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2017年06月26日

糖尿病関連疾患〜「感染症」〜

今日は、糖尿病関連疾患である「感染症」についてお話します。

糖尿病があると感染症に罹患しやすく、重症化しやすいと言われています。
また感染症により血糖コントロールが増悪し、
ひいては糖尿病昏睡の原因となることもあります。
糖尿病患者の易感染性に関する因子としては、
好中球・免疫担当細胞機能低下、血行障害、神経障害などが挙げられます。
一般に血糖コントロールが不良なほど、易感染性が高まる傾向にあり、
血糖値が250r/dL以上になると好中球貪食能は急速に低下するとされています。
高頻度にみられる感染症としては、尿路感染症、呼吸器感染症、胆道感染症、
皮膚感染症、歯牙・歯周疾患などが挙げられます。
糖尿病の方が手術を受ける際には十分な感染症対策がのぞまれます。

【尿路感染症】
糖尿病患者の感染症の中では最も頻度が高いです。
原因菌の大部分は大腸菌やクレブシエラなどです。
真菌、カンジダによる尿路感染症も少なくありません。
膀胱炎は糖尿病の方の約5%、女性だと約10%にみられ、
健常人の2〜5倍ほど細菌尿の頻度が高いと言われています。
神経障害は排尿障害・残尿を招きやすく、暴行感染慢性化の原因となります。
さらに膀胱尿管逆流現象が起こり、腎盂感染と進行することもあります。

【呼吸器感染症】
糖尿病患者の呼吸器感染症では、死亡率の増加、重症化の傾向がみられます。
原因菌は、黄色ブドウ球菌・クレブシエラ・肺炎球菌が多くみられます。
インフルエンザ等のウイルスによる上気道炎の発症リスクもあります。
肺炎は大部分は病巣が拡大しており、MRSA肺炎も起こしやすく、難治性と言われています。
肺結核も稀ではなく、再発時には糖尿病だと耐性菌による場合が多く、予後不良です。

【胆道感染症】
糖尿病患者では、神経障害に伴う胆汁うっ滞、高コレステロール血症を伴う胆石を合併し易く、
その結果として胆道感染症も多いと言われています。

このように糖尿病と感染症は密接に関連しています。
普段から感染症予防対策をしっかりと行い、
血糖コントロールを良好にしておくことで予防するように心掛けましょう。
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