2012年07月06日
余談。交換日記について
今特に頻繁にものを書くようになって思い出したことがある。
そういえば、昔からものを書くのが好きだった。
まあ、今とはだいぶ趣が異なる。
昔は、交換日記だった。
結構これをしていると、よ〜く相手のことがわかる。今で言うとメールのやりとりだろう。
中学時代に、好きだった女の子と交換日記をしていた。この女の子はクラスのアイドルだった。いや、学年全体でもモテていた。誰に似てるかな。誰でもないな。ただ、明るく笑顔が素敵な人だった。
彼女の近くの席に座った男子は、他の女子には目もくれず3人かかってその子にだけ話しかける、そんな感じの子だった。クラスの男子20人の中でこの子を好きという男子が、知っているだけで5人はいた。
中学2年生の時に同じクラスだったのだが、3年になってからクラスが別れた。それからしばらくしてから交換日記が始まった。何がきっかけだったかは忘れた。
交換日記といっても、別にノートを交換していたわけじゃない。ルーズリーフにその時その時、思ったことあった出来事なんかをただ書いたものだ。それを折って翌日廊下なんかでそれとなく手渡す。あまり人目にはつきたくなかった。俺はシャイで奥手だった。・・・・・・・・・うん、今でもそんな部分は残っている。
始めはほんの1枚のルーズリーフだった。お互いそうだった。それが、毎日毎日やりとりしてるうちに、だんだん枚数がかさんでくる。多いときには1日5枚ぐらいにはなっていた。しかも、字もだんだん細かくなっていく。その時代パソコンもワープロも使ってない。手書きの文章。ほとんど思いついたまま書いてるから編集なんてしてない。
中学3年生、受験生だ。それでも手紙を受け取ると帰ってすぐに返事を書き始めたのを覚えている。話せば話すほど、話はつきないのだ。先生の事、同級生の事、恋愛の事、好きな音楽のこと、受験のこと等など。書きながら、BGMにはドリカムのアイズトゥーミーがよく流れていた。
普段、別のクラスになっていたから、接触する機会は限られる。手紙を渡すその一瞬だけだ。
そういえば、この頃俺は漫画も描いていた。と言っても、単なる有名漫画の絵の猿真似だ。ストーリーは考えていない。そっくりに描くことだけは得意だった。絵だけならほぼ完コピできていた。ただオリジナリティはない。
その話も手紙の中でしていたっけ。
画材も、少ない小遣いの中から、ケント紙、Gペン、丸ペン、製図用インクまで揃えてやっていた。スクリーントーンまではさすがに買えなかった。まあ、これを使わなくとも綺麗な絵を仕上げる漫画家は結構いる。鳥山明さんなんかはいい例だ。我ながらよくやる。受験生のくせに。その頃別に漫画家になろうとか思ってなかったのだが、没頭し始めると徹底的に研究するタチなのだ。
この子が2年生の頃、欲しがったので、美術の時間作った手掘り彫刻のオルゴールをあげた。これも美術の時間だけじゃなく、家に持ち帰って、丁寧に彫を加えた力作だった。
手紙の中で「今も大事に持ってる」と書いてあった。
しばらくそうしたやりとりは続いた。だが、ある時から突然終わった。
今考えたら馬鹿としかいいようがないのだが、別の女の子とも手紙のやり取りを始めてしまったというのが大きな要因だろう。その子も2年生の時同じクラスだった子で、3年になって別々になった子だった。この子とも話が合ったのだ。クラスで1番の秀才で、先生の謎かけに誰も答えがわかってない時にも、この子だけは気付いている。そんな子だった。
「八方美人で調子がいい。O型は大人しく買え」その当時そういうコピーのCMが流れていた気がする。
・・・・・・・・・・・・・・・・・八方美人もいい加減にしろと後で自分に腹がたった。
結局、その学年のアイドルとは付き合うこともなく、中学を卒業した。秀才の子とはその後1回だけデートするのだが、それはまた、別の話。
後日談だが、その学年のアイドルとは、地元に帰ってきて仕事上偶然会ったことがある。一目見て、気付いた。その時も見かけはあまり変わっていない。おそらく相手も気付いていた。目を伏せる。相手は旦那らしき人と一緒だった。書類を見ても、そうだとわかる。何も気づかぬ振りをして、たんたんと仕事をする。極めて事務的に。その方が相手もいいだろう。俺が気付かぬ振りをしていたことを相手も気付いていただろう。それでいいんだ。
昔の淡い思い出だ。
・・・・・・・・・・・・・・ん?昔のことを思い出し始めたぞ。
おい、人は死ぬ前に走馬灯のように昔のことを思い出すというが、これはその症状なのか?
そんなはずはない。俺は娘のためにもまだまだ生きなければいけない。
ただ、ものを書いていると、書いていることにリンクしていろいろ思い出すだけだ
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