2017年08月03日
ソーシャルレンディング案件における不動産担保の評価ポイント5つ(私の場合)
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はじめに
ソーシャルレンディング投資初心者向け記事の第四弾です。
今回は、日本のソーシャルレンディング投資においてもっともポピュラーな担保である不動産担保について
担保の情報をどのように分析すればいいかをまとめます。
いつもの通り、なるべく客観的かつ調査した上での記事とするつもりです。
ただ、私は宅建免許を持っているわけではありませんので、間違いや不適切な点があるかもしれません。
その場合はご指摘いただければ嬉しいです。
なお、初心者向けの過去の記事はこちらです。併せてご覧下さい。
・なるべく客観的なまとめ:SL初心者にお勧めの事業者
・SL投資における分散投資のススメ
・ソーシャルレンディング案件の評価ポイント6つ(私の場合)
ソーシャルレンディングを始めよう、と思う投資家にとって、不動産担保の情報は多岐に渡りすぎていて
どこを見れば良いか分からない、という事が多いのではないかと思います(私もそうでした)。
そういった方への一助となれば幸いです。
*逆に、プロの方は素人が何か言ってると笑い飛ばして下さい。
不動産担保の切り口
私的に、不動産担保の切り口は以下の5点です。
・所在
・用地
・所有権
・抵当(根抵当)順位
・LTV(Loan To Value)
それぞれについて見ていきます。
所在
読んで字のごとく、その不動産がどこにあるかという情報です。
都市圏の物件であれば、不動産はあまり時間をかけずに売却できることが予想されます。
もしド田舎の不動産であれば、いくら評価額があってもなかなか売れないでしょうし、売れたとしても
足下を見られ、買いたたかれる恐れが高いと思います。
日本であれば、東京23区内などはかなり堅い担保になるでしょう。
ただし、いくら堅い担保とは言え、担保不動産が狭い地域に集中することは避けるべきです。
23区直下でM8クラスの地震が来れば、不動産価値はまとめて吹き飛びます(おそらく貸し手も)。
もちろん可能性は低いのですが、ゼロではない、ということは肝に銘じるべきです。
ソーシャルレンディング投資に共通する原則は「徹底的な分散」だと思います。
不動産一つを取ってみても、東京23区内、区外、首都圏、関東以外、日本以外など選択肢は数多くあり、
それらをバランス良く組み合わせる事が大事だと考えられます。
用地
担保の不動産が何に使われているのか、という事についても調査をする必要があります。
代表的なものは以下の通りでしょう。
・居住用不動産(一戸建てorマンションやアパート)
・ビジネス用不動産(オフィスビルや店舗)
・事業用地(太陽光発電など)
用地を調査する理由は、所在を調査する理由と似通っています。
都市部のビジネスビルと、郊外の太陽光用地とではどちらが売れやすいか、考えるまでもありません。
後述するLTV(Loan To Value)は土地の評価額に対する貸付金額の割合であり、担保の強度の指標ですが
その担保の換価性(お金に換えられるかどうか)については何も言っていないことに注意です。
担保が発動してしまった時、投資した額の損失を最低限に控えるためには、
・LTVが低く
・換価性が高い
という案件を選ぶ必要があります。
そういった案件は、例を挙げれば首都圏近くのオフィスビルやアパートになります。しかし、これらの
堅い案件だけに集中することは、また別のリスクを引き起こします。
(例:気づいたら担保案件が23区内に集中していた、等)
このジレンマに対する答えは人それぞれで、おそらく絶対的な解は存在しないと思います。
あくまでも私の考えとしては、堅い案件へ集中するよりは、分散が重要だと思っています。
所有権
担保となっている土地が、「今、誰の所有物なのか」を確認する必要があります。
貸付先の所有物なら問題ないのですが、不動産購入用代金を貸し付ける案件で、担保がその購入予定の
不動産の場合、担保としての価値は一段落ちます。
最悪のケース(貸付の後、不動産を購入する前に貸付先が吹き飛ぶ)を想定した場合、担保の土地が
貸付を行う時点で誰の持ち物であるのか、案件の文面などから読み取る必要があるでしょう。
抵当(根抵当)順位
抵当(根抵当)順位も重要な要因です。
抵当と根抵当の違いについては、重要な事項ではありますが本題から外れるため、詳しく説明はしません。
あくまでも私の理解ですが、
「借りる金額や日付が既に決まっている、単独の貸し借りの契約に使うのが抵当権。
限度額(極度額)までなら何度でも貸し借りできる包括の契約に使うのが根抵当権」
という違いだと思っています。
抵当順位が第一順位であれば、その担保を売却した際の金額を最初に受け取る事ができますが、
第二順位、第三順位・・・と順位が下がるにつれ、前順位の支払が終わらない限り支払を受けられません。
つまり、担保としての堅固さは落ちることになります。
例として、第一順位に2億円、第二順位に1億円の抵当権がある土地がもし2.5億円でしか売れなければ、
第一順位は2億円を受け取る事ができますが、第二順位は抵当権の半分、0.5億円しか受け取れません。
土地に対して抵当権がある場合、その順位についてはきっちり確認しておくべきでしょう。
LTV(Loan To Value)
LTVは、「土地の評価額に対する貸付額の割合」の事で、以下の式で求められます。
・LTV(%)=(貸付額)÷(土地評価額)×100
抵当が根抵当であり、追加の貸付が確実視される場合、貸付額は極度額に置き換えるべきです。
もし抵当が第二順位であったような場合、安全性の点から、LTVは以下のように求められるべきでしょう。
・LTV(%)=(貸付額+先順位金額)÷(土地評価額)×100
一般論として、LTVは低いほど強固な担保と呼べます。
また、ざっくり言うと担保不動産の価値が(100−LTV)%以上落ちた場合、担保発動時に元本が損害を
受ける可能性が出てくる事になります。
実際のところ、担保の所在や用地による換価性も加味する必要があり、ここまで単純ではありません。
所在や用地が同種(同等)である場合は、LTVによって担保の強度が比較できる、と言えるでしょう。
また、LTVは固定ではなく、その土地の地価によって可変であることも重要です。
担保土地の地価がどのように推移しているか、についても、土地の所在がある程度絞れる場合には
地価データのサイトなどを利用して調査しておくべきだと思います。
まとめ
以上、私が不動産担保を評価する際の切り口、
・所在
・用地
・所有権
・抵当(根抵当)順位
・LTV(Loan To Value)
について、簡単ながらまとめました。
不動産以外の担保についてはもっと複雑(というか、言葉にしにくい)ので、記事にできるかどうかは
現在のところ検討中です。
最後に決まり文句で申し訳ありませんが、本内容については私なりの検討を行った上で記事としています。
内容にはある程度の自信を持ってはいますが、最終的な投資判断はご自分でされるよう、お願いします。
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posted by SALLOW at 08:20
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