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2023年02月03日

食べ過ぎるということの意味について考えてみる

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あるところで質問されたんです。
ダイエット食品の中に健康に悪いものが入ってるんじゃないかとか、低カロリー食としてはどういうものがいいんでしょうかとか。そういう食品、これは女性の方で、非常に関心が深いんですね。
女性の多くは家族の健康に対して責任を持ってますから、やっぱり気になるのは当然ですね。

私はその2つとも、返事が難しかったんですよ。というのは、私は元々ダイエットとか太りすぎとか、それから痩せるためにとかメタボとか、それから低カロリー食品とかも大嫌いなんです。
なぜ私が嫌いかっていうと、人間の一番の問題は、このところに図を張ったんですけども、地球環境基金というかNPOでもどこでも書いてあります。
我々人間が生きるためには何段階かの命が必要なんですね。元々命がどうしても必要なんですよ。人間が食べるものというのはね。あの菜食主義者ってのはどう考えておられるのか知りませんが、私は動物の肉であれ、魚であれ、植物、サラダであれ、みんな同じように見えるんですよ。つまり命なんですね。

特に私なんか、こんなこと言うとちょっとノイローゼじゃないかって言われるんですけど、ちりめんじゃこなんて言いますとね、小さい魚を100匹ぐらい、すぐ食べちゃうんですよ。この者たちに命があっただろうな。夢があっただろうなと、こうちょっと思うんですね。
だけどもちりめんじゃこも食べなきゃいけないし、味噌だって大豆ですからね。
まあ植物の実っていうのは若干こう命と関係ないところがあって、食べてくださいって作る場合もあるんですけどね。そういう食品だけ私が食べてればいいんですけども、植物の葉っぱみたいのを食べるんですよ。白菜の漬物。白菜はまだ。だけど葉っぱっていうのは、植物の命の素ですよね。ですから葉っぱの中には結構、動物に対する毒物が入ってるんですけども、それは植物が必死になって自分の身を守ろうとしてるわけですね。

動物に至ってはもちろんですね。豚にしても牛にしても鳥にしてもですね。やはり食べられるよりかは、人生を全うした方がいいでしょうね。私自身はできるだけ年を取るまで健康でいたい。20、30で命がなくなりよりか、80、90まで生きていたいとかね。そんな風に思ってるんですよ。自分はですよ。
だけど自分だって一つの命に過ぎないんですよね。むしろその単なる植物の方が、山に生えてる木の方が偉いという感じもするんですよね。っていうのは、植物は命を食べなくても生きていけますからね。太陽の光と、最近嫌われるものになってるCO2、温暖化ガスと水があれば、自分の命をずっと保つことができるんで、人の命を食べる必要ないんですよね。立派だとも思うんですよ。
まあしかし豚なんかは、植物を食べないと。多少雑食だったら食物以外のもの食べないと、命を食べないと豚ダメなんですね。だけども豚も、僕よりかは少なくとも偉いような気がするんですよ。

隣の人が肉が欲しいから先生、左手の肉を少し切ってくんないですかって言ったら、僕嫌だって言うと思うんですね。自分の肉をあげたくないって。人の肉は食べたい。だからどうも豚よりか自分の方が、なんか自分勝手なような気がするんですよね。
ですから人間はやっぱり、生きていく上に十分に必要なもの、十分にっていうのを入れたんですけど、十分に必要なものを食べるのはいいと。生きてる上でですよ。それ以上のもの、いらない。低カロリー食品というのは何が悪いかっていうとですね、人間というのはこの頃、糖質拒否なんかで変な話になっちゃってますけども、カロリーっていうのはどうしても必要なんです。これはタンパク質とかそういうのと違うんですね。カロリーは熱になるものですね。熱になんないと人間というのはこれ、熱機関って言うんですけどね。簡単に説明しますと、体温だいたい37℃ですね。周辺の温度は気温によって変わるんですけども、人間の場合、26℃、つまり11℃の温度差が自分の体と周辺にあるので、11℃の差で熱が体から外に行くんですね。
体から外に排出することによって、心臓が動き、血液が流れ、頭が働きってなるわけですね。ですからカロリーというか熱を出さないと人間って生きていけないんですよ。で、生きていくためにはカロリーが必要なんですね。熱量が必要なんですね。ですから熱量もできるだけ高いものを食べるべきなんですよ。 熱量のできるだけ高いものを少量食べればですね、その分だけ命は少なくて、他人の命を、他人というか他のものの命を取る量が少ないわけですね。

昔、新聞だったが漫画本だったか忘れましたけど、サトウサンペイさんの描かれた漫画がありましてね。4コマ漫画が。そこでですね、なんかあの小さいもの、例えばちりめんじゃこみたいなものとかね、そういうものを食べると命をうんと取るんじゃないか。大きい生物と小さい生物と命の価値って違うのかっていう漫画があってですね。考え込んだことあります。もう今から60年以上前だと思いますけどね。

本当に人間ってのは、その意味では、ある意味で、罪作りで、昔はそれがよく分かってました。従って1年にいっぺん供養したりね。それからもしかすると、無生物でもやはり何か魂が宿ってんじゃないかということで、針供養とかそういうものもやったわけです。つまり自分たちが生きてるには、周りのものの命を取ってるから、やっぱり感謝しなきゃなっていう素朴な気持ちがあったわけです。それは山を見て川を見て動物を見て植物が咲いてるの見てね、海を見たら、やはり人間っていうのはそういう考えになるもんだと思うんですね。

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ここに生態系ピラミッドと食物連鎖って書いてありますが、一番基礎には細菌とかバクテリア。その基礎が太陽の光とかCO2とか水なんですけども、そういう無機物もあるんですけどね。それからもちろん鉄とか銅とかそういったものも生物の体の中ではどうしてもいるもんですよね。
細菌なんかも人間の腸には、腸内細菌がずいぶん多くいましてね。そのおかげで我々は今度はそれは消化に役立ってくれてるわけですが、ものすごく死ぬんですよね。だから我々の腸内細菌っていうのはものすごく寿命が短いんです。どんどんどんどん死んで、どんどんどんどん活動してくれてるんですね。だからその分解者って一番下も直接的に人間には役立ってるんです。
もちろん植物そうですね。もちろん植物は食べ物でも役立ってますし、それから気温を安定させたり、いろんな意味でね。景観を保ったり心を慰めてくれたりしますよね。

それからもちろん牛とか豚とか魚とか昆虫だってね。昆虫を食べるっていうのはナンセンスですが、昆虫がいるからこそ花が咲いてですね、虫がいるからこそなかなか人生も深いと。だからこの図は人間が頂点に立って、万歳してますけど、本当は頂点に立ってる者は、万歳するんじゃなくて、申し訳ないって感じですよね。
申し訳ない。細菌とか、バクテリア偉いよなと。自分一人で一所懸命生きてて。その他のものをあまり利用しませんからね。
で、どうも食べ過ぎて、食べ過ぎてっていうのは言い方変えれば他の命を取り過ぎ、殺し過ぎて、自分が太っちゃったから体重を減らさなきゃいけないから、どっかにダイエットの良いものありませんか。これを食べると痩せるってやつありませんかという人がいるんですよ。それをこの前なんかNHKが報道したって言って、みんながこれを食べると痩せるんだなんて言ってますけど、いやそれちょっとね、道徳っていうか、いつもその自然を大切にしろとかね、命は地球よりも重たいなんて言ってる人は、どういう気持ち持ってんですかね。

僕はやっぱりちょっと心が痛いんですよ。食べる時にですね。
あまりに加工されたやつは大丈夫ですよ。例えば紅茶は今飲んでたんですが、紅茶もやっぱり葉っぱは葉っぱなんですよね。だけどこのくらい加工してると、僕の心は直接的には痛まないんです。しかし魚の焼いてるの見たり、ステーキを見たりね、すると心の中ですまないって気持ちは、僕は湧きますね。申し訳なかったと。申し訳ないけど、自分はこれでしか生きていけないんで、申し訳ないと。そういう気持ちが少しでもあれば、ダイエットなんていうのを、出てこないと思うんですよ。

ダイエットだってですね、食べるのを減らしましょう、だったらいいんですよ。
食べるの減らしましょう。これは私が参考にさせていただいている石黒先生で言っておられるように。どのくらい食べればいいんですか。簡単ですよって石黒先生言うわけですね。
1日2食にしてみて、お腹が減ったらちょっと食べる。要するに食べる方は、料理が美味しかったら食べるけど、余計に食べる方が。最低限食べる方が、お腹が減ったら食べたくなりますからそれでいいですよと。
その通りなんですよ。つまり石黒先生方式で、自分が殺す命の数を減らしたいですね。
ご婦人だって太る、太るって言っておられるんだから、別にダイエットどうのこうとかね、こういう食品がいいとか、低カロリー食品を食べようとか言うんじゃなくて、まあお好きなものを食べていただいて、命を殺す量を少し少なくするというのが、まともな社会じゃないですかね。僕はそう思います。

武田邦彦 ヒバリクラブ
日本と科学(25)「ダイエット」は不道徳 令和5年1月25日
https://youtu.be/4UAMvDxyjjE

図の出典
独立行政法人 環境再生保全機構 地球環境基金
https://www.erca.go.jp/jfge/info/publicity/tayori/49/feature/interview01.html



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2023年02月02日

子供を育む環境について

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今日はちょっと理屈っぽい意味でもあるし、柔らかい意味でもあるんですが。

ここに、保育園は誰のためというのを出してます。思い出せば私が名古屋大学にいる頃。名古屋大学は国立大学だったんですけど、そのうち独立法人とかで変なのになってですね、名古屋大学自身で経営を少し考えろということになって、これ経費節減なんかもあるんですが、大学の機能として悪くなりました。独立法人になりまして、先生方の代表者が、名古屋大学の場合15人ぐらいでしたか、各学科みたいなところから出てきまして、それで経営委員になるんですね。それで学長とか副学長が出てきて、あと事務方のトップが出てきて、ここで協議する。
これに来年度の4月から保育園を作りたいという提案がなされました。もう今からそうですね、20年ぐらい前ですかね。それで4,000万円ぐらいだったと思うんですね、初年度。で、趣旨説明があって、現在の世の中は保育園が不足している。保育園を作るのが大切であるという話があって、大学としても世間のそういう流れに沿って、名古屋大学の中に保育園を作りたいという提案がありまして、ほぼ皆さん異論ないっていう感じだったんですね。
それで私が手を挙げまして、今保育園を作る理由を聞くと、お母さんが忙しいと。お父さんの協力も、必ずしも満足に得られない。従って子供を預ける保育園を作りたいというご説明がありましたが、預けられる方のお子さんのご希望は聞きましたかと、こういうふうに聞きましたら、ちょっとアホ教授がいましてね。こういう会議というのは、そのアホなんとかがいるとすごく助かるんです。「武田先生そんなこと言ったって、幼児は意見を言わないじゃないですか」、なんて言うから、しめたと思ってですね、「ええそりゃそうです。しかし今名古屋大学が保育園を作るというのであれば、世間が作るから作るって言うんでは、大学の社会的責任を果たせないでしょう」と。「大学では育児学もあるし、生物学もあるし、いろんなものがありますから、その方たちが、先生方が幼児の代弁をしてですね、幼児は保育園に預けてもらいたいのか、それともお母さんのもとで育てて欲しいのか、それはやっぱりあるでしょう」と。「なんたって当事者ですからね」と、こう言ったわけですね。
その後少しの議論があって、それでやっぱりそう言われると、大学側もうっかりしてたかということになって、流れたと思うんですよね。
来年度から幼児を預けたいと思ってた人は、大変に僕の発言に対して反感を持ったわけですが、しかしこの世の中は、なんか政治的にパッと決まったり、誰かテレビで、ある人がパッて言ったりすると、そのまま誰も頭が働かない。バスに乗り遅れないと思ってやるっていう、そういうような、頭なし社会になってきたわけですね。

地球温暖化だってそうです。あと250年経たないと平安時代の気温まで行かないのに、みんながバスに乗り遅れるなって言ってたり。そういう軽薄な人っているんですよ。だけど最近のこの20、30年間の歴史を見ますとね、政治を見ますと、小泉政権時代の財政のやり方とかね、竹中さんのやり方とかね。それから民主党政権におけるまあ3人の首相のやったことを見ますと、結果的に非常に日本に大きな打撃を与えてますね。やっぱりよく考えないでやれば、損害が来るってのは当然かもしれませんね。

