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2017年09月28日
SL初心者向け情報:各ソーシャルレンディング事業者の安定性を検証する@
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はじめに
今回の記事から何回かに分けて、各ソーシャルレンディング業者の安定性を検証したいと思います。
全ての事業者については調べきれませんでしたので、一部の業者のみとなりますが、現在の日本における
主要なソーシャルレンディング事業者(累計の貸出金額ベース)はほぼカバーしていると思います。
ここに取り上げなかった事業者についても、調べが付けば随時追加します。
また、当記事においては、安定性を以下のような観点から検証するものとします。
@事業者本体の安定性
A事業者の実績
B貸付先が集中している場合、その貸付先の安定性
C案件の妥当性
D事業者、代表者及び役員のバックグラウンド
Eその他
記事内容については私なりの調査を行った上で作成し、ある程度の自信を持っているつもりですが
内容について保証をするものではありませんので、最終判断は投資家各自で行うようお願いします。
また、事実の誤認などがあれば指摘をよろしくお願いします。
最後に、この記事を含む安定性の検証記事はアフィリエイトリンクを含みます。
アフィリエイトの有無に関わらず、検証は可能な限り客観的証拠に基づいて行うつもりですが、しょせんは
一人の人間の記事。完全な客観性は望めませんので、色眼鏡を掛けて読まれる事をオススメします。
なお、アフィリエイトリンクは全て明示します。明示している以外のリンクは、全て直リンクです。
SBIソーシャルレンディング
2017年9月末時点での私の投資額:713万円
@事業者本体の安定性
事業者本体の財務状況は不明。
100%株主のSBI Fintech Solution社は売上高81億円、営業利益5.5億円の黒字経営。
また、そのSBI Fintech Solutionの株の72.41%はSBIホールディングス社が保有しており、
グループ全体としての財務基盤は非常に堅固であると予想される。
(*ちなみにグループの一つ、SBI証券は総資産2兆5,000億、営業利益380億)
A事業者の実績
2011年からサービスを開始した老舗の一つ。
貸付総額300億円超。
個人向け無担保ローンを除き、現時点までで貸し倒れゼロ。
B貸付先が集中している場合、その貸付先の安定性
貸付先が集中している事実はないため、対象外。
C案件の妥当性
不動産担保での短期貸付が多く、ソーシャルレンディングを使用して資金調達をする合理性はある。
また、利率3〜7%であれば通常の範囲であり、不自然な高利率はない。
事業者利益を公開していること、顧客中心主義に基づく業務運営方針を明示している事も評価できる。
D事業者、代表者及び役員のバックグラウンド
SBIグループであることから、バックグラウンドに問題はないと思われる。
また、役員の名前その他でもネガティブな情報は特に見当たらず。
Eその他
事業者の安定性とは特に関係がないが、
・かなり使いにくいマイページ機能
・SBIグループなのに、SBI銀行や証券との連動がない
あたりについては、是非今後の改善を期待したい。
【まとめ】
事業者の安定性、株主構成、実績、案件妥当性、バックグラウンドについて、特記する問題はない。
事業者の安定性は、かなり高いと推定される。
SBIソーシャルレンディングでの投資をお考えの方は、こちらから検討いただけると嬉しいです。
(アフィリエイトリンク)
maneo
2017年9月末時点での私の投資額:1,145万円
@事業者本体の安定性
事業者本体が黒字。直近売上高22億円、営業利益3.4億円。
関係会社(親会社)のUBI社及びUBIファイナンス社の財務状況は不明ながら、いずれも安定的な経営を
していると想定される。
(UBI社はかつて230億円の負債から事業を建て直した実績あり)
