2018年10月04日
第4次改造内閣が発足。総務相交代によるふるさと納税への影響は?
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総務大臣の交代
第3次改造内閣で総務大臣であった野田聖子元総務相は、ふるさと納税において高額な返礼品や地場品で
ないものが横行していることを問題視し、ふるさと納税制度の見直しを発表しています。
・ふるさと納税見直しへ 高額返礼は優遇除外 (日本経済新聞)
これまで、ふるさと納税の返礼品を何にするかは、その自治体に大きな裁量がありました。
実際は総務省も指導はしていたものの、その内容に従うかどうかは自治体によるところが大きい上、むしろ
総務省の指導に応じなかったところが寄付金を多く集めるなど、問題になっていました。
そのため、以下のようなルールを設定する予定とのことです。
内容@:返礼品の調達価格を、寄付額の3割以下とする
内容A:返礼品には地場産品を使用する
内容B:@とAを満たさないふるさと納税は、税優遇の対象から外す
個人的な考えですが、ふるさと納税の返礼品に一定の制限をかけるのは仕方のないところだと思います。
少なくとも換金性が高いものは、返礼品から外すべきでしょう。
(その土地でしか使えない商品券や宿泊券は除きますが)
そうでもしないと、そのうち「昔金山があったからその流れで返礼品は金貨」とかやり出す自治体が出ない
とも限りませんし。
ただ、その一定の制限についてはトップダウンではなく、十分に自治体と協議すべきです。
そもそも東京一極集中による税の偏りを緩和するための措置なのですから、ふるさと納税の魅力そのものを
揺るがしてしまうような事はすべきではないと思います。
さて、先日第4次改造内閣が発足し、大臣の顔ぶれもずいぶんと変わりました。
大臣の交代による、ふるさと納税への影響を紹介します。
大筋には変更はなさそうです
ふるさと納税について「制度自体はいいが、ゆがめるようなことになってきた部分がある。それが批判につながってきた」と指摘した。その上で「見直しの検討をしていると聞いている。その結果を踏まえて対応していく」と述べ、法規制が必要だとの考えを示した。
・石田真敏総務相、ふるさと納税の過度な返礼品に法規制必要 (産経新聞)
第4次改造内閣の石田真敏総務相は上記のように発言しており、以前の方針を継続する模様。
つまり、ふるさと納税の返礼品に一定の規制がかかる動きは、今後も続きそうです。
一方で、「総務省の勧告をガン無視している悪い子」と名指しで批判された自治体からは、こんな声も。
・ふるさと納税で総務省から『名指しで批判』された泉佐野市が反論「なぜ3割?一方的な条件」
(Yahooニュース)
【泉佐野市・八島弘之 副市長】
「なぜ3割なのかの根拠示されたことなく、何をもって地場産品とするのかも根拠があいまいであり、総務省が一方的な条件を押し付けていると理解せざるを得ません」
ふるさと納税の人気自治体である泉佐野市は、抗戦の構えです。
この制度が始まったそもそもの理由や、かつて泉佐野市が財政健全化団体になった事を考えると、こういう
反応もやむなしだと思います。
ふるさと納税は、中央集権によらない地方への財源移行を行う方法として有効であり、かつ個人については
返礼品により合法的な節税が可能。
さらには、税の使われ方や税制についての基本理解を深めるきっかけにもなる、良い制度だと思います。
ただ一方で、脱法的な使われ方をしている事も事実であり、返礼品合戦が過熱しているのも事実。
制度に歪みが生じている以上、国の干渉は仕方ないのかもしれませんが、できれば最小限でとどめて健全な
競争を見守っていてくれれば、と思います。
もちろん私も、気に入った返礼品のあるところを中心に、限度一杯まで納税しています。
どんなところに納税をしたかは、別途記事にしようと思いますので、できれば楽しみにしていて下さい。
最後に宣伝です。
私は複数のふるさと納税サイトを利用して、もちろん限度額いっぱいまで納税をしています。
その中で、納税から返礼品の発送までが最も早いのは、おそらくこの「さとふる」でしょう。
(アフィリエイトリンク)
こっそりと、期間限定のけた外れ返礼品
面白いものを見つけました。
総務省通達に真っ正面から逆らう返礼品です。
(下記リンク、既にデッドリンクになっていたら申し訳ありません)
・鹿児島県南種子町やふるさとに行こう!日本旅行ギフトカード
これだけでも返礼率50%ですが、現在この町は期間限定でAmazonポイント10%サービス中。
つまり、返礼率は・・・。
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posted by SALLOW at 16:50
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コメントありがとうございます。
ふるさと納税の問題点については、おっしゃる通りだと思います。
一つだけコメントさせていただくなら、「上手くやった人だけ納税額が少なくて済む」というのはふるさと納税に限った事ではなく、そもそも日本の税制自体が「知っている人だけが得をする(だから、自ら勉強しなければならない」という立ち位置にあります。
だから個人は得ができるように勉強し、動くべきだと思っています。
もちろん、動かないのも個人の勝手。ですが、動いている人を責めるのはお門違い。正確な比喩ではないかもしれませんが、野球で盗塁がルール上認められているのですから、盗塁しない人は盗塁した人を責めるべきではないと、というのと同じだと私は思っています。
なお、私はふるさと納税に賛成も反対もありません。脱税カタログショッピングの側面は否定しませんが、それが合法的である以上、私にとって(そしていくつかの自治体にとって)有利な制度なのですから、それを利用するというだけです。
もしも返礼品が魅力有るものでなくなれば、次の節税手段を探すだけのことです。
個々人考え方はあるという前提で、私はふるさと納税は反対です。理由は、
1.返礼品に充てる金額分、国全体での税収が減る
2.税収格差は本来、地方交付税の分配率で調整すべき
3.居住する自治体に満額納税する住民としない住民との不公平を生み出す
4.返礼品が公開入札などを経ない場合、不正の温床になりかねない
といったところです。
1.について、ただでさえ税収が足りないのに、最大で3割分の住民税が減ります。
2.については仰る通り中央集権、政治家、官僚のさじ加減という問題はありますよね。
3.について、本来ふるさと納税は善意による自治体への寄付が制度創設の趣旨です。ところが現状は、厳しい言い方になりますが「合法的脱税ネットショッピング」に成り下がっていると思うのです。
消防やごみ収集など同じ行政サービスを受けながら、上手くやった人だけ納税額が少なくて済む。そして上手くやった人が受ける行政サービスは、満額払った住民の収めた税金で支えられる。これはやはり問題があるのではないでしょうか。
国民にクリアに見える形で地方交付税の分配率の見直しができれば一番良いのですが。結局、それも政治家の利権になっちゃうのかなぁ。。。
長々と失礼しました。