もちろん保育園というのが現代の社会で、子供に悪いと決まってないんですよ。それはですね、兄弟も少なくなりましたし、おじいちゃんおばあちゃんのいない、まあ小家族ですし、それからかつて近所の友達と遊んだ道路も使えなくなりましたね。自動車が占有しまして。ここは児童の権利が奪われたという言い方をしてもいいかもしれませんね。
昔だったら三角ベースとか、羽子板、羽根つきとかやってたところは全部できなくなりまして。従って保育園のようなところで、同年代の子供たちと一緒に成長していくのは、いいことかもしれません。
お母さんの元で生活するのと保育園で生活するのと2つあっていいような気がしますが、しかしそれは議論が要りますよ。私が勝手に決めるわけにもいかないし、お母さんが忙しいからというのはダメでしょうね。

お母さんが忙しいからとかお父さんが面倒見てくれないからったらダメですよね。元々、後でいつかお話しますが、幼児にとってお母さんに育ててもらいたいのか、お父さんに育ててもらいたいのかって、ちゃんとしないとですね。なんかジェンダーとかいう変な英語を使う人たちが、お父さんは必ず保育しろって言ってるんですけど、お父さんの保育っていうのはおそらく否定されてるんですよ。だからこれは、人の権利という問題は幼児も入れなきゃいけないってことですね。
両親の権利ばかり言ってるんですよ。女の権利はどうするのか、男の権利はどうすんのか。権利はそういうもんじゃありませんよ。総合的ですからね。幼児の権利とお母さんの権利とお父さんの権利。まあ権利権利って言うのはいけないんですけども、まあ権利と言ってもいいでしょうね。それがちゃんと平等に行われているかってことが一番問題だと思います。

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なんて思ってたら最近長野県で、ここにちょっと地図を描きましたが、小学校とか保育園とか児童センターのちょうど真ん中に小さな、これちょうどこのくらいの公園って幼児にいいんですけどね、公園がありまして、その公園で幼児はね、ピーチクパーチク、もうしょっちゅうしゃべってるんですよ。私の家のね、東京の家のすぐそばには保育園もありますけれども、公園もありましてね。保育園の子供たちは、すごく小さい子供たちは、なんか箱に乗って保母さんが押してきますよ。それからちょっと大きくなるとゾロゾロと、帽子をかぶった幼児が来まして。もうずっとしゃべり通しですね。だけどその声は非常にいいですね。
僕は非常に年取った爺さんですが、非常にこう明るくなりますよ。ああ子供っていいなぁとか思いますね。だけどそれ、人によって違うんでしょうね。この長野県のこの公園にいちゃもんをつけて、公園を閉鎖させた85歳の信州大学のかつての先生ですね。まあうるさかったんでしょう。本人はね。工学部っていうか私と同じなんでね。なんかちょっと私も申し訳ないなって気がするんですが。

もう一つの私の家の方では、すぐ近くに小学校があります。小学校は建物ががっちりしてますし、外でいつも遊んでないんで、それ程声はしませんが、運動会とかそういう時にはやっぱりかなりの音がしますけど、やっぱりこう、いいですね。やっぱり今近くにね、子供が遊んでる道路もありませんので、子供の声を全く聞かないような静かな住宅地よりか、やっぱり人間っていうのは赤ちゃんの泣き声ね、それから誰かの怒鳴り声、それから幼児の楽しそうな声、高い声ね。それからたまには奥さん方の声、そういうのが聞こえて人間ですね。
私は一時あのマンションに住んでおりましたらね、本当にうるさい。うるさいっていうか、うるさいことに対してうるさいんですよ。なんか上の階で走ってる子供の足音が聞こえるとか、どっか小さな音が聞こえたら、すぐ文句言う人がいるんですね。じゃああなたは人間の社会の中にいなきゃいいじゃないの。
私ね、昔東京の大学にいますとき、研究室に腹立てて入ってくる学生がいるんです。今日は混んでたとか。電車が混んで。田町降りて、すぐのところの大学でしたからね。山手線の田町ですね。非常に昔は電車が混んでたんです。今そういうことはありませんが。それでその混んでるところを学生が、夏暑い時汗かいて来て研究室に入って、友達がいるから、「今日の電車は混んでた。やんなっちゃうよ。あんな混んでる電車」、って言ってるんで、僕はちょっとそれを聞いた時があって、「おおそうか」と。「電車は混んでたか」って言うと、「ええ混んでました。先生すごい混んでましたよ。」「ああそう。じゃあ君が降りたらいいんじゃないの。」って言ったんですね。人が多いから混んでるわけで、自分もいるから他の人も混んでるんですよね。だから別に自分が降りれば電車は空くんですよ。だからいつも自分中心、世の中がどういう風になってるっていうことにほとんど関係ないんですね。
もともと公園はみんなで利用するんだけど、この頃、これ閉鎖されたんですよ、長野県の。もしかするとこれは信州大学の元の先生の責任になってますけども、この公園の管理が、長野県で面倒くさかったのかもしれないんですよ。公園っていうのはいろんな人がいて、やっぱり手間がかかるのが公園なんですね。人間がいますから手間かかるんですよ。ところが最近では、公園で犬を散歩させちゃいけないの、なんかビール飲んじゃいけないのって、山ほど言ってですね。公園に入ろうとすると、15個ぐらい、これしちゃいけないと書いてあって、それで結局公園誰も使わないと。 よく公共の施設はね、市営の集会所なんか、もうものすごく書いてあるんですよ。何にもしたくないんです。それで事務所には2人ぐらい市役所の人がいて、何にもしないでぼーっとしてる。なんかゆっくりゆっくり書類の整理かなんかしてるんですね。
だからこの長野県の公園の閉鎖になったのは、現在のところ85歳の人の元の大学教授の責任になってますが、私はその大学教授の人と市役所の人がほとんど話してないと思いますよ。あ、しめた、っていうようなもんですね。もう普段から苦情も来るし、世話も大変だし、この機会に閉めちゃおうって言ってるのかもしれないんでね。

とにかく今の世の中は本当に日本文明がダメになって、ヨーロッパ文明になって、何でも自分の権利、自分だけの権利。
このおじいさん、ご飯食べてると思いますよ。米は誰が作ったんですかね。それからおじいさんがもう少し年をとって、この幼児たちが今度は20歳ぐらいになって、そしておじいさんのために電車を運転したりね、道路を舗装したりしてますよ。だけどこのおじいさんは、幼児の時期がなかったんですかね。黙ってる子供だったんですかね。まあいろいろ言いたくなりますが、この辺で終わりにします。

武田邦彦 ヒバリクラブ
日本と科学(24)「保育園は誰のため?」令和5年1月24日
https://youtu.be/Y5PU2LomQxY

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2023年02月01日

正義というものの正体

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今日の話は、ヒバリクラブをよく見ておられる方は、またという感じもすると思うんですが、私自身がこういった問題は繰り返し、何か時間を置いて接しないと、すぐ違う方向に行っちゃうんで、今日は我慢してお付き合いいただきたいなと思うんです。

題目は人間関係と正義の錯覚。

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正義に人が押しつぶされている絵。ちょうど私、ソ連の崩壊っていうのを最近いろいろ勉強いたしました。その過程で、実にこの絵がピタッと来たんですね。これは男性。絵としては男性が、男性の正義に潰されてるっていう感じの絵で、例えばソ連の国民が共産主義、階級闘争という名の下で、非常に少数の人の利益のために、非常に多数な人が殺されたり圧迫されたりしたと。
例えばスターリンが有名ですけどね。スターリンが権力を握る過程っていうのは非常に用意周到で、レーニンというのが非常に、尊敬されてたもんですからね。レーニンが亡くなった時に神格化しましてね、レーニンを。レーニン廟を作ったり、レーニンの命日にみんなで鐘を鳴らしたりなんかするっていう風に、いろんなことをやって、レーニンを神格化しました。
そのレーニンの正当な継承者が自分であるというふうにスターリンが言った。スターリンは非常に分かりにくい名前で、スターリンと言うのは愛称みたいなもんなんですけどね。鉄の人っていうような意味ですかね、日本語で。
それで独裁体制を敷いて、とにかく自分の言うことに従わせるということになりました。
レーニンはどちらかというと議論が好きで、みんなで議論してからみんなで決めようやっていうタイプでした。レーニンも少し人格的に問題はなかったわけではないんですが、スターリンというのは全然そうじゃなくて、共産主義と関係なくて、自分がロシアという国を、ソ連という国を全部支配するという私的な欲求で権威主義になったわけですね。

スターリンが殺害した、思想上ですよ、殺害したソ連の国民は2,400万人と、今一応計算されておりまして。昔は1,000万人から4,000万人ぐらいまでいろいろな説があったんですが、現在では2,400万人ってことになっております。大変な数ですよね。よくそれで殺せたというような感じもするんですし、今後の歴史的考証によって、少し修正されるかもしれませんが、かなり大量の人がシベリア送りになったり、死刑になったのは間違いない。
それは本当に、正義と言う拳が、とにかく階級闘争である、プロレタリアートである。共産主義の完成のために、中央委員会というのはだいたい1,000人くらいいたんですかね、いろいろ事務官みたいのもいれて。それが全部支配する。正義で支配する。
その中で、ルイセンコというのが出てきたわけですね。これは遺伝学の、ポンコツ遺伝学者ですね。それが当時のロシアのしっかりした地道な遺伝学者を投獄したりしながら、とにかく、遺伝学は階級闘争なんだ、遺伝学はこういうもんですと学問をいうと、遺伝学は階級闘争なんだというわけで、全部を潰しちゃったわけです。ロシアの、ソ連の学者は残念でしょうね。ルイセンコのおかげで、大きな痛手を受けましたから。
生物学、遺伝学。品種改良。ソ連の糾弾されて、多分もう行方不明になってしまった人がいるんですけども、その偉い学者が、「学問で、ある考えに取りつかれるということは、もう全く学問と関係ない」って言ってます。
今で言えば温暖化とか、いろいろそういう問題なんですよ。今似てますね。ルイセンコに非常に似てます。

共産主義のもとで小麦を育てればよく育つ、遺伝学の基礎はメンデルとかダーウィンじゃなくてマルクスだ、と言ったわけですからね。
階級闘争こそが科学を支配するとこう言って、科学アカデミー総裁なんかになって、権力を振るった。
これは人間の持つ頭の頭脳の欠陥です。

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ここに頭脳の絵も貼りましたが、伝統的な脳が、真ん中の方、赤いところです。いろんな脳がある。これが5億年の長きに渡る生物の進化によって蓄積した知恵です。本能と言ったりもしますし、反射的な部分もあるんですが。

いずれにしても利他的なんです。生物というのは、利他的であることが正しいわけです。しかしこの大脳っていうのは、全然今までの生物の経験とか反省が入ってないんですね。ですからご両親がいかに英語がペラペラでも、子供は英語の単語一つも知らないと、こういうふうに全くその大脳というのは今までの経験を封鎖してるわけです。どうしても利己的になります。

どうしてかと言いますと、この脳っていうのは5歳から25歳ぐらいまでの20年間に学んだこと、経験したこと、周辺のこと、家族のこと、こういうことで構成されております。その中で自分の身を守るためには、ってことですね。
日本文明というのは、この大脳と、真ん中の、伝統脳と私は言ってるんですけど、伝統脳との足し算でできたのが日本文明です。
従って日本文明は利他的であり利己的である。かつ、集団的であり個人的である。というふうに、ちゃんと両面を持ってるんですが、ヨーロッパ文明は、どちらかというと論理中心で、大脳中心なんです。
大脳皮質中心ですので、非常に利己的です。しかし理屈は通ってますので、理屈が通っててかつ暴力が強いわけですから、正義という暴力が強いわけですね。ですからあまり総合的にものを考えたりしないとか、学校時代にヨーロッパの文化を習い、感心し、卒業してからヨーロッパとかアメリカに渡った人っていうのは全部汚染されましてね。ヨーロッパ文明に汚染されてんですよ。
それで利己的になり、力が全て。人間の偉さは力とお金と知恵で決まる。こういうですね、極めて人類の文明として私が考えるには、大変にレベルの低い文明。これで凝り固まっちゃうんですね。で、従って正義の鉄拳を下ろすということになります。

