2023年02月12日
寿命の伸びによる生き方の違い
「高齢者 歴史的人生」ということで、今は高齢化時代とか言いまして、何か高齢化が悪いことのように言う人もいるんですが、もちろんそんなことありません。
人間が300年も400年も生きるということになると、いろんな問題が起きると思いますが、寿命が80歳を超えるって事は非常にいいことですね。
人生、人間の命っていうのは、どのくらいのものだったか、ここでちょっと見てみます。平均寿命の変遷というのは、これは私がある本に出したものですが、ネアンデルタール人の時は18歳ぐらい。これは何で分かるかって言いますと、ネアンデルタール人になって、人が亡くなった時、それを墓に埋葬する習慣ができてきたんですね。その墓を見てみると骨が出てきますから、それでだいたい年齢が推定できる。これが18歳くらいですね。
次に例えばギリシャ・ローマ時代。大体今から2,500年から2,000年ぐらい前っていうのは、25歳ぐらい。平均寿命が25歳ですから、幼児の時にお亡くなりになる人多かったですので、まあまあ順調に生きてきたら30歳ぐらいだったでしょう。だけどそれにしても、産まれて30ぐらいで亡くなるってことになりますと、子供を産んですぐってことになりますので、ずいぶん今と人生に対する見方も違いますし、人生で活動できることも随分違ってたでしょうね。残念な人生を送った人も、非常に多かったと思いますね。
それからずいぶん時代が経ちまして、大英帝国時代。このデータですと、41歳ちょっとですね。近代とか文明が発達したとか言っても、50歳だと、まあかなり体が痛んでるというような状態だったってことも事実なんですね。
それから見ますと、現在の日本人の寿命は、だいたい男女平均したら85歳ぐらいになるんですが、そんな風な人生になったんで、我々も、もう随分なんかやったから、これでいいなと思うぐらいになったということですね。
これをもう少し短期的に見ますと、だいたい明治の維新っていうと平均寿命としては38歳ぐらいですね。戦争もあったり、いろいろ動乱の時期っていうのは、それなりにいろいろ考えなきゃいけないので、普通ですと1920年頃、だいたい40歳は少し超えた頃。このくらいを取るのが普通なんです。それはどうしてかって言いますと、日露戦争がありましたね。これが非常に大きかったわけです。1904年から5年ですね。それから次に大きな戦争は、第二次世界大戦、大東亜戦争です。これが1941年、戦争が始まったのですね。
ですから日露戦争と大東亜戦争の間ぐらいを取れば戦争のない時代になりますので、今と比較がしやすいということで、1920年頃の寿命を取るのが普通なんですね。
私がいつも自分で統計して取ってた数字は、男女とも1920年の日本人の平均寿命は43歳でした。
女性の方は、子供を5、6人産みまして、洗濯、掃除、ご飯作り、一所懸命やりましたんで、子供を産むこともあり、環境も悪かったんですよ。瞬間湯沸かし器はないので、どんなに冷たい水ででも、洗濯しなきゃならないから、手はもう冬にはあかぎれで、ザクロのようになってたわけですね。
トイレももちろん水洗トイレじゃありませんし、お風呂っていうのは銭湯に行くわけですから、大変な努力をして生きてたわけですね。
ですから当然40歳少し超えますとね、体ボロボロになってくるというのが普通なわけです。
男性も同じですね。女性だけがひどい目にってわけじゃなくて、男性もクワとかツルハシを持って、朝早くから凍てつく大地を耕したりしてたわけです。ヘトヘトになるまで働かないと、なかなか一家を支えることができないというのが、男の方の現状でもありました。したがって筋肉ボロボロで、45歳から50歳ぐらいで命を落とした。こういうことになるわけですね。
それが戦争があって、平和な時代が来ましてね。1947年に50歳を超えて、だいたい2000年に80歳を超えたんですが、それから現在では85歳ぐらいということになりまして、高齢者も非常に増えてきたわけです。
もちろん高齢者が増えるって事は、それなりの問題が起きますよ。例えば高齢者がボソボソ歩いてるから鬱陶しいというようなひどいこと言う人もいるし、それまではもう急速に、病気になったらすぐ死ぬという状態でしたから医療、大した事なかったんですが、高齢者が存在するってことは、病気がちの人が多くなるって事でもありますので、病院も繁盛するって言うか、医療関係も重要になります。