A事業者の実績
2008年からサービスを行っている、日本最古のソーシャルレンディング事業者。
貸付総額800億円超は日本最大、全ソーシャルレンディング市場のシェアの大半を占める。
個人向け無担保ローンを除き、現時点までで貸し倒れゼロ(遅延1件)。
B貸付先が集中している場合、その貸付先の安定性
貸付先はC社及びAN社に集中している傾向がある。
この2社はUBI社及びUBI Finance社(maneoの親会社及びその関係会社)と推定される。
いずれも安定的な経営をしていると推定できるが、maneoへの投資に際し、C/AN社向けの案件が
あまりに集中する事態は避けた方がリスク分散となる。
C案件の妥当性
不動産担保での短期貸付、事業資金の貸し付けをメインとして行っている。これらは金融機関の与信が
通りにくい、あるいは金融機関で資金調達を行う方が不利益となる可能性があるため、ソーシャル
レンディングを使用して資金調達をする合理性はある。
利率は5〜10%程度で、リスクに応じた利率となっていると推定される。
D事業者、代表者及び役員のバックグラウンド
UBIはかつて巨額の負債を負ったが、現在は解消済。
代表者の半生は波瀾万丈の一言につきるが、バックグラウンドに明らかなネガティブ要素はない。
*maneo瀧本代表の半生は、こちらが詳しいです → こびと株.com
Eその他
そろそろ上場? という噂もある事業者。
上場すればソーシャルレンディング事業者としては初の快挙となるため、応援したいところ。
また、代表者のインカムゲイン投資とチャリンチャリンビジネスにかける意気込みはけた外れだが、
それを一切隠そうとしない態度には共感する。
【まとめ】
事業者の安定性、株主構成、実績、案件妥当性、バックグラウンドについて、特記する問題はない。
事業者の安定性は、かなり高いと推定される。
ただし、C/AN社案件への投資があまりに集中する事態は避けるべき。
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リンク先には同じ話題を取り扱うブログが沢山あります。こちらもいかがでしょうか。
posted by SALLOW at 11:30
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2017年09月27日
株式型クラウドファンディング「エメラダ」が動き出すようです
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エメラダが第一種少額電子募集取扱業者として登録
メールでのお知らせが入っていました。
少し前に存在を知り、一応メール購読だけ登録していた「エメラダ」というプラットフォームが、いよいよ
本格的に動き出すようです。
謳い言葉は、「オンラインで未上場企業に最適な資金調達の提供を目指すフィンテック企業」です。
今回、第一種少額電子募集取扱業者として登録された事により、株式型のクラウドファンディング業務を
行う事ができるようになります。
後にソーシャルレンディングにも参入予定とのことですので、当ブログではソーシャルレンディングの
話題として取り上げさせてもらいます。
事業者の信頼性
エメラダの共同創業者は3名。澤村帝我氏、古川直樹氏、五嶋宏通氏です。
まずは、軽く調べてみました。
・澤村帝我氏
前職は野村證券、ゴールドマン・サックス証券の投資銀行部門に約8年間勤務。
写真はこちらのページに出ています。
調べた限り、特にネガティブな情報はありませんでした。
・古川直樹氏
前職は日本GE財務部門、ゴールドマンサックス投資調査部門に約8年間勤務。
本人のLinkedinページ → こちら
調べた限り、特にネガティブな情報はありませんでした。
・五嶋宏通氏
前職はソニーのソフトウェア部門に勤務。
調べた限り、特にネガティブな情報はありませんでした。
・・・が、このページの中にお名前のある方、ご本人でしょうか?