正義の道は地獄に通じるとも言うんですね。
これ何回も繰り返さなきゃいけないのは、我々の日常生活で、どうしても自分が正しいと思うことを、正しいと思っちゃうんです。
よろしいでしょうか。自分が正しいと思ってるだけなんですよ。人は違うことが正しいと思ってる。自分が正しいと思っていること、これが正しいと思っちゃうんですよ。私はこう思うんだけど。私はそれ嫌なんだけど。私は私は、僕は僕は、俺は、とこうくるですね。
いやまあ、それは分かります。気持ちは分かります。人間が生きる上で、自分が正しいと思うことに従って生きて行くのはいいです。だけどそれは必ずあなたが正しいと思ってるんですよ。じゃああなたが嫌いな人、あなたが嫌な人、意見の違う人っていうのは、間違ってるって言うんですよ。間違ってることはありません。その彼はそう思うわけですね。
私がいつも批判するNHK。私は批判してますよ、NHKを。だけどNHKの人は誤報を放送して、政府の覚えをよくして予算を取って、まあ普通の人が普通に考えることを放送して、間違ってることは分かってるけど、ここですよ、間違ってることは分かってても、普通の人が耳にいいこと、喜ぶことを言って、そして自分の収入を安定させようと思ってる。それが正義だと思ってるんです。別に間違いだと思ってないです。いいじゃないかと。俺はあのいい学校も出てるし、苦労してNHK入ったんだし、そういう権力もあるから。
スターリンとかルイセンコと一緒ですよね。だから国民を騙した。何が悪いんだ。というふうに思ってるんですよ。
だからその思ってること自身が悪いかどうか分かんないんですよ。

実は人間っていうのは利己的に動くべきかもしれないんですからね。人間関係ほとんどそうですね。会社で俺が正しい、上司が間違ってる、私は正しい、だけどあの人間違ってるということで、皆さん人間関係崩れちゃうんですよね。
夫婦喧嘩もそうですよ。表現なんかもっとはっきりしてますね。親子喧嘩もそうですね。
別に自分と子供が間違ってても、それは違っててもいいわけですよ。夫婦なんか特にそうで、男と女で年齢も違うし、経験も違うんだから、正しいと思うことは違うに決まってるんですよね。だから腹は立たないはずなんですよ。本当はですよ。腹は立たないのに、なんで腹立てるのかってことです。

僕はNHKに腹を立ててるかっていったら、NHKを、まあ言ってみれば、見下してる可能性がありますね。
私自身はそれほど意識はないんですけど、なんたって彼らは報道という神聖な仕事をしながら、それを金に変えてるわけですから。
それでもう嘘八百ですよ。
石油がなくなるなんて、一番ひどいんですが、日本人を全部裏切っちゃうんですからね。自分のお金のために。
相当の悪です。私は悪だと思いますよ。NHKの人が全員、俺を悪だと言いますかね。言わないんじゃないかと思うんですよ。それにはいろいろ理由がある。私にもね、払わなきゃなんない家のローンがあるとかね、私はいい学校出たんだから、慶応大学出たんだから、だから慶應に何も恨みないですよ。慶應って結構お坊ちゃん学校だから名前が今思いついたんですが、慶応出たんだから、やっぱりいい生活したいよと。だって国民なんかどうせNHKいい加減にしか聞いてないんだから、っていうような考えを持つのが正しいかもしれないんですよ。

それは知恵のある人、お金のある人、力のある人が人間として立派だというヨーロッパ文明だったらそうですね。
僕は日本文明っていうのはそうじゃなくて、かけがえのない人、例えばお母さん。お母さんは、かけがえないですよ。なんたって命を生むんですからね。命を作って命を育てる。こんなこと僕なんかひっくり返ってもできません。だからあるテレビで女性の党首が、僕はじゃあ女性と男性はやること違うんじゃないですかって言ったら、先生はそんな古い事して女性と男性同じことしなきゃいけないんですよとか言うから、その女性に僕はこう言ったんですよ。それだったら最初に私に子宮をつけろと。あなたは子宮がついてて子供を産めるからそんなこと言ってるけど、僕は子宮がないから子供を産めないんだ。命を作る仕事以外に人間が尊い仕事ってあるんですか。
次はNHKぐらいかな。正しい報道を人に流す。そういうこと言ったことあります。まあ何回も何回も、僕思ってるんですよ。自分が正しいと考えてることで人を圧迫していけない。ここにある絵のように、正義で人を潰しちゃいけないと思っております。
今日もそういうことがちょっとありました。この動画を撮るに至りました。

武田邦彦 ヒバリクラブ
日本と科学(23)「人間関係と正義の錯覚」令和5年1月23日
https://youtu.be/82umk2DqF8s

画像
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2023年01月28日

人を屈服させる

今日はいろいろ、実は20世紀の世界政治の流れというのを勉強をしてました。その中で私が一番これは、なんか私たちの頭の中に入れとく必要があるなあと思ったのが今日の話題ですね。人を屈服させる方法。

20世紀の政治ということを見ますと、私たちはすぐ、例えばナチスドイツであるとか、ソ連とか、中国の毛沢東の文化大革命とか、それから1929年のアメリカの大恐慌みたいなものを思い出しますね。
そういったものをずっと通してみますと、やはりまだ現在の人間っていうのは非常に野蛮なんでしょうね。
心の中が野蛮で。これは主に日本の文明というか、ヨーロッパの文明を中心に20世紀は動きましたんで、ヨーロッパの文明が非常に野蛮だというふうに言っていいと思うんですが。
とにかく人を何とかして屈服させたいと。政治というものは本来はですね、その国民を幸福にするために存在するものだと思うんですが、人間っていうのは醜いもんですね。どうしても政治で権力を握ると、人を屈服させたいという、そういう欲求に駆られるようですね。

奴隷にすること

直接的にお話ししましょうか。その状態をずっと見ると、まず奴隷にすること。これは白人がずいぶんやりましたね。アフリカから奴隷を連れてくる。奴隷貿易という貿易もあったっていうぐらいひどいわけですね。
人間を貿易とは何だというふうに思うんですけど、現実的にはライフルを持った奴隷商人がアフリカに入っていって、平和に暮らしてる一家の中から、奴隷にする人を引っ張り出して、他のが抵抗したらまあ銃で殴りつけたりなんかして、それを鎖につないで、そして運ぶという、そういう時代が随分長く続いたわけですね。
日本には奴隷がいないんで、日本人はそういう点で非常にナイーブなんですけれども、現実にそういうことが長く世界で行われていた。その歴史の上に立って現在の世界政治があるということをよく分からないと、現在の国連の状態とか、いろんな環境問題とか、ウクライナの戦争なんかを正しく認識することはできないと私は思うんですね。

銃で脅すこと

それから2番目は銃で脅すこと。銃で脅して屈服させると。これは人類の常套手段ですね。昔は刀でしたが。

暴力で屈服させること

3はこれも似てますが、暴力で屈服させる。殴りつけるとかですね。それで暴力団っていうのがありますが、人間はどうしても暴力で人を屈服させたいと、そういう風なあれがあるんですね。
最近男女の問題なんかもありますけども、ヨーロッパを尊敬したりして、ヨーロッパの男女の関係を日本に持ち込もうってことで、ジェンダー問題とかそういう英語を使ったりしておりますが、元々ヨーロッパっていうのは暴力で男が女を屈服させるという社会だったんですね。
奴隷もそうですけど。銃もそうですけどね。日本は違ったんですね。日本は力づくではない社会ですから、力が強いとかお金があるとか知恵があるとかいう人は上ではないというのは、世界で日本だけですからね。
だから日本の女性は本当に素晴らしい待遇を受けてきたわけで、私がいつも言うように、紫式部が西暦1000年に小説を書いた。多くの女性文筆家ってのが平安時代に出てますが、日本以外の国はそれから約700年から1000年遅れて女流というのが出てくるわけですから、この事実一つでもね、日本の女性がいかに世界的には高い地位であったかということが分かるわけであります。暴力で人を屈服させてはいけませんね。

脅しや脅迫

それから脅しとか脅迫っていうのはあります。これはまあ最近の日本では脅し、脅迫というのは悪い人がするっていう感じなんですが、今、日本のメディアがやってること、ややこれに近いですね。
環境とかそういうものに対する脅し、それから昔、消費税を上げる時にNHKが使った方法ですね。我々の借金が1人当たり800万円あるから、これを子供たちにつけてはいけない。これ脅しですね。しかしこれは実は800万円の貯金でありますから、180度逆側を国民に錯覚させて、消費税を10%まで上げたということをやったのがNHKですね。
まあ我々の視聴料を取ってね、まあそういうことをやるってことは、どういう心を持った人達かっていうのは分かると思いますね。
現在でも石油がなくなるなんてことを1972年に言って、石油ショックっていう非常に大きな衝撃を与えましたね。
石油がなくなるっていうことが本当であれば、これ嘘なんですけど、本当であれば石油を焚いてできる地球温暖化なんていうのもできるはずないんですけども、いくらでも国民を脅して脅迫するっていう人達が、政治家でも文化人でも知識人でも東大でもNHKでも、もう普通に行われるような、ということですね。これは非常に我々の人生を暗くしていると思います。

共産主義・類似の正義

それから共産主義ですね。共産主義というのは、もうとにかく人を屈服させることに全力を注ぎました。それに階級闘争という名前とかですね。同志っていう名前を付けて、そしてそういうことがなんとなく正義のように見せかけたってことがありますね。
共産主義以外にもですね、類似の正義を振りかざして人を屈服させるということがずいぶん行われました。
最近もちょっとそういう傾向はあるように思いますね。
私なんかも日本国に住んでる日本国民は、言論の自由があるはずなんですけど、日本に住んでいながら言論の自由を失っちゃったんですよ、私なんかね。まあ私ばかりじゃなくて、いろんな人が失いましたね。
それをNHKなんか、なんにも手助けしてくれませんよ。
「武田さんね、あなたは私たちと意見は違いますが、その意見を超えても日本人が言論の自由を持つことは大切だから、武田さんの放送を1日5分NHKでやりますから、ちゃんと言論の自由を回復してください。NHKの力で言論の自由を制限するのを防ぎますから」言って欲しかったですね。まあそんなことは絶対ありません。

お金で縛る

それからお金で縛るとというのがありますね。
これがまあ私なんか非常に大学の時に苦しみました。とにかく政府に従った研究じゃないと、研究費が出ない。ところが大学の先生っていうのは、特に国立大学の先生なんていうのは国から金が出なかったらほとんどダメなんですよね。アメリカなんか、かなり自由にお金が取れるようになってますけど。制度としてもですね。私は実は国からお金をほとんどもらわなかったんで、四苦八苦して研究費を集めましたね。
お金で人を縛る。これはもちろん私は研究費ですけど、もっと直接的に、最近ではこういうお金を配るから子供を産めと。なんか分かんないけど、1ヶ月6万円あげるから子供を産めと。だからやっぱり人を屈服させてるわけですね。お金をこのくらいあげるから太陽光発電を建てろ、付けろというのもお金で人を屈服させているわけですね。
それから最近、というか昔から、空気の研究というのがありますが、雰囲気を作って人に共生させるというのもありますね。最近それが進みましてね。
空気を作っても従わない人がいるんですよ。つまり法律で決めて、従わせるのはいいんですね。これは。別にこれは法律というのは、我々が選挙した議員さんが国会とか地方議会で議論して決めるわけですから、それに従って我々が行動するのはこれは法治主義ですからね。それはいいんですけども、空気とかお金とか脅し、こういったもので人を屈服させようとすると、屈服しない人がいるわけですよ。

薬剤を飲ませる

その人たちに薬剤を飲ませる、薬品を注射するというのがあるんですね。今いろんなところで提案されて、また実施もされてるところがあるんですけどね。
昔はソ連が意に沿わない人を精神病院に入れて、精神病の治療と称して痴呆みたいにしちゃうというのがありましたね。つまりぼーっとしちゃって、もう判断できないようにするという。廃人にするってことですね。
薬で廃人にする。治療で廃人にする。だからそういう時はいろいろ今度勉強してみますとね、ソ連で。「いや違う」と。「政府の、スターリンの言うことは違う」なんて言ってるとですね、警官と医者がペアで来るらしいです、家に。で、まず医者がですね、インタビューしたり、診断したりするらしいんですね。で、結果は最初から決まってて、何しろ、その人を精神病院に連れてくためですから。「病院に行きましょう。あなたは病気ですから。」医者はそこまでは言うんですね。医者ですよ。それで相手が「いやいや私は病院になんか行きたくない」っていうと、一緒に来た警官が腕を掴んで、強制的に救急車に入れたらしいですね、あの頃。救急車。病人ですからね。これで運ばれる先が精神病院。そこで精神的な薬を飲まされて、すっかりその気になっちゃうということですね。これはあの体の血液の中に薬剤を入れて、頭をおかしくしちゃうという方法ですけど。

