2018年03月12日
覇穹封神演義 8話感想 王天君の正体を先出ししたことによる影響が大きい
8話 十絶陣の戦い
8話配信(Abemaビデオ)
あらすじ
半妖態となり張天君を破った楊ゼンは金鰲島のバリアを解除に向かう。張天君への変化を王天君に見破られるも、彼は楊ゼンを討とうとはせず過去を語る。
楊ゼンは通天教主の息子であり、崑崙との不可侵のため王天君と人質交換された経緯があった。
楊ゼンは玉鼎真人らに大切に育てられたが、王天君は心を壊され妲己の手駒となった。
一方、崑崙は通天砲の発射を目前に進退を選択させられるが、太公望は楊ゼンを信じ前進させる。
感想
アバンでは妲己(狐)の魂魄が妲己(人間)の肉体を乗っ取る部分を描写している。そんな、声まで変わって……ない。おそらく日笠さん。時系列的には仙界大戦の描写ではないが、今回明かされる王天君の正体と妲己を結びつける演出の一貫のようだ。(王天君を手駒にしたのはもっと昔のはずだが……。)口紅を引く行為で妲己の支配下になった事を象徴させているのはなかなか艷やかである。あと、妖怪仙人の実例描写が少ないのでそれを補完する意図もあるかもしれない。
全体的に尺の余裕を感じるテンポ。1話すべてを「果たして楊ゼンのバリア解除が間に合うのか」という展開で一貫して激突の引きで終わらせたのは分かりやすくまとまっていると思う。BGMも緊迫感があるもので雰囲気が出ていた。
「ひとつダセェ昔話をしてやる。捨てられた二人の子供の話だよ」
王天君の正体が明かされるのは原作ではもっと後である。とりあえずこの場の影響として、一刻を争うときに(それを強調する演出にもなっているのに)悠長に昔話に付き合う楊ゼン、という状況になってしまっている。まあ創作物ではよくあることだし、戦うとおそらく負ける状況なので聞くしかないのかもしれないが。
原作における王天君はここで「何故か楊ゼンを見逃す」だけなのだが、アニメでこうなったことにより少なくとも「王天君の謎で話を引っ張る期待感」と「正体が判明したときのカタルシス」の2つの効果を失ってしまっている。彼の詳しい目的・能力はまだ判明していないとはいえ、今後の展開次第ではもっと歪みが大きくなる可能性もある。
反面、得た効果も2つある。@楊ゼン-王天君両者の対比と、A両陣営司令との関係の対比である。Aは太公望-楊ゼン間には強い信頼関係があるが、聞仲-王天君間は利用しあっているだけというもの。@は原作でも後々に描写があるが、Aは@が早めに表現された結果のアニメオリジナル効果と言えるのでは。尺調整の意味もあるかもしれないが、良し悪しはさておき原作再現より脚本家の作家性が優先された部分と言えるだろう。
「楊ゼン、お主は出会った時から一度たりとも変わらず、信頼できる友だ」
アニメオリジナルのセリフ。原作では太公望と楊ゼンは魔家四将・呂岳・趙公明戦を経て信頼と友情を育てているのだが、アニメは積み重ねがほとんどない状態なので補完としてこのセリフを入れたのだろう。が、逆に白々しくなってしまっていることは否めない。
「死ね死ね死ね死ねみんな死ね゛ェ゛ェ゛ェ゛ェ゛ーーーッ」
「ハハッ…ハッウゥーハハッ アーッハハハハァ〜〜ーーッ↑↑」
王天君役、岡本信彦さんの怪演が素晴らしい。この狂気の笑い声はとある〜シリーズが好きな自分としては実家のような安心感。一方通行役から10年になるのでベテランの年齢かと思ったらまだ31歳というのが驚き。
「あいつこそが俺の求めていたものだったんだ」
以下、初見の人はネタバレ注意。王天君の正体が早々に明かされたと先述したが、実は王天君にはもう一つ秘密がある。1つ目の謎は楊ゼン、もう1つは太公望との関係性にある。これは仙界大戦より後に明かされることなのだが、どうやらこのエピソードもやるようだ。
王天君の服がBパートまでと変わっているので、おそらくお得意の時系列操作で未来の描写をCパートに持ってきたものと思われる。ただこれまでの構成の拙さを思うと「服装を変えることによって時系列操作を示唆した伏線」なのか、いつもの「改変した辻褄を合わせ忘れたミス」なのか判別がつきかねるところ。
蝉玉!蝉玉(人形)じゃないか!土行孫と共に消されたはずでは…?!まあ先週の方弼&方相のように人形としてだけの登場だと思うが、唐突に仲間として出てくる可能性もないとは言えない。なんせ周公旦や竜吉公主がさも既存キャラのように登場した実績があるので来週まで油断できない。
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