の手出しが続くとそのマタギスジが怪しい
白鳥捨牌
がすべて手出しでむしろが怪しい。
最初のがからの先切り、次のがからの先切りと先切りでダブルメンツ落としだった。
・早い5切りにヒントあり
白鳥さん第一打でソーズは上(789)か下(123)かターツ0に絞られる。
ソーズターツがあるなら、、か、、のどれかだが場に4枚切れ、2枚切れで下(123)ターツを否定で上ターツと推察。
・トイツ落としは手牌の大きな変化のサイン
()
渋川捨牌
トイツ落としでタンヤオへ、でのドラトイツ等を温存
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