NHKを動員して社会の空気を作ること

もう一つ方法があるんですね。それがNHKがやってる方法ですね。誤報を流して、日本人の頭を狂わせるってやつですね。これね、面白いって言ったら不謹慎なんですけどね。本当に見事な引っかかっちゃうんですよ。ていうのは人間の頭は、先に入ったものを信じるもんですから、先にNHKのニュースを見ちゃいますとね。また巧なんですよ。ある意味で本当なんですね。ある意味では全然間違ってるわけですね。
最近ではレーザー法による核融合なんていうのを、ほとんどの人が非常に真剣に信じてしまって、それで閣僚がもうすぐレーザー法というものでできるような錯覚に陥ったりしてますね。もちろんNHKの報道する温暖化なんかも嘘ですけどね。だからなぜNHKは本当のことを報道しないんですかね。私は人間として生まれて、報道機関に就職して、自分の仕事としてやったら、できるだけ、あのNHKはこう言いますよ。「私たちは本当のこと言ってる」って言いますよ。そうじゃないんです。私の言ってんのは。国民に正しいことが伝わるように報道するってことですね。
例えば温暖化ですと、平安時代の気温になるまで、あと200年から250年かかりますと。だから温暖化の傾向はあるにしても、今すぐの問題でありません、ぐらい言えばね。これはまあある程度事実が伝わるかもしれませんね。

いずれにしても20世紀の世界政治の動きというのを見ましたら、本当に政治家っていうのは人を屈服させたいと思ってると思いますね。だけど人間の進歩はいかに屈服から逃れて、奴隷から逃れて自由になることが人間の進歩である。私はそう思っています。

武田邦彦 ヒバリクラブ
日本と科学(21)「人を屈服させる方法」令和5年1月21日
https://youtu.be/-1zwNmO-y1o



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2023年01月27日

日本の総理大臣は、総理大臣がすべき仕事をしているか

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首相の任務、首相の職務って言いますかね。岸田総理大臣を見てますと、この人首相なのかなと思ったりするんですよね。
っていうのは、ご就任されてからほとんど政治のことを聞いたことないですね。
細かい個別のことはありますよ。増税するとかね。しかし彼の基本的な政治態度が分かりませんね。
で、雪が多いから不要不急の外出をしないでくれなんて、首相が呼びかけてますが、そんなことを首相の言うべきことですかね。
まあ言ってもいいけど、もっと他にあるんじゃないかと思いますね。

まず政治家として一番大切なこと。私も若い頃、池田勇人首相の演説を聞いて初めて、政治というのはどういうものをやるのかなと分かりました。
その頃池田さんが、所得倍増計画というのをやったわけですよ。彼は滔々と、戦後の経済成長、世界の状態、経済っていうのがどういうものか。現在の日本の日本人の働き方、技術の進歩、工業というものを考えたら、2年ぐらいって言ってたかな、で所得は倍増できると言ったんですよ。
その頃私は非常に若くてね、給料もその頃5万円とか3万円ぐらいでしてたかね。もう少し高かったかな。10万ぐらいあったかもしれません。倍になる?。所得を倍にするって首相が言ったら、すぐ倍になるの?なんて思ってましたね。

だけど彼の滔々たる演説を聞きましてね、まあそういうことをやってくれればいいな、これが池田勇人さん時代、今からそうですね、50年ぐらい前、もっと前かな、の日本の自由民主党というものだったんですよ。だから日本も成長し、非常に経済的には、例えば30年で8.8倍になるということもあったんです。

しかし1990年から2020年まで全くダメなんですが、それの1つの理由として、首相にポリシーがない。こんなこと、言葉自体が矛盾してますよね。首相というのはポリシーがあるから首相なんであって、首相にポリシーがなかったら誰にポリシーがあるの? ポリシーというのは政策ですね。政策っていうのは3段階、4段階とか言う人もいろいろいるんで、まあアメリカなんかでどう言ってるかっていうことをただ言う人はいるんですが、まあ基本構想ですね。考え方。自分の日本の政治に対する考え方、それがありますね。
それから基本戦略あるじゃないですか。その基本的な構想について、どういう戦略でいくかってことですね。それから戦争で言えば、次にあるのは戦術になるんですけども。あの丘をどう落とすかとか、あの港をどう攻略するかってことがありまして、それになりますと、政治の場合政策ですね。それからずっとあって、一番下の方に政局っていうのがあるわけですね。
これもまあ大事と言えば大事なんですが、どういう人事配置をするかとか、野党とどういう態度でいくかとか、国会運営をどうするかとか、こういったやつですね。

最近は日本のメディアに問題があるんですが、メディアは政治を報道しないんですよ。これを聞くと皆さんがまた反発するかもしれませんが、よくよく考えてくださいね。
政治っていうのはどういうことかって言ったら、今アメリカ軍が日本に駐留して、日本は半独立の状態だけど、アメリカ軍に出てってもらって日本は独立するのかとか、これが基本構想ですよね。そんなの出てこないんですよ。これは日本のメディアがそればかりしか報道しません。
例えば現在ですとアメリカの議会で、特に共和党と民主党が競ってますからね、数が。なかなか議長が決まらない。過半数を取らなきゃいけないから党で1本化しないといけないとか、そういういろんな状態があるので、今議長が決まりませんね。
過半数を取らないまでは議長が決まらない。何回も何回も選挙してますけども、そういうことはすぐ日本のメディアは出すんです。つまりゴシップなんですね。日本でもそうですよ。
岸田総理大臣も全然政策出ませんが、これは岸田さんが言わないだけなんですけども、そういう政策を全然言わずに政局だけ言う。ゴシップみたいなもんですね。それで誰彼がどうした、誰彼がどうしたばかり言ってて、一体日本の政治はどうするのと。分かんないわけですね。

ここで屁理屈を言ってても、ピンとこないかもしれませんので、具体例を言いますと、例えばまず基本構想ですね。骨組みです。
どういうことかと言うと、先ほど言いましたように、今はアメリカ軍が日本に駐留して、日本は半独立の状態にある。これをすぐなのか、これは基本戦略の方に入るんですが、基本的にはどうするのか。ゆくゆくはアメリカ軍に出てってもらって、そして日本は日本の国で守り、完全に独立した国家にすると。世界で外国の軍隊がこんなに長い間駐留してるっていうのは、よほど小さい国を別にしたら日本しかいないと。これが基本構想のまず第1でしょうね。

第2は、対中国からの侵略をどう防ぐか。これも基本中の基本ですよね。ですから、中国は決して敵国ではないから、親睦関係を築くんだ、でもいいんですよ。それから、中国に占領されないように、しっかりやっていくんだと。日本も国防して、しっかりやっていくんだ。これは基本構想ですね。どっちなのかってことですね。

それから国連の問題を触れなきゃいけないんですよね。安全保障理事会に日本が入って、それで常任理事国が戦争している状態を止めるというのかどうかという国連政策ですね。
G7とかG20とか、ダボス会議とか、そういう国連外の組織ではなくて、やはり国家主権と国連という組み合わせでいくのか。それともダボス会議とかEUとかG20とか言った、国連を無視した形でいくのか。
自分としてはどうなのかということは、岸田首相は言わなきゃいけないわけですね。それから構想としては、現在何でもかんでも、例えば男女関係でも株式会社でも、何でもかんでもヨーロッパの文化を受け入れて、力づくの社会を作ってるけども、日本文化と調和をどうするか。
教育の問題でも全部そうですからね。家庭の問題から。それを基本的には自分としてはどういう哲学を持っているのか。
こういうことが基本構想になります。首相となったらそれが一番大切ですね。

世界の非常に優れていた首相っていうか指導者ですね、例えばフランスのドゴール大統領は、言うことは非常にはっきりしてましたよ。自分はこういう風にフランスをしたいと。皆さんどうですか。こういう訴えですよね。これがやっぱり立派な政治家っていうものですね。
この基本構想の上に立って、戦略っていうのを次に言うわけですね。戦略の順序も非常に重要ですね。国防とかそういう方から戦略を言うか。例えば国防の戦略だと、どういうことかと言うと、例えば日本は核武装するのか。核抑止力についてどういうふうな考えなのか。中国のミサイルサイロから日本に狙っているというのは事実なのか。それはどうやって防ぐのか。核抑止力が中国に対して効くのか。これ全部戦略ですね。それともそうじゃなくて、全く逆に、まあ核の方は核の方で、中国も使えないだろうと。だからそこは言わなくてもいいですよ。別にそこまで入れなければ隠しといて。政治とは隠してもいいんでね。水際でとにかく止めるんだ。そのためには、敵国の上陸艇が海兵を乗せてきた時に、どうやって日本の長い海岸線で防ぐのか。どういう風な手段で国防をやっていくのか。これですね。国防予算はその次なんですよ。国防予算を増やすかどうかは、それを喋って、みんなが、国民がですね、あ、そうか、日本は核武装をしなきゃいけないと思うのか、それとも水際で止めればいいと思うのか、それとも制空権だけを確保すれば大丈夫なのか。これ聞きたいわけですね。

国防だったらそうになりますが、私は国防よりか、やっぱり教育文化というのを先に戦略を首相が話してほしいと思いますね。日本の教育も日本の文化も非常に今、曲がり角にあります。ほとんど小説家も出ません。芸術の音楽から絵画から、ほとんど出ません。毎日毎日は本当にみすぼらしい人生を送っているのが現実ですね。これに対してどういうふうにするのかというのは、私は一番上だと思うけど、国防が一番上っていう人もいるでしょうね。それから経済が一番上と言う人もいるでしょう。

1990年から2020年まで、世界でただ一つ、日本だけが国民の平均給与は上がらなかった。これは由々しいことなのか、由々しくないのか。今後は日本の人を30年かけて3倍の収入にするなら3倍の収入にしなければいけないというのか。それともそんなことしなくていい、今のままの収入でいいんだ。こう言うとかね。それが具体的な戦略ですね。
それから男女関係、家庭、こういったものも、どういうふうにしていくのか。今はもうヨーロッパと同じになればいい、つまりヨーロッパと同じになればいいって言うのは、女性の地位を下げるってことなんですよね。そういうこととか、お金を中心に、金だけ自分だけ今だけっていうのを貫くのか。それからさらに国土。地震ばかりじゃありませんよ。日本国土っていうのを今後どうしていくのかってことですね。
医療はどうするのか。健康をどういうふうにやっていくのか。そういう基本的な戦略ですね。まずどんなに少なくても、基本構想としてどうだ、戦略としてどうだっていうのを、今私が言ったようなことを話されて。それから、まずは今年はこういうことをやりますということ言うならいいですよ。だけど何にも言わないでですね。それでなんか、皆さん雪が降るから不要不急の外出はやめましょうなんたらね、まあ都知事でもそんなこと言う必要ないんです。今、でも都知事も、なんかタートルネックを着れだとかなんとかってもう、これが都知事かってこと言ってますが、首相も都知事もこんな状態では、やはり日本はどうにもならない。私は思いますが、皆さんどうなんでしょうかね。

何にも基本構想も言わず、基本的な戦略もなし、何にもなし、順序もなし。その順序というのは、具体的な戦術というか政策のそれもなし、考え方もなし。
それじゃあ、私は全く日本の繁栄は望めないし、子供たち孫たちに申し訳ないと思います。

武田邦彦 ヒバリクラブ
日本と科学(20)「首相の職務」令和5年1月20日
https://youtu.be/NvUQv6Wt6tw


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2023年01月26日

日本の国防と中国

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今日は日本の国防の2ですね。

日本の国防はまず最初に、日本の周りの国の脅威について、十分に整理した後、さらに整理をして、そして最終的には日本がどういう国防をするべきかという話をしなきゃいけません。
単に国防費を上げるというだけではですね、物事はうまくいかないわけで、何をするかっていう具体的なことがなければいけませんので、今日は第2回ですね。

