2015年02月20日
医学の進歩で現在HIV薬は1日一錠でOK!
HIV薬は、今は1日1回1錠で済むようになりました。
これまでは、患者さんに合わせて治療薬を組み合わせて服用させるので人に寄っては沢山飲む人もいて苦痛でした。
そして現在でも、日本では、たくさんの種類の抗HIV薬が使われています。
2014年3月時点だけでも、あわせて20種類以上の治療薬が承認されています。
ずいぶん多くの治療薬があることに驚かれる方もいらっしゃるでしょう。
この20種類以上ある治療薬の中から3〜4剤、組み合わせて服薬することで、ウイルスの耐性獲得を阻止することが期待されています。
この組み合わせの基本となるのが「キードラッグ」と「バックボーン」という考え方です。
まず、治療薬の中で、ウイルスを抑制する効果がより強力な薬剤を「キードラッグ」と呼び、そのキードラッグを助け、ウイルス抑制効果を高める薬剤を「バックボーン」と呼んでいます。
どの薬がキードラッグなのか、あるいはバックボーンなのかについては、明確な定義はありませんが、現在ではバックボーンとして「NRTI」の中から2種類を選び、そこに他の薬を1剤か2剤併用する治療法が普及しています。
専門医は、具体的な薬剤の選択について、ウイルスの性質、患者の体の状態や副作用の有無、食事などの生活習慣、1日にどれぐらいの数の錠剤を飲めるか、などを考慮し、患者さんと相談しながらその内容を決めていくことになります。
前回の記事でも紹介した、HIV感染を“死の病”ではなくした「多剤併用療法(HAART)」ですが、この治療法を開始してみると、治療の課題は薬剤のウイルスに対する効果や副作用の有無だけではないことも分かってきました。
治療効果を高めるためには、治療薬を毎日規則正しく飲み続けることが大切なのですが、これが実は、患者であるHIV感染者の大きな負担になっていたのです。
これまでのHIVの服薬治療は、朝晩1回飲めばいいというような単純なものではありませんでした。
治療薬の体内への吸収速度や持続時間、食事の影響などは、薬ごとに異なります。
HIV治療では、各有効成分の血液中濃度を常に最適な状態に保つことが必要です。
そのため、1990年代後半では、1日に20錠以上の薬剤を複雑なスケジュールで服薬する必要がありました。
その面倒さ故に、治療を中断してしまうケースも少なからずあったのです。
その後、新薬の開発が進み「より長く作用が続く薬(飲む回数が減る)」「より強い効果を持つ薬(飲む量が減る)」「食事と関係なく飲める薬」などが次々と登場しましたが、それでも服薬は患者さんにとって大きな負担であることは変わりません。
こうした中、世界の抗HIV薬開発の目標の一つとなっているのは「複数の薬剤をまとめた薬」です。こうした薬剤を「合剤」といいます。
研究開発が進み、新薬が登場するごとに、1日に服薬する錠剤の数は減り、1錠の大きさも小さくなり患者さんの負担も減ってきました。
日本における現時点での主流の組み合わせは、1日1回2錠となっています。
そして今、世界中が注目しているのは「キードラッグ」と「バックボーン」を1錠にまとめ、しかも「1日1回1錠」の服薬ですむ治療薬です。
専門家が「STR(Single Tablet regimen)」と呼ぶ合剤で、国内では2013年に登場しました。
こういった薬剤の開発は、世界におけるHIV治療を大きく変える可能性があります。
服薬率を100%に近づけることができれば、エイズを発症するリスクを大幅に低減できるほか、ウイルス量が減ることによって他者への感染を予防したり、危険な合併症を減らすことにつながるからです。
HIV治療成功に向けては、医師などの医療従事者としっかりコミュニケーションをとることが重要です。
気になったことなどは、医師にきちんと相談することをお勧めします。
http://www.genkidou.biz
これまでは、患者さんに合わせて治療薬を組み合わせて服用させるので人に寄っては沢山飲む人もいて苦痛でした。
