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2023年02月14日

100歳まで生きることを念頭に人生の計画を立てて、しあわせになりましょう

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女性の場合、非常に今、難しい岐路に立ってると思います。

多くの女性はそれに気が付いておりません。女性の指導者が、視野が狭いというか、自分勝手っていうか、もう少し女性全体のことを考えて、自分がこうだということとは関係なく、女性のためのシステムを作って欲しいんですが、現実的には無理だと思うんですね。
ですから個人個人の方。女性が、もしくは、女性の幸福っていうのは男性の幸福ともかなり密接につながっていますから、男性も女性も、これからの女性の幸せっていうのを考えていかなきゃいけない時期なんですね。

人生が100年になりました。第一の人生50年、第二の人生の50年。それぞれ女性の場合、特に複雑なんですね。

第一の人生では電気洗濯機ができたおかげで、自由な時間ができた。それによって3つ選択ができるようになりました。この3つの選択ができるようになったのもいいことですよね、それは当然。

・主婦、専業である。
・結婚して仕事をする。
・独身。

これはいずれもいいんです。何が悪いってことはありません。要するにその人その人が、自分の人生をこう生きたいということができるって事です。
しかし今の自民党政権では、とにかく結婚して仕事をしなさいと1本なんです。つまり人の生活を人生を、政治的に、自分たちが得になるように決めてるって言うだけなんです。

少子化を防ぐために。これ政策です。子供を持つかどうかは個人の自由なんですけども、少子化を防ぐために結婚しろ、結婚しろ、子供を持て、子供を持てって言うわけです。
だから独身者はそれでもプレッシャーを受けますね。

独身で一生を過ごすということも、非常に自由な人生としては別にいい事っていうか、それはそれなんです。しかし今度は結婚したら、輝ける女性とか言って、働け働けって言う。保育所を整備しますよとか、働く女性を支援しますよって言うんですけど、これは安い労働力を確保したいということであって、女性の人生のことを考えてるわけじゃない。
それが日本の政治の悲しいところですね。

いずれにしても、自民党が政権を取ってる限りは変わりませんから、我々は防衛しないといけない。で、その第一の人生のまず、選択をよく考える。例えば、女性は外に出た方がいい、輝ける女性と言って、うっかり就職しますと、つまり自分で一人でお金をやる、旦那のお金は期待しない、なんてやりますと、これは後で大変なことになる。つまり女性と男性が同じように仕事ができても、少なくとも現在は、女性の時給は男性の半分なんですから。
だからそのまま、みんなが、新聞とかテレビが、女性の解放だとか。それは別にいいことなんです。いいことだけど、現実に即してないんです。だから被害を受けるのは女性なんですよ。ここ間違っちゃいけない。僕は、女性が働くと、こういう風な被害を受けますよって言うと、「女性は働いちゃいけないんですか?」
いやそんなこと全然言ってんじゃないんですね。現実問題として、時給が1/2で、しかも非常に女性は優秀な労働者です、日本の女性は。しかも家庭もあって、忙しい。
苦情言うことはできますよ。もっと旦那が手伝ってくれとか、そういうこと言うことはできますが、言っても現実にならないことを言ったら、やっぱり自分の人生が不幸になるわけですね。
これはバランスを取らなきゃいけないわけです。で、第二の人生もっと複雑になっちゃうんですよ。

結婚して子供、孫が多いと、非常に幸福なおばあさんになるんですよ。

夫だけっていうのは、夫と仲がいい場合はいいですね。だけども夫が先に、だいたい10年先に他界しますからね。そうすると最後の10年を自分だけ1人ってのは結構つらいもんなんですね。これをどうするかってことですね。

離婚したという後で、夫がいない。子供が非常に順調で、女の子なんかもいて、そして幸福に過ごせるっていう人はもちろんいます。もちろんいますが、そういういい例ばかりじゃない。
それから、離婚があって仕事はできるという人と、仕事ちょっとって人がいるんですね。
60歳70歳になって女性を雇用してくれるってところは、非常に少ない。
これも原理原則じゃなくて、こうするべきだじゃなくて、現にこうだということを踏まえなきゃいけない。

こういう議論しますとすぐ、そんなことがおかしいと。おかしいことはおかしい。僕におかしいと言ってもらっても、僕は女性を雇用できる立場にないので、現実を見るということですね。

少しずつ僕も頑張って、政治的に解決していこうと思いますよ、僕のできる範囲で。だけどそれは限界があります。自民党政権下ではなかなか難しい。

それから独身。若い頃の独身っていいですよ。40歳ぐらいまでは。まだ魅力もあるし、仕事もできる。ということで、独身を謳歌するということが可能です。
だけど独身謳歌できるのは、女性では60歳ぐらいですよ、やっぱり。若い頃、20歳とか25ぐらいに、私は独身で行く。それいいんです。全然いいんですが、その人の視野は、多分まあせいぜいでも60歳なんですよ。友達なんかもいなくなります。もちろん男性の友達っていうのは、ほとんど不可能ですし、女性の70歳以上を雇用するっていうところも少ない。そのために自分が人生のどこで我慢するかってことなんですね。

だから自分の人生の70歳から100歳までの時間を考えて、そこで私は75歳で死ぬなんてよく言う人はいるんですよ。70歳を過ぎたら、もう見通しがないから死ぬと言うけども、いざとなったら死ねません、人間っていうのはそんな簡単に。死ぬたってビルの上から落ちるの?病気になるったって、そんな簡単には病気になれません。それから第一、年取ると、若い時よりか死ぬのが嫌になる。嫌なんですよ。
これは逆になるんです。人間は、若い頃の方が将来があるから死ぬのが嫌で、年取った方は将来がないから死ぬのが良くなるって言うんじゃなくて、若い頃は死ぬこともできるけど、死ぬってのもある能力なんですね。ですから力なんですよ。だから年取ってくると、死ぬ力も無くなってくるんです。本当に惨めな生活で、例えば30年過ごして、それで、ものすごく変な死に方になるっていうのが、やっぱり自分の人生としては望ましくないんですよ。
これは、むしろ長寿に高齢化したっていうことの問題点なんです。これは我々が自分で解決していかずざるを得ない。

命が伸びたってことはいいことですね。
昔は50歳、43歳で死んでたものが、90歳、95歳で亡くなるって事は、いいことなんですが、いいことと共に、そこに存在する問題点を、本当は政府が解消せんといかん。そういう政治家を選挙で選ばないかん。しかし皆さん、そういうこと考えて政治家を選んでないもんですからね。
ですから例えば、少し難しい話になって、女性の方はどうか分かりませんが、日銀が2%のインフレ率というのやりますね。みんながそれを支持します。誰が支持するか。今働いてる人たち、主に40から60ぐらいの男性が支持する。それが世の中の風潮になります。ところが2%インフレ率とは何を目標にしているか。失業率が低いってことです。

ところが元々それは男性の失業率のこと言ってて、女性の70歳以上の失業率が、インフレ率と関係があるっていうのはデータもないんです。ですから日銀の政策ですら、第二の人生の女性は考えてないんです。全く、頭の隅にもない。みんな、元気で自分勝手な頭のいい男性がやってますから。
これは、やっぱり政治的に覆さなきゃいけないけど、言ってみれば今の東京都知事みたいな女性の政治家選んだら全くダメです。自分のことだけですから。それから、産業の発達とか、自分の利害における環境問題とかやってますから。

女性の方で環境問題は大切だと思ってる人がいる。特に高齢の方がいますけど、それは私が見るところ、その人の女性の人生としては、ほとんど意味がないんですよ。第二の人生を送る女性は、環境問題とかそんなの考えなくていいんです。もっと今は難しいのは、自分の毎日が楽しいこと。そういう人生を送るにはどうしたらいいか。近くの男性に相談してもいいけど、男性も、どうだか分かんないですよ。小説もあまりありません。だから僕なんかそういう講演会、一所懸命やってます。

どういう生き方をするべきか。そういうことをまず手がかりにして、20歳、30歳、せいぜい40歳ぐらいまでに第2の人生の選択をしとかないと、もう選択すらできなくなります。

ちょっと悲観的なこと言いましたけど、
・計画こそが第二の人生の女性の幸福を決めるということをはっきりと、いやでも認識する。
・100歳まで自分は生きる。仕方がない。生きたくても生きたくなくても100歳までは生きる。
この2つをはっきりと認識するということからスタートしなければいけないと思います。

武田邦彦 ヒバリクラブ
人生(7)「多様な50年を幸せに」令和5年2月3日
https://youtu.be/XXR1s0R4l_Y


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2023年02月13日

0才から50才までの人生。50才から100才までの人生。

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もう実は、女性は完全に人生100歳時代になってしまってるんですよ。

現在は、0歳児平均寿命で88歳なんですが、この中には、幼児の時にお亡くなりになる人、小さい時にお亡くなりになる人が入ってるんです。しかし我々が一生を考えるには、だいたい20歳ぐらいを超えた方、もしくはもう少し成人、ある程度社会人になった人が何歳ぐらいまで生きるかっていうのは大切なんですね。
どうしかって言いますと、別に若い時にお亡くなりになる人を無視するんでは全然なくて、その人たちもぜひ何か病気を克服して長く生きていただきたいんですが、やはり人間っていうのは20歳、30歳ぐらいまでは夢中なんですよ。それで30歳か40歳ぐらいになってきたら、やっと自分の人生もどういう風にしたらいいんだろうなってことを考える時期になります。そのくらいの時期の人を考えれば、平均寿命はもう間違いなく100歳を超えるんですよ、実は。

今出てる正しい数字は50歳を過ぎた人で、平均余命が100歳ちょっと。女性の場合、そう言われてるんですが、これは現在なんですよ、実は。ですから、これ間違っちゃ困るんですね。こういう将来のこと考えるときは、将来のデータを頭に浮かべなきゃいけないんで、現在女性の平均寿命がある程度成人になった人で100歳としますと、例えば40歳の女性で言えば、そして100才っていうのはあと60年先なんですよ。そうすると今から60年先っていうと、まだ平均寿命が伸びてるんですよ、当然。今のところとりあえず、いろんな議論を、こんなことを細かくしてもしょうがないので、一応人生は2回来ると。0歳から50歳までの人生。これが昨日言いましたように、大正時代とか昭和の初めとかいうのは、実は第一の人生しかなかったんですよ。日本人の女性はですね。ですから女性は例えば結婚して子供を作って。その頃は、洗濯したり掃除したりっていうのを思い浮かべるわけですよ。

ところが50歳から100歳までの第二の人生について、なかったんですね。ですから女性解放とか女性を家庭に縛り付けるなとか、そういうこと自体がないんですよ。だって生きてないんですから。お墓の中に入っちゃってるんですからね。ですから女性は非常に難しい局面に入ります。っていうのは、これからの女性は、今ご存命の女性はですね、0歳から50歳までの第一の人生と、50歳から100歳までの第二の人生を、2つ考えなきゃいけないんですよ。
最初から非常にこう生物学的な厳しいことを言いますとね、我々哺乳動物のメスですね、女の人は赤ちゃんをお腹に抱えるもんですから、生まれる時に卵子をお腹の中に抱えて生まれられるわけですね。そして初潮期になりましてから、ひと月に1回ずつ卵子を放出しながら、やがて子供を産む年が終わりますと閉経されるわけですね。
閉経された後、閉経しなくても、だいたい50歳ぐらいになりますと、お子さんを産むっていう女性は非常に少なくなります。もちろんいますけどね。おられますけど、それは全体的な見通しを言う時には、まあこういうことには気を使わない方がいいんですね。

