2018年04月14日
覇穹封神演義 12話感想 綺麗な作画で普賢真人のキャラをじっくり描いた良回
12話 ニューロマンティック
12話配信(Abemaビデオ)あらすじ
金鰲島の内部を探索する太公望たちは十天君の一人・袁天君の寒氷陣に入り込む。氷を操る袁天君に対し、普賢真人は元素を操る宝貝・太極符印をもって圧倒する。
普賢真人は話し合いでの解決を臨むが袁天君は受け入れず、太極符印の爆発により封神される。
感想
「たとえそれが仙人界すら無くすことになったとしても、わしに出来るのだろうか」
アバンはおそらく序盤に妲己に破れた際の様子。後述するが今回はちゃんと本編の内容にリンクしているので久々に効果的なアバンであったと思う。
このカット、やたら写実的な背景に対してメルヘンな外見の袁天君のコントラストが強い。
毛玉こと袁天君のCVは福島潤さん。孫天君(松岡禎丞さん)・董天君(間島淳司さん)に続いてほぼ一話限りの登場である十天君に豪華な布陣である。袁天君の印象的なセリフ「ありおりはべり」とはラ行変格活用をする動詞全4種のうちの3つで、4つ目の「いまそかり」と合わせて古典で覚えるものらしい…と僕はたった今ググって知ったのだが、潤さんはちゃんと「有り・居り・侍り」と区切って発音している。さすが。
背景は毎回美しいが、今回はキャラクターの作画も大変良かったように思う。業界で活躍されているフォロワーさんいわく「ゆるキャン△が終わったから余裕が出来たのでは?」だそうだがなるほどそういうものか。
スープーが氷を避けるシーンもぐりぐり動いていた印象。これまでだったらこういうシーンも原作カットをちょっと動かすだけだったような気もする。
太極符印の表現もサイバー感があって男子心をくすぐるカッコよさ。元素を操る宝貝ということは、科学現象を司る敵には負けようがない強アイテムでは。袁天君は相性が悪かったと言う他ない。
約20年前の作品であることを感じるカット。崑崙の文明が遅れている演出だろうか。連載当時は携帯電話が普及して3〜5年くらいだったような気がする。
策士のくせに、味方の戦いを応援する側に回ると知能が一般人レベルになる太公望。メタ的に言うと驚き役になるからだが、意外と軍略・政治等の彼の専門分野以外はそんなに詳しくないのかもしれない。
「分かりあえないって悲しいことだね」
封神される魂魄をバックに悲しいといいつつ笑顔の普賢、という美しいけど普賢の恐ろしさも感じさせるカット。実際なかなかいい性格をしているので二次創作では腹黒キャラにされることも多いらしいが、袁天君に見せた涙は彼の優しさが本物である証であり、その上で使命のためには優しさの優先順位を下げることができる性格であることを示しているように思う。今後の彼の行動も一貫している。
これは優しさが勝ってしまう太公望と対照的な性質であり、ここで前述した今回のアバンタイトルが本編にリンクしていることがわかる。普賢真人が太公望を補う存在であることを強く表している。仙界大戦は2大勢力の激突展開なだけあって太公望-聞仲・王天君-楊ゼンなどキャラクターの対比表現が顕著なシリーズである。
今回は作画も演出もよく、話も綺麗に原作通りだった。袁天君戦はストーリー的にスタンドアロンというか、新キャラVS新キャラでこれ以前の展開とさほど連続していないのが(覇穹のマズい部分に抵触しないので)よい結果に繋がったのかもしれない。
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