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2023年02月11日

子供の教育に大切なこと 成績、受験勉強は不要

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成績付けるのは不要じゃないか。
これね、私、デタラメに大学受験いらないとか、子供には子供の好きなことをやるのが一番いいとか、そういうことを自分の勘だけで言ってるわけじゃないんですよ。
私は科学者なんで、学者ですから。学者っていうのは自分の思いじゃダメで、やっぱり事実に基づいて自分の意見を作るっていうのが、私の考え方なんですね。
それが本当に大切かは別にして、特に他人に影響になるようなことを発言するときは、自分の考えとか思いだけじゃダメだというのがあるんですね。

私は、会社の技術者から大学に移りました。その前にも、随分大学の非常勤講師だとか、学会なんかでやってましたから、やや教育的な分野にはいましたけども、専任の大学教授となってからは、まず一番何に悩んだかっていったら、成績の付け方だったんですよ。要するに、成績って何のため付けるのかなと、最初考えたわけですね。

もちろん普通に考えたら、良くできるのが成績がいいというふうに、まあ考えますね。ですけど僕は、もちろんそれはそれでいいと。別にそれが間違ってるっていうじゃなくて。
例えば野球で、ピッチャーがいる。それで最初から140キロぐらい投げれる人と、最初は110キロぐらいしか投げられないというのと、それから女性なんかですと、80キロぐらいしか投げられないかもしれませんね。その80キロと110キロと、最初から140キロの3人を僕が教えたとします。投げ方とか、フォームとか、筋肉トレーニングとか。
そうした結果、1年間教えたら、80キロの子は20キロ上がって100キロに、110キロの子は10キロ上がって120キロ、最初から140キロ投げてる子は2キロ上がって142キロになった。こうしましょうか。
そうすると、教育っていうのは一体何だろうかと。教育は優劣をつけるもんじゃないと思うんですよね。本人のために教育するわけですから。だから最初から80キロの女子学生が100キロになったら、もう大したもんじゃないですか。最初から110キロしか投げられない男子学生が120キロだった。これもまあ立派ですよね。10キロ伸びた。
最初から140キロ投げられる、元々才能のある子は2キロしか伸びなかった。142キロになった。そうすると、私の価値っていうか、私が教えた価値と言ってもいいし、習った学生がこの1年で取得したものっていうのはその一番遅かった女子学生が一番大きいんですね。
それから男子学生で少し球ののろい子、それから元々速い子は、あまり進歩しなかった。
そうすると、教育を受けた成果としては、女子学生が優で、110キロの男子学生が良で、140キロの学生は2キロしか伸びなかったら可か。こういうふうに思いますね。
ところが速い球を投げるのがいいとすると、最初から140キロの子は、最初から優ですよ。110キロが良で、女子学生は可と、こうなりますね。

で、どういう考え方で成績をつけるべきかと。それで大学には立派な図書館がありましたので、その図書館で、成績のつけ方っていう本をまず読もうと。要するに私のひとりよがりじゃなくて、やっぱり長い間いろんな教育をしてきた方の知識とか考え方を学ぼうと思って、図書室に行きましたら、小学校とか中学校では若干1、2冊あったような気がするんですよ。大学の成績の付け方なんて全然ないんですよ。

ヨーロッパとかアメリカの中にも、少しそれに似通ったったのはあるけど、ないんですよね。
これだけ多くの先生が、これだけ毎回毎回成績付けてんのに、成績をつける考え方ってのがないっていうのには、もう非常にびっくりしたんですね。
とりあえず自分は先生として新人だから、普通の付け方をしようと思って、それで僕は物理ですからね、普通最初は物理、黒板に3問書いて、その3問を答えさせて、できた子から良い成績付けていくっていうやり方だったんですけども、それでちょっと満足できなくて、自分が教えたことは4問、教えなくてその関連の知識ですね、少し難しいやつ。これを1問出したら、60人ぐらいの教室で3人か4人は、5問全部答えてくる。つまり教えてないことも答えてくるんですね。
ところがやっぱりこういう問題を出しますと、みんなの批判が来て。先生教えてもらえないこと問題出すなんておかしいってやつがいるわけですよ。
そこで僕が、いやいや君、大学に勉強に来たんだろう、物理の。僕はそのアシストをしてるだけで、僕の教えたことだけは覚えればいいっちゅうわけじゃなくて、あなたが大学に入って学びたいと思うことはあなたが学んでるはずだから、多分そういうもんだろうなと思って出してるんだと。できてる子もいるよ。というふうに僕は言うと。
で、そういうこともいろいろやったんですが、結局僕は満足できなかった。つまり一所懸命努力して、物理がほとんどポンコツだった学生が、優秀になったらやっぱりいい点数あげたいんですけど、元々優秀な奴もいるんでね。で、まあどうしよう、どうしようと思って過ごしてるうちに、ある時に、全く違う方法でやろうと思いましてね。

