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2018年06月26日

地球が天国になる話3

 子どもはそれが嫌なんだよ。

 それと一緒にして、お母さんの偉さを見せようとしてるんだよね。

 それでコンプレックスを晴らそうとしてるんだよね。

 親は親でコンプレックスをまた持っちゃてたの。

 子どもにコンプレックスを与えない最高のことっていうのは、運動会だろうがなんだろうが、学校でいい成績とると、喜んであげるけど、成績下がるとあからさまに嫌な顔する。

 いい子にしてるときだけは喜んであげるけど、ちょっと気にいらないと、

「私は何も言ってない」

って、顔が言ってるの、態度が言ってんの、

 それが子どもにものすごい劣等感を与えるの。

 たとえばうつ病になっちゃったりした子なんか、いい子なの。

 いい子なのにもっといい子を望むの。

 親がもっといい子、もっといい子って望んでもできないの。

 人生って、少し上を望んで何か挑戦するってすごく楽しいことなの。

 子どもが自分で自発的に

「絵だってもっとうまくなりたい」

「ピアノだってうまくなりたい」

って言うのなら楽しいの。

 子どもの速度を超えて、もっと望むの、もっと。

 それで行かないと、すごいがっかりした顔をするの。

 それを、あたかも親は

「あんたのことを可愛がっているからだよ」

みたいなことを言うの。

 それが子どもにものすごいコンプレックスを与えるの。

 劣等感を与えられると、子どものほうは子どものほうで、劣等感をうんと与えられると、自分に対して自分がいい子だったり、そういう時以外は可愛がられないんだと思う。

 大人しい子のパターンだよ。

 劣等感をうんと与えられて育ったおとなしい子というのは、お母さんは自分がいいことをしたときは喜んでくれる、悪いことをすると怒る、ということは、自分は何か常にいいことをしていないといけないんだという状態になってくる。

 親が勝手に、自分のコンプレックスを補うために子どもを叱っているようなもんなの。

 で、親は自分に劣等感があるというのをよく知らないんだよ。

 だから、子どもにそういうことをすると、やられた子どもの方は、自分は無価値だと思っちゃうの。

で、自分に価値を見出すためには、ひとつのことをしなくちゃいけない、それは、人が喜ぶことを常にしていないと、自分は無価値だと思っちゃうから――全員とはいわないよ――意外とそういう元気のない子に

「あなた、何やりたいの?」

って聞くと、

「自分はボランティアとか福祉をしたい」

って、言うの。

 それは何かいいことをしなけりゃ、自分には価値がないと思ってる。

 それで、必ずそういう人の特徴というのは、楽しそうにやっていないの、見るからに。

 自分のコンプレックスを補うためにボランティアをやっている人というのは、本当はやりたいわけではないから、

「やりたいの」

って言いながら、なかなかやらないの。

 ボランティアをやったとすると、実はそんなことでコンプレックスは補えないから、今度やらない人に対して

「あの人たちは何でやらないんだろう」

って、不平不満をぶつけ出す。

 だって、自分はやりたくてやっているんではないんだもん。

「やりたくないのに私はやっているんだ。何であなたたちはやらないんだ」

って理論になってくる。

 劣等感があっておとなしい人っていうのは、うつ病になったりする。

 いい子なのに、もっといい子になろういい子になろうと思って息苦しくなる。

 で、暴れられりゃあいいけど、暴れられないと毎日親に……

 愛と言う名の暴力なんだよ、あれ。

 ふるわれると、だんだんだんだん、元気の気をとられちゃう。

 そうすると、無気力になっちゃう。

 なんで無気力になったかというと、誰かが奪ったんだよ。

 学校に行くと大人しい子だから、いじめらる。

 いじめる子っていうのは劣等感を持ってる。

 で、劣等感を持ってて、いじめられる子も劣等感がある。

 劣等感のある大人しい子を、劣等感のある攻撃的な子がいじめるんだよ。

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