日本が国防を考える上で、仮想敵国というか日本に攻めてくる可能性があるのは第1に中国です。第2にロシアですね。第3に北朝鮮、それ以外の国は、まあ韓国はありえますよ。しかし非常に少ない。それからフィリピンとかインドネシアとかベトナムっていう国は、日本とも親交が深いし、元々侵略国家ではないんですね。まず第一に侵略国家じゃなくちゃいけないってことで、その点では日本の周りの侵略国家は、第1に中国、第2にロシア、第3にアメリカですね。しかしアメリカとは日米安保条約ありますし、もうアメリカに侵略されてるようなもんで、アメリカの第一軍がですね、日本に駐留してますから、中国、ロシア、北朝鮮というこの3国を、仮想敵国として日本の国防を考える必要があると思います。

日本の国防は必ず考えなきゃいけないわけで、それにはやっぱり順序があるってことですね。
仮想敵国だから、何かその国と関係が悪くなるって事ではありません。
それで今日は中国の2番目ですね。中国に対して何を防ぐかっていうことですね。ミサイルが飛んでくるのを防ぐのか、それともジェット機同士の空軍の戦いになるのか、それとも中国の上陸艇が日本に上陸してくるのか。これによって防衛はすごく変わりますからね。

現在国民でそういういう議論がないので、中国に攻められたらあっという間にダメになってしまうと思いますね。その点で中国をまず取り上げざるを得ないわけですが、これは中国が憎らしいとかそういうんじゃありませんよ。中国も常に日本の悪口ずっと言ってますからね。だからまあそれによって関係が悪くなるっていうような国の間柄じゃダメなんで、中国に対してちゃんと備えをすると。

1回目は中国は基本的に侵略国家かということについて整理をしました。これは侵略国家であるということが明白ですね。
第2次世界大戦が終わって、他国を占領した数は、中国が一番多い。それが日本の隣にあるというのは日本の不運ですね。中国が隣になくてもうちょっと遠いところにあれば良かったんですけどね。まあとにかくそれはそうで、中国は侵略国家である。これはまず事実として合意しなきゃならない。それから次には中国が核ミサイルをどういう風に使おうと思ってるかっていうことですね。

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この図が一番いいと思うんですが、これはある出版社が整理した本の中にある図なんですね。中国に、この図ですと4つ核ミサイルサイロがありまして、その他にもいっぱい持ってると思うんですね。それがまあ北は青森から仙台、茨城、東京あたり。それから能登半島とか、まあ静岡あたりとか近畿、島根、佐世保と、狙ってるわけですね。
ある程度軍事基地っていうのを予想はして狙ってるわけですが、なにしろ核ミサイルですからね。一発飛んできたら、今の核ミサイルですから、広島型原爆よりか少し大きいと考えますと、30万ぐらいが命を落とすでしょうね。もちろん東京とかそういうところに飛んできたら、もっとひどいですけどね。

毎日毎日一所懸命お母さんがですね、子供の細かいことまで世話をして、それがね、こういうミサイルで中国の気まぐれミサイルで、あるいはボタンを押し間違ったなんてことでですね、子供が焼け死んだら本当にかわいそうですよ。で、これについてやっぱり防御策を取らなきゃいけませんね。まあこの防御策は常に日本が核武装するかという話になっちゃうんですけど、そうじゃなくて、まず第一に中国は、核の戦勝国にはならないといつも言っております。これを毎度日本も確認するべきですね。中国がそう、時々言ってますんでね。なんか問題が起きると、国連の問題だとか色々アメリカの核の問題だとかですね、そういう問題が起きた時に中国は、我々は核を先には使いませんと、絶対言ってますからね。ですから一番いい手は、日本からアメリカ軍が撤退してもらうということですね。自分の国で日本で日本を守るということで、日本が核を持ってなければ中国はどういう口実でも日本に核を発射することはできません。ですから、これは外交上の努力ですね。
今はですね、昔と違いましてね、なにしろ力の強い方が戦争を起こしていいとか、核爆弾を落としていいという社会じゃありません。もうね。ですから国際的な非難というのは非常に厳しいんで。常に中国から言ってますからね、中国が。我々は核の戦勝国にならないと言ってますから。
本当ですねと、その度ごとに確認するというのがまず第1だと思います。

第2に、中国は国連の安全保障理事会の常任理事国なんですね。
これは拒否権という非常に強大な権利を与えられて、他の国よりか優遇されてるわけです。
優遇されてるということはどういうことかっていうと、それだけの責任があるってことですね。
国連の安保理というのは何でできてるかって、世界の平和を守るためにできてるわけですね。ですから、実際がどうであるにせよ、この時は実際はどうであるにせよ、きちっと毎回言う必要があるのは、何かの度に、国連安保理の常任理事国は世界の平和を守ってくれる。まして、自分から戦争をするとか自分の国が戦争するってことはやめてくれと。そんなことは安保理事会の常任理事国がするべきじゃないと、いつも言うっていうことですね。そうすると台湾進出も難しいかもしれません。台湾は中国の領土だと中国が主張してますからそれでもいいけど、台湾の選挙をやったらどうだ。台湾の人がどう思ってるかが問題なんであって、あなたの領土であるというのはあなたの主張であって、台湾の人はどう思うか分かりませんよと。これをまずですね、平和裏にやったらどうですかと。選挙をやって選挙の結果台湾の人が中国と一緒になりたいというんだったら、それはいいんじゃないですかと。そういうことをまずきちっと言うってことですね。

ですから三段構えですね。
まず第1に、中国は核を使えませんねってことですね。あなたが自分で言ってることでしょ。それから第2は、国連の安保理の常任理事国なんだから、戦争しちゃいけませんよっての第2。それから、台湾の併合については、やはり平和的にやるということを示して、中国の評判を上げてくださいと、こう言う。第4に、このブログでも何回も言ってますけども、この前ヘイヘさんが人を1,000人も殺したのになんで英雄なのか。これは戦争と虐殺は違うわけですね。つまり一般市民を巻き込むことはもうやめようと。第2次世界大戦、太平洋戦争、まあ大東亜戦争で日本は大きな被害を受けて、原爆2つ、東京大空襲なんかありました。それについて日本人は、今更それを文句は言いません。しかし日本人が犠牲になったんだ。全世界の皆さん、これからは戦争、もしどうしてもしなきゃならないとしても、軍隊と軍隊の戦いにして、降伏もできるというちゃんとした約束を守ってくださいということですね。

この4つをまず常に主張するということが大切で、それによってですね、この核ミサイルの投下について問題がなくなります。
それから中国が台湾に攻め入る時には必ずその事前にですね、もしも日本が中国と台湾の戦いにちょっかいを出したら、介入したとしたら、核ミサイルを落とすぞと言ってきますから、その時の対策を全部話しておくということですね。アメリカ軍はすぐ撤退すると思います。というのは中国が核ミサイルを日本に落とすような気配があったら、アメリカ軍当然死にますから。そうするとアメリカでは大変な世論が湧き上がって、さあ中国に原爆を受けてしまってアメリカの原子力潜水艦から中国で撃ちます。そうすると中国人が100万人死にますね。そうすると中国が今度はアメリカに報復せざるを得なくなるということになるので、アメリカはそれを絶対に嫌いますから、それだったら日本からアメリカ軍が撤退しようということで、日本に中国が攻撃を仕掛けるような様子になったらアメリカ軍は撤退しますから。日本はその時に自分でどう身を守るのか。軍備をしとかなかったから節を曲げるっていうのは非常に良くないので、日本は常に平和を求める。だから台湾問題にしても軍事進行ではなくて、平和的に台湾と話し合いをしてください。台湾が中国と一緒になるのを望ましいというならね。台湾と中国が一緒になることについて、日本は干渉しません。内政でありますから干渉しません。しかし歴史的に言っても、台湾が中国の領土であったと、正式な領土であったということは一度もないんだから、やはりあんまりあなたも強引なことをしてはいけません。きちっと態度を決めることですね。国際的な信用っていうのはそういうしっかりした論理に基づいてきちっとやるってことですね。

今日は2回目なので、中国のミサイルに対して我々はどうするか。安易に日本が核武装したら抑止力が効くからというふうに単純に考えるのではなくて、やっぱりきちっと考えて頭脳の知識でちゃんと論理を立ててた方が戦争には勝てますから。戦争というのは力勝負ですからね。力の中には武力もあるし、色々ありますが、外交力もあるし、知力もあります。だから従って日本はですね、むしろ武力よりか外交力とか知力とか知恵の力ですね。論理力こういったものを駆使して中国を抑えて、無謀なことはするなということの路線を取っていくのが正しいと私は思います。

武田邦彦 ヒバリクラブ
日本と科学(19)「日本の国防A:中国のミサイルは?」令和5年1月19日
https://youtu.be/7bamhmvwy2Q

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2023年01月25日

リアルな経済の話。

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今日は哲学的じゃなくて、この世のことですね。経済のことをお話しします。

経済のこと喋るのは嫌なのは、武田は何も知らないで、とかすぐ来るんですよ。
まあ、経済について専門とは言えませんが、一応東洋経済新報社から本も出しておりましてね、経済の本も。 それからこの前なんか、武田はお金を作るのは銀行だってこと知らないのかって。よく知っとります。そういう仕組みはよく知っておりますね。
別にそれほど深い勉強しなくてもですね、5、6年経済の勉強したら、ケインズだとかそういったものとか、最近の動きとか、学問の動きとか経済学の動きとか、ましてMMTみたいなね。
ただ僕はあんまりMMTって言葉を覚えたくないんですよ、実は。だからMMなんとかとか言ってますけどね。それは僕のジェスチャーなんですね。

いずれにしても、お互いに非難をして、日本を悪い方に引きずるんじゃなくて、お互いに知恵を絞っていい方向に導きたいと思いますね。私は技術者でもあって、前向きなんですよ。過去のこと考えてもあまりいかないし、悪いことを非難しあってもダメなんで、前向きに行こうということで。

今日の経済の話は相当違いますんでね。いろいろ有名な経済の方とか、金融の方が話してることと相当違うんで、ちょっとこれも非難されるかもしれませんが。

私は、経済学っていうのはお金のためにあるわけじゃないと思うんですよ。金融学とかね。お金のためじゃなくて、人生のためにとか国民のために、と言ってもいいんですけど。国民の人生のために経済学とか金融学があるんであって、逆になっちゃってるんですね。
例えば財政を均衡させたらいいとか、MMTでお金をうんと刷ったらいいとか。それから日本は財政出動が弱いとか、財政出動のポイントが外れてるとかいうのは、私に言わせれば、そうじゃなくて。お金中心の人はいくらでもいますから。お金中心だよと。武田、お前、お金なんか何でもないなんて言ってるのはダメだよと。人生はお金で幸福が決まるんだっていう考えの人、いますから。
僕は人生はお金では決まらないと思ってる人なんですね。そういう人から現在の経済の議論を見ると、虚しく感じちゃうんですよ。

1990年にバブルが崩壊した時に、財政均衡論が強かったので、財政出動しなかったと。それが日本経済を停滞させたとかね。2009年のリーマンショックの時も同じようなことで、アメリカ、ヨーロッパはどんどんどんどん金融緩和したのに日本はしなかったからリーマンショックからの立ち上がりが遅れたんだとか、山程あるんですね。しかし僕はそういうのは、まあね、一応そういう議論があってもいいと。とにかく経済っていうのは、学問としては基本的な欠陥があるんですね。学問っていうのは未来が分からないのですよ。どうしてかと言ったら、未来は変わりますからね。

2020年なんかいい例ですけど、2020年の予測なんていくらしたってですね、もうコロナは前年の11月30日から中国で流行ってるのに、日本では1月の20日ぐらいまでは、経済予測に全くコロナは入っていません。ですから全然、2020年の予測というのは違うんですね。これはどうしてかっていうと、学問っていうのはデータがしっかりしないと結論が出ないんですよ。学問というのは、そういうしっかりしたもんなんですね。言って逃げればいいっていうものじゃないんですね。

