2023年01月23日
ウクライナ戦争について、3つ目の見方
今日は、ウクライナ戦争を3つ目の見方から見てみたいと思います。
外交っていうのは非常に難しくて、本当の外交の専門家だったら、もっと難しいことを言うんですが、私たちは普通の国民なんで。
第一に、ロシアがウクライナを攻めたという単純な見方がありまして、これは間違ってるんですけどね。
それは少なくとも2004年、2014年、まあ少なくとも2014年のミンスク合意、それの後の8年間に渡るウクライナの所業というか行動を見れば、全然間違ってるということが分かりますが、日本ではNHKをはじめとして日本政府もそんなことを言ってますので、多くの皆さんが、ロシアがウクライナを攻めたと思っておられると思います。
もう一つの見方は、アメリカないし、いろんなところで普通に言われてるように、アメリカがロシアの利権を長期的に取ろうと思った。
それは最初に1990年から1999年までのエリツィン政権の時に、アメリカに膨大な富が流れたんですね。それをもう1回やろうということで、ウクライナが代理戦争みたいなもんで、アメリカの武器で、アメリカのやり方で、ただウクライナ人が血を流しているという、アメリカ対ロシアの代理戦争であるという見方ですね。これはまあ2、3回このヒバリクラブでご紹介しました。
もう一つは、元々ロシアという国はどういう国かという根源ですね。それを今日お話をいたします。日本でも、いろいろ内部でありますよね。ちょっとあそこは日本じゃないんじゃないかとか、あそこは日本として死守しなきゃならないところだとか。そういうの、いろいろありますよね。
それをソ連邦が解体して、ロシアになった時の状態から見てみようと思うんです。
ソ連邦っていうのは20世紀の初めにできまして。よく知られているようにレーニンが共産主義国家を作ったわけですね。ものすごくソ連というのは複雑で、それまでロシア帝国でしたからね。ロマノフ王朝でしたから、帝政から一気に資本主義を経ずして共産主義に来たということ、ロシアというのはものすごい多民族国家なんですよ。もういくつあるか分かんないですね。民族の数が200ぐらいだと思うんですけど。ちょっとネットでロシアの民族というのを調べますと、どれほど多いのかと思うぐらい多いんですね。
そういう非常に変わった国なんですが、それが1980年の終わりからゴルバチョフという非常に変わった近代的な考えの人が、最初は書記長って言ってたんですけど、大統領に就任いたしました。それでその時には段々段々、ソビエトっていうのは単一国家から共同体みたいになってきたんですね。
ロシアもロシア大統領がいて、ウクライナもウクライナ大統領がいる。ベラルーシもそうだ。ウズベキスタンもそうだ、カザフスタンもそうだ。いう風な連邦体みたいなものが、段々連邦色が強くなりました。
それから共産主義っていうのが行き詰まって、それで結局国はもうガタガタになって行く。で、ゴルバチョフという人はなかなか面白い人で、少し考えが飛んでるもんですから。普通の人の様に、こう行ったからこう行くっていうんじゃなく、こう行ったからガーンとこうなるっていう感じの人なので。
大統領になったぐらいですから、一応当選した時は人望があったんですけども、やはりまあ独特だったものですから。
ペレストロイカっていう情報開示もやりましたね。それでソビエトの中の矛盾というのが非常に表面に出てきたわけですね。で当時ソビエトの大統領はゴルバチョフで、ロシアの大統領はエリツィンという人で。ウクライナでもそれぞれ独立国家、半独立国家にはいたわけですね。でまぁそれがもうやめようと。それでゴルバチョフが辞任して、それぞれの国にはそれぞれの大統領が独立してやるということで、一番有名なのはロシアのエリツィン大統領が一番有名ですね。その人が実際の実力を持ってたわけですね。その時に、今までずっと80年間やってきた、がっちりとした国家のソ連というものが、一気に解体する。やっぱり難しかったんですよ。
その頃のロシアの、ソ連のいろいろな会議の議事録を読みますとね、ものすごく複雑であったってことが分かります。
で、ソ連という国が一気にゼロになるというのは、ちょっと当時の指導者にも決断ができなかったんですね。それでここに示しました独立国家共同体。この前にもう一つ、ゴルバチョフが考えた連邦制度っていうのがあるんですけども、いずれにしてもロシアとかウクライナとか、それからカザフスタンとかそういう国が独立していって、それが独立した主権国家なんだけれども、それ全体で共同体を作ろうじゃないか。だからアメリカ合衆国なんかと似てるんですよね。アメリカ合衆国の場合も、州はかなりの独立性を持ってて、51州ですよね。それと同じように、ソ連も解体はするけども、それぞれの国があって。アメリカ合衆国みたいに、ロシア合衆国っていう名前をつけたらすっきりしたんでしょうね。
ところがすごく複雑で、CIS(独立国家共同体)っていう名前を付けちゃったんで、これ国家みたいじゃないですよね。
ロシア合衆国なら国ですけど。こういう名前を付けたわけです。
ところが問題があってですね。核兵器がいっぱいあったんですよ。
ロシアに8,155発、それからウクライナに1,650発、それからカザフスタンに1,040発、それからベラルーシに72発。
これは当時としては、今から30年前ですけども、極めて最新鋭の核弾道だったんですね。ですから命中率も高い。これが、こんななっちゃったらアメリカが1番、ロシアは2番、核兵器保有率でウクライナは3番ですよ。だからこんな大国ができちゃったら処置できないんで、それでロシアのエリツィン大統領は、全部、核兵器だけは問題だから、ロシアに集中しようという提案をしますね。