「とある大メーカー企業」=ソニーと言えなくもありませんが。
ちなみに、本社所在地は「東京都千代田区麹町四丁目8番1号」。
この場所にあった旧ホテル「石川県営紀尾井会館」をリノベーションして作った貸しオフィスです。
なかなか洒落た作りでした。 (公式サイト)
また、エメラダは2017年4月に、D4V(Design for Ventures)及び個人投資家から2億円の資金調達を
行っており、その行く末に期待されている事が分かります。
ソース → THE BRIDGE
資金調達プロ
まだまだ黎明期にあるベンチャー企業で財務基盤は脆弱ながら、以上の内容より、現時点で気にすべき
ネガティブな情報はないものと思われます。
エメラダのサービス
エメラダはエクイティとデット、両方のサービスを開始予定。
まずは第一種少額電子募集取扱業者として業務が可能になったエクイティ型、つまり株式型のクラウド
ファンディングを、今年11月に開始予定とのことです。
株式型クラウドファンディングと言いますと、日本ではFUNDINNOが既にサービスを初めています。
FUNDINNOとの大きな違いは、その投資対象にあります。
・FUNDINNO:スタートアップ企業に投資する
・エメラダ:ベンチャーキャピタルやエンジェル投資家が既に投資している企業に対し、
新株予約権を利用して投資する
大まかに言えば、FUNDINNOが本当にできたての企業に対して投資するのに対し、エメラダはある程度
実績があり、既にプロの投資家が出資している企業に投資する、という違いがあります。
従って、投資先の企業が首尾良く新規上場を果たし、投資家に利益がもたらされる可能性はより高いと
言えるでしょう。
(その代わり、当たった時の最大リターンはFUNDINNOより低くなる可能性がありそうですが)
また、後日デット型のサービスも開始予定とのこと。
こちらはソーシャルレンディングと同じ貸付型クラウドファンディングの仕組みで、個人的には
株式型よりも注目しています。
ただ、澤村CEOのコメントによると今までのソーシャルレンディングのような、銀行の与信が通らない
領域の対応ではなく、機関投資家の領域にある案件をスピードアップするのが目的とのこと。
そのため、案件は高利率にはならないと予想されるようです。
ソーシャルレンディングのそもそもの守備範囲は、昔のノンバンクのような銀行の与信範囲外の案件が
メインでしたので、「そうではない」ソーシャルレンディングがどのようになるのか注目です。
(*銀行などと比べて絶対的に実績の足りないエメラダが、機関投資家の領域にある案件について
既存の銀行とどのような差別化を図るのかが気になります)
まずは正しくお金が還流すること
また、一つ興味深い点として、エメラダは「クラウドファンディングによって個人がお金を動かす」という
事自体には、それほど重きを置いていないそうです。
TechCrunchの記事に、澤村CEOのコメントがありましたので転載させていただきます。
「長い目でみれば個人がお金を動かす時代が来るかもしれません。(http://jp.techcrunch.com/2017/04/05/emerada-raised-200m-yen/ より転載)
ただ、アメリカですら(資金調達プラットフォームが)機関投資家へシフトしていることを考えると楽観的に考えても日本では、これは20年はかかる話。
それよりも、事業者に対して最適な形で資金還流がなされることが大切。経済にとっては流れるべきところに適切な方法で流れていないのが課題なので、大事なのはプロのお金。
われわれは融資先の発掘、選別、リスク評価の機能を充実させて既存の金融機関を支援します。
審査モデルとシステム構築の方向性については、金融機関の融資企画や審査部門で経験が長い専門家などと協議をしながら決めています」
ソーシャルレンディング先駆けのLending Clubでも、最近は機関投資家からのお金が過半を占めるケースが
多いらしく、完全に個人をターゲットにするのは効率の面でも難しいとのこと。
また、確かに「流れるべきところに資金が流れていない」という需給ギャップは深刻な問題ですので、
それを解決する事を優先するエメラダの姿勢は理解できます。
(そっちの方が効率的に儲かると判断したこともあるのでしょうが)
いずれにせよ、投資家としては新しい選択肢が増える事を素直に歓迎したいと思います。
エメラダの主要メンバー経歴は、ゴールドマン・サックス、三菱UFJモルガン・スタンレー証券、
野村證券、三菱UFJ証券、シティ銀行などそれは華々しいもの。
彼らメンバーの手でどのようなサービスが開始されるのか、また記事にしたいと思います。
エメラダでの投資を検討される方は、こちらのリンクをご利用いただければ幸いです。
(アフィリエイトリンクです)
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posted by SALLOW at 11:30
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