で、私はね、こう思ってるんですよ。本当は経済っていうのは人生のためのものだから、1990年まで30年間で日本の所得は3.8倍になりました。日本は一流国になりましたね。それから30年、1990年から2020年の間は全く伸びがゼロになりまして。0倍。少し減ったという説もあるし。消費税なんかもありますから、細かいこと言ったら色々あるんですけどね。
この原因はもちろんですね、普通に言えばですね、外資に行っちゃった。つまり外国に金を流すのが好きな人が日本人にいるんですよね、困ったことに。それで外国に行っちゃったり、途中でピンハネしたり。ピンハネ率が高くなったりしたんですけども。
だから、日本人が100が働いて100万円もらうというのが、それまで1990年までだったんですね。1990年以降は簡単に言うと、100働いて50万しかもらわないっていう。あとの50万はいろんなとこで取っちゃったって感じですね。

リサイクルもそうですよ。リサイクルなんかやったら、税金が増えるだけですから。何にも、ものの節約なんかなりません。まあこういった間違いが、今では温暖化だとかSDGsとかやってます。同じことですね。
国民が働いてる金を、横から取っていこうという計画ですからね。
まあそうじゃないという人もいますけど、私はそうだと思いますし、きちっと議論すればすべては暴かれると思っております。

私は、基本的な原因は1990年の時点で、日本人はもうこれでいいと。もちろん、遠い将来を見れば違うかもしれないけど。
家も小さいし、通勤も大変だけど、まぁ家族で楽しくやっていけるだけの基本的な生活はできるようになった。テレビ、冷蔵庫、洗濯機、みんなある。家も一応整ってる。その頃はもう、テレビ、車とかクーラーなんかも、手を伸ばせば買えたんですよ。
子供を高校、大学に行かそうと思ったら行かせられるし、一応、毎日白いご飯を食べられる。
これ以上頑張ってもいいけど、頑張る必要もないかなと。

女性が社会進出して、この時に日本の物理、物理というか機械、電気が弱くなったっていうのがちょっと問題ではありました。
女性が社会進出するのは結構なんですが、それによって男性が、機械、電気が日本の儲け頭だったこれを損失したっていうのがちょっと大きかったと私は思いますけどね。
だけど全体としては、1990年の生活レベルで日本人が満足したんです。いいことですよ。どこまでも経済発展なんてしなくていいんですから。

あの頃、足るを知るなんてちゃんと言った人がいてね。今頃また違うこと言ってるんですけど。
日本人は足るを知ってるんですよ。まあこのぐらいでいいとね。部屋の大きさも6畳でいいと。6畳を12畳にする必要はないと。何も鳩山御殿に住まなくても、ちゃんとこじんまりした住宅で十分だと。こういうふうに思うわけですね。ご飯を食べるのも、毎日毎週、なんかデラックスな、1食1万円もするようなものを食べなくていいと。
家で家族と一緒に焼いた魚を食べ、味噌汁を飲み、そうしていけばいいんだと。お金があって、なんか食べ過ぎて、動物、植物の命をいただき過ぎて、肥満したからっていって20万払ってダイエットやるなんての、これ人間として崩れてますよ。明らかに。

ヨーロッパとか中国は、元々金があればいいんだっていう社会ですからね。金のために嘘ついてもいいんだっていう社会ですから。私、今年の正月の1月1日に、今年はそういう視点からものを見るんだということをお話しましたけど、日本人は違うんですよ。日本人はやっぱり誠実とか、正直とか、自分の人生とか、自分の仕事とか、恩義とか、そういうものの方をお金よりか上に置くんですよ。そうするとね、例えばまあ家に住むっていったって、やっぱり家を作る木とかね、障子に使うやつとか畳とか、みんな生きてるものですよ。日本は、食べるものもそうです。毎日ね。だから我々は節度を知って、楽しい人生を送るためには、物がそれほどいるわけじゃない。もっと大事なことはあるんだ。僕はそう思いますよ。
私が完全にそういう心境になって、実際に自分が好きなものを食べられるようになったのは、それから生活も、別に派手なことをしなくてもいいと思うようになったのは40歳からですね。40歳から、本当に僕はそういう、くびきが取れましたよ。出世するとか、お金が入るとか、そういうものとは全く縁がなくなりましたね。 だから一時私のこういうネットのブログはね、ものすごく見る人が多くて、他の人はあまりブログやってなかったですからね。なんか月600万とかいうことになるからっていう風に言われて誘われたことあるんですけど、お断りしました。
別にお金がいらないなんていう気障なことは言いませんが、ネットで私がこうヒバリクラブとかやるのはですね、私自身のやっぱり職業上の思いなんですよね。できるだけ真実を伝えたい。

本当はNHKとかやってくれればいいんだけど、嘘ばかり言ってるんで、しょうがないから。耐えられないですよ。
僕はNHKの受信料を払ってますけど、耐えられないですよ。自分の考えと違う情報をもらうのに。
事実を報道してくれりゃいいですよ。まあ僕に言わせれば嘘ばかり。NHKは自分が本当のことやってると思うんでしょうね。
紅白歌合戦だって、ある芸人が僕にね、「武田さん、我々はNHKを批判できないんですよ。なんでかったら、紅白に出るか出ないかでギャラが3倍違うんですからね。NHKは、NHKを非難した芸人は絶対に紅白に出しませんから。」これ言論統制ですよ。心の自由を奪ってますよね。そういうまあ、江戸の敵は長崎というかね、そういうやり方をするところが、いかにも善人な顔してるのが嫌なんですよ。

だから僕は、もちろん1990年から日本人はもうこれでいい。満足した。これは素晴らしいと思います。その代わり、ちゃんと社会は面白いですね。本よりお金、人生よりお金という人が出てきたわけですね。そして最後に私がちょっと別の機会にもう1回お話しますが、今親が子供を教育している時に、「勉強しなさい」、「なんで勉強するの?」、「将来金持ちになるために」って言うわけですよ。それでお金が儲かれば人に嘘をつく。日本のことは全然考えない。自分だけ、今だけ、金だけというのかな。そういう日本の社会にはいなかった人達が出現してきたということで、辻褄合ってますね。

1990年で善良な日本国民が満足した。で、お金が余るようになったので、お金はもういいっていう人が外国に金を渡したり、自分たちが取ったりして。
例えば機械、電気が大切なのに機械、電気をやらずに。機械、電気が大切だっていうのは、私が物理をやってるからじゃないんですよ。日本っていうのは電気産業、電子産業ね、自動車産業。全部そういう人たちの頑張りで、我々は豊かな日本に住んでるわけですから。それは全部電気、機械ですからね。これを、恩を忘れるっていうやつですね。だから教育も親もですね。やっぱり1990年を境に、なんだか訳が分かんなくなっちゃったっていうところに問題があるんじゃないか。それで私は均衡財政だとか財政均衡だとか、MMTとかいうのはですね、あまり議論しちゃいけない。それは経済の人が議論するのはいい。理論をもっとしっかりしてほしい。だけども、本当の原因ですね、本当にこの30年間日本が発展しなかったっていうのは、私の感じでは、日本人自身の希望だったと。希望がそうしたんだ。ものはいらない。ものがいらないわけですから、もちろん供給能力に対して需要は減りますからね。そこのところ2割だけ財政出動したところで、元々みんなが買う気がないんですから、それは経済が停滞したものの当たり前。これがヨーロッパなんかと違った、本当の人間の社会の状態であると私は思います。

武田邦彦 ヒバリクラブ
日本と科学(17)「お金のための経済?」令和5年1月17日
https://youtu.be/KJ5I3n66ulE



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2023年01月24日

1,000人を殺害した男の話

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今日はこの前の戦争の時に起こった、ロシアとフィンランドの間の戦争のことですね。それを参考にしまして、戦争というものとか、殺人というものとか、戦争は残酷なのかどうかということについて、少し考えてみたいと思います。

Simo_hayha_honorary_rifle.jpg

タイトルは「シモ・ヘイへはなぜ殺人鬼でないのか?」というふうに書きました。
この写真を載せましたけども、フィンランドの人ですね。

当時ロシアがですね、スターリンの時代、ソ連がですね、第二次世界大戦の始まりのどさくさに紛れて、フィンランドを占領しようと思ったんですね。ロシアっていう国も、それから今の中国もですね、アメリカも膨張主義なんですね。ちょっとしたことがあれば、とにかく自分の国をもっとでかくしたいという非常に強い欲求がある国が3か国。昔はイギリスもそうだったんですね。フランスもそうだったんですけど。
今の国連の安全保障理事会の常任理事国っていうのは拒否権という特別な権利をもらって、世界の平和を保つようになってるんですが、まあそうじゃないですね。逆なんですね。戦争の前は国連ありませんが、このロシアがフィンランドを攻めたんですよ。ものすごい兵力でね。で、フィンランドは小さな国ですから。だいたい現在で人口が550万人。国土面積はだいたい日本と同じなんで、人口密度は日本の22分の1なんですね。
私もフィンランドの大使館と時々共同研究なんかしてましたので、フィンランドの人の生活とかなんとかっていうの、ある程度知ってるんですけども、森の国と言われる通り森と湖ですね。そういう北方の非常に寒い国に住んでおられる。

第2次世界大戦の時に、そのフィンランドに、シモ・ヘイへっていう人がいたんですよね。
背の高さがフィンランド人は非常に背が高いですから、それから見れば152cmと言いますから、格別に背の低い人で、フィンランドの純粋な血だったか、もしくはエスキモーとかいろんな血が入ってるのかもしれませんが、152cmの人だったんですね。で、この人は狙撃兵。普通の歩兵というのは隊列を組んで、小隊とか中隊ごとに敵の陣地とかそういうのを攻めるのが普通の歩兵なんですけども、狙撃兵というのは陰に隠れて、敵を撃つという、そういうものなんですね。それでこのヘイへさんが現れるまでは、狙撃っていうのは戦争においてすごく脇道で、優れた狙撃兵がいるから戦争の帰趨がどうなるかなんていうことじゃなくてですね、まあ狙撃兵がいるからみんなお互いに気を付けるっていうことだったんですけどね。このヘイへさんだけは全然違うんですね。
雪の中に、この写真で分かるように白い服を着ましてね、顔にも白い布を当て、息が白いとそれでバレますからね、どこにいるか。だから氷をこう口に入れながら、白い息にならないように。それから銃にも、照準をつけるようなレンズなんか付けますとそれが反射するんですね、太陽の光に。それでバレますので、照準の望遠鏡も付けないってことで、ただ銃だけを持って、それで雪の中に、いわば埋もれて、何も分からないんですよ。
それでだいたい敵が500mとか300mとか来ると、そこでバンっと撃つんですね。百発百中なんですよ。しかも彼は弾込めにほとんど時間がかからない。連射ができるんですね。
命中率100%。オリンピックに出れば金メダル、射撃に出れば金メダルって感じの人なんですね。
その人がフィンランド軍にいたんですよ。

そこに大量の、4,000人だったかな、ロシアの第一陣が来るんですね。
川を上っていくんですよ。そうすると、どっからともなく弾が飛んできて、頭を撃ち抜かれるんですね。
彼はものすごく名手ですから、下手なところに撃ってってんじゃないんです。頭をバチーンと撃ち抜くんですね。その時に即死ですよ。でまた、ものすごい早いもんですから、一度に10人とか20人とか。狙撃っていうのは、ひとり撃ったらしばらく隠れて、それでまた頭が出てガーンと撃ったらまた隠れるというので、10分にひとりの命を奪うというのはなかなか難しいんですけどね、敵の命を。
とにかくなんか中隊が攻めてくると、もう20人の部隊だったら、そのうち10人が立ち所に死んじゃうって、そういうやつですからね。もう大集団の戦争と同じようになっちゃったんですね。1対4,000っていう感じなんですけど。もう軍隊どうしでぶつかってるような感じになっちゃったんです。
そのうちソ連は、フィンランドを攻められなくなっちゃったんですよ。彼1人のために。みんな怖がってフィンランドに入れないんですよ。入ってある程度行くと、どっかから、どこだか全然見えない。それは彼の用意周到なね、白い服、白い顔、息も白くなんないようにいろんな工夫をしてですね、絶対に自分の居場所が分からないようにして、とにかく弾だけ飛んでいくんですから、どうにもならないですね。
それでまあ本当にこう素晴らしい国を守ったわけですよ。
フィンランドは結局この人一人のおかげと言ってもいいんですけど、国を防衛することができて。
多少割譲されてですね。いいところは奪われて、今でも奪われたものだと思うんですけども、そういうことはありますけどね。ソ連はでかいから。でかい国だからって小さい国をいじめちゃダメだって、僕あの力づくの社会はダメだって言ってるんですけどね。力づくが好きな人がいましてね。困っちゃうんですけど。

