2017年11月21日
LCレンディング社長のブログより:アフィリエイトは投資促進になるのか?
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LCレンディング社長のブログから
数日前のブログですが、LCレンディング社長が面白い記事を書かれていました。
・LCレンディングの投資家登録数
・LCレンディングの投資家登録数〜続き
一部抜粋します。
先日、LCレンディングの投資家登録数は「2,700名」程度ということを書きました。
(なお、本日時点ではおよそ「2,900名」です)
ちなみに、クラウドクレジットさんが「8,000名」、
オーナーズブックさんが「10,000名」、
を突破したということで最近それぞれIRを出されています。
これら2社に比べるとLCレンディングの投資家「数」は圧倒的に少ないです。
それでも投資「金額」でいうと、これら2社の数倍の実績があります。
正直、なかなか攻めた記事を書くな、という印象でした。
今回は、この記事について私なりの感想を書いていきたいと思います。
事実確認
LCレンディングの社長曰く、「多額の投資をしてくれるのが、良質な投資家」とのこと。
これは、ソーシャルレンディング自体も商売なのですから当たり前の感覚です。
何のかんのと言っても、客商売である以上は金払いの良い客が上客であることに間違いはありません。
さて、では一人当たりの投資額を比較してみます。
投資総額については記事を書いた時点での数値を用います。
登録者数については検証する術がありませんので、公表されている数値を丸呑みすることにしますと
・LCレンディング:134億円÷2,900名=462万円/人
・クラウドクレジット:50億円÷8,000名=63万円/人
・オーナーズブック:40億円÷10,000名=40万円/人
・(参考)maneo:950億円÷59,000名=161万円/人
となりました。
LCレンディングの「一人当たり投資額」は、クラウドクレジットやオーナーズブックよりケタが一つ多く、
業界差大手のmaneoと比べても3倍弱あります。
一人当たり投資額が多いのが良質な投資家、という論法であれば、なるほどLCレンディングは他に比べて
良質な投資家が集まっているのでしょう。
私の意見
先に私の意見をはっきりとさせておきますと、山中社長には大変申し訳ありませんが、私個人としては
この記事の内容には否定的な意見を持っています。
誤解無きように申し添えますと、LCレンディングという事業者自体に否定的な意見はありません。
むしろ私はLCレンディングに対し、全事業者の中でもトップレベルに好意的な印象を抱いています。
あくまでも否定的な意見を持っているのは、この記事で言われている内容だけです。
(もし事業者に否定的な意見を持っていたら、900万円も投資していません)
その理由は、主に以下の三つです。
一つ目の理由
投資家の数は、潜在的な投資金額の増加要因となること。
投資家の質というのは初めから決まっているものではなく、案件の魅力、事業者の対応などによって
登録した後にいくらでも変わるものだと思います。
(みんクレを例に出すのはあまりにも極論で、他の事業者にも失礼ですが)
魅力的な案件ときめ細やかな対応を積み重ねることで、投資家はより多くの金額を投資するでしょう。
そうなれば、登録投資家数が多い事業者が、より多くの投資額を集める事ができるようになります。
ソーシャルレンディング事業者への登録にも一定の労力を必要としますので、何らかの施策がなければ
投資家数はそうそう増えないだろうとも予想できます。
(20事業者以上に投資家登録している私のような変人もなかなかいないかと)
あと、LCレンディングの場合、明らかに個人レベルではない資金力の投資家が数名散見されるので
その方々もまとめて平均取るのはどうかと思います。
もしそれを正とするなら、「機関投資家が最良の投資家」という結論も正しいことになってしまい、
「ソーシャル」レンディングとしての存在理由を一部捨てることにもなりかねないのではないでしょうか。
*ちなみに、超高利率で有名なグリーンインフラレンディングは3,600名で104億円、約290万円/人。
こちらには大口の投資家も見受けられません。
LCレンディングから大口投資家を除いて平均を取れば、グリーンインフラレンディングの方が
「良質な」投資家が揃っている、という結論になるかもしれません。
二つ目の理由
投資総額は案件や募集頻度によっても左右されること。
この記事では「投資金額」に焦点を当てています。
確かにそれは重要な指標ですが、投資金額は良質な投資家の数や割合だけに左右されるわけではなく、
その事業者の取り扱っている案件や募集頻度にも影響を受けるものだと思います。