で、50歳から100歳までの第二の人生が始まるんですね。第一の人生って例えば女の人ですと、一所懸命成長して10歳から20歳ぐらいは高等学校なんか行って、一所懸命勉強して、友達を作ったりしてる時期ですね。思春期。で、20歳で例えば学校を出て就職をして、そして最初の頃は会社勤めたり自分でいろいろしたりして、夢中で働きますよね。現在ですと30ぐらいで結婚されますので。標準的ですよ。もちろん独身でも構わないんですが。結婚されますので、それから30歳から50歳までの20年間が、お子さんを産み、育て、家を作ったりローンしたり、もう大変だけど、それこそ人生の中心という時代を20年間過ごすわけです。そして昔でしたら、だいたい50歳で子供の手も離れ、立派になり、孫も少しできて、そしてまあそろそろ隠れになるっていう、こういう人生しか、おそらく、このひばりクラブをご覧の皆さんもですね、そこぐらいしか思ってないと思います。

しかし現在は、実は50歳から100歳まで、さらに50年あるんですね。50年という年の長さは、「まあいいや、老後は老後で過ごそう」というわけにはいかないんですよ。やっぱりあまりに長いんです。
それまでの50年と、それから今からの第二の人生の50年。しかも、昔は60ぐらいになると、いわゆる言い方悪いんですけど梅干しばあさんっていうようなぐらいで、ほとんど社会で活動しないような女性を思い浮かべてたわけですね。
しかし今は60才の女性でも本当に元気で、顔のシワが一つもないという人、いっぱいおられますよ。70ぐらいまで現在でもお元気です。お元気っていうか、ますます綺麗になるっていうかね。
だから今、30、40の人が第二の人生を考える時は、80から90までは現在の60歳ぐらいの女性と同じ感じだなと。旅行にも行けるし、レストランに食べに行けるし、外も颯爽と歩ける。その頃はもう着物も、洋服もデザインがもうもっと良くなってきて、今の30代40代の人が着るような服装をしてると思うんですよ。
ですから今女性の方が考えている、50歳から100歳までの、いわゆる老後というのと全然違うんですよね。社会もそれを許しませんよ。だって50歳から100歳が人口の半分になるわけですからね。

少し働いてくださいよっていうのも入るし、また男女関係も、もう一回変わると思うんですね。
問題なのは、女性に特有の問題をちょっとここで、まず指摘するんですが、人間以外の哺乳動物は約4,500種類もいるんですよ。象とかキリンとか、それからネズミとかそういうのいっぱいいますね。そのメスは、閉経したら普通は全部死にます。病気で死ぬか、それとも自殺する。自殺は餓死っていうか、食べなくなるって事ですね。これは動物の場合は、餌が非常に無尽蔵にあるってわけじゃないんで、群れが30匹だとしますと、30匹の中で、獲得できる餌を分けて食べなきゃいけませんから、その意味では閉経した女性はちょっと生きづらいんですよね。だけど人間だけはやっぱり食料も十分にありますんでね。閉経した女性は自殺なんかしなくていいわけですね。

そして今のところ、いろんな研究ありますが、周りの男性が、もうちょっとおばあちゃん生きててねというシグナルを出しております。寿命というのは本人が元気であるとか、そういうこととは関係がなく、もっと根源的なことで決まります。例えば周りの人から好かれる人、周りの人が生きててほしいという人、そういう人が生き残ります。
そういう意味では、女性は、孫の世話されるとか。人間だけが閉経後の女性が生きているということは、どういうことを意味してるかって言いますと、人間社会というものがおばあさんを必要としてるということになりますね。
したがっておばあさんは現在でも男性よりか、かなり長寿であるし、それから早く100歳の人生になると思います。

女性の方は今2つ重要なことがあるんです。
一つは次回にちょっと議論しようと思うんですけども、まずはまあ、どなたかに相談してもいいし。
今ね女性の50歳から100歳までの人の人生をどう生きるかという風な、ちゃんとした積極的な本がないんですよ。普通だったら小説なんかを読んだらね、だいたい自分の人生というのはイメージが描けるんですけども、それがないもんですから。
今50歳から100歳の老後の本なんか読みますと、悠々自適でゆっくり暮らしてくださいとか、年金をもらってとか言ってますけども、年金もありませんしね。50年間もある。連れ合いも、いたりいなかったりする。お孫さんもいたりいなかったりする。もちろん独身の女性もいっぱいおりますし、それはそれで立派なんですよね。しかし少し病気がちである。そういう時に、どういう風な人生を描くかっていうことを、かなり真剣に考えとかなければいけないってことになりますね。それで男性に比べて、女性の方は大変なのは一般的にあまり財力っていうか、お金をね持っておられない場合も多いし、それからいろんなことを自分一人でしなきゃいけないという女性も多いし、そういう点から言って、かなり50歳から100歳までの女性の生き方が幸福になる、幸福にならなきゃいけませんから大変なんですね。
ですから私もついついと発信をしていこうと思うんですが、50歳から100歳までの人生をどうしようかということでは、女性の方が今よりか少し真剣に、お考えになる必要があるというふうに私は考えております。

武田邦彦 ヒバリクラブ
人生(6)「高齢者の女性も初めて」令和5年2月2日
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2023年02月12日

寿命の伸びによる生き方の違い

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「高齢者 歴史的人生」ということで、今は高齢化時代とか言いまして、何か高齢化が悪いことのように言う人もいるんですが、もちろんそんなことありません。
人間が300年も400年も生きるということになると、いろんな問題が起きると思いますが、寿命が80歳を超えるって事は非常にいいことですね。

人生、人間の命っていうのは、どのくらいのものだったか、ここでちょっと見てみます。平均寿命の変遷というのは、これは私がある本に出したものですが、ネアンデルタール人の時は18歳ぐらい。これは何で分かるかって言いますと、ネアンデルタール人になって、人が亡くなった時、それを墓に埋葬する習慣ができてきたんですね。その墓を見てみると骨が出てきますから、それでだいたい年齢が推定できる。これが18歳くらいですね。
次に例えばギリシャ・ローマ時代。大体今から2,500年から2,000年ぐらい前っていうのは、25歳ぐらい。平均寿命が25歳ですから、幼児の時にお亡くなりになる人多かったですので、まあまあ順調に生きてきたら30歳ぐらいだったでしょう。だけどそれにしても、産まれて30ぐらいで亡くなるってことになりますと、子供を産んですぐってことになりますので、ずいぶん今と人生に対する見方も違いますし、人生で活動できることも随分違ってたでしょうね。残念な人生を送った人も、非常に多かったと思いますね。

それからずいぶん時代が経ちまして、大英帝国時代。このデータですと、41歳ちょっとですね。近代とか文明が発達したとか言っても、50歳だと、まあかなり体が痛んでるというような状態だったってことも事実なんですね。

それから見ますと、現在の日本人の寿命は、だいたい男女平均したら85歳ぐらいになるんですが、そんな風な人生になったんで、我々も、もう随分なんかやったから、これでいいなと思うぐらいになったということですね。

これをもう少し短期的に見ますと、だいたい明治の維新っていうと平均寿命としては38歳ぐらいですね。戦争もあったり、いろいろ動乱の時期っていうのは、それなりにいろいろ考えなきゃいけないので、普通ですと1920年頃、だいたい40歳は少し超えた頃。このくらいを取るのが普通なんです。それはどうしてかって言いますと、日露戦争がありましたね。これが非常に大きかったわけです。1904年から5年ですね。それから次に大きな戦争は、第二次世界大戦、大東亜戦争です。これが1941年、戦争が始まったのですね。

ですから日露戦争と大東亜戦争の間ぐらいを取れば戦争のない時代になりますので、今と比較がしやすいということで、1920年頃の寿命を取るのが普通なんですね。
私がいつも自分で統計して取ってた数字は、男女とも1920年の日本人の平均寿命は43歳でした。
女性の方は、子供を5、6人産みまして、洗濯、掃除、ご飯作り、一所懸命やりましたんで、子供を産むこともあり、環境も悪かったんですよ。瞬間湯沸かし器はないので、どんなに冷たい水ででも、洗濯しなきゃならないから、手はもう冬にはあかぎれで、ザクロのようになってたわけですね。
トイレももちろん水洗トイレじゃありませんし、お風呂っていうのは銭湯に行くわけですから、大変な努力をして生きてたわけですね。
ですから当然40歳少し超えますとね、体ボロボロになってくるというのが普通なわけです。

男性も同じですね。女性だけがひどい目にってわけじゃなくて、男性もクワとかツルハシを持って、朝早くから凍てつく大地を耕したりしてたわけです。ヘトヘトになるまで働かないと、なかなか一家を支えることができないというのが、男の方の現状でもありました。したがって筋肉ボロボロで、45歳から50歳ぐらいで命を落とした。こういうことになるわけですね。

それが戦争があって、平和な時代が来ましてね。1947年に50歳を超えて、だいたい2000年に80歳を超えたんですが、それから現在では85歳ぐらいということになりまして、高齢者も非常に増えてきたわけです。
もちろん高齢者が増えるって事は、それなりの問題が起きますよ。例えば高齢者がボソボソ歩いてるから鬱陶しいというようなひどいこと言う人もいるし、それまではもう急速に、病気になったらすぐ死ぬという状態でしたから医療、大した事なかったんですが、高齢者が存在するってことは、病気がちの人が多くなるって事でもありますので、病院も繁盛するって言うか、医療関係も重要になります。

そういったいろんな問題が起きますとともに、例えば社会情勢も変わって、高齢者が増えたんだから家庭に老人が多くなると考えられますが、老人が多くなりますと、今度はそれが若い人から見たら鬱陶しいってことになりまして、家庭はお父さん、お母さん、子供2人で家庭を作る。おじいさん、おばあさんは別に生きてくださいと、こういうことになる。
そうなると、元気なうちはいいんですけども、年取ってくると、老人ホームとかそういったところに収容せざるを得ないという新しい問題も出てくる。

ということで、ずいぶん社会も変わって参りました。
社会の変化っていうのは、いいとか悪いとかあんまり言ってないんですね。
少子高齢化時代とか言いますけども、人間っていうのは非常によくできた生物で、人口が多いとやはりそれを下げようとします。
例えば戦争がある時には産まれる人の数が増え気味になりますし、少し人数が多くなり過ぎると、今度は少し子供を産むのを控えるという風になります。
最近のニュースでは、あれほど一人っ子政策、とにかく生まれる人間の数を減らさなきゃいけないということで、強引にやりましたね、中国。その中国では男の子と女の子が生まれると、男の子が跡取りになりやすいということで、女の子を間引くという、非常に悲惨なことも多く行われました。
こういった問題は、本来は政治があまり強く打ち出す問題じゃなくて、やはり一人一人の国民の、自由な意思で子供を産むか産まないか決める。それはまた私の生物学的知識によれば、全体の調和を取れて発達するものなんですね。私なんかが見てるデータですと、女性の数がうんと増えて、増え過ぎますと、女性は一人当たりに産む数が自動的に少なくなります。これは人口がその国の穀物の生産量とか、それから元々人間がどのくらい住むかということが過剰になりますと、女性の一人当たりの産む数が自動的に減ってきてますし、それから戦争とか危機が訪れて、人間の数がかなり必要だという風になりますと、女性の方が人間を産む数が増えますね。