それでこの人はまあ今度第3波ぐらいが来た時に、もうみんながとにかくヘイへひとりを潰そうと思って、軍隊が何千人と来てるわけですから。顎を撃ち抜かれましてね。瀕死の重症で、回復しました。だからヘイへさんの顔は、撃たれる前と撃たれた後でですね、ちょっと違っておりまして。撃たれた後の顔が勲章もらった後ですから有名なんですけど、ちょっとこう顔がもうほとんどないんでかわいそうですね。
だけどフィンランドではもうヘイへさんというのは英雄なんですよ。それで顎を撃ち抜かれてるからもういいよということで、フィンランド国家も彼に休ませて、農場を与えて、彼は農場で暮らしながら一生を終わりますね。

特殊能力ですね。1メートル52であるってことで、運動神経がものすごく良くて視力もすごくいいんですね。
彼が小銃で狙撃した敵兵は460人とか言われてますね。で機関銃を使ってたんで、機関銃はよく狙撃された人が分かんないですけど、まあ合計で1,000人近くは敵兵を殺してるんですね。なのに彼は英雄であって、殺人鬼ではないんですよ。

ここでですね、僕はなぜヘイへが殺人鬼じゃないのかと書いたらフィンランドの人ものすごく怒るんじゃないかと思ったんですね。英雄ですから。国の英雄ですよね。国を守った英雄ですよ。もしヘイへがいなくてフィンランドがソ連に占領されてたら、ものすごく大勢の人が死んだでしょうね。ソ連兵に殺されたでしょうね。女子供も含めて。
だからこのヘイへさんはもう我が身を捨ててですね、自分の国の人たちを救ったわけですから、それは英雄ですよ。しかし皆さんここで考えてくださいね。なぜ戦争で人を殺したら、1,000人殺しても殺人鬼じゃなくて英雄なのに、日頃のこういう生活の中で人を殺せば殺人鬼ですよ。1,000人も殺したらもちろん殺人鬼ですね。違いはどこにあるのか。

これは今戦争を反対したり、戦争は残酷であると言ったりした人に僕一所懸命言ってるんですけど、違うんですよ。
戦争っていうのはですね、人間が避けられないものとして規則があるんですね。お互いに相手を殺す武器を持ってること、軍隊であること、それからダメな時は降伏できること。この2つがですね、戦争というものをあまり残酷にしないで、なんとか。いいことじゃないですよ、なんとか人間の活動として、今まで何千年とやってきたってことなんですね。
ですから日本の広島、長崎の原爆とか、東京大空襲とかですね。沖縄戦もややそういう傾向があるんですが、一般市民を殺すっていうのはこれはもうこれは犯罪なんですよ。殺人なんです。
僕はあまり過去のことは言いたくないんで、過去に遡ってアメリカを非難するってことはしません。これはあのちょっと朝鮮の人なんかと僕と考えが違うんですね。
朝鮮の人は1,000年の恨みなんて言ってますけど、私はね、過去ってもう過ぎ去っているんでね。いろいろこういう考えは言わなきゃいけませんが、だからといって恨みを持つってことはあんまりしたくはありません。

しかしアメリカが日本に対して、1945年の3月15日から8月15日までやったことは戦争じゃないってことなんです。それがこのシモ・ヘイへさんの行動と勇敢な戦いと、なんでフィンランドがシモ・ヘイへさんを英雄扱いをして、ちゃんと勲章を渡し、農家を提供して、この人96歳まで生きたんですけどね。立派な人生を送ってもらった。これはなぜか。なぜ1,000人も殺した人が、英雄なのかというとですね、戦争はそういう仕組みであってですね、もちろんこの世の中が、他国を攻めるような人はいなければいいんですよ。今日本で言えば、中国とか北朝鮮とかこういう人達がいなければ、それはあの防衛軍もいらないんですけども、いるんですよ、現実に。

そういう人達こそ他国を攻めたら、略奪したり人殺したり虐殺したりする人達なんですよ。どうしても我々はそういう人間の業を背負っております。
ぜひ平和を愛する皆さん、戦争と平和っていうのは、これは両方とも残酷でありません。残酷なのは虐殺です。道端で縄跳びをしている小学校の女の子を、完全武装の兵士がライフルで打ち殺した。これは許されないんですよ。これと同じことが広島、長崎、東京大空襲、それから日本の各地の海岸線で行われたアメリカ軍の飛行機による機銃掃射。これらはそうですね。だからこれに対してはもう絶対にダメだ。今で言えば、中国が日本の各都市に対して核ミサイルの照準を合わせているというふうに言われておりまして、場所も特定されておりますが、これも虐殺ですから戦争ではありません。だから中国が日本に向けている核ミサイルは兵器ではありません。兵器っていうのは戦争で使うものであって、虐殺道具っていうかね、そういうもんであります。これを、シモ・ヘイへの話を少しみんなで考えてみたいなと思っております。

武田邦彦 ヒバリクラブ
日本と科学(16)「シモ・ヘイヘはなぜ殺人鬼でないのか?」令和5年1月16日
https://youtu.be/LZJtNQbg1Yg

画像
Simo_hayha_honorary_rifle.png: Finnish Military Archivesderivative work: Materialscientist このファイルの派生元: Simo hayha honorary rifle.png:, パブリック・ドメイン, https://commons.wikimedia.org/w/index.php?curid=18849139による


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2023年01月23日

ウクライナ戦争について、3つ目の見方

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今日は、ウクライナ戦争を3つ目の見方から見てみたいと思います。

外交っていうのは非常に難しくて、本当の外交の専門家だったら、もっと難しいことを言うんですが、私たちは普通の国民なんで。
第一に、ロシアがウクライナを攻めたという単純な見方がありまして、これは間違ってるんですけどね。
それは少なくとも2004年、2014年、まあ少なくとも2014年のミンスク合意、それの後の8年間に渡るウクライナの所業というか行動を見れば、全然間違ってるということが分かりますが、日本ではNHKをはじめとして日本政府もそんなことを言ってますので、多くの皆さんが、ロシアがウクライナを攻めたと思っておられると思います。

もう一つの見方は、アメリカないし、いろんなところで普通に言われてるように、アメリカがロシアの利権を長期的に取ろうと思った。
それは最初に1990年から1999年までのエリツィン政権の時に、アメリカに膨大な富が流れたんですね。それをもう1回やろうということで、ウクライナが代理戦争みたいなもんで、アメリカの武器で、アメリカのやり方で、ただウクライナ人が血を流しているという、アメリカ対ロシアの代理戦争であるという見方ですね。これはまあ2、3回このヒバリクラブでご紹介しました。

もう一つは、元々ロシアという国はどういう国かという根源ですね。それを今日お話をいたします。日本でも、いろいろ内部でありますよね。ちょっとあそこは日本じゃないんじゃないかとか、あそこは日本として死守しなきゃならないところだとか。そういうの、いろいろありますよね。
それをソ連邦が解体して、ロシアになった時の状態から見てみようと思うんです。

ソ連邦っていうのは20世紀の初めにできまして。よく知られているようにレーニンが共産主義国家を作ったわけですね。ものすごくソ連というのは複雑で、それまでロシア帝国でしたからね。ロマノフ王朝でしたから、帝政から一気に資本主義を経ずして共産主義に来たということ、ロシアというのはものすごい多民族国家なんですよ。もういくつあるか分かんないですね。民族の数が200ぐらいだと思うんですけど。ちょっとネットでロシアの民族というのを調べますと、どれほど多いのかと思うぐらい多いんですね。

そういう非常に変わった国なんですが、それが1980年の終わりからゴルバチョフという非常に変わった近代的な考えの人が、最初は書記長って言ってたんですけど、大統領に就任いたしました。それでその時には段々段々、ソビエトっていうのは単一国家から共同体みたいになってきたんですね。
ロシアもロシア大統領がいて、ウクライナもウクライナ大統領がいる。ベラルーシもそうだ。ウズベキスタンもそうだ、カザフスタンもそうだ。いう風な連邦体みたいなものが、段々連邦色が強くなりました。
それから共産主義っていうのが行き詰まって、それで結局国はもうガタガタになって行く。で、ゴルバチョフという人はなかなか面白い人で、少し考えが飛んでるもんですから。普通の人の様に、こう行ったからこう行くっていうんじゃなく、こう行ったからガーンとこうなるっていう感じの人なので。

大統領になったぐらいですから、一応当選した時は人望があったんですけども、やはりまあ独特だったものですから。
ペレストロイカっていう情報開示もやりましたね。それでソビエトの中の矛盾というのが非常に表面に出てきたわけですね。で当時ソビエトの大統領はゴルバチョフで、ロシアの大統領はエリツィンという人で。ウクライナでもそれぞれ独立国家、半独立国家にはいたわけですね。でまぁそれがもうやめようと。それでゴルバチョフが辞任して、それぞれの国にはそれぞれの大統領が独立してやるということで、一番有名なのはロシアのエリツィン大統領が一番有名ですね。その人が実際の実力を持ってたわけですね。その時に、今までずっと80年間やってきた、がっちりとした国家のソ連というものが、一気に解体する。やっぱり難しかったんですよ。
その頃のロシアの、ソ連のいろいろな会議の議事録を読みますとね、ものすごく複雑であったってことが分かります。

で、ソ連という国が一気にゼロになるというのは、ちょっと当時の指導者にも決断ができなかったんですね。それでここに示しました独立国家共同体。この前にもう一つ、ゴルバチョフが考えた連邦制度っていうのがあるんですけども、いずれにしてもロシアとかウクライナとか、それからカザフスタンとかそういう国が独立していって、それが独立した主権国家なんだけれども、それ全体で共同体を作ろうじゃないか。だからアメリカ合衆国なんかと似てるんですよね。アメリカ合衆国の場合も、州はかなりの独立性を持ってて、51州ですよね。それと同じように、ソ連も解体はするけども、それぞれの国があって。アメリカ合衆国みたいに、ロシア合衆国っていう名前をつけたらすっきりしたんでしょうね。
ところがすごく複雑で、CIS(独立国家共同体)っていう名前を付けちゃったんで、これ国家みたいじゃないですよね。
ロシア合衆国なら国ですけど。こういう名前を付けたわけです。
ところが問題があってですね。核兵器がいっぱいあったんですよ。

ロシアに8,155発、それからウクライナに1,650発、それからカザフスタンに1,040発、それからベラルーシに72発。
これは当時としては、今から30年前ですけども、極めて最新鋭の核弾道だったんですね。ですから命中率も高い。これが、こんななっちゃったらアメリカが1番、ロシアは2番、核兵器保有率でウクライナは3番ですよ。だからこんな大国ができちゃったら処置できないんで、それでロシアのエリツィン大統領は、全部、核兵器だけは問題だから、ロシアに集中しようという提案をしますね。
ウクライナもその方がいいかなと思って、ちょっと自分の実力には持て余すんじゃないかと言って、まあまあ賛成はしてたんですよ。確かウクライナの国の中にも、この核ミサイルを修理したり製造したりする工場が30ぐらいあったんですよね。だからそういうものの維持も大変だし、この際ちょうどいいかなと思ってたわけですね。

で、この考えは今度のウクライナ戦争にすごい関係あるんですが、実は生活とか政治とか経済とか農業とか工業はですね、それぞれ独立した国でやると。ところが防衛だけは、この独立国家共同体でやるんだという概念が強かったんです。それは考えですから。まだウクライナとかベラルーシとかカザフスタンとかいう国ができてないわけですからね。
これ今から作ろうという時に不安なんですよ。で、防衛は全部で防衛しようとなったわけです。その協定書があるんですけどね。それが第5条共同体の基本理念、共同体憲法みたいなものです。その第5条が、実はね、一応国境はあると。ここですよ一番重要なこと。一応国境はある。しかし防衛に関しては国境はないと、こういうふうに書かれているのが原案というか、プリントしたやつなんですよ。国境は一応ありますよと。だけども国防に関しては一体なんですよ。国境というのはないんですよとなったわけです。