ウクライナもその方がいいかなと思って、ちょっと自分の実力には持て余すんじゃないかと言って、まあまあ賛成はしてたんですよ。確かウクライナの国の中にも、この核ミサイルを修理したり製造したりする工場が30ぐらいあったんですよね。だからそういうものの維持も大変だし、この際ちょうどいいかなと思ってたわけですね。
で、この考えは今度のウクライナ戦争にすごい関係あるんですが、実は生活とか政治とか経済とか農業とか工業はですね、それぞれ独立した国でやると。ところが防衛だけは、この独立国家共同体でやるんだという概念が強かったんです。それは考えですから。まだウクライナとかベラルーシとかカザフスタンとかいう国ができてないわけですからね。
これ今から作ろうという時に不安なんですよ。で、防衛は全部で防衛しようとなったわけです。その協定書があるんですけどね。それが第5条共同体の基本理念、共同体憲法みたいなものです。その第5条が、実はね、一応国境はあると。ここですよ一番重要なこと。一応国境はある。しかし防衛に関しては国境はないと、こういうふうに書かれているのが原案というか、プリントしたやつなんですよ。国境は一応ありますよと。だけども国防に関しては一体なんですよ。国境というのはないんですよとなったわけです。
それが後に2014年のクリミア併合ですね。ロシアによるクリミア併合の時に、あんなにスムースに行っちゃったのは、元々クリミアというのはロシアだったんだけども、ソ連の時の書記長が、まあ一応ウクライナの方で管理してっていうことで、ウクライナ領になった。それをただロシアに取り返しただけだっていう認識が、ロシア側にはあるんですよ。それでまあスムースに、クリミア半島はロシア領になったわけですね。だってクリミア半島にですね、ロシア全体の共同体を守る軍港とかあるわけですよ。それはやっぱりロシアが主体にあるわけですからね。それで原爆も核爆弾も全部ロシアに集めるわけですよ。
ウクライナは、これどうしてロシアに渡しちゃったかというと、核を持ってても、ちょっとウクライナはダメだということで、それをロシアに渡すと。その代わりにお金をせびったんですよ。アメリカですよそれ。おまけにアメリカ。アメリカはその時、非常に複雑な立場ですよね。アメリカとロシアが核兵器で対峙してたわけでしょ、東西対決。まだそれは崩壊した直後ですね。で、アメリカがお金を出して、ベラルーシとかカザフスタンとかウクライナにある核兵器をロシアに集めるんですよ。それはアメリカとしては、ロシアが強大になるからまずいけど、その方がいいと。アメリカの安全に資すると。ウクライナとかカザフスタンが持ったら危ないと言うんで、アメリカが金を出してロシアの核兵器の体制を作った。まあ政治とか歴史というのは面白いもんですね。
だからこう2つあるんですよ。2つのミスとかね。連邦が必要だった。ロシア合衆国にすれば良かった。アメリカだって合衆国は一つで国防してるんですからね。行政は別々であってもですよ。別々の程度というのはいろいろありますけどね。
だから今度の戦争は、国境という意識は少し少ないんですよ。これはアメリカの、なんかすごく偉い政治学者が、ロシアの中、ロシア共和国か共同体の中の国境っていうのは、我々の国境とちょっと意味が違うから、あんまり触れない方がいいって言ってるんですね。その意味がこれを見ると分かりますね。
だから我々は日本国だから、特に日本の国境とか思いますけど、アメリカで言ったら州と州との間はね、ちょっとよく分からないですね。
だからそういうCISの存在。ところがウクライナとやっぱりロシアは、色々過去にも二転三転してるんですね。
元々が、ロシアの国の出生は、ウクライナですから。ウクライナの人達が段々膨れてロシアと一緒になり、ロシアのモスクワが首都になったんで。昔はキエフですからね。ロシアという国の首都は、大昔はキエフですからね。
京都から東京に来たようなもんなんですね。
それで、だからロシア人の気持ちとしてはですね、ウクライナとロシアの間の境界、国境というのは、国防に関しては国境はないんです。
ところがそれをウクライナがNATOに入るとか、そんなんなっちゃったら、CISが何やってんのとかなるわけですね。
それから現実的に、今までも中ソ国境とかなんか言ったら、やっぱりロシアの中にある小さな国の国境なんていうのは、やっぱりロシアも守る。一緒に。そういうことだったんで、見方を3つ示しました。
つまり単にロシアがウクライナを攻めた、ウクライナも独立国家であるという概念ですね。これは僕は間違ってると思います。アメリカとロシアの代理戦争だ。これは半分ぐらい合ってますね。それに加えてこのCIS、つまりロシアという人たちが自分たちの国はどうなんだ、国境はどうなんだと考えてる概念が、我々日本人が考えてる概念と全然違うということも、ちょっと指摘したいと思いまして、今日は少し複雑ですが、だけど外交ってのはここまで知らないと、ロシアが悪いとか言ってると、世界の笑い者になっちゃいますから、ちょっと今日はお話をいたしました。
武田邦彦 ヒバリクラブ
日本と科学(15)「ロシアとウクライナ」令和5年1月15日
https://youtu.be/yhoGC918ymk
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