したがってむしろ私は、他の人とちょっと判断が違うんですが、子供を産めとか、子供を産むだとかいうことを、あまり政府が口出すのではなくて、むしろ政府の役割というのは、例えば日本ですと、将来日本をどういう国にしたいかっていうかね、なるか。ていうようなことを、よく考えるって事が必要じゃないかと思います。

その意味では、現在の日本の人口1億2,500万っていうのは、日本の国の面積37万平方キロメートルから言えば、世界的には、飛び抜けて先進国では人口密度が高いんですね。
例えば例を挙げますと、スウェーデンなんかいい国だ、いい国だってみんな言いますけど、スウェーデンと日本と比べますと、人口密度はスウェーデンに対して日本が18倍ですから、ちょっと高すぎるんですね。
類似の国のドイツとかフランスとかから見ても、やはり4倍ぐらい多いという感じがするんですね。

したがっておそらくは戦争が終わりまして、日本もある程度の経済成長を遂げますと、やはり現在の1億2,500万から人口は少しずつ少しずつ減って、4,000万人ぐらいに近づいていくように、生物としての人間が自動的に調整すると思います。

今までみたいに50歳、60歳で亡くなる人が少なくなりますから、その意味でいわゆる人口ピラミッドという人口分布も変わってきますし、これが同じように女性が子供を産んだらですね、日本人の人口は減らないってことになります。
適切な人口が4,000万とか6,000万だとしますと、現在のように子供を産め、子供を産めって言ってる政策は、ちょっとおかしいですね。
年金が足りないから、そういうことで一国の人口が決まるわけではないということを、我々はもう少し知恵を持って目前のお金だとか、そういうことだけを考えて政策を決めるという現在の自民党政治とか、知識人の言うことは、かなり疑って考えなきゃいけないんじゃないかと、私はそう思っております。

武田邦彦 ヒバリクラブ
人生(5)「高齢者 歴史的人生」令和5年2月1日
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2023年02月11日

子供の教育に大切なこと 成績、受験勉強は不要

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成績付けるのは不要じゃないか。
これね、私、デタラメに大学受験いらないとか、子供には子供の好きなことをやるのが一番いいとか、そういうことを自分の勘だけで言ってるわけじゃないんですよ。
私は科学者なんで、学者ですから。学者っていうのは自分の思いじゃダメで、やっぱり事実に基づいて自分の意見を作るっていうのが、私の考え方なんですね。
それが本当に大切かは別にして、特に他人に影響になるようなことを発言するときは、自分の考えとか思いだけじゃダメだというのがあるんですね。

私は、会社の技術者から大学に移りました。その前にも、随分大学の非常勤講師だとか、学会なんかでやってましたから、やや教育的な分野にはいましたけども、専任の大学教授となってからは、まず一番何に悩んだかっていったら、成績の付け方だったんですよ。要するに、成績って何のため付けるのかなと、最初考えたわけですね。

もちろん普通に考えたら、良くできるのが成績がいいというふうに、まあ考えますね。ですけど僕は、もちろんそれはそれでいいと。別にそれが間違ってるっていうじゃなくて。
例えば野球で、ピッチャーがいる。それで最初から140キロぐらい投げれる人と、最初は110キロぐらいしか投げられないというのと、それから女性なんかですと、80キロぐらいしか投げられないかもしれませんね。その80キロと110キロと、最初から140キロの3人を僕が教えたとします。投げ方とか、フォームとか、筋肉トレーニングとか。
そうした結果、1年間教えたら、80キロの子は20キロ上がって100キロに、110キロの子は10キロ上がって120キロ、最初から140キロ投げてる子は2キロ上がって142キロになった。こうしましょうか。
そうすると、教育っていうのは一体何だろうかと。教育は優劣をつけるもんじゃないと思うんですよね。本人のために教育するわけですから。だから最初から80キロの女子学生が100キロになったら、もう大したもんじゃないですか。最初から110キロしか投げられない男子学生が120キロだった。これもまあ立派ですよね。10キロ伸びた。
最初から140キロ投げられる、元々才能のある子は2キロしか伸びなかった。142キロになった。そうすると、私の価値っていうか、私が教えた価値と言ってもいいし、習った学生がこの1年で取得したものっていうのはその一番遅かった女子学生が一番大きいんですね。
それから男子学生で少し球ののろい子、それから元々速い子は、あまり進歩しなかった。
そうすると、教育を受けた成果としては、女子学生が優で、110キロの男子学生が良で、140キロの学生は2キロしか伸びなかったら可か。こういうふうに思いますね。
ところが速い球を投げるのがいいとすると、最初から140キロの子は、最初から優ですよ。110キロが良で、女子学生は可と、こうなりますね。

で、どういう考え方で成績をつけるべきかと。それで大学には立派な図書館がありましたので、その図書館で、成績のつけ方っていう本をまず読もうと。要するに私のひとりよがりじゃなくて、やっぱり長い間いろんな教育をしてきた方の知識とか考え方を学ぼうと思って、図書室に行きましたら、小学校とか中学校では若干1、2冊あったような気がするんですよ。大学の成績の付け方なんて全然ないんですよ。

ヨーロッパとかアメリカの中にも、少しそれに似通ったったのはあるけど、ないんですよね。
これだけ多くの先生が、これだけ毎回毎回成績付けてんのに、成績をつける考え方ってのがないっていうのには、もう非常にびっくりしたんですね。
とりあえず自分は先生として新人だから、普通の付け方をしようと思って、それで僕は物理ですからね、普通最初は物理、黒板に3問書いて、その3問を答えさせて、できた子から良い成績付けていくっていうやり方だったんですけども、それでちょっと満足できなくて、自分が教えたことは4問、教えなくてその関連の知識ですね、少し難しいやつ。これを1問出したら、60人ぐらいの教室で3人か4人は、5問全部答えてくる。つまり教えてないことも答えてくるんですね。
ところがやっぱりこういう問題を出しますと、みんなの批判が来て。先生教えてもらえないこと問題出すなんておかしいってやつがいるわけですよ。
そこで僕が、いやいや君、大学に勉強に来たんだろう、物理の。僕はそのアシストをしてるだけで、僕の教えたことだけは覚えればいいっちゅうわけじゃなくて、あなたが大学に入って学びたいと思うことはあなたが学んでるはずだから、多分そういうもんだろうなと思って出してるんだと。できてる子もいるよ。というふうに僕は言うと。
で、そういうこともいろいろやったんですが、結局僕は満足できなかった。つまり一所懸命努力して、物理がほとんどポンコツだった学生が、優秀になったらやっぱりいい点数あげたいんですけど、元々優秀な奴もいるんでね。で、まあどうしよう、どうしようと思って過ごしてるうちに、ある時に、全く違う方法でやろうと思いましてね。

黒板に5問書いて、白紙のA4のペーパーをみんなに渡して。最初B4だったかな。
それで、この5問のうち何でも好きな問題を選んで、1問でも2問でも選んで回答しなさい。中身は一応ざっとは目通すけども、基本的には、長さだけで決めます。
学生が最初の年は、わーって言いましたね。長さだけだよ。だいたい物理だから答えはっきりしてるんですけど、答えが違ってても全然そんな関係ないと言って、やったんですよ。これはもう、すぐ学内では有名になってですね。武田先生の講義は試験がないと。試験がないっていうか、長さだけですからね。本当に長さだけなんです。A4の紙って29cm4mmなんです、長さ(注:正確には長辺29cm7mm)。半分まで書けば50点。まあだけど大学だから60点が合格点ですから、半分以上書かなきゃいけないですね。

この試験に変えたわけですよ。10年以上やりましたかね、こういう試験を。
そしたらどういうことが起こったか。前の、内容を見て、○×をつけてた時代よりか、長さだけの時代にした方が、中身がいいんですよ。つまり試験のために勉強したんじゃないんですね。
多分学生は人生で初めて、試験のためではない。もちろん僕は教育ですからね。あの授業の途中に。いやまあとにかくこの講義の試験は長さだけだから。内容はどうでもいいよ、と。だけどあなた方はせっかく大学入って授業料を払って、人生の時間使って物理の勉強するなら、この機会に勉強しちゃった方がいいんじゃないの、というようなことは言うんですね。
学生は純情ですから、そうかなと思う学生がいるわけですよ。

いずれにしても僕は非常にびっくりしたのは、点数をつけてる時よりか、長さだけの時の方が成績がいいってことなんですよ。実態的な成績が。驚いたですね。で、やっぱり人間は、強制されてやるのが嫌なんだろうなと思いましたね。
もういいよ。どうせ大学入って授業料払ってんだから。もう勉強するしないは君の気持ちだから、って言うと。僕の教えてることを、この際学ばなきゃいけないんじゃないかと思ったんだと思います、僕は。そう解釈しました。
いずれにしても教育成果はグッと上がりました。

もう一つやったのは、これはちょっとかなり非情的な方法なんですが、もうどう見てもこの学生落ちるなっていう学生がいるので、だいたい100人いますと、5人ぐらいいるんですよ。半期っていうか半年でね。
で、それを貼り出して、その学生は次の時来なさいと言うと来るんですね。で、講義が終わった後、教壇の横に並ばせて。君たちはどうせ落ちる、と。落ちるから、落ちるとまた来年必須科目だったから、来年また受けるの面倒くさいから、どうせ勉強しないんだからね、半年間も勉強しようとしないやつが来年になったら勉強するなんてことありえないから、好きな点数言ったら僕は書くからって言ってね、閻魔帳を出しましてね。はいって言って。
はい君、何点欲しいの?何でもいいんだよ。点数言ったら。85点でも65点でもいいよ。言うとね、これはね、皆さんびっくりすると思いますけどね。私はまあ割合偏差値が高いっていうか、そういうこと言いたくないけど、まあいい大学と偏差値の悪い大学。それから美術系大学。4大学教えてたわけですね。そしたら、成績のいい子のいる大学も、全然遊び歩いてるような大学の学生も、合計で100人ぐらいいましたかね、もっといたかもしれないですね。1人もね、点数くれって言わないんですよ。人間ですね。プライドが許さないんですね。
レポート出させてくださいっていうのは多いんですよ。でね、僕は言うんです。君みたいに、サボりがね。レポート出させてくださいったって、どうせ出しゃしないだろうから、面倒くさいから今言ったら、75とか書くよって。
そんなのはもしかしたら教育なんとか法に違反するかなと思ったりして、まあいいだろうと思ってやってたらね。ついに私が退職するまで1人も点数をくれと言った学生がいませんでしたよ。一人もいないんですよ。どうせサボりの学生なんですよ。講義にも出てこなかったり、いい加減だったり。そういう学生なんだから。それでもやっぱりね、点数くださいってのには抵抗があるんですね。それで結局一人も出てこなかった。