そういったいろんな問題が起きますとともに、例えば社会情勢も変わって、高齢者が増えたんだから家庭に老人が多くなると考えられますが、老人が多くなりますと、今度はそれが若い人から見たら鬱陶しいってことになりまして、家庭はお父さん、お母さん、子供2人で家庭を作る。おじいさん、おばあさんは別に生きてくださいと、こういうことになる。
そうなると、元気なうちはいいんですけども、年取ってくると、老人ホームとかそういったところに収容せざるを得ないという新しい問題も出てくる。
ということで、ずいぶん社会も変わって参りました。
社会の変化っていうのは、いいとか悪いとかあんまり言ってないんですね。
少子高齢化時代とか言いますけども、人間っていうのは非常によくできた生物で、人口が多いとやはりそれを下げようとします。
例えば戦争がある時には産まれる人の数が増え気味になりますし、少し人数が多くなり過ぎると、今度は少し子供を産むのを控えるという風になります。
最近のニュースでは、あれほど一人っ子政策、とにかく生まれる人間の数を減らさなきゃいけないということで、強引にやりましたね、中国。その中国では男の子と女の子が生まれると、男の子が跡取りになりやすいということで、女の子を間引くという、非常に悲惨なことも多く行われました。
こういった問題は、本来は政治があまり強く打ち出す問題じゃなくて、やはり一人一人の国民の、自由な意思で子供を産むか産まないか決める。それはまた私の生物学的知識によれば、全体の調和を取れて発達するものなんですね。私なんかが見てるデータですと、女性の数がうんと増えて、増え過ぎますと、女性は一人当たりに産む数が自動的に少なくなります。これは人口がその国の穀物の生産量とか、それから元々人間がどのくらい住むかということが過剰になりますと、女性の一人当たりの産む数が自動的に減ってきてますし、それから戦争とか危機が訪れて、人間の数がかなり必要だという風になりますと、女性の方が人間を産む数が増えますね。
したがってむしろ私は、他の人とちょっと判断が違うんですが、子供を産めとか、子供を産むだとかいうことを、あまり政府が口出すのではなくて、むしろ政府の役割というのは、例えば日本ですと、将来日本をどういう国にしたいかっていうかね、なるか。ていうようなことを、よく考えるって事が必要じゃないかと思います。
その意味では、現在の日本の人口1億2,500万っていうのは、日本の国の面積37万平方キロメートルから言えば、世界的には、飛び抜けて先進国では人口密度が高いんですね。
例えば例を挙げますと、スウェーデンなんかいい国だ、いい国だってみんな言いますけど、スウェーデンと日本と比べますと、人口密度はスウェーデンに対して日本が18倍ですから、ちょっと高すぎるんですね。
類似の国のドイツとかフランスとかから見ても、やはり4倍ぐらい多いという感じがするんですね。
したがっておそらくは戦争が終わりまして、日本もある程度の経済成長を遂げますと、やはり現在の1億2,500万から人口は少しずつ少しずつ減って、4,000万人ぐらいに近づいていくように、生物としての人間が自動的に調整すると思います。
今までみたいに50歳、60歳で亡くなる人が少なくなりますから、その意味でいわゆる人口ピラミッドという人口分布も変わってきますし、これが同じように女性が子供を産んだらですね、日本人の人口は減らないってことになります。
適切な人口が4,000万とか6,000万だとしますと、現在のように子供を産め、子供を産めって言ってる政策は、ちょっとおかしいですね。
年金が足りないから、そういうことで一国の人口が決まるわけではないということを、我々はもう少し知恵を持って目前のお金だとか、そういうことだけを考えて政策を決めるという現在の自民党政治とか、知識人の言うことは、かなり疑って考えなきゃいけないんじゃないかと、私はそう思っております。
武田邦彦 ヒバリクラブ
人生(5)「高齢者 歴史的人生」令和5年2月1日
https://youtu.be/Lj8z166VC-k
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