黒板に5問書いて、白紙のA4のペーパーをみんなに渡して。最初B4だったかな。
それで、この5問のうち何でも好きな問題を選んで、1問でも2問でも選んで回答しなさい。中身は一応ざっとは目通すけども、基本的には、長さだけで決めます。
学生が最初の年は、わーって言いましたね。長さだけだよ。だいたい物理だから答えはっきりしてるんですけど、答えが違ってても全然そんな関係ないと言って、やったんですよ。これはもう、すぐ学内では有名になってですね。武田先生の講義は試験がないと。試験がないっていうか、長さだけですからね。本当に長さだけなんです。A4の紙って29cm4mmなんです、長さ(注:正確には長辺29cm7mm)。半分まで書けば50点。まあだけど大学だから60点が合格点ですから、半分以上書かなきゃいけないですね。

この試験に変えたわけですよ。10年以上やりましたかね、こういう試験を。
そしたらどういうことが起こったか。前の、内容を見て、○×をつけてた時代よりか、長さだけの時代にした方が、中身がいいんですよ。つまり試験のために勉強したんじゃないんですね。
多分学生は人生で初めて、試験のためではない。もちろん僕は教育ですからね。あの授業の途中に。いやまあとにかくこの講義の試験は長さだけだから。内容はどうでもいいよ、と。だけどあなた方はせっかく大学入って授業料を払って、人生の時間使って物理の勉強するなら、この機会に勉強しちゃった方がいいんじゃないの、というようなことは言うんですね。
学生は純情ですから、そうかなと思う学生がいるわけですよ。

いずれにしても僕は非常にびっくりしたのは、点数をつけてる時よりか、長さだけの時の方が成績がいいってことなんですよ。実態的な成績が。驚いたですね。で、やっぱり人間は、強制されてやるのが嫌なんだろうなと思いましたね。
もういいよ。どうせ大学入って授業料払ってんだから。もう勉強するしないは君の気持ちだから、って言うと。僕の教えてることを、この際学ばなきゃいけないんじゃないかと思ったんだと思います、僕は。そう解釈しました。
いずれにしても教育成果はグッと上がりました。

もう一つやったのは、これはちょっとかなり非情的な方法なんですが、もうどう見てもこの学生落ちるなっていう学生がいるので、だいたい100人いますと、5人ぐらいいるんですよ。半期っていうか半年でね。
で、それを貼り出して、その学生は次の時来なさいと言うと来るんですね。で、講義が終わった後、教壇の横に並ばせて。君たちはどうせ落ちる、と。落ちるから、落ちるとまた来年必須科目だったから、来年また受けるの面倒くさいから、どうせ勉強しないんだからね、半年間も勉強しようとしないやつが来年になったら勉強するなんてことありえないから、好きな点数言ったら僕は書くからって言ってね、閻魔帳を出しましてね。はいって言って。
はい君、何点欲しいの?何でもいいんだよ。点数言ったら。85点でも65点でもいいよ。言うとね、これはね、皆さんびっくりすると思いますけどね。私はまあ割合偏差値が高いっていうか、そういうこと言いたくないけど、まあいい大学と偏差値の悪い大学。それから美術系大学。4大学教えてたわけですね。そしたら、成績のいい子のいる大学も、全然遊び歩いてるような大学の学生も、合計で100人ぐらいいましたかね、もっといたかもしれないですね。1人もね、点数くれって言わないんですよ。人間ですね。プライドが許さないんですね。
レポート出させてくださいっていうのは多いんですよ。でね、僕は言うんです。君みたいに、サボりがね。レポート出させてくださいったって、どうせ出しゃしないだろうから、面倒くさいから今言ったら、75とか書くよって。
そんなのはもしかしたら教育なんとか法に違反するかなと思ったりして、まあいいだろうと思ってやってたらね。ついに私が退職するまで1人も点数をくれと言った学生がいませんでしたよ。一人もいないんですよ。どうせサボりの学生なんですよ。講義にも出てこなかったり、いい加減だったり。そういう学生なんだから。それでもやっぱりね、点数くださいってのには抵抗があるんですね。それで結局一人も出てこなかった。

つまり僕は、長さの点数もそうですし、その点数あげるからって一人も言わなかったっていうのもそうなんですが、今の教育は、子供を信用してないですよ。サボるとか、受験がなければ勉強しないとか。
それはね嫌いなことばかりやらせるからなんですよ。自分の意志に反することをやらせるからサボりたい。それは僕ら大人でもそうですね。だから私は成績不要、受験不要。やっぱり子供のために教育するっていう、そういう精神が、教師には絶対必要だっていう確信を得ました。
私が言ってることはちゃんとしたそういう実績と実験を伴って。それで私は結論として、やはり教育は本人のためと思って僕らがやんなきゃ。教師がやらなきゃ。学生を信じなきゃいけない。子供を信じなければいけない。そしたら伸びる。しかも立派な人間になるだろうという確信を得たわけです。

ずいぶん長い間、30年近く、非常勤講師の間を入れると、もっと長く教育に携わりましたけど、私は今の教育者、教育行政って全く間違ってるというふうに思いますね。
私が正しいと分かりませんから大いにこの議論をして、そして今の教育を少しずつでも改善できればと思っています。

武田邦彦 ヒバリクラブ
人生(4)「子供 成績不要」令和5年1月31日
https://youtu.be/Bmwepar4Hm8


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