つまり僕は、長さの点数もそうですし、その点数あげるからって一人も言わなかったっていうのもそうなんですが、今の教育は、子供を信用してないですよ。サボるとか、受験がなければ勉強しないとか。
それはね嫌いなことばかりやらせるからなんですよ。自分の意志に反することをやらせるからサボりたい。それは僕ら大人でもそうですね。だから私は成績不要、受験不要。やっぱり子供のために教育するっていう、そういう精神が、教師には絶対必要だっていう確信を得ました。
私が言ってることはちゃんとしたそういう実績と実験を伴って。それで私は結論として、やはり教育は本人のためと思って僕らがやんなきゃ。教師がやらなきゃ。学生を信じなきゃいけない。子供を信じなければいけない。そしたら伸びる。しかも立派な人間になるだろうという確信を得たわけです。

ずいぶん長い間、30年近く、非常勤講師の間を入れると、もっと長く教育に携わりましたけど、私は今の教育者、教育行政って全く間違ってるというふうに思いますね。
私が正しいと分かりませんから大いにこの議論をして、そして今の教育を少しずつでも改善できればと思っています。

武田邦彦 ヒバリクラブ
人生(4)「子供 成績不要」令和5年1月31日
https://youtu.be/Bmwepar4Hm8


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2023年02月10日

本当の子供のための教育とは

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この人生というのの最初に、女性の、女の人の問題ですね。女の人が洗濯機ができたことによって、ものすごく人生が明るく開いた。 一つは洗濯機を作った人に、女性の団体は感謝してくださいと。権利ばっか主張しないでね。やっぱり感謝の心ってのが大切ですよってことと、お母さんというのが一番この世で立派な人で、それはもう縄文時代から、日本人が広く認めたことで、ヨーロッパのように女性を虐待する文化とは全く違うという点を、女性の方もよく分かってほしいっていうふうに思ってます。

2番目は子供ですね。現代の子供は、子供っていうのは素直で、あまり自己を主張しないもんですから。現代の日本の女性のように、噛み付いてこないもんですからね。ですから改善が遅れてます。かわいそうにですね。
やっぱりお父さん、お母さんは、やっぱり子供のことにもう少し親身になってもらいたいと思うんですね。
保育所に子供を預けると。理由を聞いたらお母さんが忙しいからと。
いや子供はどうなんですかって言いたくなっちゃうんですけどね。

日本とアメリカが戦争に入る時に、日本はそんなことしませんが、アメリカは周到に準備をして、日本を非難する映画をいっぱい作ったんですね。日本というのはこんなにひどい国だということを言うための映画ですね。これを何千本と作ったんですよ。日本はダメだっていうやつの一つの中に、日本の教育が取り上げられておりまして。そこにどう書いてあるか。日本の学校では政府が認めたことしか教えない。これはアメリカ人が日本を憎むために作った映画なんですよ。みんながこの映画を見て、日本は憎らしいやつだ、野蛮なやつだと思わせるための映画なんですよ。それに、日本の学校では、政府が認めたことしか教えないと言ってるんですね。
これは、私はヨーロッパ文明ってそれほど評価してないんですけども、これはやっぱりアメリカ、ヨーロッパの方がずっとずっと優れてるんですね。

なぜ優れてるかっていうと、アメリカとかヨーロッパは、子供は人間だと思ってるんですよね。ですから子供のための教育なんです。国家のための教育じゃなくて、子供のための、本人の教育なんです。
じゃあ本人の教育っていうのは、それぞれ本人によって違うじゃないですか。
だから公的な学校、つまり税金でやってるような学校が、国家のための子供を教育するっていうのは、なんかおかしいんですよ。
僕は中央教育審議会の専門委員の時に、だいぶこれ一所懸命言ったんですよね。
教育は子供のための教育であるべきだ。当たり前ですよ。それは本人なんですからね。本人が錯覚しないように、親が手伝ってあげる、先生が手伝ってあげるのはいいですよ。それはいいんですが、あくまでも根本は本人のための教育なんですよね。

それはだから保育園もそうなんですけども、小学校もそうなんですが、親が忙しいから保育園に子供を預けるとか、国家がこういう人間が必要だから、本人が嫌でも、その教育をするっていうのは僕は全く、もうこれ人間扱いじゃないと思うんで、奴隷、半奴隷だと思うんですね。
日本は奴隷がいない、本当にいい国だったんですね。じゃあ昔日本はどうかっていったら、昔の日本は漁村の写真を見てください。

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これはだいたい明治の、江戸のちょっと末期で、外人が撮ったやつですね。
色がついてるのは、その頃はカラー写真はありませんでしたので、カメラマンの後ろに絵師がいましてね。細いペン持って、写真を撮ると、それに色をつけてたんですね。それがこのブルーの色がよくついてるのが。ピンクの色もあるんですけどね。それで色がつけてるので、だいたいどの着物もブルー的な服を着てるわけですね。紺絣みたいなね。
この子供たち。この絵はですね、実は私、まあ今ではこんなのいくらでも出回ってるんですけども、今から50年ぐらい前に大学に行った時かな。アメリカの図書館にこの写真があったもんですから、アメリカの図書館に交渉して、この写真のコピーと、それからコピーを自由に使っていいと。
もちろん今から180年前のものですから、著作権も何もないんで、もちろん。だけど一応許可じゃないんですが、その写真なんですね。 それで、まあ本当に屈託のない顔で映ってますよ。で、この写真、3つぐらい特徴があるんですね。一つは男の子が非常にこう明るい。この頃、こういう顔の男の子ってあんまり見たことないんですけどね。笑ってると。女の子はちょっと遠慮して、はじの方に、しかし女の子の集団を作って、お兄ちゃんがたが笑ってるなってな顔で見てますね。
それからもう一つの特徴は、後ろに大人が二人ぐらいいるんですね。その大人が子供と違う世界にいるんです。これが特徴なんですね。

これ日本の教育の特徴なんです。日本は子供同士で遊ばせて、その中で教育するっていう、そういう考え方でした。子供は神の子。子供は神の子っていうのは、子供が神様だから大人は子供に教えることができないという意味なんですね。
この時の教育っていうのは本当の教育なんですよ。
例えば読み書きそろばんとか、そういうのはまあ子供に先生が教えるんですけども、それももう全然怒ったりしませんよね。こういうふうに算数はやるんですよ。このように字を書くんですよって教えるだけなんですよね。あくまでも本人のためですから。
あと、大人が教えることの欠点は、やっぱり大人って汚いんですよ。嘘もつくし二枚舌も使うんですね。
そういうのを子供に教えては、だんだんだんだん社会がずれてくると。
まあ1世代目はいいにしても、2世代目、3世代目、4世代目になるに従って、大人が子供を教育したら、日本人の本当にきれいな心、いい心がなくなってしまうってわけですね。

幕末に来たフランス人は、日本人は確かに貧乏かもしれないが、すごく立派な民族だから、この民族を地上からなくしてはいけないと言ってますね。

今から150年ぐらい前のヨーロッパの汚れた、今でも汚れてますが、汚れた文化の中に住んでる人は、それは日本に来たら心が洗われましたよ。
ですから、そういった子供であるって事がこの写真からよく分かったので、僕アメリカの図書館でお願いして、この写真を自分が使えるようにしたんですね。

で、今でも、小学生っていうのはここに書かれてるように、国家が認めたことしか。指導要綱ってのがありましてね。指導要綱に沿って教えれば学校は作りますよ。先生雇いますよと。冷暖房費も出しますよと。だから親は割合安い値段で子供に教育ができますよ。だけども国家が認めない教育をすればですね、校舎も自分でやってください。先生も雇ってくださいってこういうわけですから、よっぽどお金持ちじゃないと、そういう自由な教育をさせることできないんですね。
だから全くまだ、日本っていうのはそういう点では、アメリカがこういう民族は憎んでもいいよというような宣伝映画に使うことを、今でも小学校でやってるって事ですから、これは校長先生、小学校の先生、これじゃダメだっていう声あげてくださいよ。

この頃、日本人ってだらしなくなっちゃって、政府の言うことに、はっはーって言って、従ってるんですよ。政府というのは、我々が選挙をした人たちで構成されてるんですよ。役人っていうのは、我々が選んだ政治家の言う通りやってるはずなんですからね。たまにはこの前の文部次官みたいに、政治家より俺は偉いんだっていう役人もいますけどね。それは間違ってる人であって。
しかし僕はあんまり大きなこと言えません。中央教育審議会で物価一生懸命言ってたのは、一つはそういう本人のための子供のための教育が一つ。その延長線上として大学受験の撤廃。ここでは大学受験のことあまり言いませんが、大学受験がないと子供が勉強しないから、大学受験は必要だって中央教育審議会の委員は言うんですよ、揃って。それはまさに本人のためにはどうかということではなくて、日本の国の平均レベルを保つためには大学受験が必要だって。全然僕と原理原則が違うんですね。
この問題は少し議論したいと思います。

参政党も、私、参政党で活動してるんですけど、参政党も教育には力入れてますんでね。
教育に力入れるって事は、今は多分100人中90人ぐらいが小学校で国語、算数、理科、社会の平均点を取ることに賛成しておられると思うんですね。これは子供のための教育じゃなくて、元々国家のための教育なんですよ。日露戦争の時に、強い兵士を作るために設計された教育を、今でもやってるんですね。
子供はやっぱり自分が生まれて得意なもの、楽しいこと、それを小学校の時やれば、中学校に入る時に勉強が嫌になって中学校に進むというような、今のことがなくなるんですね。

2つありますね。ここは。国家が認めた教育を教えてるということが、国際的には日本人を恨む、何ちゅう民族だって恨む一つの理由になってるって事が一つ。これ日本人がやっぱりそのまま受け取らなきゃダメだと思います。
もう一つは、大人が子供を教えると、曲がった心の子供が生まれると。まさに今そうですね。お医者さんになるために、お母さんが叱りつけて勉強させる。何の目的? お金を儲けるため。それじゃあやっぱり、いけませんね。
そういうことで、子供の教育は、本当、一から考え直さないといけない。
それから世界の笑い者にならないような人材を作らなきゃいけないと思います。

武田邦彦 ヒバリクラブ
人生(3)「子供 戦争後」令和5年1月30日
https://youtu.be/TNDXa4kk5ec

画像
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2023年02月09日

おかあさんという大切な存在と、日本を壊すヨーロッパかぶれ

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今日は女性の人生の2回目ですね。お母さん。

ということで、当然お母さんが一番人間の中で立派ですね。
なんで立派か。命を作る人ですから。それを育てる。
命を作るっていうことは、男はひっくり返ってもできませんね。
実は最初からちょっと露骨な話で恐縮なんですが、日本の、例えば縄文時代とか、そういう時代にも土偶であるとか、いろんな形で、男性とか女性の像っていうのはあるんですね。で、ほとんどの土偶の像は女性の像なんですよ。それもちょっと胸が大きくて、お尻が大きくて、いわば女性が命を作るということが、どんなに大切なことかということは、言わないでも分かってるんですけど。古い昔の人はそういうことがしっかり分かってたわけですね。