LCレンディングの募集金額が多いのは、分かりやすい案件と適切な情報開示姿勢、強固な財務体質が
評価されたためであり、実際に私もこれらに魅力を感じて投資を行っています。
それに対してクラウドクレジットの募集金額が少ないのは、海外小口分散という初心者にはなかなか
受け入れられない投資対象であったこと、また予定通りの利率が出ない案件が散見されたため。
オーナーズブックの募集金額が少ないのは、そもそも募集頻度が少なくて毎回サーバレース化するため、
という要因も無視できないのではないでしょうか。
三つ目の理由
今は他の事業者のやり方に口を出すべき時期ではないこと。
現在は、まだソーシャルレンディングとしての黎明期をやっと過ぎたばかり。
全事業者の累計募集金額の総額は2千億円前後にすぎません。
しかも2千億円は累計であり、実際に貸付が行われている金額は、おそらくこの2〜3割ほどだと思います。
(例えばmaneoの累計募集額は950億円ですが、財務諸表から分かる貸付金額は150億円くらいです)
ソーシャルレンディングの貸付規模は、総計1400兆円あるという国民総預金の0.01%にも満たないもの。
まだまだパイは山ほどあるのですから、今は競争をするステージではないでしょう。
ソーシャルレンディングの特徴として、私は「投資家同士が競争関係にない」という事を挙げています。
ソーシャルレンディング最大の利点は、金融機関がお金を貸しにくいところに資金を還流させることにより
投資家、貸付先、事業者の全てが利益を享受できるという仕組みだと考えています。
なので、事業者自体も当然競争相手ではなく、他の事業者に口出ししても仕方なかろう、と思うわけです。
(邪推すると、クラウドクレジットもオーナーズブックもmaneoファミリーではないので、口出しが
しやすいのではないかとも思っていますが)
まとめ
と、何やら山中社長のブログに噛み付いてしまう記事となってしまいました。
一番言いたかったのは理由の三つ目です。
総預金の0.01%に満たないパイを競争するより、まだ手を付けられていないパイを開拓するべき。
そのためには、アフィリエイトであれなんであれ、今は何でもやってみる時期だと考えています。
LCレンディングでは実際にネット広告を行った後、効果があまりないということで取りやめました。
もしこれが事実であれば、他の業者も同じ結論に至り、ネット広告を取りやめているでしょう。
にも関わらずネット広告やアフィリエイトが無くならないということは、逆説的に何らかの効果を
認めている事業者もある、ということではないでしょうか。
最後に、山中社長のブログには
現在、これ(注:投資家登録数)を大きく増加させるための施策を関係各所と調整中です。
近日中に詳細を発表できると思いますのでご期待ください。
と書いてあります。
多分アフィリエイトではないと思いますが、どんな施策か期待しています。
ランキングに参加しています。
リンク先には同じ話題を取り扱うブログが沢山あります。こちらもいかがでしょうか。
posted by SALLOW at 17:30
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いつもありがとうございます。
急ぎフライトする用事があり、お返事遅れて申し訳ありません。
LCレンディングがお金に困っていないというのは同感です。
逆に、そういう事業者であるからこそ安定性があり、(多少条件が良くない事を差し引いても)安心して追加投資を行えます。
そんなわけで事業者としては評価しているのですが、さすがに今回のブログ内容はどうかと思いましたので、噛み付かせてもらった次第です。
限られたパイを奪い合う状況なら競争もやむなしですが、今のソーシャルレンディングの市場規模はそんな事をするような時期ではないと思っています。
病院私募REIT・・・診察料金割引はさすがにいらないですよね。
他事業者の京町家案件のように、使用料割引のようなサービスでもいいかと思ったのですが。
LCレンディングは、はっきり言えばお金に困っていない事業者なので、良質な投資家についてというブログが発信されると思います。
親会社は、ロジコムですし、その気になればNHN氏(機動的に何億という資金を投げてくるのでデポジットではなく払込精算をしていると思います。完全な妄想ですがおそらくロジコム本体の法人IDと思われる)のような機関投資家や多額のキャッシュを案件ごとに突っ込んでる常連IDがバックに控えているので、埋まるのが早いですね。
しかし、はがきの送付も簡易書留で送るなど1人あたり人件費や経費が掛かっており、それを掛けてもキャッシュバックだけもらわれてさようならというものは嫌だと言うのはわかるのですが、なんとなく読んだ時に違和感を覚えました。
特典は、楽しみですが今度立ち上げる病院私募REITへの出資証券販売などあれば欲しいとは思います。