2014年01月12日
371. 古田新太A ミュージカル・プロレス・劇団・酒好き・遅刻しない主義 「サワコの朝」
ガイ骨をデザインした白黒のパーカーと帽子といういでたち。帽子には悪魔のように2本の角がにょっきり。
「かわいいと思って買いました」と古田さん。
1965年生まれ。48歳。兵庫県出身。
「『あまちゃん』の影響って大きかったでしょうね?」
「スーパーで声をかけられるようになりました」と古田さん。「おばさま方、お姉さま方に、『あんた、朝からイジメてんじゃないよ』って」(笑)「指さされて『じぇじぇじぇ!』って言われますね。ぼく1回も『じぇじぇじぇ』っていったことがないのに…」(笑)
「記憶の中で今もきらめく曲」は
「マニアック」マイケル・センベロ 映画「フラッシュダンス」の挿入歌
「あの映画で初めて日本でブレイクダンスというのを紹介したと思うんです」「ぼく、高校生だったんですけど…」「これは面白い」「皆で練習し始めました」「仲間で何度も映画館に通って…」「ぼく、クラシックバレーをやってる頃です」
古田さんとクラシックバレー…ピンときませんが、古田さんなりの深謀遠慮があったようです。
「若いころからミュージカルを目指してたんで…、打算的なんですけど、『基礎をやっていたほうがいい』って思ってたんですね…。『金髪で不良なのが、クラシックとかタップとか踏み出したら笑えるな』、そのための努力は惜しまないんですよね…」
それがあのキレのいいダンスにつながるのですね。
役者を目指したのは小5
古田さん、小5のときにミュージカルを見て、「舞台俳優という仕事は素敵だ!」と思ったそうです。
「それまでは?」
「プロレスラーです。馬場さんです。ジャイアント馬場になりたかった…」(笑)「でかくなきゃって一生懸命だったけど、そんなに大きくならなかった…」「役者になると、プロレスラーの役とかあるんじゃね?こりゃいいやって」
大学1年で劇団に
小5からの思いや努力は大学に入ってすぐ報われます。
「渡辺いっけいさんという先輩に誘われて…」劇団に入り、すぐに出演が決まったとか。
ただ当時の「劇団☆新感線」のことは「あまり好きじゃなかった」そうです。「なんか女々しくてチャラチャラしてたんですよ」(笑)「恋愛ものが多かった」「『愛してる!』って大きな声出すなよ!って…」(笑)
1回だけのつもりが、「次の公演のチラシに名前が載っている」という形でずるずると…。
渡辺いっけいさんや筧利夫さんを抱えた人気劇団だったのが、どんどん抜けていき、お客さんの数が激減したそうです。「口コミで客が減っていく…」(笑)
そして、主演が古田さんにまわってきます。とにかくアクが強いですから、若くても主演として君臨…。
「自信は?」
「完全にテングでした…。宇宙で一番上手いと思ってた」(笑)
当時関西で評判だった生瀬勝久さんを見ても「いやいや…齢食ってるだけだろ?」と…。(笑)
東京に来て、「ちゃんとした俳優さんを見てヘコみました」。
強烈だったのは大竹しのぶさんと白石加代子さん。
「同じ舞台に乗ったんです…、だれひとりおれを見てなかったですね…。」「威力のある者の方に目が行くんです、お客さんというのは…」
大竹さんは「舞台の上で自由に泳いでいる…」、白石さんは「化け物だな、このテンションで、そのセリフを言うんだ…」「おれって小せえな…」
笑いのテクニック
「笑いの『くされテクニック』を持っている」と古田さん。
「笑いが来ると、ちょっと休めるんです」だから舞台には笑いは必要だと。「そのためにワンブラス置く…」
逆に間を置かずに一気にセリフを言い切って、あとで大きな笑いを取る、ということもあるそうで…。
宮沢りえさんと共演したときのこと。
「私の分身では ありません」と間を置くのを、「一気に言ったほうがいい」とアドバイス。宮沢りえさん、半信半疑ながら実行したところ、ドンと笑いが来たそうです。「なんで笑いが来るわけ?」。
古田さんの考えでは、間を置くと、客がオチを考える。「予測した通りの笑いだったらもう笑わない」「予測する前に言ったほうがいい」
「他は?他は?」と宮沢さんは『古田テク』を吸収しようとしたとか。
大学の恩師
大学(大阪芸大)の恩師、秋浜悟史先生は「いかに客をごまかすかをおれにガンガン教えてくれて…」。
その影響で開発した技があるそうです。
「セリフを忘れたときに後輩をにらむ」(笑)「後ろで油断している後輩をにらむと、『おれだったのか!?』となる」(笑)「そのあとで『ちぇっ』という顔をしてセリフを言うと、おれがフォローしたみたいに見える」(笑)「『後輩がセリフ出なかったから古田がフォローしたんだ』って」(笑)
そして舞台では芝居に集中するのではなく「気が散っている」と古田さん。
「『役に入り込んで…』とか意味わからない」「役に入り込んでたら笑いは取れない」「お客さんの今日の間を読まないといけない」
絶対に遅刻しない主義
古田さんは大のお酒好き。「お酒を飲むと仕事が終わったという実感が持てる」
お酒を飲み続けるためにも、絶対に遅刻はしないようにしているそうです。
「酔っぱらいが遅刻したら、酒を止められるじゃないですか?」確かに!
携帯電話は持たず、無理に交友関係を広げようとしない古田さん。しかし、後輩役者たちは「古田狩り」と称して1人で飲んでいる古田さんを見つけにくるそうです。そのメンバーは、森山未來、小栗旬、勝地涼、小出恵介…。
「一軒一軒まわって、おれを見つけると『ビンゴ!』という…」(笑)
熱い思いを古田さんに聴いてもらっているそうです。
劇団でも、大物俳優と劇団員の間に入って、食事会をセッティングしたり、「古田がいると、まとまるのが早い」と重宝されているとか…。ただの酔っぱらいではありませんね、古田さん。酔っぱらいの鑑です。
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