これに対して、男性の土偶みたいな、人形みたいな、ほとんどないんです。
男性の場合ちょっと言うのが憚るんですが、男性のシンボルですね、男性器だけが物体として示されることはあるんですね。
これは何かっていったら、男性は生きている意味では意味がないんですね。
だけど昔は女性だけでは畑も耕すことができないし、獲物も取ることができないんですよ。
これはいいことなんですね。男女が違うということがいいことなんですね。
そうじゃなかったらオスメス分けなくていいんですからね。
10億年とか12億年前に、生物はオス、メスに別れたんですね。
別れる前は、死ねないんですよね。
生物は有機物でできてますから、劣化していくんですけど、それでも死ねないんですよね。だって子供がいないんですから。
オス、メスがいない限り子供がいないんですからね。

よく、そういうことよく分かってない人が、「生きてるものは必ず死ぬ」なんて言ってますけど、生きてるものは必ず死んだわけじゃないんですね。
子供がいるから死ねるんであって、だからオス、メスができて、遺伝子を半分ずつ切ってくっつけると赤ちゃんが生まれるというのは、もう大変なことでね。
地球上に今生物が繁殖してんの、赤ちゃんが生まれるからなんですよ。だからどんなに環境が大切だとか言ったって、赤ちゃんが生まれなかったら、別に環境は大切じゃないんですよ。
もうこのまま何やったって構わないわけですね。
だから現在、なんかいかがわしい環境運動かなんか、騒いでる温暖化とかSDGsなんていうのも、お母さんを大切にするっていうことが前提なんですね、だからまあ。

それでこれは、気が付いたのは、世界で日本だけなんですよ、実は。日本だけが家庭に対する社会的な位置付けが違うんですね。社会的っていうか、人生の位置づけが違うんですね。
他の国は、自分が生活するということに中心が置かれてるんですね。ですから個性、個人を大切にしろとかね。自分が食べるのに困ったら隣の国を侵略していいとかね。全部自分本位なんですよ。

ところ日本だけ違ったんですね。
日本は先祖から私、私から子孫というふうに流れていく。これが人間にとって大切だっていう、全然大切さが違うんですね。
最近ではそういうのを集団主義とか言って非難する人がいるけど、アホっていう感じですよ、僕に言わせれば。 あなたよく分かってんのっていう感じですね。

それで結局、日本は家庭というものを非常に大切にした。家庭をもとにして、ばあさん、じいさん、親父、おふくろ、それで自分、子供、孫という風につながっていってるその中の一つである。
このつながりをもし切ったら、自分も生きている生きがいを感じない。生きてる意味がないってこと、よく分かってたわけですね。

それにはやっぱり家庭というのがどうしても必要なんですよ。
これをお聞きの皆さんも、絶対小さい頃、家庭あったと思うんですよ。家庭がなくて人生を送るってことは、実はできないんですよ。
今はそれが片割れになってますね。

昔は子供の頃と老人の時になった時と、2つが、自分はあまり貢献できないけど家庭にいると。そして中核となってお父さん、お母さんが頑張るという、きちっとした図式がありましてね。
これが先祖、私、子孫という風に流れていくということで、みんなで努力してやってきました。これはこれなりに欠陥はあるんですよ。
もちろん子供を育てる時は、教育費がいるじゃないかとか、おしめ替えなきゃいけないんじゃないか、とかありますしね。
それから、おじいさん、おばあさんがいると、養わなきゃいけない。それからいろいろ大変な世話もあるって事ですけども、それも含めて我慢してやってきたんですね。

それをちゃんと組織化するために、戸籍というのがありました。
これも皆さんよく知らないんですけども、ちゃんとした戸籍があるのは日本と韓国と台湾ですから。旧大日本帝国ですね。日本ですね。少し戸籍の範囲を広げても、制度を少し緩くしても、世界200カ国のうち、たった7か国しか戸籍がないんですね。

戸籍があるって事はどういうこと言ってるかっていったら、家庭を中心に社会を運用するってことなんですね。
それからもちろんお母さんすごく偉くて、お母さんは何にも保証がないんですよ。ちゃんとした保証がないですよ。国がね、なんか子供を産んだら6万円とか、そんなケチな話じゃないんですよ、この話は。
ちゃんとした戸籍を作って、お母さんの家庭の位置付けをちゃんとして。家庭大切ですからね。
もうヨーロッパの愚劣なね文明に侵されましてね。
この前私、なんか読んでましたらね、アメリカのアホな女性大学教授がいて、その文章を日本のアホな女性評論家が翻訳して、日本の男性は何にもしてないっていう、世界でなんか日本の男性が最悪だって書いてあるんですよ。

あなたね、少し勉強してから。学問というのはどんな意見持っててもいいんですよ。今の意見だっていいんですよ。日本の男性が世界で最悪だって言っても構わないんです。だけども、戸籍ということすらその教授知らないんですよ。

それから平安時代になぜ、紀元千年に、なぜ紫式部とか清少納言っていう女性の、いろいろな文学書く人がいて、それから700年遅れないとヨーロッパにそういう人たちが現れなかったのはなぜか。
女性の活動範囲は日本の方が700年も先行してるって事も書いてないんですよ。
単に、何にも勉強しないで先入観だけで、日本の男性は最悪だって書いてある。それをまたこの日本語に翻訳して宣伝してるアホ女性日本評論家がいるんですよ。困っちゃうんですよ。

でね、お母さん、その他に、24時間365日労働ですよ。時間外労働ですよ。サービス残業。これを1回僕ね、そういう関係の役所に聞いたんですよ。そしたら労働契約はないって言うんです。それは労働契約やめちゃったんです。契約をやめちゃったんですよ。 契約は日本では戸籍なんですよね。それだから戸籍に基づいて家庭を作り、家庭の中心はお母さんであり、男はお父さんは外に働きに出て。これ派遣労働者ですね。お母さんから派遣されて、あなた家をやっていくためにはお金がいるから、ちゃんと外で働いてきなさいねって言われて、働きに出て、帰ったら給料を全部お母さんに渡す。こんな国は日本しかないんですよ、世界で。まともですよね。お母さんの価値を認めてるわけですから。
これもさっきのアメリカの女性教授は知らないんですよ。
自分が幸福な家庭っていうのを作ってないんですよね。

で、今僕は問題あるのはね、私はこう思ってるんですよ。
やっぱり人間は、子供を作って、未来があるからこそ生きていると、こう思ってるんですね。
自分だけが人類の最後で、もう次には人類がいないって言うと、やっぱり生きていく気力が湧かないですね。
それからまた、子供とか孫とか見ると、子供とか孫って自分の子供とか自分の孫じゃなくても、公園で遊んでいる保育園の子たちを見ると本当に、心が温かくなりますよ。力も湧いてきますね。他人の子供であるとか、自分の子供であるとかいうことは関係なく、やはり当たり前です。あまりに当たり前で、もう言うのもちょっと恥ずかしいって感じなんですが、人間にとってはやっぱり子供たちがいるって事は大切だ。その標準的な人間ですね。もちろん結婚のご縁がなかった人とか、結婚したけども子宝に恵まれない人とか、それからLGBTの人とかいろいろおられますよ。その人たちが劣るとか、そんなこと全然関係ないですね。だけどこういうのが普通だっていうのあるんですよ。これは別に普通は大切なんですよ。普通の人間っていうのが大切なんですね。

例えばある程度読み書きそろばんができる。それから、走ったらある程度走れる。ちょっとピアノとか絵とか、若干できるとかね。人情に熱いとか。そういう普通の人間っていうのが大切なんですよ。
だけど普通じゃない人もいます。生まれつき足がなんか少しうまくいかないとか、物覚えが悪いって人もいます。その人が、人間として劣ってるとか、人間じゃダメだって、全然言ってないんですよ。
ただ、標準を大切にするっていうのは、世の中をまともにするのに大切なんですよ。

だけど最近、それも言えない世の中になってきたんですよ。
標準は大切ですよと。当たり前のことをみんなでやりましょうね。当たり前のことができない方もおられるし、その人はみんなでいろいろ手伝ってね。あのその人も同じく幸福になるように、社会を運用していこうじゃないですか。それが社会ですというわけね。
個人個人で生きてるわけじゃありません。社会で生きてます。社会の一番大切な単位は家庭ですと。家庭あってのこそなんですねと。
それからまあ家庭が持てない人とか、体の悪い人とか、いろいろいますとね。それはそれで社会で守っていきましょうということなんです。

だから家庭と社会が必要なんですね。今言ってるその教育基本法とか、憲法で言ってる個性、個人っていうのはヨーロッパの劣った文化であるということ、はっきりとここでね、やって、再びお母さんというのが立派であるということと、お母さんの地位の保全ですね。
法律的な保証、これをきちっとやっていく。法律的っていうか社会の習慣でいいですよ。今までのように、お母さんは大切だという認識。それから家庭が基本なんだって認識。戸籍を作るっていう制度。それから24時間365日働いてるお母さんにありがとうという心。これはやっぱり取り戻したいと思いますね。

戦後1960年ぐらいには、結婚した人の離婚は約1割でした。これは普通ですね。1割ぐらいうまくいかないことありますからね。 それが今3分の1になってます。この1割の離婚を30%、1/3にした張本人。これは知識人っていうか、ヨーロッパかぶれなんですよ。
これが我々を今苦しめているんですね。苦しめてる人が大きな顔してるっていう社会は、まともではありません。

お母さんありがとう。

武田邦彦 ヒバリクラブ
人生(2)「女性の人生 おかあさん」令和5年1月29日
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女性の生き方

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我々人生って考えてるんでしょうかね。考えてるって言やあ、考えてるんですが。
毎日の煩わしさにとらわれますしね。それから、だいたい自分でぼやっと、人生というのを考えてるような気がしておりますが、それはいわば我々が小説とか物語とか、おばあさん、おじいさん、そういう人たちを見て、なんとなく感じている人生っていうのを、そのままぼーっとして送ってると言えないこともないんですね。

それから人生ってやっぱり自分の人生だけじゃなくて、他人の人生も一緒に考えるって事が非常に大切ですね。

お母さん、もちろん子供の人生って考えながら育てるんですが、若い男性だったらわがままでね。自分の人生しか考えてないよ、なんていうのがいるわけですが。

まず第1回は人生ですが。女性の人生は、大きく家庭電化製品によって変わったんです。特に洗濯機ですね。もちろん冷蔵庫もそうで、冷蔵庫がない時代っていうのは、買い物に買い物かごで行かなきゃいけないんですよ。1日2回ぐらい行かなきゃなんないですね。
だって魚とかそういうものを食べようと思ったら、金持ちは魚とかそういうのは魚屋さんが持ってくるってことありますが、庶民は魚屋さんまで買いに行くということが普通でしたね。
魚屋さんでも冷蔵庫に入っておりませんから、氷の中につけてありましたね。
だから赤痢とかチフスなんか多かったんですけどね。

一番、だけど大きいのはやっぱり洗濯機ですよ。
たらいと洗濯板で洗濯して。これがまあ普通ですね。固形石鹸でゴシゴシやるんですよ。こんな力仕事、男がやったらいいじゃないかって、そうはいかないんです。その当時男は、つるはしを振るってたんですよ。つるはしを振るうのはやっぱり男しかできないんですよ、筋肉上。で、つるはしを朝から晩まで男は振るわないと生活ができなかったんですね。生産性が低かったから。
だからどうしても洗濯くらいになると、女性になるんですね。

