イギリスの作家ディケンズの名作「クリスマス・キャロル」をミュージカルにしました。
ミュージカルの街・丹波篠山の市民を中心に構成された素晴らしいミュージカルでした。
コロナの前に見た市民ミュージカル「ヘレン・ケラー」があまりにもよくて、コロナが下火になるのを楽しみに待ちました。
歌って踊るのは、何もミュージカルだけではなく、普段の鼻歌に演技を付けることから始まるのです。
「市民」のミュージカルとはそんなものであってほしいと願っていました。
絶対的貧困の子どもを描くディケンズは、ドストエフスキーにも影響を与え、世界の子どもの貧困に注目されるキッカケにもなりました。
今は、子どもの相対的貧困が日本ではクローズアップされ、OECD諸国の中でも下位になり先進国では最低レベルの貧困なのです。コロナ禍で一層それに拍車がかかっています。湊かなえ氏もそれを案じて一つの作品を作っています。
ディケンズの作品は「クリスマス・キャロル」、「オリバー・ツイスト」、「リトル・ドリット」など子ども目線で、その貧困と大人の偽善を描いています。
子どもの頃、寄宿舎に預けられたスクルージは継父に疎まれ、ひねくれた性格になって金貸しの守銭奴になってしまったものの、三位一体の精霊によってクリスマス・イブに心を入れ替え「善人」になるのです。
有神論という偽善と忍従の強要や大人になっても心を改善できる「性善説」などツッコミどころ満載の内容はあるものの、演じる子供たちの純真さに感激しました。
このミュージカルで@偽善、A子どもの相対的貧困を、考えるきっかけになればいいと思いました。