それが後に2014年のクリミア併合ですね。ロシアによるクリミア併合の時に、あんなにスムースに行っちゃったのは、元々クリミアというのはロシアだったんだけども、ソ連の時の書記長が、まあ一応ウクライナの方で管理してっていうことで、ウクライナ領になった。それをただロシアに取り返しただけだっていう認識が、ロシア側にはあるんですよ。それでまあスムースに、クリミア半島はロシア領になったわけですね。だってクリミア半島にですね、ロシア全体の共同体を守る軍港とかあるわけですよ。それはやっぱりロシアが主体にあるわけですからね。それで原爆も核爆弾も全部ロシアに集めるわけですよ。

ウクライナは、これどうしてロシアに渡しちゃったかというと、核を持ってても、ちょっとウクライナはダメだということで、それをロシアに渡すと。その代わりにお金をせびったんですよ。アメリカですよそれ。おまけにアメリカ。アメリカはその時、非常に複雑な立場ですよね。アメリカとロシアが核兵器で対峙してたわけでしょ、東西対決。まだそれは崩壊した直後ですね。で、アメリカがお金を出して、ベラルーシとかカザフスタンとかウクライナにある核兵器をロシアに集めるんですよ。それはアメリカとしては、ロシアが強大になるからまずいけど、その方がいいと。アメリカの安全に資すると。ウクライナとかカザフスタンが持ったら危ないと言うんで、アメリカが金を出してロシアの核兵器の体制を作った。まあ政治とか歴史というのは面白いもんですね。

だからこう2つあるんですよ。2つのミスとかね。連邦が必要だった。ロシア合衆国にすれば良かった。アメリカだって合衆国は一つで国防してるんですからね。行政は別々であってもですよ。別々の程度というのはいろいろありますけどね。
だから今度の戦争は、国境という意識は少し少ないんですよ。これはアメリカの、なんかすごく偉い政治学者が、ロシアの中、ロシア共和国か共同体の中の国境っていうのは、我々の国境とちょっと意味が違うから、あんまり触れない方がいいって言ってるんですね。その意味がこれを見ると分かりますね。
だから我々は日本国だから、特に日本の国境とか思いますけど、アメリカで言ったら州と州との間はね、ちょっとよく分からないですね。
だからそういうCISの存在。ところがウクライナとやっぱりロシアは、色々過去にも二転三転してるんですね。
元々が、ロシアの国の出生は、ウクライナですから。ウクライナの人達が段々膨れてロシアと一緒になり、ロシアのモスクワが首都になったんで。昔はキエフですからね。ロシアという国の首都は、大昔はキエフですからね。
京都から東京に来たようなもんなんですね。

それで、だからロシア人の気持ちとしてはですね、ウクライナとロシアの間の境界、国境というのは、国防に関しては国境はないんです。
ところがそれをウクライナがNATOに入るとか、そんなんなっちゃったら、CISが何やってんのとかなるわけですね。

それから現実的に、今までも中ソ国境とかなんか言ったら、やっぱりロシアの中にある小さな国の国境なんていうのは、やっぱりロシアも守る。一緒に。そういうことだったんで、見方を3つ示しました。

つまり単にロシアがウクライナを攻めた、ウクライナも独立国家であるという概念ですね。これは僕は間違ってると思います。アメリカとロシアの代理戦争だ。これは半分ぐらい合ってますね。それに加えてこのCIS、つまりロシアという人たちが自分たちの国はどうなんだ、国境はどうなんだと考えてる概念が、我々日本人が考えてる概念と全然違うということも、ちょっと指摘したいと思いまして、今日は少し複雑ですが、だけど外交ってのはここまで知らないと、ロシアが悪いとか言ってると、世界の笑い者になっちゃいますから、ちょっと今日はお話をいたしました。

武田邦彦 ヒバリクラブ
日本と科学(15)「ロシアとウクライナ」令和5年1月15日
https://youtu.be/yhoGC918ymk



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2023年01月22日

中国共産党と国防

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今日はですね、ちょっとシリーズものを、少し考えながらやっていきたいと思うんですが。国防ですね。

参政党では国守りと言ってますけども、とにかく一所懸命毎日毎日お母さんが細かいことみんな注意して、お子さんを大切に大切に育てても、中国から核ミサイルが一発飛んで来たら、焼けて死んでしまうんですよ。
国防というのは非常に大切なんですね。

憲法9条で日本は戦争ができないとか、国防できないとか、だから憲法改正が最初だなんて言ってるのは全くの間違いで、日本はすでに世界第5位と言われる自衛隊という軍隊を持ち、これをいくら軍隊じゃないんだって、軍隊であることは間違いありません。
それからアメリカの第1群が5万何千人も駐屯しておりまして、これは世界で一番強い軍隊ですね。原子力潜水艦、原子力空母、F35の戦闘機という、もう全く他の国が歯が立たない装備を持っております。
したがって日本は世界で3番目か4番目ぐらいの防衛力を持った国なんですね。

防衛力は十分にあるんです。しかし私は、アメリカ軍はできるだけ早く日本から出て行ってもらいたいし、また中国が台湾を攻めるということになるとアメリカは、類が及ぶことを恐れて日本から軍隊を撤退させると思うんですね。
つまりアメリカ軍が日本にいるというのは抑止力としては働きますが、いざという時は働かないというふうに考えられると思います。

今年のヒバリクラブでは、頭を巡らすことを一つのテーマにしておりますが、外交とか軍事ほど複雑なことないんですね。
現在の日本人のように、非常に単純に考えたり、問題は政治家の中に、敵国と通じてる人がいると考えられるわけですね。
はっきりとスパイとかそういうんじゃなくても、林外務大臣の態度とか、小池都知事の態度とか、立憲民主党の態度なんかを見てますと、まるで日本を痛めて中国を利するような行動が非常に多いんですね。数が多いんですね。
確たる証拠は分かりませんが、そういうことをやること自体が日本を危うくすると私は思います。

順序を追って、中国の脅威がどこにあるのか、中国が日本を攻めるとしたらどういうふうに攻めてくるのか、これをこのブログできちっと考えていきたいと思います。
そのための第1段階としては、中国は侵略国であるか、平和を目指す国であるかということの大きな問題がありますね。

chinamap.png

日本の小学校とか中学校の先生方は、全部騙しているので、まさに反日教育と言えるんですけれども、小学校、中学校で使っている世界地図。中国というのが1色で塗られております。これはどういう内容かと言いますと、その下の方に斜め下に書いたように、中国という国は今はっきりしません。
中国共産党支配地域の元々の中国がありましてね。それからチベットは占領してるところですね。チベット占領地です。それからウイグルはもちろんずいぶん議論されてますが、ウイグル占領地ですね、新疆ウイグル。それからモンゴルも占領地です。これはもうほとんど占領地と言えないぐらい中国の人が移住しておりましてね。移住によって既成事実を作ろうというのが、内モンゴルに対する中国の政策ですね。
それから満州っていうのは、元々中国でありません。これは女神族、むしろどちらかと言ったら北朝鮮と民族が一緒ですね。これはもし違うよっていう人がいたら、万里の長城をよく調べてください。万里の長城は紀元前200年の秦の始皇帝時代の時に建てて、1600年の明の時に完全に補修していますね。この長い歴史で、日本で言えば北海道から沖縄までが日本ですというのと同じように、北の方はここまでですというふうに、はっきりと中国人自身が言ってるのが、万里の長城なんですね。ですから満州はもちろん民族的にも違いますね。これは満州という国であって、決して中国領ではありません。

従って中国は非常に侵略的です。中国が侵略的っていうか中国共産党が侵略的なんですね。元々共産党っていうのはソビエトもそうですし中国もそうです。非常に好戦的で、虐殺が多くて、侵略性があるんですね。
これは元々の共産主義とは違うんですが、なぜか人間は共産主義になると、自分の考えてること正しい、自分の思想を他人も支持するはずである、共産主義に反対するのはおかしな人だと、こういう心境になっちゃうんですね。

で、ソビエトみたいにコミンテルンっていうのを作って、世界中を共産主義にする。世界中を強引に、しかも暴力革命とか戦争とかそういう形で共産主義にするのは正しいことだ、つまり共産主義は正しい制度だから、とにかく武力を用いて人を殺しても共産主義がいいんだ。もう凝り固まってるんですね。そうじゃない共産主義っていうのはないんですよ。
日本共産党ってのがなんでそうじゃないのか私よく分かりませんが、やっぱりここは日本共産党も共産主義でありながら、平和的であると、侵略性がないということの理論をちゃんと構築してもらわないと、到底これまでの歴史から言って日本共産党も、我々は信頼することができません。

北朝鮮にも大量の軍隊を送りました。朝鮮戦争の時。それから北ベトナム。1978年にベトナムに侵攻して、これは中国が負けて引き返したんですけども、非常に侵略性です。

現在では台湾を侵略しようとしてますが、こういう、世界にはいろんな地域あるんですね。
スコットランドもそうですし、スペインの東北もそうですが、同じ国でありながらかなり歴史的にも揉めて、帰属がはっきりしないところというのは、普通は住民投票によって決めるんですね。
つまり、ある国は端の方が、どうも俺たちは中国に入っていたくないっていう時は、中国共産党がもし平和主義であれば、どうぞ国民投票やってください。それで台湾が中国に吸収されたいと言うんであれば、中国は歓迎しますと。それでも嫌ですというのが正しいんですね。
これはやっぱりチベットとかウイグルとか内モンゴル、内モンゴルはもう人口自体が中国人が多くなっちゃったんで、どうだか分かりませんけどね。
満州とかそういうところで実際やってですね。そして中国は、こことは友好的にやるんだということを決めなきゃいけません。

というのは、中国は国連の安全保障理事会の常任理事国で、拒否権という特権を与えられております。
常任理事国の拒否権は何のためにあるんだったら、世界平和を守るために、安全保障理事会の常任理事国が先頭に立って侵略的な世界は止めるというのが役割であります。したがって日本外交としては、もしくは日本人としては、メディアもそうですが、常に中国に対して牽制を打つべきですね。

あなた方は常任理事国で拒否権という特権を持ってるんだから、外部に対して侵略をしてはいけないと。これは最近ですね、日本にも尖閣諸島の領海に入ったり、接続海域にしょっちゅう中国がちょっかいを出すというのは、これは侵略行為なんですね。
ですから侵略行為をする国に対しては、日本政府はもうダメなんで。林外務大臣とか小池都知事なんていうのは全くの中国寄りですから、そういう政治家に、まず投票しないことっていうのが非常に大切ですし、それからちゃんと変なことをやったらですね、必ずチェックをするということが非常に重要じゃないかと思います。

いずれにしても今回は日本の国防1で、現在日本の具体的な脅威は中国なんですよ。
従って中国にどういう脅威が現実にあるのかという事実認識です。中国が嫌いだとか好きだとか言うんじゃなくて、このようにまずは侵略的国家であると。共産主義国というのが元々侵略的国家であり、事実中国は侵略をしてる。1945年に戦争が終わって日本が中国から撤兵し、中国はその時、今台湾にいる国軍とそれから共産軍が戦って、国共合作から国共闘争になって、共産軍が勝って、その後1949年から1950年にかけて占領したところがチベット、ウイグル、南モロッコ、モンゴル、それから満州ですから明らかな侵略ですね。戦後の侵略です。このことをまず歴史的にはっきりし、日本の小学校、中学校でもちゃんとした地図を示し、ちゃんとした歴史を教えると。

近隣諸国条項というものを文科省がまず撤回しなきゃいけませんね。あの近隣諸国が友好的になるのは近隣諸国間で嘘をつかないってことなんですよね。嘘をついて国と国が親睦が深めるということはありません。
ここではまず日本の国防1ですからね。まず、中国が日本の国防にとって最も危険である、というコンセンサスを作ること。中国に利することをとにかくしないこと。教育においても地図においても事実をしっかり描いて、そして中国の占領地をあたかも中国のように描くことをやめるって事。そういうことを全部する。それから国連の安全保障理事会常任理事国は、拒否権という特権が与えられている代わりに、世界平和に貢献しなきゃいけないということも合わせて、日本人がはっきりとした意志を持つ必要があると思います。

武田邦彦 ヒバリクラブ
日本と科学(14)「日本の国防@:中国共産党の侵略性」令和5年1月14日
https://youtu.be/mlHCPd_mr2o

画像は「中国の全土や各省の行政地区の地図・白地図のフリー素材」をからダウンロードし、加工
https://www.abysse.co.jp/china-map/chinaesemap.html



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