だけど女性がやると肌がね、あの皮膚が柔らかいので、もうあかぎれで大変でしたね。ガチガチでゴソゴソしてましたね。
中学校ぐらいの女の子でも、洗濯の手伝いさせられましたから、私の記憶では、私の中学校の時の同級生の女の子なんか、冬になると、もう、ひび、あかぎれで手が真っ赤に切れ傷が、あかぎれのね、手だったですね。

それが一気にまあ楽になりました。ですから僕は、この頃男女って言うのはなんか、いがみ合うことがいいように思ってる人が多いんですけど、やっぱり助け合って、褒め合っていくのが本当ですからね。女性の方も少し軟化して、技術者の方ありがとうございました。洗濯機を発明していただいて、我々女性は本当に助かりましたという風に言ってもらいたいですね。

つるはしもそうですね。アクチュエーターとか動力源ができて、男も非常な筋肉労働から解放されたわけですが、まあやっぱり女性が解放された一番大きいのは洗濯機でしょうね。

あんな簡単な、ドラムに衣服を入れて、洗剤を入れて、ガサガサと回すっていうことも、なんでそれまでできなかったのっていったら、やっぱりモーターもなかった、制御もできない、衣服が少し偏った時の修正もできない。いい洗剤もないっていう状態だったんですよ。

技術っていうのは総合的に作るのが非常に大変なですね。
まあとにかく洗濯機というものは、女性の人生にとって、ものすごく神様みたいなもんですよ。ぜひ女性の方で、心ある方は、神棚に洗濯機のおもちゃかなんか乗せて拝んで欲しいですね。
技術者としての私はそう思います。そしたら技術者もやりがいがありますよ。

家電製品を作ったら女性が職場に出てきて、男を怒鳴りつけるということになっちゃったもんですからね。やっぱり男性としても、ちょっとこう、胸に一物あるんですよね。
それがやっぱり悪い結果になりますから。お互いに褒め合うということが大切ですね。

とにかく私の今日言いたいことは、家電後って書きましたけど、本当は電気洗濯機後と書いてもいいぐらいなんですが、女性の生き方が3つになりました。
お母さん、それから職業婦人。ここで職業婦人という少し古い言い方をしたのは、ちょっと理由があります。それから独身女性。いずれも成立するようになったんですね。
それまでは、まず独身女性はいません。なんでいないかったら、やっていけないんですよ。暮らしていけないんですね。男もそらそうなんですが、男もつるはしを振るいながら洗濯するってわけにいかないんでね。男女相協力して人生を送らざるを得ない。
だからお母さんか女中さんか、ちょっと言いにくいんですけれども、まあなんかいかがわしい職業。この3つぐらいしか女性の選択権ってなかったんですね。

家電製品後は、女性はお母さんを選ぶか、職業婦人を選ぶか、それとも独身女性になるか、ですね。
独身女性って、考え方として、非常にいいんですね。それまでは女性は、結婚して、っていうのは当たり前だったんですが、独身でも人生を送ることができる。幸福な人生を、あるいは送ることができる。難しいですけどね。物理的には絶対できますが、寂しいとか、家族がいないとかいうのは、かなり女性にとっては精神的に辛いこともありますんでね。人間は精神の、心の動物だという点では、独身女性、若干の問題は今でもあります。
これは独身女性で幸福であるという状態はどういう状態かっていうことを、かなりよく研究しなきゃいけないと思いますね。

いずれにしても、お母さんと職業婦人と、どっちがいいか。これは難しいんですね。職業男性となぜ言わないのか。これは現在の職業が、男性の職業としてできてるからなんですよ、単に。別に女性と男性と分けてるわけじゃない。区別してるわけじゃないんですね。 現在の職業が、男性でできて、そこ女性が入ってきたということで、女性としては職業するのに具合が悪いわけですね。現在でも、この家電製品が完成し、女性が外で働けるようになった以降も、女性の時給、賃金です、時給が男性の1/2であるということは、何を意味してるかっていうと、それは一つには男性の職場に女性が入ってきたということと、それから子供を産んだり育てたりするハンディがあるって、この2つでですね、1/2になっちゃうわけです。

これは元から悪辣な人がいて、計画的にやったことですから。これよく分かってなきゃいけませんね、女性が。
洗濯機を作った人は純粋に洗濯機作ったんですが、洗濯機を作って女性が職場に入ってきたら、まず男性の職場に入ってくるんだし、だから補助的な仕事しかできないってことですね。
それからハンディがあるから、やっぱりバッテンがつくということで、安い労働力を取るということで、作戦的にやったって意味があるんですね。

ですから政府の女性で、働く女性のことを輝ける女性なんて言ってる人は、胸に一物あるんですよ。こう言って、同じ女だけど騙してやろうっていう気持ちがあるんですね。
それに引っかかった人、ずいぶんいます。
それはね、お母さんで子供を育てるのと、それから職場で補助的な仕事をさせられてね、受付嬢とか、経理のつまらない帳面をつけるとか、記録をするとか、まあそういうもの。
お茶出しっていうのは最初あったんですけど、ペットボトルの普及によって、なくなりましたね。ペットボトルが出てきた時に、なんだこんなもの環境に悪いじゃないかっていうのは、裕福な男性に限ったんですね。
女性としてはペットボトルの出現というのは、非常に良かったです。
私その頃、1990年頃かその頃、ペットボトルの排斥運動が起きた時に、女性の労働を考えれば、お茶のペットボトルなんか、非常にいいもんだって言ったんですけど、皆さん受け入れられなかったですね。

それから缶ビールなんかもそうですね。あの頃缶ビールも排斥しようって運動があったんです。
女性が自由にビールを飲むためには、やっぱりスーパーで缶ビールを買ってきて、それで独身女性がマンションで飲むということができるようになるのが大切で、それまでは重たいビール瓶のケースを酒屋に頼んで、酒屋がその自宅の前に、玄関の前に置いときましたからね。そんなの女性がしたら、あの頃後ろ指を刺される時代でした。
今でも危ないですね。危ないっていうのは、女性のマンションの玄関の前に、毎週毎週、20ケースのビールの瓶なんかが置いてあったら、やっぱり色々言われます。
そういう点では、技術の進歩というのが、自由な女性の職業だとか、それからビールを飲むとか、そういうことを自由にしたということで、本当に立派だと思います。

技術の進歩を評価してください。女性の皆様は。技術はほとんど男性がやりますが、女性のためにも、骨身を惜しまず、女性のための技術をやっておりますからね。そこは理解していただきたいと思います。

いずれにしても今日は第1回なんですが、それではお母さんと職業婦人と独身女性と、一体幸福度はどうなるのか。女性の今後はどういう仕事、どういう人生を送るべきか、3回ぐらいに分けて。年齢もありますからね。お話をして、まあいろいろ女性の方と考えていきたいというふうに思います。

お母さんが女の子、子供を抱いてる。本当に微笑ましいですね。お母さんも女の子供も2人とも、幸福になってほしいと思うんですね。 それには社会、技術、考え方、どういう風にしたらいいか。
輝く女性って嘘をついて、女性を騙して、辛い人生を送らせるっていう現在のやり方。
金だけという現在のやり方。これを排斥したいですね。

幕末にフランス人で、日本にはいろいろな欠点があるが、この民族だけは地上からなくならないでほしい。なぜならば高貴だからだ。貧乏だけど高貴だからだと言ってるんですね。
人間は金ではありません。したがってそういう道をちゃんと示す必要があると思います。

武田邦彦 ヒバリクラブ
人生(1)「女性の人生 家電後」令和5年1月28日
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2023年02月07日

女性の生き方

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我々人生って考えてるんでしょうかね。考えてるって言やあ、考えてるんですが。
毎日の煩わしさにとらわれますしね。それから、だいたい自分でぼやっと、人生というのを考えてるような気がしておりますが、それはいわば我々が小説とか物語とか、おばあさん、おじいさん、そういう人たちを見て、なんとなく感じている人生っていうのを、そのままぼーっとして送ってると言えないこともないんですね。

それから人生ってやっぱり自分の人生だけじゃなくて、他人の人生も一緒に考えるって事が非常に大切ですね。

お母さん、もちろん子供の人生って考えながら育てるんですが、若い男性だったらわがままでね。自分の人生しか考えてないよ、なんていうのがいるわけですが。

まず第1回は人生ですが。女性の人生は、大きく家庭電化製品によって変わったんです。特に洗濯機ですね。もちろん冷蔵庫もそうで、冷蔵庫がない時代っていうのは、買い物に買い物かごで行かなきゃいけないんですよ。1日2回ぐらい行かなきゃなんないですね。
だって魚とかそういうものを食べようと思ったら、金持ちは魚とかそういうのは魚屋さんが持ってくるってことありますが、庶民は魚屋さんまで買いに行くということが普通でしたね。
魚屋さんでも冷蔵庫に入っておりませんから、氷の中につけてありましたね。
だから赤痢とかチフスなんか多かったんですけどね。

一番、だけど大きいのはやっぱり洗濯機ですよ。
たらいと洗濯板で洗濯して。これがまあ普通ですね。固形石鹸でゴシゴシやるんですよ。こんな力仕事、男がやったらいいじゃないかって、そうはいかないんです。その当時男は、つるはしを振るってたんですよ。つるはしを振るうのはやっぱり男しかできないんですよ、筋肉上。で、つるはしを朝から晩まで男は振るわないと生活ができなかったんですね。生産性が低かったから。
だからどうしても洗濯くらいになると、女性になるんですね。

だけど女性がやると肌がね、あの皮膚が柔らかいので、もうあかぎれで大変でしたね。ガチガチでゴソゴソしてましたね。
中学校ぐらいの女の子でも、洗濯の手伝いさせられましたから、私の記憶では、私の中学校の時の同級生の女の子なんか、冬になると、もう、ひび、あかぎれで手が真っ赤に切れ傷が、あかぎれのね、手だったですね。

それが一気にまあ楽になりました。ですから僕は、この頃男女って言うのはなんか、いがみ合うことがいいように思ってる人が多いんですけど、やっぱり助け合って、褒め合っていくのが本当ですからね。女性の方も少し軟化して、技術者の方ありがとうございました。洗濯機を発明していただいて、我々女性は本当に助かりましたという風に言ってもらいたいですね。

つるはしもそうですね。アクチュエーターとか動力源ができて、男も非常な筋肉労働から解放されたわけですが、まあやっぱり女性が解放された一番大きいのは洗濯機でしょうね。

あんな簡単な、ドラムに衣服を入れて、洗剤を入れて、ガサガサと回すっていうことも、なんでそれまでできなかったのっていったら、やっぱりモーターもなかった、制御もできない、衣服が少し偏った時の修正もできない。いい洗剤もないっていう状態だったんですよ。

技術っていうのは総合的に作るのが非常に大変なですね。
まあとにかく洗濯機というものは、女性の人生にとって、ものすごく神様みたいなもんですよ。ぜひ女性の方で、心ある方は、神棚に洗濯機のおもちゃかなんか乗せて拝んで欲しいですね。
技術者としての私はそう思います。そしたら技術者もやりがいがありますよ。

