2014年03月01日
416. 齋藤孝 安住紳一郎・南青山・ 神保町 「ぴったんこカン・カン」
「ちょっと気恥ずかしいのには理由がありまして…」と安住アナウンサー。「学生時代に齋藤先生の授業を受けてるんですよ」
「素晴らしい学生でした」と齋藤さん。
まず2人が向かったのは東京都・港区・南青山。
「インド料理 NATARAJ ナタラジ 南青山店」
「あまり脂ぎってない、自然派インド料理…」と齋藤さん。
「ナタラジスペシャル」(1,000円)
齋藤さんが毎回注文する一品だとか。お肉に似た食感に料理した大豆を、たっぷりのスパイスで味付けしたヘルシーな一皿。
「うん、これは大好き」と齋藤さん。
「おいしいですね…。ちょっと食べやすく包丁を入れた鶏料理のような…」と安住さん。「じわじわと様々なスパイスが口を刺激しますね…」
「きのこパラク」(1,250円)
自家農園で取れたホウレンソウとキノコをたっぷり使ったカレー。
「うん、おいしいですね、ホウレンソウが」と安住さん。
「パニールマカンワラ」(1,350円)
自家製のインドチーズ、パニールが入ったトマトベースのカレー。
「非常に食べやすい…。まろやかな…」と安住さん。
齋藤さんは1960年生まれの53歳。初めて学生・安住さんと出会ったのは、まだ30歳を超えたばかりのころ。
「当時、先生、まだ本を出してないですよね?」
「出してない」
「声の高い、変わった先生という印象でした」と安住さん。(笑)
教職課程の授業で出会ったそうです。
人生を変えた授業
「けっこう人数いたんだけど、安住君のことははっきり覚えてるんだよね」と齋藤さん。
いつも黒いヤッケを着た、おとなしい学生だったそうです。そのおとなしい学生があるとき…
「『だれか前に出て授業をしてくれないか?』って言ったときに、安住君が出てきた」「あの時の授業は強烈だったよね」
「先生が『だれか発表できる人間はいないか?』って言って学生を挑発したんですよね」。
「5、6分喋って…」と齋藤先生は言ったそうですが、安住さんが喋ったのは40分…。
「おかしな覚醒状態に入っちゃって…。止まらなくなったんですよね…」と安住さん。「周りの学生もふだんおとなしい黒ヤッケの学生が、40分喋りだしたみたいなことで、変なざわつきになったんですよね…」
「あまりにも内容が良いので、聴きいっちゃったんですよね…。滑舌までいい」と齋藤さん。
「振り返ると、あそこの時点で、人前で話すことが苦でなくなり、スイッチが入って、『もしかすると、人前で話すことが向いてるのかな』と思った瞬間で、いまだにはっきり覚えてますね…」と安住さん。
終わったあと、全員立ち上がり、スタンディングオベーション…。
「あの時の成功体験が今の本当の支えなんです」と安住さん。
話したテーマは「日本語について」だったそうです。「ん」について考察した、刺激的なものだったのだとか…。
母校で授業のあと、行きつけの店へ
400冊を超える著作をものした齋藤さんですが、現在も明治大学で教鞭を取っています。その授業にお邪魔して…。
教職を目指す後輩の授業に聞き入る安住さん。そして、齋藤先生の指名で後輩たちの前で模擬授業をすることになりましたが…さすがです!腕が違います。聞きほれてしまいました。
そのあと2人で向かったのが、明治大学関係者・御用達の洋食店…。
「レストランバー アミ」
「ぼくの大好きな店。打ち上げとかでよく来ている」と齋藤さん。
「私、一度も呼ばれたことがないんですが…」と安住さん。
「そう?」と齋藤さん。
齋藤さんは「カキフライ定食」(760円)。安住さんは「ナポリタン」(550円)をそれぞれ注文。
明治大学に職を得るまで、奥さんのお給料で生活していたという齋藤さん。得意のテニスを活かしてテニス塾を開いたことがあったそうですが、大失敗したとか。
「テニスコートで球を打たないで上手くなる」という趣旨のテニス塾…。
「詐欺ですよ、詐欺」と安住さん。
そのあと、「私のホームグラウンド」という三省堂書店・神保町本店を巡り、スポーツ店で新しいラケットを試し打ちしたあと入った店が…
静岡おでん
「しずおか屋」(世田谷区・下北沢)
齋藤さんは、高校まで静岡県・静岡市。
「静岡おでんでしょ?」と齋藤さん。「あの濃い色はまさに…」
青のりとかつお節をかけるのが静岡おでんの食べ方のようです。
「小4のときに、『日本をちゃんとしなきゃ』と思って…」と齋藤さん。「『教育を何とかしなきゃ』と思っていたんで…」
その情熱を、自身が出演する「あさチャン」という番組でもぶつけるのだとか。4月から平日の早朝に放映されるそうです。早朝なので、授業に支障は来さないとのことで。
安住君への手紙
最後に安住さんへの思いを綴った手紙を朗読する齋藤さん。
「すでに前人未到の地を一人行く安住紳一郎くんへ。
20年前大学の教室で君のスーパープレゼンテーションを目の当たりにしたものは皆、君の圧倒的な才能に驚嘆しました。
『これは天才だ!日本を代表する教師になる』と確信したのに君はTBSへ。日本の教育界は最高の人材を逃してしまいましたが、そのかわりに私たちは最強のアナウンサーに出会いました。
あのときの君が今の君の原点ではないでしょうか?
何を成功とし、何を達成とするか、それを自分自身で決める水準に君は達しています。自分を信じて進んでください。
君は間違いなく日本一のアナウンサーです。
いくつになっても、可愛い可愛い安住君。私はこれからもずっとずっと君の味方です。どんな時も味方です。」
涙を流しながら聞き入る安住さん。
「先生に褒められるのが一番うれしいです」と安住さん。
「実はこれ、最初書いたとき、あまりに褒める言葉が多く、長くなってしまって、短くするのに5時間以上かけて…」と齋藤さん。
「もっと褒めてもらって…。下書きでもいいんでもらえますか?」(笑)
いやあ、最後はぐっときました。それにしても、ひとりの若者が眠っていた才能を開花させる瞬間に立ち会えた齋藤先生…。教師冥利に尽きますよね。
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