2018年10月22日
海辺じゃないのに塩害? 街路樹と庭木の管理の違いをDIYに活かすコツ
塩害といえば、海辺の街を連想してしまいます
水瀬次郎です。
先日、知り合いと電話で話しているときのこと。
「そっちは塩害とか大丈夫だった?
こっちは塩害で街路樹みんな枯れちゃったよ」
と言われました。
「大丈夫だと思うよ? そろそろ紅葉してきたし」
と答えたときに、
『あれ? でも、そっちって山に囲まれた街じゃなかったっけ?』
と思ったのですが、そのことを指摘する間もなく会話が続いてしまいました。
私が住んでいる地域は、海に近いといえば近いかなという程度ですが、海辺でも塩害を意識することは少ないです。もともと防風林の屋敷なんかを見かけることもありますし、枯れたといっても虫食いが原因のことが多い気がしているからです。
電話をしていた知り合いは、山に囲まれた街です。どうして塩害なんでしょう?
台風が激しくて、こすれあって枝が折れたり、樹木そのものが傷んでしまったことは考えられるのですが。
大気中に漂っている「粒子」
大気中には、さまざまな粒子が漂っています。浮遊している、と言って良いでしょうか。
細かい粒子は、微粒子と呼ばれていますよね。
では、粒子・微粒子って、いったい?
・水滴
・砂
・埃
・塵(ちり)
・塩
そうでしたね。「塩の粒子」も、大気中には存在しているのでした。
すさまじい暴風の台風が、これまたすさまじいスピードで疾走していったわけですから、「塩の粒子」を含んだ状態の風を、海から離れた地域にも吹きつけて行ったことでしょう。
すると、
・塩の粒子を含んだ風雨が吹きつけられた
となるのでしょう。
普段、海風や潮風の影響を受けることのない地域であれば、街路樹や生垣は塩分に対する耐性が備わっていないと予測できますし、一気に枯れてしまうこともあり得るわけですね。一気に枯れる原因が「塩」なのだとすると、「いつもの台風では大丈夫だったはずの街路樹が枯れてしまう」ほどの強い規模だったことが想像できます。
強い台風が猛スピードで通過するときは「塩害」の懸念
塩の粒子を含んでいる風が吹きつけても、それなりの雨が降れば洗い流されることでしょう。
すなわち、
・塩害で街路樹が枯れたよ
というのは、
・塩の粒子を含んだ台風が猛スピードで通過した
・しっかり洗い流してくれるだけの雨量には及ばなかった
ことを意味することがわかります。
個人レベルでの対策
水まきが効果的です!
結論から言ってしまいますと、「水まき」で「洗い流しておく」と対策になります。
特に「何年に一度」「十年に一度」「記録的」などの表現で語られる台風が通過するときは、
・台風が通過したら、水まきしておくか
と覚えておくと良いでしょう。
夏の乾燥している朝・夕の水まきと違い、台風一過を見届けたあとの水まきは「塩害予防」にもなります。
庭木や生垣で、大切に育てている場合は、覚えて役と良いのではないでしょうか。
樹勢が強ければ、多少の塩分に負けることはないでしょう。
しかし、「今年は新芽が少なかった」「花が減った」「実らない?」など、植物の生命力が心配になってしまうようなタイミングでしたら、ホースで水まきしておけば、
・台風で吹きつけられた「塩の粒子」を洗い流せる
ので、「塩害予防の対策」になります。
雨が大量に降ったのであれば、洗い流されているのでしょうが、
・台風すごかった、とくに風、でも雨あまり降らなかった
という場合には、意識してみてはいかがでしょうか?
街路樹と庭木の違い
庭木や生垣の手入れと、街路樹の管理は、意外と大違いです。
これは「こまめに剪定して、丁寧に維持管理できる個人の庭」と、
「病害長予防と倒壊予防など、市民への安全配慮に基づく公的な予算に基づく維持管理計画」の違いがあります。
個人の庭であれば、いくらでも手を掛けられますし、その逆に「放置」も可能と言えば可能ですよね。荒れ放題にしてしまう場合も、なきにしもあらずです。とくに「空家」の場合などなど。
公的な試算でもある街路樹は、必要最低限の維持管理対策を、公的な予算で実施する必要があります。ですから、こまめな剪定作業というよりは、「数年ごとにバッサリ」だったりします。病虫害予防のためには、徹底的に薬剤を散布して殺菌・消毒も行います。
ですから、街路樹は「弱っている」タイミングも、かなりあり得るわけです。
庭師が丁寧に庭木・生垣の剪定をするときは、「樹勢を弱めないように」配慮しています。大きく切り戻したいと要望されたときでも、「枯れないように」細心の注意を払って作業をしています。
街路樹の管理は、通行人・通行車両への配慮も必要になるため、工事期間が短くて作業そのものも迅速な場合が多いです。樹勢をチェックする間もなくチェーンソーが稼働されてしまうなんてことも少なくないわけです。
・塩害で街路樹が枯れたけれど、庭木は無事だよ?