家電製品を作ったら女性が職場に出てきて、男を怒鳴りつけるということになっちゃったもんですからね。やっぱり男性としても、ちょっとこう、胸に一物あるんですよね。
それがやっぱり悪い結果になりますから。お互いに褒め合うということが大切ですね。

とにかく私の今日言いたいことは、家電後って書きましたけど、本当は電気洗濯機後と書いてもいいぐらいなんですが、女性の生き方が3つになりました。
お母さん、それから職業婦人。ここで職業婦人という少し古い言い方をしたのは、ちょっと理由があります。それから独身女性。いずれも成立するようになったんですね。
それまでは、まず独身女性はいません。なんでいないかったら、やっていけないんですよ。暮らしていけないんですね。男もそらそうなんですが、男もつるはしを振るいながら洗濯するってわけにいかないんでね。男女相協力して人生を送らざるを得ない。
だからお母さんか女中さんか、ちょっと言いにくいんですけれども、まあなんかいかがわしい職業。この3つぐらいしか女性の選択権ってなかったんですね。

家電製品後は、女性はお母さんを選ぶか、職業婦人を選ぶか、それとも独身女性になるか、ですね。
独身女性って、考え方として、非常にいいんですね。それまでは女性は、結婚して、っていうのは当たり前だったんですが、独身でも人生を送ることができる。幸福な人生を、あるいは送ることができる。難しいですけどね。物理的には絶対できますが、寂しいとか、家族がいないとかいうのは、かなり女性にとっては精神的に辛いこともありますんでね。人間は精神の、心の動物だという点では、独身女性、若干の問題は今でもあります。
これは独身女性で幸福であるという状態はどういう状態かっていうことを、かなりよく研究しなきゃいけないと思いますね。

いずれにしても、お母さんと職業婦人と、どっちがいいか。これは難しいんですね。職業男性となぜ言わないのか。これは現在の職業が、男性の職業としてできてるからなんですよ、単に。別に女性と男性と分けてるわけじゃない。区別してるわけじゃないんですね。 現在の職業が、男性でできて、そこ女性が入ってきたということで、女性としては職業するのに具合が悪いわけですね。現在でも、この家電製品が完成し、女性が外で働けるようになった以降も、女性の時給、賃金です、時給が男性の1/2であるということは、何を意味してるかっていうと、それは一つには男性の職場に女性が入ってきたということと、それから子供を産んだり育てたりするハンディがあるって、この2つでですね、1/2になっちゃうわけです。

これは元から悪辣な人がいて、計画的にやったことですから。これよく分かってなきゃいけませんね、女性が。
洗濯機を作った人は純粋に洗濯機作ったんですが、洗濯機を作って女性が職場に入ってきたら、まず男性の職場に入ってくるんだし、だから補助的な仕事しかできないってことですね。
それからハンディがあるから、やっぱりバッテンがつくということで、安い労働力を取るということで、作戦的にやったって意味があるんですね。

ですから政府の女性で、働く女性のことを輝ける女性なんて言ってる人は、胸に一物あるんですよ。こう言って、同じ女だけど騙してやろうっていう気持ちがあるんですね。
それに引っかかった人、ずいぶんいます。
それはね、お母さんで子供を育てるのと、それから職場で補助的な仕事をさせられてね、受付嬢とか、経理のつまらない帳面をつけるとか、記録をするとか、まあそういうもの。
お茶出しっていうのは最初あったんですけど、ペットボトルの普及によって、なくなりましたね。ペットボトルが出てきた時に、なんだこんなもの環境に悪いじゃないかっていうのは、裕福な男性に限ったんですね。
女性としてはペットボトルの出現というのは、非常に良かったです。
私その頃、1990年頃かその頃、ペットボトルの排斥運動が起きた時に、女性の労働を考えれば、お茶のペットボトルなんか、非常にいいもんだって言ったんですけど、皆さん受け入れられなかったですね。

それから缶ビールなんかもそうですね。あの頃缶ビールも排斥しようって運動があったんです。
女性が自由にビールを飲むためには、やっぱりスーパーで缶ビールを買ってきて、それで独身女性がマンションで飲むということができるようになるのが大切で、それまでは重たいビール瓶のケースを酒屋に頼んで、酒屋がその自宅の前に、玄関の前に置いときましたからね。そんなの女性がしたら、あの頃後ろ指を刺される時代でした。
今でも危ないですね。危ないっていうのは、女性のマンションの玄関の前に、毎週毎週、20ケースのビールの瓶なんかが置いてあったら、やっぱり色々言われます。
そういう点では、技術の進歩というのが、自由な女性の職業だとか、それからビールを飲むとか、そういうことを自由にしたということで、本当に立派だと思います。

技術の進歩を評価してください。女性の皆様は。技術はほとんど男性がやりますが、女性のためにも、骨身を惜しまず、女性のための技術をやっておりますからね。そこは理解していただきたいと思います。

いずれにしても今日は第1回なんですが、それではお母さんと職業婦人と独身女性と、一体幸福度はどうなるのか。女性の今後はどういう仕事、どういう人生を送るべきか、3回ぐらいに分けて。年齢もありますからね。お話をして、まあいろいろ女性の方と考えていきたいというふうに思います。

お母さんが女の子、子供を抱いてる。本当に微笑ましいですね。お母さんも女の子供も2人とも、幸福になってほしいと思うんですね。 それには社会、技術、考え方、どういう風にしたらいいか。
輝く女性って嘘をついて、女性を騙して、辛い人生を送らせるっていう現在のやり方。
金だけという現在のやり方。これを排斥したいですね。

幕末にフランス人で、日本にはいろいろな欠点があるが、この民族だけは地上からなくならないでほしい。なぜならば高貴だからだ。貧乏だけど高貴だからだと言ってるんですね。
人間は金ではありません。したがってそういう道をちゃんと示す必要があると思います。

武田邦彦 ヒバリクラブ
人生(1)「女性の人生 家電後」令和5年1月28日
https://youtu.be/pqcFiN5BsWI


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2023年02月06日

学問の自由を奪うのは

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日本では今、学問の自由がほとんどないんですね。
これは姑息な方法で、学問の自由を制限しているんであって、表面上は学問の自由はあるんですよ。大学の先生はどういう研究を選んでもいいということになってますが、しかし現実的には文部省が全部の金を握っておりますので、そのお金を、お前そんな研究するなら出さないよということで、学問の自由が奪われているわけですね。
学問の自由が奪われるって事は、多くの方はご存じないかもしれませんが。

日本の文化、技術、科学、思想、もしかして美術とか芸術も含めて、全部衰退します。
人間っていうのは、自由な心で学問をするんであって、制限された中で、学問っていうのはそんなにできないんですよ。いろんな事情がありましてね。それにはね。
ということで、学問の自由が1990年代に大きく後退したんですね。
それまで研究費をばらまいてた。ばらまいてたわけじゃないんですけども、大学の先生なんかに均等割で渡したりしてました。そうすると、1万人ぐらい大学の先生がいますと、まあ10人ぐらいは非常に変なんですよ。100人ぐらいはまあまあ変なんですね。ですからまあ、人間のやることですからね。100%うまくいくってことないんですよ。

失業率だって2%って言っても2%ぐらいの人は働かなくてもいい、もしくは働きたくないという人はいるんです。ですから、標準的なものを進める時には、あまり例外に気を取られちゃいけないんですね。
ところがこの例外を叩いたのがメディア、マスコミですね。考えてみますと、19世紀ぐらいから。マスコミを作ったということが、人類の退歩っていうか、進歩を妨げたでしょうね。

この場合もそうですが、必ずこういうことになりますと、本当に研究費とはどういうものじゃなくちゃなきゃいけないのか。学問の自由を守るためには、研究費の配分なんかをどう考えなきゃいけないのかなんて議論は、マスコミは一切しないんですね。マスコミはただ大衆が喜ぶことを行動するだけなんですよ。それがしかし現実的には力を持っちゃうんですね。

例えばこの時はどういう報道がなされたかっていうと、日本の大学の先生全部の行状を調べると、中に変な先生がいるんですよ。例えば、この時に問題になったのが、教授室の中に畳の部屋を作りまして、その畳の部屋でお酒をお燗して、飲んでる先生がいたわけですよ。
まあ、いる可能性がありますよね。別に教授室の中は、どうしなきゃいけないってことないんで、あそこに畳を2畳ぐらい敷いて、小さな机置いて、ポットみたいの置いて、お酒をお燗して飲む先生なんかもいますよね。

そういうのだけを10例ぐらい集めてじゃんじゃん報道したり、本を書いたりしたんですよ。
こんな先生がいる。この人たちに国税を渡せるか。いつもこういう話になっちゃうんですね。
人間の劣情に、なんて言うかな、訴えるって言うんですかね。そういうことをやりました。
で、もちろん大学の先生のまあ10%か20%ぐらい、あんまり真剣に研究されてないと思います。それは人間っていうのは、まあそんなものなんですね。
一所懸命に研究する人もいるし。それがまあ、よく262の原理って言うじゃないですか。10人いたら2名がしっかりしてる。6名はまあまあ。2名が脱落と、こういう風になるんですね。

これはサラリーマンの世界であれ、世の中であれ、大学の先生であれ、同じなんですよ。
で、2名が一生懸命やって成果を上げる。6名の先生は可もなく不可もなく。大学の先生らしく真面目な顔をして、行動もほとんど真面目ですよ。大学の先生は。
それから2名ぐらいは、お酒飲んだりなんかしてると。こういうことになるわけですね。

それからまれに、こういう時は大学の先生の不倫なんかもずいぶん騒がれましてね。私なんかのちょっと関係してる東大の先生も、ちょっとした不倫で、どっかの週刊誌でやられましたね。
マスコミっていうのはこういうことになると、もう根掘り葉掘りやりますからね。
大学の先生も何万人もいるんで、その中にはいろんな人がいるんですよね。それを根掘り葉掘りやって、それをあたかも大学の先生の代表のように行動して騒ぐ。
目的はあって。自分が稼ぐお金のために、日本をダメにしないでくれって言うんですね。

ところが大学の先生が、じゃあお金もらわなくて研究したらいいじゃないかってなりますけども、今は論文数がないと、助教授から教授に上がらないんですよ。助教授にもなれないんですね。したがって研究費が途絶えるって事は、助教授のままってことになるんでね。
そこはもう、しょうがないから、心の悪い先生は、今度は偽りの研究計画を作って金をもらう。これこういう偉い先生いっぱい知ってるんですよ、僕ね。まあだけど個人だからちょっと。

それから、その先生が元々そういう研究をされるつもりであったけれども、研究の途中でどうもこれダメだって方向転換することがありますからね。あまり人を非難するっていうのは僕はしたくない。だけどそういうことはいくらでもあった。

アメリカなんかでは少し状態が違って、大学の研究といえども、教授が研究員を雇ってやらせるっていう場合が多いんですね。日本はそんなお金がないんで、学生に研究をやらせる。しかしこれは非常にある意味じゃ良くて、学生もそういう真剣な研究をやるって事によって育ちますんでね。
これも、もう少しじっくりと考えてみなきゃいけない。アメリカの方式がいいか、日本の方式がいいか。
私はアメリカに文部省のいろんな金で3、4回大学の研究とか、大学の教育の調査を行ったことありますが、国民性も違うし就職先も違うし、それから文化とか文明自体の考え方も違うんで、アメリカはこうやってますから日本がこうやるっていうのはあまり良くないんですね。

