2014年04月05日
446. 宮迫博之 松田優作・NSC・胃ガン・子ども 「サワコの朝」
「いいんですか?ぼくみたいなもんが、こんな時間帯に…」と宮迫さん。「基本的に夜ばかりですよね…。ちょっとダークなイメージがあるので…」(笑)
1970年生まれ。44歳。大阪府出身。19歳のとき、吉本興業の新人養成所「NSC」で出会った蛍原徹さんとコンビ「雨上がり決死隊」を結成。現在8本のレギュラーを持つ売れっ子。東京に活躍の場を移して18年になるそうです。
「記憶の中で今もきらめく曲」は
「HERO」甲斐バンド
養成所の願書を出すのに迷っていた宮迫さん。友人のお兄さんに借りていたテープをかけたときに、流れてきたのがこの曲でした。
「『あ、おれ、ヒーローになろ!』と思って…」
背中を押してくれた曲だそうです。
俳優に憧れて
子どものころは「絶対に吉本に入るまい!」と思っていたという宮迫さん。大阪には、子どもが面白いことをすると、「吉本に入り!」。悪さをすると、「吉本に入れるぞ!」という風土があるのですが、それがイヤだったそうです。
憧れていたのは松田優作さん。「『探偵物語』が好きすぎて…」俳優になりたい、と思っていたそうです。
しかし役者になる「方法論が分からない」。
知り合いのおばさんがくれたのが、吉本の養成所「NSC」のパンフレット。考えてみれば、お笑い出身の人も俳優としてドラマに出ています。
「そうか!そういう方法があるのか…」いったん、お笑いの道に入り、そこから役者へ…。夢の方向が定まりました。しかし、NSCに入ってみると、全国から「自分が一番面白い!」と信じる若者がたくさんん…。
「そこからドップリお笑いでしたね…」
コンビ結成のきっかけ
相方の蛍原さんはNSCで知り合った遊び仲間だったそうです。しかし、コンビでないと受けられないオーディションがあり、「じゃあ、やってみるか?」と結成。めでたく、オーディションに合格。以来「25年ずっと一緒…」ということに。
ただ「家族よりも誰よりも長い時間一緒にいるので」私生活ではあまり顔を合わさないようにしているのだとか。
コンビを組んで順風満帆だったかというと、「ぼくも相方も目が悪くて…。目つきが悪かったので」先輩や吉本の社員さんから嫌われて、孤立していたそうです。
笑いは取ってもいつまでも新人枠。事務所の前で、「なんかあいつら嫌い」という社員の言葉を耳にして、「何としても認めさせたる!」と燃えたのだとか。
精神的に追い詰められて
笑いの実力は十分な2人。やがて「吉本印天然素材」というユニットのメンバーになり、関西で人気を博します。そして、26歳で上京。しかし、仕事がない。
もともと呼ばれての上京ではなかったそうです。東京事務所も「お前ら、なんで来てん?」という対応。「それなら自分たちで!」と活動を始めますが、やがて行き詰ってしまいました。
「精神的に病んでたんです」「目をつぶって赤信号を渡ってたんです」
相方の蛍原さんも、マンションの7階から飛び降りることを考えていたことがわかり、今後のことを話し合います。
「天狗になってたんです」と宮迫さん。大阪での人気はすごかったですからね。気に入らない番組は断っていたそうです。
「俺らがやったら、何やっても面白いと思わせよう…。なんでもやろう!」と決意。来た仕事はすべて受けることに。そこから徐々に道が開けました。
転機はダウンタウンの「ガキの使いやあらへんで!」。若手の芸人にとって、出るのが目標になっていた番組です。
「打ち合わせと全然違うことをやってやろう!」と収録までの2週間、睡眠を削り、あらゆるシチュエーションを想定したそうです。失敗したらエライことに…。
結果は大成功。ダウンタウンの2人が大笑いして、それが周りに伝染し、何をやってもウケる空気になったのだとか。そして、次の週に仕事が5本入ってきたそうです。
「怖かったですよ…」と宮迫さん。勝負に勝ちましたね…。
胃ガンのこと
宮迫さんは、一昨年、胃がんで胃の3分の2を摘出しましたが、その後完治。
発見のきっかけは人間ドック。ドラマの収録が急に無くなり、2日間の休みが取れたそうです。「じゃあ、人間ドックにでも行ってみよ」。
その後、病院から呼ばれ、行ってみると「残念ながらスキルス性の胃ガンでした…」。その瞬間心に浮かんだのは「おれ、死ぬの?」
蛍原さんを現場の隅に招き、「この間、人間ドックに行ってきてん…」と言うと、「マジか…」という反応。すぐに状況を察してくれたそうです。
「大丈夫なんやろ?」「大丈夫…じゃないかも知らん…」「絶対大丈夫や!治療に専念して…。あと、おれがやるから…」
男らしい反応に宮迫さんは感激。「『任せられるな…』と思いました」
もう1人伝えないといけないのが、当時小6の息子さん。「泣かれるのでは」と考え、辛かったとか。
「胃ガンになった…。治るかどうか、分からん…」
「大丈夫…。パパは大丈夫や。パパは絶対大丈夫なんやから…。すごい人やから」と言ってくれたそうです。
「『あ、こいつ、強い』と思って…。ありがたいことにすごい尊敬してくれてたみたいで…」「こいつのためにも治そう!」と決意する宮迫さん。話を聞いているアガワさんの目は真っ赤…。
「今、心に響く曲」は
「CHE.R.RY」 YUI
この曲がCMで流れていたころ、「ちゃんと聴こう」と思った宮迫さんは、買物帰りの家族を車で待たせてCD売り場に行きました。
「何でも聞いてください」という腕章を付けた店長風の人に聞いたところ、「曲名は?」。
曲名を知らない宮迫さん、恥をしのんでサビの部分を歌ったそうです。やはり「曲名は?」。
「もうええ!」とばかり、そこにあったYUIのCDをすべて買いました。すると「ほとんどのCDに入ってた…」(笑)
お笑いの現場では「笑いを取らないといけない」と緊張する宮迫さんですが、ドラマの収録では本当に楽しく仕事が出来るそうです。
ますます充実の宮迫さん。これからもご活躍を…。
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