同じ地域で、同じ台風の影響・被害を受けていても、
・塩害で街路樹が枯れたようだけど、ご近所さんの庭木や生垣は無事だよ?
という状況になるとしても、ある意味では当然なのかもしれません。
庭木のプロに診断してもらうのもオススメ
庭木や生垣、ガーデニングの果樹栽培など、DIYや家庭菜園で楽しんでいる人でも、数年に一度はプロの庭師に診断してもらうことをオススメしています。私の個人的なオススメです。そのメリットは、
・プロの視点でアドバイスしてもらえる
・害虫予防の薬剤を無駄に購入しないで済むようになる
・適切な害虫忌避効果で、安全・清潔・コスト抑制の効果がある
とくに、
・殺虫剤を購入するのが「あたりまえ」になっている
・趣味の予算は限られている
という人にこそオススメです。
ちなみに私、水瀬次郎は自宅で殺虫剤を、ほぼ使用していません。市販の殺虫剤を購入していた時期もあるのですが、現在では「害虫忌避効果」だけで、かなり絶大な効果を得られるようになっているからです。
とはいうものの、いくら「自分の家」を清潔にしていたとしても、ゴミ捨て場や空き地で発生してしまった「衛生害虫」が飛来・往来してくるのは止められません。そんなときもあります。むしろ、そういうときこそ、地元の自治会や近隣の人たちと協力し合って「害虫駆除」を行うように心がけています。
だから、「個人的な殺虫剤の購入」の必要性がなくなるというわけです。
プロ・専門家の消毒であれば、近隣への配慮もされますので、作業が公的に近くなればなるほど、周囲からの不安を払拭できる効果も期待できます。
なお、プロの庭師・専門家・専門業者に「消毒と洗浄」を依頼するときに、激しい台風のあとで「塩害がないか心配しています」と、ひとこと添えれば、
・樹木と葉の状況をチェックして、弱っていないか判断してもらえる
というメリットもあります。
基本的にプロには「おまかせ」してしまうのが一般的だと思いますが、時季とタイミングによっては、
(台風一過)
・塩害が心配なんです
と自分から申し出ておくことをオススメします。
混雑している時期だと、「必要最低限のことだけ作業して済ませる」ということも、あり得ますので。
「言われないことは、やらない」というわけではないにしても、
「言われないことには、約束(契約)した範囲のことしか作業しないよ」というのも当然なので。
それに、
「それは契約の範囲外です」
「それは別料金になるよ」
と言われれば、そのときに判断していいわけですから。
まずは「自分から伝えてみる」ように心掛けてみては、いかがでしょうか。
プロに依頼するときは、積極的に質問・希望を伝えましょう!
素人の発想でOKです!
こんなこと言ったら失礼かな、なんて自粛せずに、
「それは無理」「それは別料金」と言われるだけのことですし、
それに、
「言われなかったら作業しないけど、だからといって料金加算の対象ではない」
という項目も、意外とあるものなんですよ?
作業してもらう、という立場ですが、指定された契約料金を支払う立場でもあるので、積極的に「勉強させてもらう」姿勢で臨んでみてください!
依頼するときは、「剪定・伐採」の業者さんに、「消毒」を取り扱っているかを確認しておくのがコツです。
【お庭マスター】ならば、「剪定・伐採」だけでなく、「お庭のお手入れ」の中に「消毒」も含まれています。
もしも「病虫害」のように、「塩害によるダメージ」が庭木・生垣に確認された場合は、消毒・洗浄だけではなく「剪定」も必要になります。ダメージを受けてしまった枝を除去することで、二次被害を予防します。
もし、「塩害です」「放置していると枯れて倒壊の危険性があります」という場合は、適切に「伐採」したほうが安全です。
判断の目安は、専門家の視点が役立ちますが、やはり「剪定・伐採」の施工実例が豊富な業者さんが心強いです。いろいろな症状を見てきているので、木をパッと見て『原因は〇〇かな』と、速攻で見抜いてくれます。
注意深い調査が必要な場合もありますが、施工実例・経験値の高い業者ならではの「観察力」は、感動モノです。そういう業者さんと、たとえ一度だけでも、しっかりと話をしておくと、自分のDIYにも活用できますので、「支払った料金」以上の効果が得られます。
・地域によっては、樹木診断の経験の豊富な剪定業者もいます。
・街路樹管理や、幹線道路の植栽を担当した経験のある業者であれば、世間話を聞き出せるとメリットが大きいです。「消毒薬剤」「農薬」「洗浄」の基礎知識を、さらりと説明してくれることが多いからです。
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