そして現在でも、日本では、たくさんの種類の抗HIV薬が使われています。
2014年3月時点だけでも、あわせて20種類以上の治療薬が承認されています。
ずいぶん多くの治療薬があることに驚かれる方もいらっしゃるでしょう。
この20種類以上ある治療薬の中から3〜4剤、組み合わせて服薬することで、ウイルスの耐性獲得を阻止することが期待されています。
この組み合わせの基本となるのが「キードラッグ」と「バックボーン」という考え方です。
まず、治療薬の中で、ウイルスを抑制する効果がより強力な薬剤を「キードラッグ」と呼び、そのキードラッグを助け、ウイルス抑制効果を高める薬剤を「バックボーン」と呼んでいます。
どの薬がキードラッグなのか、あるいはバックボーンなのかについては、明確な定義はありませんが、現在ではバックボーンとして「NRTI」の中から2種類を選び、そこに他の薬を1剤か2剤併用する治療法が普及しています。
専門医は、具体的な薬剤の選択について、ウイルスの性質、患者の体の状態や副作用の有無、食事などの生活習慣、1日にどれぐらいの数の錠剤を飲めるか、などを考慮し、患者さんと相談しながらその内容を決めていくことになります。
前回の記事でも紹介した、HIV感染を“死の病”ではなくした「多剤併用療法(HAART)」ですが、この治療法を開始してみると、治療の課題は薬剤のウイルスに対する効果や副作用の有無だけではないことも分かってきました。
治療効果を高めるためには、治療薬を毎日規則正しく飲み続けることが大切なのですが、これが実は、患者であるHIV感染者の大きな負担になっていたのです。
これまでのHIVの服薬治療は、朝晩1回飲めばいいというような単純なものではありませんでした。
治療薬の体内への吸収速度や持続時間、食事の影響などは、薬ごとに異なります。
HIV治療では、各有効成分の血液中濃度を常に最適な状態に保つことが必要です。
そのため、1990年代後半では、1日に20錠以上の薬剤を複雑なスケジュールで服薬する必要がありました。
その面倒さ故に、治療を中断してしまうケースも少なからずあったのです。
その後、新薬の開発が進み「より長く作用が続く薬(飲む回数が減る)」「より強い効果を持つ薬(飲む量が減る)」「食事と関係なく飲める薬」などが次々と登場しましたが、それでも服薬は患者さんにとって大きな負担であることは変わりません。
こうした中、世界の抗HIV薬開発の目標の一つとなっているのは「複数の薬剤をまとめた薬」です。こうした薬剤を「合剤」といいます。
研究開発が進み、新薬が登場するごとに、1日に服薬する錠剤の数は減り、1錠の大きさも小さくなり患者さんの負担も減ってきました。
日本における現時点での主流の組み合わせは、1日1回2錠となっています。
そして今、世界中が注目しているのは「キードラッグ」と「バックボーン」を1錠にまとめ、しかも「1日1回1錠」の服薬ですむ治療薬です。
専門家が「STR(Single Tablet regimen)」と呼ぶ合剤で、国内では2013年に登場しました。
こういった薬剤の開発は、世界におけるHIV治療を大きく変える可能性があります。
服薬率を100%に近づけることができれば、エイズを発症するリスクを大幅に低減できるほか、ウイルス量が減ることによって他者への感染を予防したり、危険な合併症を減らすことにつながるからです。
HIV治療成功に向けては、医師などの医療従事者としっかりコミュニケーションをとることが重要です。
気になったことなどは、医師にきちんと相談することをお勧めします。
http://www.genkidou.biz
【このカテゴリーの最新記事】
この記事へのコメント
コメントを書く
この記事へのトラックバックURL
https://fanblogs.jp/tb/3315861
※ブログオーナーが承認したトラックバックのみ表示されます。
この記事へのトラックバック