で、結局そのバラマキじゃなくて、選択と集中とか言い出した。選択と集中とは、誰かが選択しなきゃいけないんですけども、研究の選択をするってことはできないんですよ。
僕もずいぶん長い間、審査っていうのをやってきたんですよね。そういう研究者の審査。私日本で、どの研究が見込みがあるか分かりませんね。見込みがある研究が分かるんだったらすぐノーベル賞が取れるんですよ。簡単に言えば。
研究は見込みがないんですよ。勘とか運。それが支配するわけで。こうやったらこうなるなんてことが最初から分かるんだったら。研究っていうのは自分の頭にないものを作っていくわけですから。

ですからいつも話をするんですが。飛行機が空を飛ぶかどうかってことについて。
飛行機を飛ばしたのはライト兄弟なんですが、その10年ぐらい前というか5年ぐらい前だと思うんですけ、ケルビンっていう非常に有名な学者が、空気より重たいものが空を飛ぶはずはないと。例外的に風船みたいのがあるだけで、必ずしも一般論ではないんだと。だから大量輸送手段なんかとてもそういうものはできないんだって言った5年か10年後に、ライト兄弟が飛行機を飛ばす。
これは技術ですけど、これのもっと分かんない奴が学問なわけですよ。だから学問を審査するっていう自体がもう間違ってるんです。
やれるとしたら、ある程度お金を均等に分けて、それで皆さんに研究をやっていただいて、芽が出てきたらそこで見るっていうのはできるんですね。
それは目が出てきたらってことなんで、大学の研究っていうか、もうそれは企業に任せといて、大学の研究をできるだけオープンにしといてね。今でもオープンになってますよ。学会で発表されますしね。論文は出ますから。そういう状態でオープンにしておいて、その大学の研究を企業の方がご覧になって、そしてこれは有望だなと思ったらそれを企業がやるっていうのが正しいんですね。

1990年というか1970年ぐらいまではそうだったんですよ。その方法が一番良かったんですが。アメリカが評価方式なんです。アメリカは文部省がないんで。
まあそういうことも必要かもしれないんですが、アメリカが評価方式なんで、研究評価っていうのはですね、それそういう専門家みたいのが投資をして、また悪さをしたわけですね。本当に汚い世界。しかしその問題は、それによって学問の自由がなくなった。ものすごく簡単に言うと、日本には本当の先生がいなくなっちゃったんですよ。

それからもっとひどいのもありました。大学は文化系を全部やめろなんてですね。文化系は何の役に立つんだ。あなたはね、人間というのは、お金だけで生きてるんですかって言いたくなっちゃうんですね。その当時お金さえあればいいっていう、そういうのが日本で本格的になってきたわけですね、1990年ぐらいから。だから日本はお金を失ったんですけどね、逆に。
それで景気が悪くなり、消費税なんかをお役所が取るようになって。お役所っていうのは、普通には一般の人よりかビジネス能力ないですからね。だからどんどんどんどん日本は損失していくと。今そういうことになるわけですね。 もう一つの問題は、こういったお金によって実質的な学問の自由を奪うという、非常に姑息な方法によって憲法の保障する自由を奪ってるわけですね。
まあこういうことに対してもちろん、その現況になったのがマスコミですから、マスコミはそういうことに対して批判をしない。

武田邦彦 ヒバリクラブ
日本と科学(27)「憲法無視 学問の自由(日本が低落する一原因)」令和5年1月27日
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2023年02月05日

豚肉を食べるという事

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この頃、牛のゲップがどうのこうのっていう超くだらない、ちょっとでも計算したら、全くよく分かるという、そういう温暖化の、まあ宗教みたいな話がありましてね。その話の関連で、私に質問がありましてね。
合成牛の肉っていうのは健康にどうなんでしょうかという質問がありましたので、久しぶりに20年ぐらい前の、大学でのいろんな学生との話を思い出しましてね。

学生に出した課題は同じようなものだった。人工肉。豚肉を人工肉で作るのはいいのかっていう問題と、豚と人間と比べたらどっちが偉いんだっていう。これは学生に、こういうことを考えさせることによって、非常に浅はかな議論を先日このひばりクラブでやりましたけども、命を食べ過ぎて太ってダイエットするとか、命の取り方を多くしようとして、低カロリー食なんていう、こういったまあいわゆる錯覚ですね、こういうような人間になってはいけないので、教育課程でいろんな科学技術に関するいろんな話題が出た時に、そういう課題を学生に出して考えさせる。これは解答があるわけじゃないんですね。

学生が各々、先生が出した課題、人工豚肉、この時は人工豚肉を作るための遺伝子の操作をちょっと教えたものですから。それに関する質問と、それから豚と人間とどっちが偉いんだっていう、とんでもないような質問を、2つ投げかけました。
学生は頭が柔らかいもんですから、そのくらいの質問を容易に応じることができるんでありますけども。

ある学生が描いた絵なんですけども、なかなかよくできてるんで、その時とっておいたわけですね。
自然の力で豚を育てる。これは自然の力だ。学生が描いた表現ですね。それをこう殺害する。そしていただきますと言って食べる。豚は人間と同じ生物であるが、自由に生きる権利を剥奪され、殺される。肉としては味も形も制限があり、無駄が多い。頭の部分は食べられない、腸は捨てるとか、そういうこと言ってるわけですね。皮も食べれないということで、将来の食料不足に対応できないんじゃないかと書いてますね。

それから、科学の力で豚肉を作る。この豚肉は、僕は四角い豚っていって、これはまあハムみたいな形になっておりますが、そこのところに遺伝子調整して、栄養を入れて、豚肉製造機の中に豚肉を締めておくと、豚肉が朝出てくるっていうわけですね。
僕は直接言ったのは四角い豚っていう肉だけですね。腸もない、頭もない、足もないという、皮もないっていう豚を遺伝子的に作って、それを台所に置いとくわけですね。
原料をちょぶちょぶとこう供給してると、それが豚肉になって、それを朝主婦が切って、ジャーっと焼いて出すと。そういうやつはどうかと。こういう風な設問なんですね。

これについて学生は、バイオテクノロジーで豚肉を作ることで、豚を殺さずに済むと。また味も形も自由自在で無駄がないと、こう書いて、いただきます。将来の食糧不足に対応できると、こういうタイトルがついてます。

実は、ここのところにいろんな倫理問題というのがあるんですね。科学と倫理問題っていうのがたくさんあるんです。
実は我々はもう進化が非常に進みまして、例えば我々は米粒を食べるんですけども、それは稲がですね、空気中のCO2と太陽の光と水で光合成をして炭素を作りますね。で、この炭素を我々が食べるわけですね。炭化水素って言ってもいいし、最近の言い方では糖質って言ってもいいんですけど、そういうものを作る。それによって我々は活動するカロリーを得る。まあこういうことになるわけですね。
ですから我々はどうしても、稲の米粒を食べたりしなきゃいけません。米粒の場合は、稲が人間のために米粒を作ってくれてるので、命を取るというわけじゃなくて、その前に稲は死んでますけどね。 だけどもその意味では米粒を食べるっていうのは豚肉食べるとか、サラダを食べるなんていうよりかは、命を削ることはないんで、まあいいわけですね。

しかしこの人間に米粒を与えるために稲は、本来は来年の2月まで生きていけるのに、9月か10月には枯れてしまうんですね。自分が作った栄養を、まあ半分は人間にあげるという、そういう人間の共生生物が稲なんですけども、そういったことになるわけですね。

ですから我々はいつかその遺伝子工学を利用して、動物を殺さずに任意の肉とか野菜を食べることができれば、これは何て言いますかね、命をいただかなくて、人間が暮らしていけるということになるかもしれませんね。
その場合、命を殺しませんから、自然界で生きていけるだけの命しかできないので、これがいいのかどうか、もう一段深く考えなければいけません。

学生の場合はこのくらいで非常にいいと思いますけども、我々社会人がもう一個考えるという時は、果たして人間が動物の命、植物の命をいただかない場合に、自然界っていうのはどういう命の分布になり、それは自然の摂理の方向に向いてるのかというような難しい哲学問題にも取り組まなきゃいけないわけですが、まあとりあえず今日は合成した肉とか合成した野菜というものが、もし動植物の命に関係なく我々が食べることができて、それが我々の命を支えるということになれば、地球が始まって初めて、命をいただかなくても生きる動物というのが発生するということになるんで、これは人間の知恵の使い方としては、あるいは正しいかもしれません。まだ分かりませんけどね。こういったことを考えてみるということは、大切です。

それから豚と人間がどっちで偉いんだっていうのは、私がちょっと学生にはヒントを与えてるわけですね。
君たちは豚と同じくなれるかと、こう言ってるわけですね。誰か友達がちょっと、今日肉がどうしても食べたいから君の左腕をくれよと言ったら、はいってあげられるかと。
豚肉はいつも売っててパッと買えるけども、やっぱり豚肉はどっかで殺されてるんだよと。その時にお母さんは子供が殺されたら悲しい思いをするんじゃないのって、こういう風に言ってるわけですね。
ですから人工的なものは自分の体に悪いから、他のものは殺さなくていいということなんで、一番最初に言いました方のご質問にはですね、何とも言えませんね、と。

我々がバイオテクノロジーで作って、命を奪わない食べ物を食べられる方がいいのか、それとも牛を屠殺して、やっぱ屠殺される時の牛はあるいは痛いかもしれないし、苦しいかもしれないんですよね。
我々が死を恐れるように、牛も豚も死を恐れるかもしれない。それは分からないんですね。どのくらい恐れてるかっていうのは分かりませんが、普通に考えると、我々は自分が死ぬのが嫌だとか言ってるわけですけども、そしたら豚も牛も死ぬのは嫌かもしれません。

我々は健康に注意し天寿を全うして死ぬということがあるいはできるんですが、牛や豚は人間のために殺されるわけですよね。牛や豚ばかりじゃありません。最近また環境にいいとか言って、昆虫食とか言ってるけども、まぁ昆虫だったら何万匹も殺さなきゃいけませんよね。本当にそういう風な考え方、非常にこの短絡的な考え方が正しいのかということはですね、特に科学を志すものとしては、僕は必要だと思うんですね。
一般の人はそこまで深く考えると、レストランに行ってステーキを食べるのにちょっとこう躊躇しますからね。そこまで普段は考えないで、もうちょっとアホでいいんですけど、我々技術者の集団としては、やはり考える。そういったことが引いて言えば、原爆の製造とか、使用っていったことに対して、科学者がどのくらいの責任があるかということを考えるきっかけになるわけですね。

私は実は自分自身が肉を人に提供できないし、命も捧げられないし、まあ考えてみれば人間が万物の霊長なんて言ってるけども、そんなに偉いもんじゃないじゃないかなというふうにいつも思っております。

武田邦彦 ヒバリクラブ
日本と科学(26)「豚より偉い人はいるか?」令和5年1月26日
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